♢♢月☆☆日
今日の特訓を終えた俺とましろは一緒に朝食を食べていた。最初の頃は特訓後にかなりへばっていたましろだが最近は体力に余裕が出来たのか、へばる事はなくなった。すると外からインターホンが鳴る音が聞こえたので俺が外へ出てみる事にする。
ドアを開けると長い茶髪の女性が「久しぶり~!」と言いながら抱き着いてきた。間違いない。聖あげはさんだ。ましろの幼馴染であり、後のキュアバタフライだ。
少しすると違和感に気づいたあげはさんは俺の顔を見て「誰!?」と驚いた所でましろが「あげはちゃん!?」と声を上げてやって来た。
あげはさんが絵本形式でましろとの関係を説明し、自身の自己紹介をしてくれたので俺も自己紹介をする。
「ソラ・ハレワタールです。こっちはエルちゃんです。俺達、海外から来たんです」
「へぇ~!君って俺っ娘なんだね!よろしくソラちゃん!それにエルちゃんも!」
「えるぅ~!」
どうやらあげはさんにも懐いたようで、エルちゃんはあげはさんに抱っこされてご満悦のようだ。ちなみにあげはさんには海外から来たと説明したが、この前ましろからスカイランドの事が知れ渡れば大騒ぎになるので秘密にするように言われている。当然俺もその辺は理解しているし、原作のソラと違って俺は口が固い方なのでうっかりスカイランドの名前を口にする事はないだろう。とはいえ嘘を吐いたみたいで少し気が引けるがな。
それから俺達はあげはさんが通う保育士専門学校に移動し、外のベンチであげはさんを待っていた。ましろによると保育士になるのはあげはさんが小さかった頃からの夢だったようだ。ここは原作と同じの様だ。するとましろが突然意気消沈してしまった。どうやら俺やあげはさん、学校のクラスメイト達が自分の夢を持っている事を思い出し、自分が夢を持っていない事を気にしているようだ。原作だと確か色々あって絵本作家になるという夢を見つけるんだよな。とはいえこの事は今のましろが知る由もないし、夢と言うのは自分自身で見つける物だと思う。
すると近くである光景が目に入った。小さな豚が自分から罠に向かっている様子だった。言わずもがなその豚とはカバトンである。ましろも豚がカバトンだと気づいてるし。確かここでカバトンの罠にかかったソラがミラージュペンを奪われるんだよな。このまま無視しても良いのだが、せっかくなので少し悪戯をしてみるとしよう。
「そ、ソラちゃん?」
「シーッ…まぁ見てなって…」
(うわ~…ソラちゃんが悪い顔してるよ…)
俺は指先に小粒程の小さな火を出し、それをカバトンの尻に向かって放った。
「アヂアヂアヂーーーーッ!?」
しめしめ、いい気味だ。
するとカバトンは変身を解いて元の姿に戻った。その拍子で火も消えたようだ。
「何しやがるソラ!?」
「チッ、そのまま焼き豚になればいいものを…」
「ソラちゃん、言ってる事が悪役のそれだよ~…」
悪役とは失敬な。俺は純真無垢なヒーロー志望だぞ?
「クソ~!こうなったらこのままぶちのめしてやるのねん!カモン!アンダーグ・エナジー!」
カバトンはこの前行った山にあった毒キノコをランボーグに変えてしまう。俺もキュアスカイになろうとしたが、その前にランボーグがましろとエルちゃんに向かって二つの触手を伸ばしてきたので俺はそれを両手で掴んでましろに逃げるように言う。次の瞬間、ランボーグは更に二つの触手を伸ばし、俺の両足に絡みつき、俺はカバトンとランボーグの元まで連れて行かれて触手で縛られてしまった。
「ソラちゃん!!」
「ギャハハ!これで形勢逆転なのねん!」
そう言ってカバトンは俺のミラージュペンを奪ってしまう。ぶっちゃけ魔法を使えばこんな触手から抜け出すことは容易いが、原作だとソラを助けようするましろの想いにより、キュアプリズムが誕生するのだ。カバトンの思い通りになるのは癪ではあるが、このまま人質に徹するとしよう。この間にあげはさんがましろとエルちゃんを連れて建物の中に逃げてくれたし。
そんなこんなで屋上まで逃げたましろ達にカバトンが降伏するように呼び掛ける。
「ほら!お前からも何か言ってやるのねん!」
「そんじゃあ、お言葉に甘えて…女の子に触手プレイとか、良い趣味してんなお前」
「触手プレ…って、何の話なのねん?」
「惚けんなって。これから触手を使って俺にあんな事やこんな事をするんだろ?知ってる?こういうのニチアサじゃご法度なんだぜ」
「ニチア…いや、お前マジで何言ってんだよ?」
「まぁ気にすんなって。男ってのは誰もがそういう事を夢見て「お口チャーック!」ムグッ!?」
あっ!良いとこなのに変なテープで口を塞いできやがった!
「(なんか、これ以上こいつに喋らせたらいけない気がするのねん…)ゴホン、出てこないんなら…こうしてやるのねん」
カバトンがそう言うと無数の触手が俺の頬を引っ張ったりビンタしたりしてくる。俺にとっては正直蚊に刺された程度の感覚なのだが、ましろとあげはさんにとっては一大事の様だ。
少しすると俺がミラージュペンを出した時と同じ光が屋上から放たれ。ランボーグとカバトンによって屋上まで連れてこられた俺はましろの側で浮いているミラージュペンを目にする。ましろはミラージュペンを手に取ろうとするがカバトンが「お前みたいな脇役がプリキュアになれるもんか!」と口にするとその手を止めてしまう。俺もカバトンに物申したいが口を塞がれているのでそれは出来そうにない。まぁ後で空の彼方にぶっ飛ばしてスッキリするとしよう。
それから原作通りあげはさんの言葉により、ましろはミラージュペンを手に持ち、エルちゃんが飛ばしてきたスカイトーンでキュアプリズムへと変身を遂げた。カバトンとランボーグが唖然としている隙に俺は手に風の魔法で作った刃をランボーグにぶつける。これにより触手から解放され、カバトンを殴り飛ばしてミラージュペンを取り戻して俺もキュアスカイに変身した。
「ソラちゃんも変身した!?」
「スカイ!大丈夫!?」
「ヘーキヘーキ!…その衣装、似合ってるぜ、プリズム」
「へっ?そ、そうかな…?」
「ああ。可愛さに磨きがかかったんじゃないか?」
「あ、ありがとう…」
すると屋上にましろ達を追っていたもう一体のランボーグがやって来た。ったく、空気読めよな!
俺が大きい方のランボーグを、プリズムが小さい方のランボーグを相手にし、無事に浄化することが出来た。そしてお約束としてカバトンを空の彼方にぶっ飛ばしたのだった。
なお、流石にあげはさんに隠し事するのは無理そうなのでスカイランドの事を素直に白状したのであった。
☆☆月♢♢日
ヨヨさんからプリキュアの事を教えてもらった。大昔のスカイランドが災厄に見舞われ、その危機を救うべく当時のプリンセスが祈りを捧げ、その祈りに応えるかのようにヒーローが現れた。そのヒーローこそ伝説の戦士プリキュアであると。
後々わかるのだが、実はそのプリンセスこそが伝説のプリキュア、『キュアノーブル』本人だったりするんだよな。プリキュアの話を聞いたましろは興奮しながらエルちゃんに「伝説の戦士が守ってくれるよ!」と言っていた。更に特訓に対する意欲も高まったのか、今日も特訓しようと提案してきた。ましろには悪いんだけど、ここしばらく特訓ばかりしてきたから今日は休みたいんだよな。そう伝えると今日はお出かけをしようと提案してきた。特に断る理由はないので今日はお出かけをする事にした。もちろんエルちゃんも一緒にだ。