とっても天使なウマ娘さん 作:レース場の散った芝
私はピサ、ブエナ、ファレノの3推し編成で頑張ってます。なお凱旋門賞用に育成した子の使い回しです。
「……もう一回、言ってくれる?」
「電車止まっちゃった……落雷、だって」
聞き間違いではなかったか……どうか聞き間違いであってほしかった。
「どうしましょう、これでは帰れないですね……」
「泊まっていきます?」
「……いいの?」
「いいもなにも、こんな豪雨の中帰らせるわけにはいかないし。むしろこんな家に泊まらせることになって申し訳ない」
電車が止まってるのに帰れるわけないし、豪雨の中駅に向かわせるわけにはいかないし。最後まで下心たっぷりの男と同じ空間、しかもこんな部屋に泊まらせるなんて申し訳ない。いくら相手が好意を持ってくれてるとはいえね、お泊まりは相手にとってもまた別問題だと思うんですよ。
「ううん、嬉しい! シンジさんありがとっ!」
「ぴ」
待って待って待って待って。近い近い近い近い。柔らかい良い匂い柔らかい良い匂い。てか力強い。
嬉しさが爆発したのか、ブエナに思いっきりぎゅっと抱きしめられる。やばいやばい、ブエナの体めっちゃ柔らかい、めっちゃ良い匂いする。
「ブエ……ちょっ、ギブ……」
それとウマ娘パワーすごい。折れる、折れちゃう。天国と地獄を同時に味わってる気分。骨も理性もポキッと折れちゃいます。
「あ、ご、ごめんなさい! 大丈夫、じゃないよね……?」
「ふぅ……大丈夫といえば大丈夫だし、大丈夫じゃないといえば大丈夫じゃない。まぁ少なくとも折れてはないかな」
色々な意味で大丈夫じゃない。だって真正面からめっちゃぎゅーって抱きしめられたんだよ。当たるじゃん、胸が。意識しないのは無理だよ。
それだけじゃなく全身柔らかいし、顔めっちゃ可愛いし、ほっぺたモチモチだし、髪から良い匂いするし、肌も良い匂いだし。ウマ娘パワーで痛覚を刺激されてなければヤバかった。いや、下半身のこの感じ……手遅れか……。
「?」
あれだけ誘惑してきてたけどブエナもまだまだ純粋なようで、よく分からないといった顔をしている。このまま純粋で可愛いブエナでいて欲しいけど、それはそれとして、悪い男に騙されないようにもう少し知識をつけて欲しい。
「シンジさん、私からもお礼のハグです」
「ぴしゃっ!?」
「泊めていただきありがとうございます」
待って、ピサからのハグはホントにダメ。好きな人にそんなことされたらドキドキが止まらない。温かくて包み込まれているかのようなハグ、それに大好きなピサの匂いが鼻腔をくすぐって……こんなハグ初めてかもしれない。まぁそもそもさっきのブエナからのが人生初のハグなんですけど。
それにしても、なんかさっきのブエナよりもピサの方が柔らかい気がする。特に胸が……あっ、そっかぁ、下着つけてないからかぁ(冷静) 下着なしでいつもと同じような形を保っていられるなんて、すごいハリのあるお胸だなぁ、と童貞の私は思います。
「シンジさんとの繋がりは、特別心が温かくなります。ずっとこのまま、繋がっていたいです」
「ぴ」
「わぁ」
俺だってずっと繋がっていたいよ。なんなら抱きしめ返したい。でも両腕をピサにロックされていてできないんだ。なんて生殺しなんだろう。せめてキスくらいさせてくれ。どうせ日和るだろって? そうだね。
「……これくらいにしておきましょうか。ブエナさんに申し訳ないですから」
「いえいえ! そんなことないですから! むしろ、私も頑張らなきゃって気持ちになりました。シンジさんの一番になりたいなら、もっともっと頑張らなきゃなんだって!」
「うふふ、一緒に頑張りましょうね」
頑張ってくれるのは嬉しいんだけど、えっちなのは勘弁いただきたい。ゴム持ってくるとかさ。そんなんしなくても普通にアピールされるだけで堕ちそうになるからさ。耳元で囁かれるだけで多分堕ちちゃう。ブエナの可愛い声で黒棺とか詠唱されたらギャップで萌圧死しちゃう。
「シンジさん、宿題終わったなら一緒にゲームしよ?」
「いいよ。てかずっとこれやってない?」
「だって面白いんだもん。それにピサさんに勝ててないから、一度くらい勝ちたくて」
「あー」
ブエナも負けず嫌いなんだろうか。まぁレースでバチバチやってるし、そりゃそうか。
「デジタルゲームはあまりやらないのですが、想像以上に楽しいです。もう一度やりませんか?」
「もちろんです! 協力してピサさん倒そっ!」
「このゲームほぼ協力要素ないけど……まぁいいよ」
勝てない。なんなんだ、2人ともレベル高すぎだろ。大敗である。というかピサのテクニックが異次元。なんでこんなレースゲーム上手なんですか? 結構意外です。割とやり込んでるし自信あったんだけど、一度も勝てませんでした。
シクシクと泣くふりをして、ピサに慰めてもらいながら太ももと頭ナデナデを堪能中。いい年してみっともないかもしれないけど、でも悔しいんだもん。別にピサの太ももを堪能したかったとかではない。ええ、決して。
「やったっ、やっと勝てた」
「負けてしまいました……悔しいです」
ようやくピサに勝ててブエナは嬉しそうだ。やっぱりこういうところが魅力なんだよなぁ。水族館に行った時も本当に楽しそうで、表情がコロコロ変わるのが見てて楽しかった。可愛いの極みでした。でもレース中の真剣な表情も好きでぇ……。
「……そろそろご飯にしますか?」
「あっ、もうそんな時間……全然気づかなかった」
「時間を忘れるくらい熱中していましたからね」
1~2時間くらい経っただろうか。一般的な家庭ではそろそろ晩御飯の時間である。俺は不真面目なので、一人だったらまだまだゲームし続けちゃうけど。
「雨、止みませんね」
「そうですね。……電車もまだ再開していないようです。やはり今日はシンジさんのお世話にならないといけなさそうです」
「あ、はい。大丈夫です」
未だに土砂降りである。ピサが買い物をしてくれていなければ、この雨の中買い出しに行かねばならなかった。ピサの心遣いに感謝である。大好き。
今更だけど、こんな美少女2人と一つ屋根の下で寝泊まりするの? しなきゃいけないの? 冷静に考えるとヤバくない?
「あっ! フジキセキさんに連絡しないと!」
「そうですね。心配をおかけしてしまいますから」
「私がピサさんの分も連絡しておきますね。ピサさんはそのままシンジさんのこと慰めてあげてください」
「ありがとうございます。お願いします」
「……フジキセキさん?」
「私達の寮長をやってくださっている方です。外泊届を出していませんから、今日はシンジさんの家に泊まることの連絡を。天候のこともあるとはいえ、事前にお伝えしていなかったことですから帰ったら少し怒られてしまうかもしれませんね」
「え……」
「そんな顔しないでください。シンジさんは何も悪くないんですから。それに、あまり怒られた経験がありませんから、少しだけ楽しみなんです。うふふ」
「え……」
意外とMなのだろうか。ピサのことはそれなりに知ったつもりになってたけど、まだまだ知らないことが多そうだ。それはつまりまだまだ知らないピサの魅力があるということ。素敵だね。
「そうだ。アースさんにも連絡しないと……」
アースさん、アースさんね。サウンズオブアースさんのことは覚えてる。ピサと同室の人らしい。1回だけビデオ通話に乱入してきて、綺麗な歌声の面白い人だったからすごく記憶に残ってる。
「彼氏と楽しんで、だそうです。ふふ、彼氏ですって」
「可愛い」
「……久し振りに可愛いと言っていただけた気がします。最近は可愛いとも好きとも言ってくれませんから」
「あー……心の中では毎秒思ってるんですけどね。思ってても口に出さない賢さを得たと言いますか……」
「お尻のことは口に出すのに、ですか?」
「ごめんなさい、わざとじゃないんです、本当なんです」
「冗談ですよ。……ですが、もっと好きと言ってほしいです。シンジさんの気持ちはいつも伝わっています。それでも、直接言葉でも伝えてほしいんです」
「好き。大好き。愛してる。出会ったあの時からずっと……あの時よりももっと大好きです」
「私も、大好きですよ」
ああ、幸せだ。好きな人と好きと伝え合えるなんて。……なんで俺たちまだ付き合ってないんだろうね。
「ふぅ……戻りました……」
「おかえりなさい」
「外泊はオッケーもらえたんですけど、少しだけ怒られちゃいました」
「天気予報になかった豪雨なのにね。トレセンの寮って結構厳しいんだな」
「"彼氏の家に行くなら事前に外泊届を出しなさい"って」
「そっち? おかしくない? まさかのお泊まりデート推奨?」
どうなってんだトレセンの風紀は。もしかしてウマ娘って肉食系多め? というかさらっと彼氏扱いされてるの何? ピサともブエナともまだお付き合いしていないのですが。
「好きな人の家に行くんだから、外泊届出した方が良かったのかなぁ」
「実は私もここに来る前に友人から、その……お泊まりデートにした方がよいのではないか、と……」
トレセンってもしかしなくても結構風紀爛れてる? 女子校ってこんな感じなの? 女子の下ネタはエゲツないって聞いたことあるけど、それと同じなのん?
「ま、まぁ、とりあえず許可もらえたみたいでよかったよ。この雨の中帰ると言われても困るけど。とりあえずご飯にしない? なんか色々作るから」
「いえ、シンジさんはゲームでもしてのんびりしていてください。泊めてくださるお礼に私が作りますから。今日一日、家事は任せてください」
「私もお手伝いします。シンジさんに手料理食べてもらいたいし」
「ふふっ、そうですね。私たちの手料理をいっぱい味わっていただいて、ガッチリ胃袋を掴みましょう」
「いやいやいや、客人にそんなことさせられないですよ」
ピサの手料理も、ブエナの手料理もどちらも魅力的だけど。魅力的だけども、客人に家事を丸投げできるわけがない。むしろおもてなしをしないといけない。
「でも……シンジさんの手料理も食べてみたいかも」
「では皆で作りましょうか。そうすればシンジさんに手料理を食べてもらうことも、シンジさんの手料理を食べることもどちらもできますよ」
「いいアイディアだと思います! シンジさんもそれでいいよね?」
「うーん……二人がやりたいなら……いいよ」
客人に家事をやってもらうなんてと思ってたけど、二人がやりたいなら任せた方がいいのだろうか。客人は客人だけど、おうちデート中の彼女とも考えられるわけですし? 彼女に手料理を振舞ってもらうって考えるとおかしなことではないのかも? なんか二人いるけど。二股かもしれないけど。恋愛マスターのフラッシュさん、俺に答えを教えてください。
「やった! ありがとうシンジさん!」
「腕によりをかけて、美味しい料理を作りますね」
「楽しみにしてます」
「シンジさんの手料理も楽しみにしてるからね?」
「まぁ……頑張る」
そこまで料理が得意なわけではないからあまり自信はない。それに二人は食べ盛りのアスリート。美味しさも量も栄養も考えなくてはならない。あれ、結構ハードル高くない? 自分が作るとか言っちゃったけど、二人に完全にお任せした方が良かったか?
「ピサさん、ゴム持ってませんか? シンジさんもゴム持ってたりしない?」
「持ってるも何も……」
そりゃあるに決まってる。だってブエナが持ってきたんだし。これから飯だっていうのにまたお誘いですか? 食前の運動的な? せめて食後にしません?
「……シンジさん、あれのことじゃなくヘアゴムのことだよ。髪を纏めたくて」
「ああ、ヘアゴムね。ヘアゴム」
さすがにそうだよね。うん、分かってたってばよ。
「予備を持っていますから、ブエナさんにお貸ししますね」
「ありがとうございます!」
「…… ごくりっ」
髪を纏めてポニテ姿のブエナは雑誌とかでもテレビとかでも見たことない。新鮮である。
それにね、普段は見えないうなじが見えてるのが……その、よくないといいますか……うなじって、人によっては興奮材料になるんですよ。まぁね、俺の性癖は普通だからね、ブエナのうなじを見たところでそこまで興奮しないですよ。ポニテなブエナが可愛くてドキッとはしたけど。
「……ところで、ブエナさんの言う
「……よしっ、じゃあまずは私が料理してきますね!」
「ちょっと待って。俺を置いていかないで」
絶対逃げた。ピサに追求されると思って逃げたんだ。元凶はあなたでしょうが。……いや、ブエナのトレーナーさんが悪いか。ほな仕方ないか……。
「シンジさん」
「はひっ」
「これは、なんでしょうか? 説明していただけますか?」
お母さん、お父さんへ。今日私は、怒髪天なピサにボコボコにされ、短い人生に幕を下ろしてしまうかもしれません。先立つ不孝をお許しください。お供物としてピサとブエナのぬいぐるみが欲しいです。あと折角もらったのでアストンマーチャンさんのもセットで置いておいてください。
P.S. ピサとブエナのダブル天使に天国に案内してもらえるなら、それも本望かなと思います。
ピサとブエナのぬいぐるみ、ロー◯ンのものを予約しているので、早く発売日にならないかなとずっと楽しみにしています。
皆さんも当然予約してますよね?