☆☆月♢♢日
あれからエル(告白された日に呼び捨てにしてほしいと言われたので)のスキンシップが激しくなった。赤ちゃんだから俺に恋愛感情を持ち合わせていないだろうと思っていたが、俺にキスをしてきたという事は本気なのだろう。
それとましろの方だが、エルが自分の意思でプリキュアになれるようになったあの日から何か悩んでいるようだった。以前ましろがダークプリズムになった日以来、俺はましろに寄り添い続け、悩みがないかきちんと訊くようにしているのでましろに話しかけてみる事にする。ましろが「やっぱりソラちゃんにはお見通しなんだね…」と言うと、何を悩んでいるか教えてくれた。やはり悩みの原因はエルで、エルには戦ってほしくないという物だった。プリキュアになれるようになったとはいえ、エルはまだ赤ちゃんだ。そう思ってしまうのも当然だろう。
「これはさ、ある悪党達を相手に戦っていた二人の女の子の話だ」
これから話すのは、原作の
「女の子二人はとても仲良しで、いつも楽しそうにしていたんだ。だけど、片方の女の子が言ったんだ。『もう、一緒に戦わないでほしいんです」と…それは友達の女の子を想っての言葉だったんだ。女の子は宣言通り一人で戦ったが、悪党達に負けそうになった。けど友達の女の子が助けてくれた。友達の女の子は言った。『私、あなたが大切だよ、心配だよ。気持ちは同じ…それって、一緒に戦う理由にならないかな?』って」
「あっ…」
「ましろ。ちゃんとエルの気持ちを聞いてあげな」
「うん!ひろがるちぇんじ!」
俺がエルにアイコンタクトを送ると、エルはミラージュペンを持ち、キュアマジェスティに変身した。
「ましろ…私ね、あなたが大切だよ、心配だよ。あなたと気持ちは同じ…それって、一緒に戦う理由にならないかな?」
俺がさっき教えた言葉ではあるが、それでもましろには届いたらしい。
「それに…いつまでもウジウジしてたら、私がソラを取っちゃうよ?」
「えぇっ!?」
小声だったのでマジェスティが何を言っていたかわからなかったが、突然ましろが顔を赤くして驚いてしまっていた。
「だ、ダメだよ!たとえマジェスティでもそれは譲れないよ!」
「じゃあ私も一緒に戦わせて。そしたらましろにもソラとデートをする権利をあげるよ」
「ちょ、マジェスティ?」
「そ、そういう事なら…でも、戦う時はみんなを頼ってね!」
「決まりね!」
「…一応訊くけど、俺に拒否権は無しッスか?」
「「無いよ?」」
「さようでございますか…」
あえなく二人とそれぞれデートをする事が決まったが、ましろが抱えていた不安は解消できたしひとまずは大丈夫そうだな。
この後俺達はスカイランドの湖に現れたという遺跡の調査に赴いた。ちょこちょこ罠みたいな物があったりしたが、全て俺が粉砕してやった。遺跡の奥には一冊の本があったが、この本が俺達の新しい力になったりする。確か原作だとここでミノトンの襲撃があったが、先日ミノトンを操っていたアンダーグ・エナジーを浄化していたので特に襲撃はなく、俺達は本…マジェスティクルニクルンを回収して遺跡を後にしたのであった。
♢♢月☆☆日
気が付いたら俺は一人、どこかの荒野の中にいた。
ましろやエル達がどこにもおらず、普通なら困惑するだろうが、俺はここで気を失っていた経緯は覚えてるので冷静さを失う事はなかった。
ある日、俺達プリキュアの前に強大な力を持つ敵が現れた。言わずもがな映画『プリキュアオールスターズF』に出てきたシュプリームだ。歴代のプリキュアと一緒に応戦するもシュプリーム相手に歯が立たず、一瞬の内に世界を消し、俺を除いたプリキュアも消されてしまった。どういう訳か俺だけが残ったが、この時戦ってみてわかった事がある。確かにシュプリームはどこぞの宇宙の帝王や自称悪魔を相手にしていると思うくらい絶望的な強さを持っていたが、俺は勝てる可能性はゼロではないと思った。
俺は久しぶりに全力を出し、スカイランド神拳、魔法、そしてこれまでの経験の全てをシュプリームにぶつけた。戦いの途中で俺の記憶は途切れているが、手応えはあった。更に戦いの中で俺はシュプリームの奴に傷を付けることが出来た。つまり一矢報いることが出来たって訳だ。まぁここにいるって事は、みんなとは時間差で俺は消えてしまったのだろう。
そんなこんなで俺の目の前に黒い怪物が現れたのでランボーグの様にぶちのめしてやろうと思ったら、俺の目の前に二人のプリキュアが現れた。ピンクの髪にエプロンを彷彿とさせるドレスを着たキュアプレシャスこと和実ゆい(ポーチの様になっているのはパートナー妖精のコメコメ)。金髪にセーラー服を彷彿とさせる白色のドレスを着たキュアサマーこと夏海まなつ。サマーとプレシャスが怪物と戦っているが、流石に何もする訳にはいかないので俺も加勢し、キュアスカイにならずに怪物をパンチ一発でぶちのめしてやった。ちなみに怪物は消滅した。
「あなた凄いね!プリキュアじゃないのにあの怪物を倒しちゃうんだもん!あっ、あたし、和実ゆいだよ!」
「私は夏海まなつ!あなたの名前は?」
「俺はソラ・ハレワタール。さっきの奴はそこまで強くなさそうだったから変身しなかっただけで、これでもプリキュアだよ」
そう言って俺はミラージュペンを使ってキュアスカイに変身し、二人が驚いたところで変身を解いた。それとさっきから初対面みたいに話していたが、俺はこの二人ともシュプリームを相手に戦っていたのだ。だが一度消されてしまったからか、まなつもゆいも、復活している他のプリキュア達もシュプリームとの戦いの事や、互いの事を忘れてしまっている。覚えてるいるのはそれぞれのチームの事、それぞれがどんな敵と戦っていたかくらいだ。
それからゆいが「はらペコった~!」と言っていたのもあり、それぞれで食料調達をする事になった。まなつとゆいが木の実を取り、俺が牛みたいな動物を狩って、俺が動物の下ごしらえと調理をして食事をする事になった。
「デリシャスマイル~!ソラちゃんお料理が上手なんだね!」
「うん!すっごく美味しい!」
「そりゃどうも。つっても俺よりましろの方が上手く作れるだろうけどな」
「ましろ?」
「俺の親友で、キュアプリズムって名前のプリキュアでもあるんだぜ」
俺がましろの事を教えた事がキッカケで、まなつとゆいもそれぞれの友達や仲間達の事を教えてくれた。途中でゆいから幼馴染の拓海君の話が出てきて、俺がそれとなく「その拓海君の事をどう思ってんだ?」と訊いてみたがゆいは笑顔で「昔から仲が良い幼馴染だって思ってるよ!」と言うだけだった。拓海君、強く生きろよ…そんでさっさとゆいに告白しろ!わんぷりの悟君はいろはにキッチリ好きだって伝えて、無事に付き合えるようになったんだからな!
食事が済んだところで、遠くにそびえ立っている城に向かい始めようしたところで騒音が聞こえてきた。上空を見てみると女の子と先程と同じ姿の怪物が戦っていた。怪物が倒されたところで女の子が森の方へ降り立っていったので俺達は彼女を追いかけてみる事にした。
森に入って女の子に声をかけると驚いたように「確かにあの時…」と呟いていた。間違いない、シュプリームだ。よく見るとシュプリームの左頬に俺が付けた傷が残っている。まなつとゆいが「え?」と言うと俺達には記憶がないと判断し、「キュアシュプリーム。僕もプリキュアだ」と自己紹介をしてきた。
変身を解いている時はプリムと呼んでくれと言っていたので俺はひとまずそう呼ぶことにした。日も暮れてきたので俺達は森の中で夕食を食べ、そのまま野宿する事になった。まなつとゆいが眠っている中、眠らずにただ一人で佇んていたプリムの側へ行く。
「眠れないのか?」
「…まぁね。君も?」
「まぁ、お前みたいな奴が一緒に居れば尚更な…シュプリーム?」
「!?…君は覚えてるんだな」
「ああ。バッチリな」
「それで、このまま僕と戦うつもり?」
「…やめとく。今はまなつとゆいもいるしな」
「怖いの?」
「…怖くないって言えば嘘になるな。お前みたいなヤベー奴とは初めて戦ったしな…まぁ、いざ戦っても俺はお前に勝てるけどな」
「僕に勝てる?…ハッタリのつもり?」
「大マジだ。少なくとも、今のお前に俺は倒せないぜ…ま、今のお前は俺達と同じ
そう言って俺も二人のとこに戻って寝る事にした。
シュプリームside
僕はこの世界でもっとも強い存在…それは絶対に揺るぎようのない事実だ。だけど彼女は…キュアスカイは他のプリキュア達が消えても尚存在していて、無謀にも僕に戦いを挑んでいた。
『まだやるつもり?』
『ああ…自慢じゃねぇけど、俺って結構諦めが悪いんでな…!』
『残念だけど、どう足掻いても君は僕に勝てない…絶対にね』
『ハッ!世界最強を自称する割には視野が狭いんだな』
『なんだって?』
『自称最強様にこの世界の言葉を教えてやんよ…絶対なんてモンは存在しねぇんだよ!』
そう言ってキュアスカイは僕に攻撃をしてきた。さっきよりも攻撃の制度は上がってるけど、それでも僕が負けることはない。そう思っていたけど…
『ヒーローガール!スカイパンチッ!!』
『っ!?』
僕は自分の目を疑った…彼女のパンチが、僕の顔に傷を付けたんだ。こんな事は生まれて初めての事だ。
『まだまだぁーーーーっ!!』
キュアスカイの次のパンチが僕に当たる事はなかった。彼女がパンチを当てる前に、僕の前で消えたからだ。どうやら他のプリキュアと違って時間差で消えたようだ。
だけど、僕の心の中にはキュアスカイに対するおかしな感情、そしてプリキュア達への興味が生まれていた。それから僕はプリキュアになり、彼女達と同じことをした。けど、まだだ。何かが足りない…
それからすぐの事だった。僕の前にキュアスカイ…ソラ・ハレワタールが現れたのは…
一緒に居たキュアサマーとキュアプレシャスは僕の事や、僕が世界を消したことを覚えていないようだったが、キュアスカイは覚えていた。
『少なくとも、今のお前に俺は倒せないぜ…』
僕の頭に中は、さっきキュアスカイが僕に言い放った言葉が過っていた。僕が君に勝てないだって?意味がわからない…僕に傷を付けたのは褒めてあげるけど、それだけでいい気にならない方が良いよ。
キュアスカイ、そしてプリキュア…君達とはあの城で決着をつけさせてもらうよ…