とっても天使なウマ娘さん 作:レース場の散った芝
ところで、マチタン完凸に2.5天井かかりました。完全敗北です。誰か私を○してください。
だって仕方ないんだもん。†最強なピサ†を育成するためには必須だったんだもん。まぁそれ以外の必要なサポカは自前完凸なので別にレンタルで来たんですけどね。でもマチタンも推しなので手が滑って回しちゃったのです。
ファレノさんも回したのでもう石がありません。ローズさんを確保する余裕はありません。誰か私を○してください。
「……おかえり、シンジさん」
「ピサはシャワー中。びしょ濡れだった」
「知ってるよ、聞こえてたもん」
おや? なんだかブエナがほんのり不機嫌な気がする。なんかね、耳の感じがね、不機嫌ですよーって感じの耳をしている。
ブエナってピサと比べて感情が表に出やすいから分かりやすい。良い側面と悪い側面があるけど。良い側面は、素直で可愛いなーってところ、楽しさとかを前面に出してくるから一緒に居て楽しいところ。悪い側面は、良い側面が良すぎて堕ちちゃいそうなところ。
「私も、シンジさんの洗濯物取り込んで畳んだよ」
「そうだね、ありがとう。めっちゃ助かる」
「むぅ……膝枕、してほしいな」
「へ? な、なんて?」
「膝枕してほしいなー……なんて。シンジさんがピサさんのことが好きなのは知ってるけど、私もシンジさんに甘えたいなーって。……ダメ?」
「ぴぇー……」
ド直球。ど真ん中ストレートの豪速球。メジャーでも大活躍間違いナシ、ノゴロー君もビックリのストレートである。ピサの緩急をつけた配球も好きだけど、こういう全球勝負みたいな配球も好きなんだ、俺。
「そんなこと言われたらさ、したくなっちゃうじゃん。……ほら、ここ。おいで」
「し、失礼しまーす」
あぐらの上にブエナがちょこんと頭を乗せる。可愛い。すごく。とても。緊張した面持ちで、それでいて嬉しそうなのがとても可愛い。ブエナってさ、年相応に童顔でさ、ピサとはまた違った可愛さがあるんだよね。ピサ助けて、俺二股しちゃいそう。
「シンジさんのこと、こんな真下から見上げるの、なんだか新鮮……」
「だろうね。俺達そこまで身長差ないし」
んー、可愛い、頭なでなでしたい。でも付き合ってもいない子の頭を撫でるのはよくないから。膝枕をするのはいいのかって? 家に連れ込むのはいいのかって? 俺から言い出したわけじゃないからOKです。
あとね、こうやって上から眺めるとね、ブエナのボディーラインがね、はっきりと見えちゃってね、こう、よくないというか……ウマ娘の子達ってなんでこう発達がいいんだろうね? 身長とか含めてさ。同年代の人間の女子と比べても身長とか高い子がウマ娘には多い気がする。
「この前のレース、見てくれた?」
「見てたよ、もちろん。さすがに配信でだけどね」
ほんとは現地に行きたかったけれど、さすがに札幌は費用面でね……。
「良い走りだったよ。素人だから戦術とかは何もわからないけど、画面越しでもブエナの気迫を感じた。負けちゃったけど良い走りだった。クビ差で超惜しかったしね」
「ありがとう。……次に走るの、秋華賞なんだ」
「知ってる」
「トリプルティアラをかけた、とても大事なレースなんだよ」
「もちろん知ってる」
「……あのね、1つ、お願いしてもいい?」
「んー?」
「秋華賞、見に来てほしいの。シンジさんに見届けてほしい」
「え、言われなくても行くつもりだったけど?」
「えっ……ほ、ほんとに?」
「嘘つかないって。だからバイト頑張って貯金してたわけだし。まぁチケットが当たるかどうかは別問題だけど」
ブエナ人気だし、トリプルティアラかかったレースだから絶対大人気だろうし。残念なことに抽選落ちの方が確率としては高いだろう。人気がないよりも人気がある方が絶対に良いので、チケットが取れないほど人気があるというのはもちろん嬉しいことだけど。
「あ、あのね、関係者チケットがあるから、どうかなー……なんて」
「ありがたいけど、俺なんかがもらっちゃっていいの?」
「なんかじゃないもん。私の好きな人だもん」
「ぴぇ」
こんなんもう暴投ですやん。ハートに直撃ですやん。両ベンチ飛び出して大乱闘ですよこれは。……あ、別にこの大乱闘には特に深い意味はなくてですね……はい……。
「……ま、まぁ、関係者チケットくれるってことならありがたくいただきます」
「うん! 嬉しいなぁ。いつ、どうやってお願いしようかずっと迷ってたんだもん」
「遠慮せず言いなよ」
ブエナの頼みなら本州の中ならどこへでも行くから。ピサの頼みなら日本全国どこへでも行きます。世界各国は学生にはまだ厳しいね。
「シンジさん」
「何?」
「宿題、終わったの?」
「まだ。あと2割くらい?」
「続きしないの?」
「ブエナに膝枕してるからできない」
「……どいた方がいい?」
「どかなくていいよ。疲れたからちょっとのんびりしたいし」
もっとしてほしい、っていうアピールかな? 俺は鈍感男じゃないのでこれくらい分かります。俺もピサ相手に同じような言い回しするし。
「宿題終わる?」
「まぁ終わるんじゃない? そういうブエナは?」
「もう終わったよ。そもそもほとんど残ってなかったもん」
トレーニングして、レースに出て、俺なんかの100倍忙しいだろうに、どこに宿題ををやる余裕があるのだろうか。ブエナは真面目だし、多分要領もいいからなのだろうが。すごいなぁ。
「すみませーん、シンジさーん」
「ピサー? どうかしましたー?」
「服を貸していただけませんか? 濡れていて着られそうになくて」
「あー服、服ね」
びしょ濡れだったもんな。さすがに着れないよな。ピサが風邪をひいてしまう。
「了解でーす。ブエナ、ごめん、一旦どいてもらっていい?」
「……うん」
残念そうなブエナに少し申し訳なさを感じる。けど仕方がないんだ。だってピサが着る服がないんだもん。素っ裸で過ごして、なんて言えないんだもん。
えっと、ピサが着る服……さすがに男物の服しかないからそれで我慢してもらおう。幸いにもまだ使ってないパジャマがある。味気のない無地のパジャマだけど、そんなのでもきっとピサは可愛いだろう。天使は何を着ても似合うに違いないし、どんなピサも大好きだし。
「男物のパジャマでいいですかね? あと下着はさすがにないので、そこは我慢してもらえると。扉の前に置いときますね」
「ありがとうございます。その、扉が絶対に見えないところにいてもらえると嬉しいです」
「あ、はい。そうですよね。そうですよね……絶対ピサが見えない位置にいますね」
「疑っているわけではないのですが……すみません。シンジさんとはいえまだ恥ずかしいので……」
別に覗くつもりなんかこれっぽっちもない。けど、あの薄い扉を開ければ、すぐそこに裸のピサがいると思うと……絶対にしないけど、絶対にしないけどっ、扉を開ければ美しい素肌が丸見えと思うと……ね。
「……えっち。シンジさんのえっち」
「違うんだ、違うんだよ。男子高校生は皆こうなんだよ。俺が悪いわけじゃないんだよ。シチュエーションが悪いんだよ」
好きな人とおうちデートをして、しかもシャワーを浴びてるなんてさ、全男子高校生の夢でしょ。別にそういうことをするわけではないけど。まだ付き合ってないし、ブエナの前だし。
「鼻の下伸びてるよ。……さっきの、使っちゃう? 3人で」
「やめて。そういうこと言うのやめて。困っちゃうから」
さっきはあんな恥ずかしがってたのに、なんで今度は平然としてるんですか? あと尻尾巻き付けてこないで。ドキドキしちゃう。
「シンジさーん」
「はいっ! はい! なんでしょう!」
「1つご相談が。ひとまずハサミを貸していただけないでしょうか」
「ハサミですね、はーい。ちょっと離してもらっていい?」
「やだ、って言ったら?」
「困っちゃう。後でまたしていいから」
「それなら……いいよ」
左腕がブエナの尻尾から解放される。ブエナって結構独占欲強いタイプなのだろうか。結構甘えん坊だし、なんかヒロインって呼ばれる理由も分かる気がする。めちゃくちゃ可愛いしね。顔も性格も。
「ほい、ハサミ持ってきましたよ」
「ありがとうございます。それで、ご相談の内容なんですが、ズボンに穴をあけてもいいでしょうか?」
「穴? いいですけど、なんで?」
ダメージジーンズみたいなのにしたいのかな? ピサがそういう系の服を着ているイメージはないけど。
「尻尾を通す場所がなくて……」
「あー尻尾。そうか、尻尾か。人用のだとないですもんね。いいですよ、好きなだけ切っちゃってください。ここに置いておきますね」
「ありがとうございます」
そうだよなー。ウマ娘って尻尾あるもんなー。散々尻尾にドギマギさせられてるけど、服のことなんか考えたこともなかったな。これまでピサとのデートで来ていた服も、海辺でのスク水にも、全部尻尾用の穴がお尻に空いてたんだろうな。
「……あの、どいてくれないと扉を開けられないです」
「あ、ごめんなさい。ピサのお尻、間違えた、ウマ娘の服のこと考えてました。尻尾通す穴ってどんな構造なんだろーって」
「スケベ。変態」
「ごめんなさい許してください俺が悪かったです」
「もう……いいからどいてください。服を着ないとシンジさんを怒ることもできないですから」
「はい……どきます……」
なんか今日……ダメだな。頭がピンクすぎる。ピサとのおうちデートで浮かれちゃってるのかな。ワンチャンあるかも、なんて最低なことを心の奥底で考えてしまっているのかもしれない。
「えっち」
「ちょっとへこんでるとこだから……追い打ちは許して……」
「え?」
「なんかさ、俺ってピサのこともブエナのことも性的な目でしか見てないのかなーって。性欲由来の恋愛感情なのかなーって、自己嫌悪中」
「んー、それはないと思うな。シンジさんがえっちなのは否定しないけど、でもピサさんに対する気持ちがそれだけじゃないっていうことは私が見ても分かるよ。私とデートしてくれた時も、たまに電話する時も、私のことも大切にしてくれてるなーって伝わってるよ」
まぁそりゃね、大切にしますよ。好意を向けてくれるのは嬉しいし、そうでなくとも友達だし。
「それにね? そういう気持ちも含めて恋愛だと思うから。だからそんな顔しないでほしいな」
「……そういうもん?」
「そうだと思うな」
「私も、そうだと思いますよ。シンジさんの気持ちは、私が一番感じていますから」
「ピサ……」
風呂場から出てきたピサが、慈愛を含んだ笑みを浮かべながら、そっと頭を撫でてくれる。
「シンジさんが真っ直ぐで純粋な愛情を向けてくれたから、私の心も動かされたんです。ブエナさんの言う通り、シンジさんはスケベなところもあります。でも、そういう人間らしいところも含めて、私はシンジさんのことが好きなんです」
「ぴぇ」
「……やっぱり、シンジさんは大丈夫だと思うよ。だってこんな顔できるんだもん」
どんな顔をしてしまっているのだろう。恥ずかしい。でも仕方ないじゃん。好きな人から好きって言われたんだからさぁ。いつまで経っても慣れないものです。
「ですが、たまにデリカシーが欠けているところは直してほしいと思いますね。本人に向かって、しかもブエナさんもいる場であんなこと言うなんて信じられません」
「すみません、頑張って直します」
「うふふ、期待していますよ」
「……ぴっ」
「わっ……ピサさん、大胆……」
頬にそっと触れる、懐かしく甘美な感触。一度経験済みとは言えど、キスをされるのは慣れそうにない。でももっとしてほしい。
「……もしも、その気持ちを我慢できなくなった時は……私に教えてください。お互いが満足するまで、お付き合いいたしますから」
「……へっ? あの、どういう……」
「……女の子に、言わせるつもりですか?」
「聞きたい」
「えっち。すけべ。絶対に言いませんから」
頬を膨らませて怒るピサはやっぱり可愛い。久しぶりに見たけどやっぱり可愛い。
ピサの優しいところが好き、天使のように慈愛に満ちた心が好き、声が好き、可愛いところが好き、素敵なスタイルも好き。それでいいんじゃん。だってピサの全部が好きなんだもん。
「……元気になりましたか?」
「元気になった。元気になった。もう元気ビンビン。ピサとブエナのおかげで」
「よかったぁ……悩みがあったらいつでも私達に相談してね。いつでも、なんだって相談に乗るからね」
ピサもブエナも素敵すぎて二股してしまいそう、なんて相談したら消し炭にされてしまうだろうか。2人からも世間からも。もちろん二股なんてしない心づもりは準備していく所存ではあるわけですけども。
「それはそれとして、先程の罰です」
「いひゃい」
「しっかりと反省してください」
結構しっかりと頬をつねられる。痛い。ブエナも便乗してつねってくる。こっちはほんの優しい。けれど痛いものは痛い。でも両手に花。2人ともスベスベで綺麗な指で、そんな綺麗な指で触れてもらえて嬉しい。難しい悩みだ。
「ふぁんふぇいひたのでふぁなして」
「……はい。次からは、口に出すにしても2人きりの時にしてくださいね」
逆に2人きりの時は言ってもいいんだ……え、どゆこと? YESサインってこと? ブエナもそんな目でこっち見ないで。"私の時は拒否してたのに……"みたいな目やめて。あなた本当に感情が表に出やすいわね。
「……そ、そうだ、ご飯代。ピサにご飯代払わなきゃ。レシートください」
「えっと……はい、こちらです」
「UmaPayで送っときますね」
結構量があった気がするけど、思ったよりも安い。もしかしてピサって買い物上手? ぜひともお嫁に来てほしいです。
「……さて、そろそろ宿題をやりましょう。といっても私は終わらせてきてしまいましたが……」
「私も終わりました。なのであとはシンジさんだけですね」
「はい、頑張ります……」
「終わったら一緒に遊ぼうね!」
「遊ぶー」
ルーラーにオススメされて買ってしまったボードゲームがあるんだ。ぜひともそれで遊びたい。
「うふふ、頑張ってください。私も見守っていますから」
「ダラッと過ごしてくれてていいですよ。置いてある漫画とか好きに読んでいいですし、あのゲームも好きに使ってください」
というか好きな人にジッと見守られたら、もとい見つめられ続けたら集中なんてできっこない。
「ありがとうございます。ではそうさせていただきますね」
「……あっ、このゲーム……シンジさん、これやってもいい?」
「いいよ」
「やったっ、ありがとう! ピサさん、一緒にやりませんか?」
「もちろんいいですよ。ですが初めてなので上手にできるでしょうか……」
「私も初めてだから大丈夫ですよ。CMで見てずっと気になってたんです」
ブエナもゲームとか興味あるんだな。ピサはルーラーたちとボードゲームを頻繁にやってるって聞いたことがあるけど。コントローラーを持つ2人の姿があんまりイメージになかったから、ほんの少しだけ意外。いやまぁそんなことよりも美少女を2人も家に連れ込める俺の人生の方が意外なんですけども。大して徳も積んでいないのにどうしてこんなことになっているのだろう。親に話したら犯罪を疑われるだろうな。
「……」
よしっ、俺も宿題頑張るか。早く俺もあそこに混ざりたい。
「んー、終わったーっ」
体バキバキ、腕パンパン、頭クラクラ、ピサにメロメロである。
「お疲れ様です。よく頑張りましたね。ヨシヨシ」
「あぁ~」
ピサは俺が喜ぶツボをよく分かってる。手のひらの上でコロコロ転がされてばかりだ。でもそれが心地いい。俺って実はMなのかもしれない。
「……そういえば、雨酷くなってないですか?」
「はい、少し前から雨脚が強くなってきて……」
「あ、雷」
「そうなんです。雷も酷くて」
「こんなひどくなる前にピサが到着してよかったです」
雷雨の中来るなんて心配で心配でたまらない。雷雨の中帰ってもらうのも心配だ。こんなん天気予報になかったぞ。今日でデータキャラ引退します。
「……ぇ」
「ブエナ?」
「シ、シンジさん……どうしようぅ……」
涙目になったブエナが泣きついてくる。え、マジでどうしたの? いくらブエナが涙もろいとはいえただ事ではないだろう。
「電車、止まっちゃった……」
「え?」
「……はい?」
やっぱり、おうちデートをしたならそのままお泊りするのがジンクスですよね! いいジンクスだと思います!