TS眷属にされたので、勇者よりも先に魔王殺しの聖剣集めます。――ダンジョン使って、のんびりスローライフ 作:あでぃかりん
受け入れの日はかなり大変だった。
「はーい、まずは並んで。健康診断だよ」
シャナルマト君が連れてきた鬼族の健診を行うみたい。
疲労困憊の鬼族を列に並ばせる。
街にいるのは少数で兵士もいない。
相手のほうが多数。普通なら言う事聞くわけない。
だから、ここまで鬼族を連れてきたオキナとフレットが頼りだった。
「とりあえず順に並べよ」
フレットが号令をかける横で、僕らは子供が列から飛び出すのをなんとか戻した。
身体が弱ってる人は治療の列に、大丈夫な人は食事にと分けていく。
ちなみに、救急な人はいないみたいだった、良かった。
「アシュお嬢様、私たちもおてつだいします」
「おてつだいするー」
「そうだね。何してもらうのが良いだろう?」
僕は周りを見回す。
大人たちはフレットの指示を聞いているけど、子供たちはそうでもない。
お母さんの服を掴んで離れない子、食事の匂いにつられて列から抜け出す子、地面に座り込んじゃった子。
……よし。
「二人は、子供たちを食事の場所まで案内してあげて」
「はーい」
「ごはんまで、つれていくー」
と言って二人は元気に駆けて行った。
「こら、走っちゃ危ないよー」
そして、数人の子供の群れが食事の場所に走って行く。
そして、そのまま僕の所に突っ込んできたのだった。
「アシュさまー、ただいまー」
「だれ? お姫様?」
「アシュおじょうさまだよー」
「甘い物くれるってー」
わーわー
数が多い!?
「ツヴァイ、この子たちごはんまだだよね!?」
「アシュお嬢様、みんなお嬢様の事見てみたいって」
「み、みんな。まずはごはんに行こうね」
わーわー
ダメだ、みんな好きな事してて言う事聞いてくれない。
こうなれば奥の手!!
「にゃー」
「うぉー、ぎんいろのねこちゃんだ!!」
「かわいいー」
(なんで、私を売ったのかな? アシュちゃん?)
え、だってリアリスぐらいしか手がなくて……
「にゃ、あ、あ」
(あ、ダメ、尻尾引っ張らないでー)
「あ、ネコちゃんいじめちゃダメだよ。一緒にごはんいこうね」
と言ってリアリスを持ち上げる。
『はーい!!』
(アシュちゃん後でおぼえてろ)
ひぃー
その後、ごはんを食べさせて、みんなでお昼寝を一緒にした。
僕も疲れて一緒に寝ちゃったけど、夕御飯前にはみんな目を覚ます事が出来たんだ。
◆◆◆
「……アシュ、疲れた」
「シャナルマト君、えっとなんで抱きついて来るの」
あ、寝ちゃった。
「シャナルマト王子は回復魔法の使いすぎで疲労ですわ」
テールが隣に座る。ああ、シャナルマト君そんなに頑張ってくれたんだ。
「シャナルマト王子はかなりの人数に回復魔法を使われましたの。長旅や衛生状態の悪い食生活で身体を崩した者が多かったのですわ」
「そうか。シャナルマト君、ありがとね」
シャナルマト君の身体はちょっと硬くて、少しづつ男の子の身体になっていく途中って感じ。
今の僕とは全然違うんだよな。
身長とか今はまだ僕の方が高いけど、すぐ抜かされそう。
「アシュ……」
どんな夢見てるんだろう。
「テール、弟ってこんな感じだった?」
「アシュ、シャナルマト王子が弟だと思っていると、多分想定外が起きますわ」
「ふぇ?」