TS転生ヒーローガールのプリキュア日記   作:のぞむ

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俺、空飛べるぞ?

♢♢月☆☆日

 

 

今日は休日なので一緒にエルちゃんと遊んでいた。ましろに呼ばれて少しだけ目を離した時があったのだが、戻ってみるとベッドの上に置いてあった玩具の一個がエルちゃんの側に移動していた。この時思い出したのだが、確か今の様な出来事がある人物がしっかり登場する回であったな。俺は閉めていたはずの窓が開いている事に気づき、外を覗いてみると丸っこい形をした鳥が屋根の上にいた。誰か来なかったか訊ねてみるも鳥君は何も答えない。そもそもこの世界の鳥は人の言葉を話さないんだが、目の前にいるこの鳥君は違う。

 

「あっ!あそこに空飛ぶプニバードが!」

 

「えっ!?…あっ」

 

「やっと君と話せるな。プニバード族の少年?」

 

「は、謀りましたね!?」

 

「こんな単純な嘘に引っかかる君がいけないのだよ」

 

すると今の会話が聞こえたのか、ましろが部屋に入ってきた。流石に隠し通せないと思ったのか、鳥君は俺とましろに正体を明かす。自分がスカイランドに住むプニバード族という鳥だという事、そして自分がツバサという名前だという事を。

 

ツバサというのは原作のひろプリにおける主要人物で、後にキュアウィングになる少年だ。放送時は史上初の男の子のレギュラープリキュアだと話題になってた覚えがある。

 

ツバサ君によると1年前に嵐の日にスカイランドから落っこちてこの世界にやって来たらしい。それからヨヨさんに助けられ、普通の鳥としてここに住んでいたようだ。まぁこの家にはましろもいるし、喋れる鳥が居たら大騒ぎになるしな。それとなくスカイランドから来た俺とエルちゃんがここに住み始めた時に何故正体を明かさなかったか訊いてみたがツバサ君は言いづらそうにしていたのでこれ以上追及するのはやめておいた。まぁ俺、ツバサ君が話したがらない理由知ってるけどな。

 

 

 

 

☆☆月♢♢日

 

 

今日は無理を言って学校を休ませてもらった。この一日でツバサ君と交流を重ねるからだ。ツバサ君は最初懐疑的に感じていたようだが雑談をしたりエルちゃんの子守りをする内に少し打ち解ける事が出来た。ツバサ君から「聞かないんですか?僕の事…」と言われたりしたが、人は誰しも他人に知られたく秘密を持っているものだ。だから無理に問いただすつもりはない。それを話すとツバサ君は少し申し訳なさそうにしていたが「ありがとうございます…」と礼を言われた。

 

そんな話をしている間にエルちゃんの姿が消えていた。部屋のドアが少し空いていたので廊下に出てみるとエルちゃんが柱に掴まって立ち上がろうとしていた。俺とツバサ君が手助けを出さずに見守っていると、エルちゃんは自分の足で立ち上がった。すぐに倒れそうになったので俺とツバサ君で支えるが、少しだが自分の足で立ち上がれてエルちゃんはご満悦のようだ。俺はすぐにエルちゃんの頭を撫でて「頑張ったな」と褒めるとエルちゃんは嬉しそうに俺に頬ずりをしてきた。そんな中ツバサ君から呼ばれた俺はエルちゃんを連れて彼の部屋にやって来た。部屋には航空力学に関する本が沢山あり、それからツバサ君は自分の夢を教えてくれた。プニバード族というのは人間に変身する能力と引き換えに空を飛ぶ力を失くしてしまった種族なのだ。だがツバサ君は幼い頃、ある拍子で上空から落っこちたのだがどういう訳か一時的に空を飛べたツバサ君の父親に助けられたのだそうだ。それから空を飛べるように努力してきたのだが中々努力が実らず、故郷の同族からも飛べるわけないと馬鹿にされてきたそうだ。

 

「やっぱり、無理だと思いますよね…」

 

「全然。そもそも俺、普通の人間だけど空飛べるぞ」

 

そう言って俺は部屋の窓から外に飛び降りて浮遊魔法で自由に飛び回った。どうやら俺が浮遊魔法を使える事を知らなかったようで、ツバサ君は開いた口が塞がらない様だ。

 

「どうだ?魔法を使ってるとはいえ俺は空を飛べるんだ。そもそも他人に人の夢を馬鹿にしたり、無理だと決めつける権利なんかありはしない。もし俺がツバサ君の立場だったら馬鹿にしてきた奴らをボコボコにして理解(わか)らせるかな」

 

「そ、ソラさんって、見かけによらず結構過激なんですね…」

 

見かけによらずって何だよとは思ったが、ここで俺はツバサ君に浮遊魔法を習得したいか訊いてみた。魔法というのは素質がないと使えない物ではあるが、試してみる価値はあるだろう。ツバサ君は浮遊魔法を習得したいという事で早速魔法書を持って庭に出て試してみる事にする。こういう時の為に魔法書も実家から持ってきていたからな。

 

肝心の素質だが、どうやらツバサ君にもしっかりあるようだ。俺が鬼教官の如くツバサ君に魔法のイロハを教えたら少しの間だが空を飛べるようになった。それからいつの間にか学校が終わったらしく、ましろが家に帰ってきた。

 

「おっ、おかえりましろ」

 

「た、ただいま…あ~、大変だったね、ツバサ君」

 

何故かましろは遠い目をしながら倒れているツバサ君に労いの言葉を送った。そういやましろにも鬼教官ソラの訓練を受けてもらったからな。ツバサ君にシンパシーを感じたのだろう。ちょっと厳しくし過ぎたかな…まぁこれからもビシビシ鍛えてやるがな!

 

すると街の方から大きな音が聞こえてきたので街を見てみると大きなUFOが街にビームを放っていた。よく見るとUFOはランボーグなので間違いなくカバトンの仕業だろう。俺とましろはちゃちゃっとプリキュアに変身してランボーグの元へ行き、戦いに挑んだ。

 

「ギャハハ!今日こそはお前らに勝ち目はないのねん!」

 

「随分余裕じゃん。毎度毎度俺達に負けてる癖にしぶといな~」

 

「フンッ!いつもは地上で相手をしているが、今回は空の上から相手をしてやるのねん!流石のお前らでもここまで届かな「はいドーン!」グオッ!?」

 

「ここまで届かな…何だって?」

 

俺には浮遊魔法があるんだよ。とりあえずプリズムに光弾でランボーグをかく乱してもらいながらランボーグをボコっていく。特に苦戦する事もなかったのでこのままプリズムの元に戻ってアップ・ドラフト・シャイニングで浄化しようとする。

 

「えるぅ~!」

 

「エルちゃん!戻ってきて!」

 

そんな時に聞き馴染みのある声が聞こえ、後ろを振り向くとこっちに向かってきているエルちゃんとそれを追いかけているプニバード姿のツバサ君が見えた。そうだった。確か原作だと俺達を追いかけてきたエルちゃんとエルちゃんを追ってきたツバサ君が来てカバトンに捕まるんだった。不味いと思って行動しようとするもそれより先にカバトンとランボーグが二人のとこへ向かっていき、ランボーグが二人を捕らえてしまった。すぐにプリズムと一緒に二人を助けようとするも目の前に黒い煙が現れて目くらましをされてしまった。すぐに煙を消したのだがカバトンとランボーグは遠くまで逃げて行ってしまっていた。追いかけようとしたタイミングで偶々街に来ていたあげはさんがやって来た。何でもヨヨさんから街に向かっていったエルちゃんを連れ戻すように頼まれたのだそうだ。俺は転移魔法を使って一人でUFOの内部に移動し、プリズムにあげはさんの護衛を任せる事にする。

 

まだ日記に書き記してなかったが、この転移魔法は使用者が知り合いや友達の顔を思い浮かべ、その人物の元に飛んでいくという仕様なのだ。わかりやすく説明するとドラゴンボールの孫悟空が使っていた瞬間移動みたいな感じだな。とりあえずエルちゃんとツバサ君の顔を思い浮かべ、転移魔法で移動するとUFO内部に入れたらしく、すぐ近くにエルちゃんのゆりかごを持ったツバサ君が居た。しかしエルちゃんの姿がなかった。どうやらカバトンに連れていかれたらしい。ツバサ君もエルちゃんを渡すまいと抵抗するが歯が立たず、UFOから落とされそうになるが間一髪でUFOにしがみつき、内部に戻ってこられたそうだ。

 

そこから俺とツバサ君はカバトンがいる場所を探し出し、ある部屋でトンネルに向かって褒美が欲しいと言うカバトンとシャボン玉に閉じ込められているエルちゃんを見つける。ツバサ君がカバトンにバレないようコッソリ近づき、なんとかエルちゃんを助け出すことが出来た。だがカバトンがこちらを向いてしまい、バレてしまった。

 

「あ、赤ちゃん泥棒!」

 

「お前に言われたくない!ど、どうしましょう!」

 

「落ち着けツバサ君。俺にはこの危機を脱するとっておきの策がある!」

 

「と、とっておきの策!?そんなものがあるんですか!」

 

「ああ、たった一つだけのな!」

 

「もったいぶらないで教えてください!何なんですかそれは!?」

 

「それはな…逃げるんだよォ!

 

「えぇぇぇぇーーーーっ!?」

 

俺が使ったのはジョースター家伝統の策、『逃げる』だ!

なんか逃げてる際中ツバサ君が「ヒーローが逃げて良いんですか!?」と言ってきたが、あくまで俺は策として逃げているだけでこの戦いから逃げている訳では断じてない。カバトンも俺達を追いかけてくるがその途中カバトンが捨てたであろうバナナの皮でカバトン本人が滑っていた。マジで何してんのアイツ…

 

カバトンがちんたらしている間にUFOの壁をぶち壊し、そこからエルちゃんをゆりかごに乗せて逃がそうとするがエルちゃんは俺達にも逃げてほしいのか中々離れようとしなかった。仕方がないのでツバサ君にも逃げてもらう事にする。今のところ3分が限界だがツバサ君も浮遊魔法が使えるので早く逃げるように促した。ツバサ君がエルちゃんを連れて逃げていったタイミングでカバトンも追いついてきた。すぐさまカバトンが襲い掛かってきたが特に苦戦する事なくボコボコにしてやった。だが戦いの最中、エルちゃんの悲鳴が聞こえ外を見てみると、エルちゃんが不思議な力を使って落ちそうになっていたツバサ君を浮かせていた。きっと浮遊魔法が思ったより長く使えなかったのかもしれない。これは完全にツバサ君なら逃げ切れると判断した俺のミスだな…

 

カバトンはチャンスと言わんばかりに操縦席に向かおうとしたのですぐに止めようしたがカバトンの奴が俺に向かってオナラをしてきやがった。俺があまりの臭さに鼻を抑えている間に操縦席に逃げられてしまった。それからすぐに光線のような物を出してエルちゃんを吸い込もうとしていた。カバトンは「そんな脇役なんか見捨てて逃げりゃ良いのによ!」とエルちゃんを笑っていたようだが、それを聞いたツバサ君は激昂し、次の瞬間彼からミラージュペンが現れた。ツバサ君はエルちゃんを守ると決意を固め、ミラージュペンを手に取る。俺はカバトンが妨害しない様にスカイランド神拳を床に放ち、UFOを大きく揺らし、ついでに大きな穴も開けてやった。これによりカバトンは妨害が出来なくなるだろう。

 

その間にエルちゃんからスカイトーンを受け取ったツバサ君が「プリンセス・エル!あなたのナイトが参ります!」と決意の一言を放って新たなプリキュア、キュアウィングに変身した。変身したウィングは空を自由に飛んでエルちゃんを助け出した。俺は転移魔法でウィングの元へ行き、「やったなツバサ君。いや、ウィング!」と称賛の言葉を送った。なんかカバトンが「認めねぇ!」と叫んでいたがさっきスカイランド神拳をぶつけてやったからかランボーグにはもう攻撃する力がないようだ。そこからウィングが『ウィングアタック』でランボーグを浄化してみせた。これにて一件落着だ。

 

ツバサ君。これからエルちゃんのナイトとして精進しろよ。あっ、鍛えてほしかったらいつでも言えよ。みっちり鍛えてやるからな!

 

…あっ!そういや今日はカバトンを空の彼方にぶっ飛ばせなかった!あいついつの間にか逃げてたからな。次現れた時にぶっ飛ばすとしよう。

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