なお目的は認知とお金の模様。
一夜だけ身体のみの関係を持つというのは相当リスクがあるものだ。
純粋に身体だけ求められるのならまだいい。美人局という詐欺に遭ったり病気をうつされる可能性もある。場合によっては実は人妻で相手側の夫から訴訟をくらうケースもあるだろう。
普通ならしないような関係だが、ある男はそのような関係を何人と結んだ事があった。
その時は楽しかった、という感想だけは残しておく。
とにかく、不特定多数と一夜だけ過ごしてフラフラと生きているような男であることは間違いない。
ただ、まさかこんな事になるとは思いもしなかった。
「見つけましたわよ、お・と・お・さ・ま♡」
身長、そこらのビルよりもめっちゃ大きい。
体重、浮遊しているので不明だが絶対に重い。
見た目、肌は人間と同じような肌色であるが両腕両足の付け根の部分が存在せず金属のようなメタリックな色のタイツのような何かで秘部や手足の一部、そして口だけ出す仮面のようなものを装着している。
性別、女の子。
ある日、空から現れた巨大な宇宙船から巨人が舞い降りてきたとニュースで話題になっていた。
マジもんの宇宙人ということで全ての番組…………いや、一部チャンネル以外は臨時ニュースとして報道しておりSNSでも究極的に話題になっていた。
正直、自分には関係ない。
この男だけでなく大多数の人間がそう思っているだろう。
突然、宇宙からやってきた宇宙人と交渉するのは政府の偉い人だし、内容はともかく実際にそのような動きもあった。
ただ、最大の失敗といえば面白半分でその宇宙人を見に行ったことだろう。
「こぉんなに多いんですもの。遺伝子一致率98.71%、間違い無いですわ」
「待て待て待て待て、マジで分からん。地球の言葉ちゃんと理解してる?」
「全自動翻訳機がありますもの、辺境とはいえ方言で完備していますわよ?」
巨大な宇宙人の女の子と目が合った瞬間、数秒の硬直の後に彼女の指先が男に向けられた。
大きな指で摘まれるのかと思ったら、まさか重力が切り替わるかのように吸い寄せられるとは思いもしなかった。
「そもそもデカ女と子供作るようなことしてないが!?」
「一夜限りと聞いてますわ。それでもちゃっかり私が産まれましたので」
「母親連れてこい!嘘かどうか確かめてやる!」
「お母様は今、『未開拓星参入法』を犯してしまいましたので刑務所ですの」
「ダメじゃねえか!?」
「はい、なのでわたくしが社会保障を受けられるためにお父様に認知してもらいたくて」
「それが目的なの!?」
全くもって知らない法律を出され、母親が刑務所にぶち込まれていることを隠さず言うのだが本当に大丈夫なのだろうか。
しれっと孤児みたいな扱いとなり親的な存在である筈の男に自分の子供として認知して貰わないと生きていけないと言うくらいのニュアンスなのだろう。
事実、彼女の種族は基本的に巨大らしく政府が秘密裏に交渉している他種族の宇宙人は地球人と同じくらいのサイズであったりする。
なお、地球人や彼女のように人型を保っているものはおらず、彼女以外の来訪者は何か薄い膜に包まれている。
地球の空気が合わないのか、後に説明されるが彼らにとっての宇宙服のようだ。
「社会保障は馬鹿にならないんですわよ!わたくしが入っていた保育カプセルの利用料金もお母様の資金だけだとくるしいのですわ」
本当に困っているような表情で真面目に言っているあたり、本当に困窮しているのだろうと多くの者は二人のやり取りを見て察することは出来る。
地味に地球の言葉を翻訳しつつ巨体故の大きな声で事情を明かすのはどうかと思うが。
「お母様が刑務所に入っている間にわたくしが保育カプセルから出たのはいいものの、まさかお金がないせいでわたくし宇宙年齢3歳で働かなければなりませんの。そう考えたら認知するだけで後は何とかなると思いませんか?」
「分かった、百歩譲って…………いや譲る前に何で俺がお前のおヤッテ話になってるんだ?一万歩譲って遺伝子で見分けたとしても俺がその、いつお前の母親と子作りした?」
「人間に変装して種を頂いたとしか。覚えはありませんか?」
「ちょっと分かりませんね…………!」
心当たりがある、なんて言えるわけが無い。
マスコミや警察棟のヘリが飛び回り、今この会話を聞いているのは間違いない。
そんな中で売春じみたワンナイトを幾度も繰り返して特定できないなんて言えるはずがない。
いや、確かに顔を隠してたり全身をタイツで覆って身体を見せないようにしていた相手は
そのうちの誰かであるのは察することはできても特定はできない。
冷や汗をたらりと流すも、相手の宇宙人は気づいていない。何故なら男は宇宙人の手のひらに乗るサイズなのだ。
「お父様、お名前はあるんですか?わたくしは『ヴェルデ・ヴァプ・gans#/p,t・プラパピペ・デュッシュポ』ですわ」
「長い長い長い!しかも一部聞き取れなかった!」
「まあ、地球人では聞き取れないのですか。まあ、確かに危険物質で呼吸している特殊な種族ですし、それ故に発達が…………」
「今しれっと馬鹿にした???」
抗議しようも実際に宇宙進出は非常に遅れており、彼女の、その、長いのでヴェルデと呼ばせてもらう、種族や宇宙全体から見たら未開と呼ばれるのは当然だろう。
「この星に開拓の余地があるとして現在交渉中ですの。その中でお父様の身柄の確保もありまして」
「待って?」
「宇宙進出ですわよ!おそらく初めて地球人が…………ここの言葉だと『連合』と言うべきでしょうか?『連合』の一席を担う栄誉付きですわ!」
「絶対他に適任がいる!俺以外にしてくれ!」
「お父様じゃないと私にお金が届きませんの!私3歳ですわよ!?保育カプセルで5万年分成長したとはいえ遊び盛りなのですわ!責任はキチンと取りなさい!」
「責任はどちらかと言うと母親だろ!?何でわざわざ辺境まで来てセッ◯スしに来たんだよ!?」
「単にスケベなだけですわ!」
「余計にタチが悪いわあああああっ!」
ギャーギャー騒ごうと所詮、物理的に手のひらの上で踊るしかない。
本当にどうしてこうなった。後本当に誰がこいつの母親なんだと男は必死で考えるのであった。
〜人物紹介〜
『男』
フラフラと遊び歩いてたら子供ができてた。いや、実際に出来るかも知れないが大規模な話になって絶望している。
『ヴェルデ・ヴァプ・gans#/p,t・プラパピペ・デュッシュポ』
宇宙からやってきた宇宙人。
ベースは地球人だが、述べた通り肩と足の付け根が無く浮いているような状態。元々巨体なので浮遊せざるを得ない部分もある。
実年齢3歳だが宇宙技術により肉体年齢は5万歳。なお、これでもまだまだ幼いらしい。
母親が未開の地で子作りしてしまい犯罪者になってしまい金銭的に困窮し地球への使節団として働く事になった。
幼いながら他の宇宙人に比べてアドバンテージをとれた理由は地球の空気に防護無しで適応できるから。
普通に遊べる金が欲しいため男に認知を迫るよう地球人の交渉の一部に組み込ませた。
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