TS転生ヒーローガールのプリキュア日記   作:のぞむ

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運命の子だろうが、エルちゃんはエルちゃんだ

☆☆月♢♢日

 

 

キラキラエナジーで作った薬のおかげで王様と王妃様、シャララ隊長にかけられた呪いを解くことが出来た。エルちゃんが「ぱぱ!まま!」と嬉しそうに二人の元へ飛び込んでいった。王様と王妃様もエルちゃんが言葉を話した事に感動しているようだった。それから王様達が目覚めた事はあっという間にスカイランド中に広まり、王様達を救ったヒーローであるプリキュアを一目見たいという人達の為にパレードが行われることになった。

 

パレードが始まるまでの間のんびりしていると俺達は王様から呼び出された。そこで王様と王妃様から言われた事はエルちゃんを俺達と一緒にソラシド市に連れて帰ってほしい事、エルちゃんが一年前、夜空に浮かんでいた一番星から託された運命の子だという事、そして今日になって再びエルちゃんから運命の光が宿った事だった。

 

正直、個人的には一番星…エルレインには思う所がある。自分が生み出したとはいえ、赤ん坊であるエルちゃんに世界の命運を託した事や、王様と王妃様は面倒を見るだけの仮初めの親だから親としての時間はほんのわずかって言った事とかな。エルちゃんが生まれた経緯はどうであれ、今のエルちゃんの家族は紛れもなくこの人達だ。エルちゃんと両親を引き離す権利は生みの親であるエルレインにもありはしない。現に王様と王妃様だって本当は一緒に居たいと思っているからこそ涙を流していたし。それでも王様達は俺達に…エルちゃんのもう一つの家族である俺達に託してこようとしている。俺達はそれに応えなければならない。俺達全員が王様達の言う事を承諾し、エルちゃんをソラシド市に連れて帰る事にした。

 

それからパレードが盛り上がり、ひと段落したところで俺達はソラシド市に帰ろうとしていた。ただ、これまで一緒に暮らしてきたベリィは護衛隊に戻るとの事なのでここで別れる事になった。これからベリィはスカイランドでみんなを助けるヒーローになっていく事だろう。ベリィから「本当に青の護衛隊に入らないのか?」と訊かれたが、どこかに属すのは性に合わないからな。俺に入隊する意思がないとわかり、ベリィは一瞬落ち込んだようだがすぐに切り替えて「プリンセスの事、任せたよ!」とエールを送ってくれた。

 

 

 

 

♢♢月☆☆日

 

 

今日はみんなと一緒にソラシド自然公園、簡単に言えば動物園にやって来た。ゾウやシマウマといった動物達と触れ合ったりしたが、どうもエルちゃんは動物達と会話が出来るようだ。そういやエルちゃんにはそんな能力があった気がするな。この回以降触れられてなかったからすっかり忘れてた。エルちゃんが動物と喋れる事がわかり、ツバサ君にライオンが居る場所に連れてこられたものの、ライオンは俺達に雄叫びを上げてそのまま眠りについてしまった。エルちゃんが言うには「寝てたんだから静かにしてくれ!」とのことだ。

 

昼時になって昼食を食べ始めたのだが、ましろとツバサ君はエルちゃんが運命の子だという事を気にし、今後の子育ての事で滅茶苦茶悩んでいるようだ。家を出る前にも何故か二人ともアメフト選手の格好をするという奇行に走っていたし(本人達曰くどうすればエルちゃんを守れるか真剣に考えた結果だそうだが)。

 

だが、運命の子だろうが、エルちゃんはエルちゃんだ。だからこれまで通り、エルちゃんの成長を見守っていけば良いのだ。ほら、悩み過ぎてるからエルちゃんに励まされてるぞ~。

 

エルちゃんに励まされ、ましろとツバサ君が元気になったところで今度は小動物と触れ合える広場にやって来た。エルちゃんがうさぎを撫でていると、突然うさぎ達が怯え始めてしまう。するとどこからか「入口に牛みたいな大男がいるぞ!」という一般客の声が聞こえ、公園の入口に駆けつけると、確かに牛の様な大男が立っていた。言わずもがなアンダーグ帝国からの新たな刺客、ミノトンだった。こいつも善人ではないが、カバトンやバッタモンダーの様に街で暴れたり、一般人に危害を加えようとしないので好感が持てるし、高みを目指すという点では俺と通ずる物があるしな。だが、当然エルちゃんを狙っているとのことなので戦うとなれば容赦はしない。俺は戦いに私情を持ち込む主義はないからな。

 

ミノトンが自然公園の名物であるソラシノサウルスという恐竜の像をランボーグにしたところで俺達はプリキュアに変身し、戦いに挑んだ。恐竜の像を媒介にしているだけの事はあり、中々強力な相手だったが俺達は苦戦する事なくランボーグを追い詰めていった。するとミノトンが「キュアスカイ!我と戦え!」と言って俺に戦いを挑んできた。どうも俺をこれまで出会った事もない強者と認定したらしく、居ても立っても居られなくなったそうだ。これにより俺がミノトンを相手にし、プリズム、ウィング、バタフライがランボーグを相手にする事になったが、これまでの戦いの経験や俺との特訓のおかげでプリズム達が苦戦する事はなかった。

 

戦いの最中、エルちゃんが一匹で怯えて動けずにいたうさぎを助けに行っているのが見えた。ランボーグがエルちゃんを標的にしていたので俺は転移魔法でエルちゃんの元へ行こうとしたが、その前にミノトンがランボーグを掴んで投げ飛ばし、エルちゃんを助けた。ミノトン曰く「赤子に牙を向けるなど、武人のする事ではない!」との事だ。敵ながらターゲットであるエルちゃんを助けるとは…流石ミノトン!カバトンやバッタモンダー(馬鹿ども)に出来ない事を平然とやってのける!そこにシビれる!あこがれるゥ!

 

エルちゃんがうさぎを連れて逃げていったところで俺達は戦いを再開した。結果は俺達の勝利だったが、ミノトンもミノトンが召喚したランボーグは中々歯応えのある相手だった。やはり武人を名乗っているだけの事はある。俺に至っては気に入られたらしく、「貴様の様な強者がいるとはな!いずれまた手合わせ願おう!」と、どこか楽しそうに言っていた。これがカバトンとバッタモンダー(馬鹿ども)だったら鬱陶しく思うが、ミノトンの様な奴ならいつでも大歓迎だ。俺自身のレベルアップにも繋がるだろうしな。

 

その後改めてうさぎ達と触れ合った。するとエルちゃんはうさぎを怖がって中々触れ合えずにいた女の子に自分が持っていた餌を渡した。以前は譲ろうとしなかったのにな…きっとましろの絵本がエルちゃんの心に届いたんだな。俺には出来そうにない事だ…

 

ましろ、お前がナンバーワンだ!!

 

 

 

 

☆☆月♢♢日

 

 

今日は海外にいるましろの両親が帰って来るらしく、空港まで迎えに来た。帰って来るといっても家にいるのは一週間だけらしい。ましろの両親が帰ってくるまでに翔子ちゃんというやたら飛行機に詳しい女の子とツバサ君が仲良くなったり、俺達が飛行機で逃げるつもりだと勘違いしたミノトンの襲撃と色々あったりした。

 

そして遂にましろの両親が帰ってきた。ましろを見るなり親父さんが抱き着き、ましろは恥ずかしそうにしていた。こりゃよっぽどの親バカだな。それぞれ自己紹介を終えて家に帰ると、親父さんがI♡MASIRという文字とましろの顔がプリントされている大量のTシャツを取り出して俺達に見せてきた。親バカ抜きにしても、正直ダサかった。ましろに至っては顔真っ赤にして恥ずかしがってるし。その後風呂に入って部屋の戻ろうとするとましろの部屋からましろとましろのお袋さんの話し声が聞こえてきた。

 

「私もね、女の子が初恋の人だったのよ」

 

聞こえてきたのはお袋さんのこの一言だった。少し気になったので聞き耳を立ててみる事にした。なんでも俺とましろくらいの年齢の頃に住んでいた街で初恋の女の子と出会ったそうだ。その女の子はお袋さんが通っていた中学の先輩で、運動神経が凄く良く、スポーツテストでも当時の学園新記録を樹立したりして、それでいてかなり破天荒だったようだ。なんか俺みたいな人だなと話を聞いて思った。ただお袋さん曰く、どうもその女の子は結構な数の女の子を誑し込んでいたようだ。複数の女の子を誑かすとは、女の子だけど女の敵だな。二股や百股が許されているのはれな子と恋太郎くらいしかいないぞ!

 

とはいえ、俺としてはいつかお袋さんの初恋の人に会ってみたいものだ。今から27年程前の話らしいから、生きていたら大体40代前半くらいになるのか…ただ、お袋さんが進級と同時にソラシド市に引っ越すことになったらしく、別れる前に告白しようとしたがその女の子は突然いなくなってしまったようだ。まるで元々この世界にいなかったかのように。しかもその日以来女の子と会ってないらしく、顔どころか名前もよく覚えていない様だ。顔はともかく名前まで忘れる事なんてあるかな…?これ以上盗み聞きするのも悪いので俺は部屋に戻ることにした。

 

さて、お袋さんは言っていたな。『私も』初恋が女の子だったと…推察するに、きっとこれはましろからの恋愛相談に乗ってあげていたのだろう。ましろが好きな女の子…推理するまでもない。多分俺だ…

 

だってこの前唇にキスされたもん。唇にキスなんて好きな奴以外にする訳がない。勿論俺はましろの事が親友として大好きだ。だけど、恋愛感情と言われるとよくわからない。前世含めてそういう経験してこなかったからかな…ましろにそれとなく聞いてみても良いかもしれないが、考えただけで緊張してしまうので無理そうだ。

 

俺って、ヘタレなのか…?

 

 

 

 

♢♢月☆☆日

 

 

あっという間に一週間が経ち、ましろの両親は再び海外へと旅立っていった。短い間だったが中々楽しかったな。

 

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