☆☆月♢♢日
今日は花火大会の日だ。花火が上がるのは夜からとの事なので、時間つぶしもかねて今日は街中をランニングしてみる事にした。最近はましろも一緒だったので一人でするランニングは少し違和感はあったけどな。ランニングを続けていると偶々トレーニングジムを見つけた。
ここで特訓するのもアリかもなと考えていたら中からミノトンが出てきた。俺が驚いていると当然向こうも驚いており、「キュアスカイ!?」と言いそうになっていたので慌ててミノトンの口を塞いだ。今の俺はソラ・ハレワタールだからな。それにプリキュアの名前もかなりの住人達に知られているので俺がキュアスカイだとバレてしまったら大騒ぎになるし、ましろ達から大目玉を喰らっちまう。意外にもミノトンは聞き分けが良く、俺を本名で呼んでくれた。それから俺達は人目のない路地裏に移動した。
「あんた、いつもあそこで特訓してるのか?」
「如何にも。我は常に鍛錬を重ねているのでな。それよりソラ・ハレワタール!さっそくだが、我と手合わせ願おう!」
「あんたの挑戦なら受けて立つけど…今はエルちゃんがいないけど良いのか?」
「構わぬ!我は純粋に貴様と戦いたいだけだ」
「じゃあ決まりだな。あっちに山があるからさ、そこで戦おうぜ。街中で戦ったら他の人達に迷惑かけちまうだろ?」
「良いだろう。それに無関係の人間を戦いに巻き込むなど、武人のする事ではないのでな」
やっぱこいつ好感持てるわ~。
それから家の場所がバレないように裏山に移動し、ミノトンとの手合わせに臨んだ。ちなみに俺はキュアスカイに変身していない。俺も素の状態でどこまで強くなったか試してみたかったからな。手合わせは何とか俺の勝利で幕を閉じた。ミノトンは「まだまだ精進しなければな…」と悔しさを露わにしていたが、キュアスカイになってなかったとはいえ結構苦戦したぞ。どうやらミノトンはあれから更に強くなったようだ。すると少し小腹が空いたのでましろが作ってくれたおにぎりを食べる事にした。よく見るとおにぎりは二つあったので、せっかくだからミノトンにも分けてあげる事にした。
「フンッ、敵からの情けは無用だ」
「そう言うなって。この世界にはこんな言葉がある。『練習はおにぎりだ!俺達の血となり、肉となるんだ!』…ってね。つまりこのおにぎりは俺とあんたの特訓の糧になるんだよ」
少し意味合いは違うかもしれないが、俺は某超次元サッカーの教祖様が言っていた名言をミノトンに教える。「悪くない考えだ」と言ってミノトンはおにぎりを食べてくれた。
あと、何故かは知らないが教祖様のこの言葉をプリキュア5のキュアドリームが聞いたら笑ってしまい、それを見たキュアルージュがマジギレしそうな気がする…
それから夕方までランニングをし、家に帰ってきたわけだが、家にいたのはエルちゃんとヨヨさんだけで、ましろ、ツバサ君、あげはさんの姿がなかった。なんでもエルちゃんが誤ってミラーパッドにあったワクワクレッスンモードというものを起動してしまい、三人はミラーパッドに吸い込まれてしまったそうだ。そういや原作でもそんな話があった気がする…こういうちょっとした日常回って結構うろ覚えなんだよな。ってかもう少しで花火大会が始まるけど間に合うのか?
そんな俺の心配は杞憂に終わり、三人が無事にミラーパッドから出てきた。どうやらレッスンはクリアできたようだ。それから俺達はエルちゃんとヨヨさんが一緒に作ったというフルーツポンチを食べながら花火を見たのであった。
♢♢月☆☆日
エルちゃんの服を買いに街に出ていたら、オネェ口調の男性からモデルをやってみないかと誘われた。みんながエルちゃんの服を選んでいる中、元男の俺は役に立ちそうにないので街をぶらぶらしていたらこの人から声をかけられたという訳だ。
「すみません。俺モデルに興味ないので」
「まぁ!あなた俺っ娘なのね!可愛らしい顔立ちとギャップがあって素晴らしいわ!」
「話聞いてます?」
男性が一人で盛り上がっていると滅茶苦茶美人な二人が男性に声をかけていた。この男性はカッコーさんと呼ばれているらしい。あれ?そういやこの美人二人って…
そこへましろ達がやって来て「早乙女姉妹だ!」とましろが興奮していた。どうやら美人姉妹は有名なモデルさんとの事だ。だがそれだけではない。原作知識で知っているのだが、この二人はあげはさんの姉でもあるのだ。片方がまりあさん、もう片方がかぐやさんだった筈だ。確か小さい頃の両親が離婚して、まりあさんとかぐやさんが父親の元へ、あげはさんが母親の元へ行っていた筈だ。三姉妹は再会出来た事を嬉しそうにしており、何故かカッコーさんも一緒にハグをしていた。
それからプリティホリックのカフェであげはさんと早乙女姉妹の関係を聞いたり、昔あげはさんが一度だけモデルをやっていたという話をしたりした。カッコーさんはもう一度モデルをやらないかとあげはさんを誘っていたが、あげはさんには最強の保育士になるという夢があるので丁重にお断りしていた。そんな中眠っていたエルちゃんが目を覚まし、カッコーさんはエルちゃんを見るなり「原石はっけーーん!!」と言っていた。なんでも明日、ファッションショーがあるらしいのだが、ショーに出る筈だった子が体調を崩して出れなくなった。だからエルちゃんにはその子の代わりにファッションショーに出てもらいたいそうだ。肝心のエルちゃんはかぐやさんが見せてくれたドレスを気にいったらしい。原作通りに事が進んだな。
「そら!いっしょ!」
「…ん?」
この時にエルちゃんが発した言葉を聞き、一瞬自分の耳を疑ってしまった。
「まぁ!ソラちゃんも出てくれるのね!」
この機会を逃さんとばかりにカッコーさんも食いついてきた。
「いやいや!俺出ないッスよ!?それに、急に決めても衣装とかないんじゃ…」
「安心してソラちゃん。ちょうどあの衣装と同じ物で、ソラちゃんに合うサイズのがあるから!」
そう言ってかぐやさんがスマホを俺に見せてきた。水色ではあるが、あの衣装と同じドレスだった。これを俺が着るのか…!?恥ずかしすぎだろ…!
「いーじゃんソラちゃん!出てみなよ?」
あげはさんまでノリノリで誘ってくる始末だし…
「…だめ?」
「ぐぅっ…!」
どこで覚えたのか、エルちゃんは上目遣いで俺を見ていた。このまま断ったら絶対にエルちゃんを悲しませてしまう。こうして俺は泣く泣くファッションショーにモデルとして出る事になった。
☆☆月♢♢日
ファッションショーの舞台裏で俺は悶絶していた。当然俺が着ているのは昨日見たエルちゃんとお揃いのドレスだった。俺に至ってはいつも結んでいる髪を解き、髪の先にウェーブをかけられていた。「えるといっしょ!」と嬉しそうにしているエルちゃんとは裏腹に俺は羞恥心でおかしくなりそうだった。
「ソラちゃんってば!そんなに恥ずかしがらないの!鏡見てみなよ!」
あげはさんに鏡まで連れてこられた俺は鏡に映る自分の姿を目の当たりにする。思わず「これが俺…?」と呟き、どこか満更でもない気持ちになっていた。顔立ちが原作のソラと同じではあるが、元男の俺には似合わないと思っていた…だがこの時鏡を見た俺は「俺って、可愛いんだ…!」と、自信を身に着けていた。今思うと完全にあげはさんに乗せられていたのかもしれない。
それからエルちゃんの出番がやって来た。早乙女姉妹が先に歩いていき、それにエルちゃんが歩いていくというものだ。観客の歓声にビックリしてエルちゃんが泣きそうになったものの、あげはさんの機転で事なきを得た。突然あげはさんが現れた事で観客を困惑させた訳だが、早乙女姉妹の計らいで急遽あげはさんもファッションショーに参加する事になった。
それからとうとう俺の出番がやって来てしまった。ここまで来たら当たって砕けろの精神で俺はステージを歩き始めた。それから色々ポージングをしたりし、パフォーマンスを披露したら観客達は大いに盛り上がっていた。なんか楽しいかも!
それから大盛況のままファッションショーが終わり、舞台裏でゆっくりしていたらミノトンとランボーグが現れた。ミノトンが観客達に避難するよう促している間に俺達はプリキュアに変身して奴らの元へ行った。
「見損なったぞキュアスカイ!我は貴様を最大の好敵手として認めていた…だがさっきのチャラチャラした貴様の格好は何だ!?」
あんたアレ見てたのかよ!?
「違うんだって!あれには深い訳があって…」
「言い訳無用!その弛んだ精神を叩き直してやろう!」
「聞けって!」
空港の時もそうだったが、どうもミノトンは早とちりしたり人の話を聞かない傾向があるみたいなんだよな…
楽しい気持ちを台無しにされた事でバタフライは怒り心頭だったらしく、もうこの人だけで良いんじゃないかって言いたくなるくらい速攻でランボーグをぶちのめしてくれた。バタフライもちょくちょく特訓に付き合ってくれていたので強くなっているみたいだな。まぁ俺は今回もミノトンの相手をしていたのでその事に関しては特に気にしてなかったがな。