IF日本国召喚〜日の丸の選択〜   作:ゆきかぜ 大和

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第1章 日本の設定

1-1 歴史の分岐点──ミッドウェー海戦

現実の日本との最大の違いは、1942年6月のミッドウェー海戦の結果にある。現実では日本海軍が壊滅的敗北を喫したが、この世界では「痛み分け」に終わった。米海軍も空母ヨークタウン・ホーネットを失い、日本側もほぼ同数の損害。制海権が決しないまま太平洋戦争は膠着状態へと移行した。

年代

出来事

1942年後半

太平洋は消耗戦へ移行。双方とも決定的攻勢に出られない

1943年

ガダルカナルは日米双方が撤退し無人島化。前線が固定される

1945年8月

広島への原爆投下は発生。しかし日本は即時降伏せず、ドイツと連携して講和交渉へ

1946年2月

日独連合講和条約(ジュネーブ条約)締結。条件付き講和で戦争終結

1-2 講和条約の結果

「完全降伏」ではなく「条件付き講和」を勝ち取ったため、現実と大きく異なる領土を保持することになった。

区分

領土

備考

✅ 維持・獲得

台湾(臺灣)

日本領として継続。中華民国は大陸のみに留まる

✅ 維持・獲得

北方領土・千島列島全域

ソ連の侵攻前に講和成立。割譲なし

✅ 維持・獲得

トラック諸島(チューク)

太平洋の要衝として日本信託統治領に

✅ 維持・獲得

小笠原諸島・硫黄島

日本領として維持

❌ 放棄

朝鮮半島

独立。南北分断は現実とほぼ同様

❌ 放棄

満洲・中国大陸の権益

全て放棄

1-3 戦後〜現代の歩み

年代

出来事

1946〜50年代

占領は限定的。憲法第9条の表現が曖昧なまま残る。自衛軍の設置が早期に実現

1960〜70年代

台湾・千島の統治安定化。国産兵器開発が本格化。防衛予算GDPの1.5%に拡大

1980〜90年代

経済成長は現実とほぼ同様。防衛産業が第三の柱として育つ

2000年代

憲法改正で「自衛軍」を正式に明記。集団的自衛権も限定容認

2021年

世界初の商用核融合炉「あかつき型」稼働

2022年2月

ロシア、ウクライナへ侵攻。NATO諸国が直接介入し局所的第三次世界大戦に発展

2022年秋

中国が台湾海峡で軍事行動。日本の台湾防衛が現実の問題となる

2022年冬

国連が「局所的第三次世界大戦」と公式認定

2023年春

米中露欧による緊急停戦協定成立

2023年10月

「防衛軍設置法」が可決。陸海空自衛隊が防衛陸軍・防衛海軍・防衛空軍へ正式改組

2024年1月

統合防衛省発足。特殊作戦部隊を大幅増強

20XX年6月14日

日本列島、異世界へ転移

1-4 現在の日本(転移直前)

国土

本州・四国・九州・北海道+台湾・千島列島・トラック諸島

人口

約1億4,000万人(台湾・千島含む)

公用語

日本語のみ(台湾語・中国語は地域方言として残存)

政治体制

議院内閣制。参議院の権限が現実より強い。憲法第9条は改正済み(2004年)

首相

島津 龍之介(62歳)。台湾出身の父を持つ。元防衛大臣。現実主義的外交の旗手

対米関係

同盟継続。ただし「対等なパートナー」として強い交渉力を持つ

対中関係

台湾問題で根深い対立。最大の仮想敵国

対ロ関係

千島問題が解決済みのため関係は安定。経済協力あり

食料自給率

現実よりマシだが課題あり。転移後に切実な問題となる

資源事情

石油・レアメタルの国内産出が少ない。外部調達が不可欠

エネルギー

核融合炉が総発電量の約35%を担う。水素社会が現実の10年先で実現

▷ 2022年の局所的第三次世界大戦で、日本の台湾防衛への即応力が国際的に評価された。これが防衛軍設置の直接的契機となった。

1-5 転移後の日本の状況

転移直後、日本国民は混乱に陥った。GPSの消失、全国際通信の途絶、Jアラートの誤作動。政府は「別の世界への転移」を公式発表するまで約38時間かかった。

課題

詳細

食料

自給率の低さから備蓄頼みの状態。クワ・トイネとの条約締結が急務

エネルギー

石油輸入が途絶。核融合炉と水素でしのいでいるが長期的には限界

資源

鉄鉱石・レアメタルの輸入ルートが消失。クイラとの関係構築が生命線

通信・GPS

衛星は機能しているが、異世界に移行したため運用を組み直し中

外交

ゼロから始める未知の世界との外交。言語は通じるが文字体系が異なる

1-6 異世界の言語について

話し言葉

日本語とほぼ同一(原作設定に準拠)。アクセント・語尾に若干の差異あり

文字体系

日本語とは全く異なる独自文字。話せば通じるが読み書きができない

一部地域

辺境・少数民族・古代文明の遺跡などに異なる言語体系が存在

アルゴスの役割

音声解析で即座に意思疎通が可能。文字解読・古文書の読解は時間がかかる

伏線

なぜ異世界で日本語が話されているのか? 召喚の謎・世界の成り立ちへの伏線

第2章 主要キャラクタープロフィール

2-1 水無瀬 千鶴(みなせ ちづる)

内閣官房副長官補 / 事態対処・危機管理担当

年齢・出身

49歳・京都出身

所属

内閣官房

経歴

東京大学法学部卒業後、財務省入省。内閣官房に転出し、阪神・東日本の両大震災と複数の外交危機を現場で経験。女性初の副長官補として省庁横断の調整力を持つ。

性格

頭の回転が異常に速く、情報を瞬時に優先順位付けして処理する。感情的に見える言動も実は計算されている。プライベートは謎が多く、部下からは畏敬と若干の恐怖をもって見られている。

信念

「最初の言葉が外交の全てを決める」「嘘は長続きしない」「約束できないことはしない」

役割

物語における「政治・外交」の視点担当。日本政府の意思決定を内側から描く。異世界外交の実質的な設計者。

内なる問い

「交渉とは何か。言葉の通じない相手と、何を共有できるのか」

「力があることと、力を使う意思があることは別のことです」

2-2 海江田 ひまり(かいえだ ひまり)

防衛海軍・一等海佐 / 内閣官房・異世界事象対策室 初代室長

年齢・出身

40歳・長崎出身

現所属

内閣官房・異世界事象対策室(新設)

前歴

防衛海軍・潜水艦隊→統合幕僚監部情報部。SSN-01「やまと」艦長を務めた経歴を持つ

モデル

沈黙の艦隊・海江田四郎(女性版オマージュ)

性格

感情の起伏をほぼ表に出さない。笑顔は武器として使い、怒りは見せない。常に複数手先のシナリオを想定して動く。「感情は判断を鈍らせる」が信念。

背景

その冷徹さは、過去のある失敗──情報を重視しすぎて人命救助の判断が遅れた経験──への自罰から来ている。

口癖

「可能性を列挙しろ。感想はいらない」「最悪のケースで動け。楽観は後でいい」

役割

軍の「頭脳」担当。異世界の情報収集・分析・戦略立案を主導する。アルゴスの初期開発に関与しており、AIの思考回路を直感的に把握している。

内なる問い

「正しい判断をすれば、人は救われるはずだった。では、あの時の判断は正しかったのか」

「あなたが行った後、どう回収するか考える。その三秒だ」

2-3 深町 はやと(ふかまち はやと)

防衛海軍・三等海佐 / 海上特殊作戦群(JMSOF)第3特殊作戦中隊「ストーム」中隊長

年齢・出身

34歳・熊本出身(消防士の父を持つ)

所属

JMSOF→異世界事象対策室・現地対応班(出向)

特技

水中潜入・対テロ・TSF操縦資格保有

モデル

沈黙の艦隊・深町洋(男性版オマージュ)+マブラブ系の現場感覚

性格

感情が表情に直結している。強烈な正義感の持ち主で、「守るべきものが明確だから迷わない」という確固たる信念に裏打ちされている。命令より先に身体が動くが、無謀ではない。

口癖

「そんな計算してる間に人が死ぬでしょうが」「俺が行きます。それだけです」(関西弁混じりの熊本弁)

役割

軍の「現場・感情」担当。異世界の人々と最初に「人間として」向き合うキャラクター。政府や海江田の判断が「正しいが冷たい」と感じられる場面で、読者の感情を代弁する。

内なる問い

「正しいことをするのに、なぜ許可がいるんだ」

「月が二つあろうが、星座が違おうが、GPSが死んでいようが──部下たちはここにいる。守るべき人間がいる。それだけや」

2-4 朝倉 灯(あさくら あかり)

フリージャーナリスト

年齢・出身

31歳・大阪出身

所属

フリー(元・大手新聞社)

専門

政府情報統制・難民問題・国境地帯のルポ。台湾・千島でのフィールドワーク経験あり

性格

好奇心が行動の原動力。恐怖より先に「記録しなければ」という衝動が来る。権力に遠慮がなく、政府や軍が見せたくない部分を自然と嗅ぎつける。

役割

「一般市民・世論・記録」の視点担当。百年後の人間のために記録し続ける。水無瀬に外交現場への同行を認められ、異世界と日本を繋ぐ「語り部」になる。

深町との関係

現場で真実を見る者同士として自然と信頼関係が生まれる

内なる問い

「真実を書くことと、誰かを傷つけることは、どこで分かれるのか」

「百年後の人間のために書いています。今ここで起きていることは、記録しておかないと消えてしまうから」

2-5 深町中隊「ストーム」のサブキャラ

名前

役職

特徴

三島 曹長

第1小隊長

深町の右腕。ベテランで冷静沈着。深町の突発行動を最も近くで支える

倉田 士長

言語・通信担当

アルゴスの現地端末を操作。若手だが人の顔を読むのがうまい。外交現場でも活躍

沖 曹長

医療担当

異世界での人道支援の中心人物。子供との距離の縮め方が天才的

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