♢♢月☆☆日
今日からシャララさん…シャララ隊長が率いる青の護衛隊での訓練に参加させてもらった。隊員達に自己紹介するとわんぷりのキュアニャミーと似た声の女性が「子供じゃないですか…」と不満げに呟いた。この人は原作にも居たベリィベリーという人だ。
副隊長さんがベリィベリーさんを注意するが、ベリィベリーさんは子供がここの訓練についていける訳がないとか、別の世界に行ってエルちゃんを助けたのが嘘なんじゃないかと、好き勝手言っている。別に俺を甘く見ている事は気にしていない。実際俺子供だし…だが、流石にあの日々を嘘だと言われたら黙っている訳にはいかない。
「フッ、どういった根拠で俺の言った事を嘘だと決めつけているんですかね?」
「なにっ…?」
「そんなに俺を訓練に参加させたくないのなら、テストしてみたらどうですか?俺が勝てば訓練への参加を認めてもらいます。まさか天下の青の護衛隊の一人であろうあなたが逃げたりしませんよね?」
「っ…望むところだ!」
それからシャララ隊長からの許可も貰い、ベリィベリーさん相手に戦う事になった。ベリィベリーさんは加工したスカイジュエルが装着したグローブを右手に付けており、グローブからバチバチと稲妻が走っていた。ベリィベリーさんは好きな武器を使えと言ってくるが、俺はいつも通りこの身一つで戦うつもりだ。ちなみに戦いが始まる前にましろとツバサ君の姿が見えた。どうやら差し入れを持ってきてくれたようだ。
結果としては、俺の圧勝だった。ベリィベリーさんは電撃を纏ったパンチをしてきたり直接電撃をぶつけてこようとしたが、俺も雷魔法で対抗し、ベリィベリーさんに手刀を喰らわせて気絶させて勝利したわけだ。それから他の隊員がベリィベリーさんを医務室に運んで行き、その隊員が戻ってきたところで訓練が始まった。やはりスカイランドで一番強いチームと言われているだけの事はあり、良い特訓になった。何人かに頼まれて軽く組手をしたが、普段から鍛えているだけの事はあり動きが洗練されていた。まぁ全部俺の勝ちだったがな。
今日の訓練を終えた俺はベリィベリーさんが居る医務室に行ってみたが、ベリィベリーさんは涙を流しながら俯いていた。今はそっとしたおこうかなと考えていたらベリィベリーさんに気づかれてしまい、こちらを睨みながら「笑いに来たのか?」と言ってきた。
「笑いに来たわけじゃありませんよ」
「じゃあ何だ?慰めにでも来たのか?」
「それも違います。俺はベリィベリーさんと話をしにきたんです」
「ハァ?」
「ベリィベリーさん。あなたの強さは青の護衛隊の隊員の中だと一、二を争うレベルだと思います。もちろんシャララ隊長と副隊長さんには劣るとは思いますが…訓練の一環で何人かと組手をしてみましたけど、正直ベリィベリーさんとの戦いの方が歯応えがあったと思います。きっと血の滲む特訓をしてきたんですよね?」
「き、気休めはやめてく…」
気休めはやめてくれと言いたかったようだが、ベリィベリーさんのお腹から音が聞こえてきた。せっかくなのでベリィベリーさんを食事に誘った。しばらく護衛隊の訓練に参加するのでベリィベリーさんとも交流を深めた方が良いだろう。
食事を終えて町中を歩いている最中、ベリィベリーさんが自分の過去を教えてくれた。子供の頃に腕に大怪我をおってしまったらしく、それが原因で三年程護衛隊の入隊試験に落ち続けたそうだ。それから血の滲む努力をし、ようやく入隊試験に受かったようだ。そこは原作通りのようだな。
「やっぱり努力してきたんじゃないですか」
「でも、私はお前に勝てなかった…」
「まぁ、俺もヒーローになる為に4歳の頃から特訓漬けの毎日を過ごしてましたからね。努力ならベリィベリーさんよりしてきたと自負してますよ」
「それは聞き捨てならないな。私の方がお前より努力してるよ」
「いやいや、俺の方が努力してますって!」
「いいや、私だ!」
俺とベリィベリーさんは張り合いし続け、思わず笑ってしまう。俺と同時にベリィベリーさんも笑ってしまっていた。
「…ありがとう、ちょっと元気が出たよ」
「それなら良かったです。ベリィベリーさんのような美人さんは笑顔が似合ってますよ」
「び、美人!?お前何を言ってるんだ!」
「いや、事実じゃないですか。俺にはましろって友達やあげはさんっていうお姉さんみたいな人がいますけど、二人と同じ位ベリィベリーさんは美人ですよ」
「わ、わかったからもうやめてくれ!」
ベリィベリーさんは顔を赤くしながらそう言ってきた。ましろもそうなんだが俺が容姿を褒めたりすると顔を赤くするんだよな…
「そ、それと、私に敬語は使わなくていいよ。そこまで歳が離れてる訳じゃないからな」
「わかりまし‥わかった、ベリィ」
「べ、ベリィ?」
「ベリィベリーだからベリィだよ。この方が呼びやすいし、愛称みたいで良いだろ?」
「まぁ…悪くないな…これからよろしく、ソラ」
ベリィは素っ気なくするが、満更でもない様だ。ちなみに『ベリー』という愛称も考えたが、あるプリキュアと被っちゃうのでやめておいた。
すると近くから気配を感じたので出てこいと言うとキザったい男が現れた。アンダーグ帝国の奴か?と聞くとご丁寧に「僕の名はバッタモンダー!」と名乗ってくれたのでお礼に顔面パンチを喰らわせてやった。
待ってたぜ、この時をよぉ!
「な、何しやがる!?」
だって俺、お前をぶん殴るのが夢だったもん。
アンダーグ帝国の幹部の一人、バッタモンダーはアンダーグ帝国の中ではスキアヘッドことダークヘッドの次に大嫌いなのだ。原作のこいつは最終的に改心はしたものの、それまでの行いがダークヘッド程ではないにしろまぁクソ過ぎた。まず王様と王妃様に呪いの様なものをかけて昏睡状態にし、ランボーグとの戦いで瀕死になったシャララ隊長をランボーグに変え、シャララ隊長を利用して逆恨みをしていたソラの心を折ったり、人間に変装してましろにちょっかいを出そうとし(まぁ全部裏目に出たが)、挙句の果てにましろが描いた絵本を破ったりしやがった。ましろと原作のソラが許そうが、俺はお前を許さねぇ。
という訳で、飛んでいけぇーーーーっ!!
「…飛んでいきすぎだろ」
☆☆月♢♢日
ランボーグが現れたので浄化してやった。
♢♢月☆☆日
今日もランボーグが現れたので速攻で浄化してやった。これで10体目である。原作だと浄化せずに倒した結果、残されたアンダーグ・エナジーが巨大なランボーグとなってあの悲劇に繋がるが、10体とも浄化したのでよっぽどの事がなければ大丈夫だろう。
☆☆月♢♢日
ここしばらくランボーグとの戦闘が続いたが、今日はシャララ隊長と一緒に任務に出向いていた。何でもこの村の近くの森に住む野生動物が暴れるようになり、人を襲うようにもなったそうだ。村長曰く、本来はとても大人しい野生動物らしい。すると件の野生動物が暴れている所を目撃したのですぐさま野生動物の頭を押さえ、動けないようにする。よく見ると野生動物は足を怪我していたので治癒魔法で治してあげた。これにより野生動物は大人しくなり、森の方へ帰っていった。
「まさか治癒魔法まで使えるとはな。凄いじゃないか」
「ヘヘッ、そうですか?」
「ああ。そもそも魔法を使える人間は今の時代、中々居ないものだ。魔法を使えるだけでも凄い事だよ」
「ヘヘッ!ありがとうございます。青の護衛隊って、こんなに遠くまでパトロールしたりするんですね」
「ああ。都を守る事も大事だが、パトロールも大事だ。辺境の地には、助けを必要とする人達がたくさんいる」
シャララ隊長の言う通りだな。実際俺も助けられた訳だからな。するとシャララ隊長は一つのペンダントを取り出して俺に見せてきた。ペンダントにはハートの形をしたスカイジュエルが付いていた。
「このスカイジュエル、覚えているか?」
「…えぇ、忘れる訳ないじゃないですか」
そう、俺がシャララ隊長に助けられた時の…前世の記憶を取り戻す前の出来事だ。シャララ隊長に助けられた俺は家に帰った時に持っていたハート形のスカイジュエルをお守りとして渡したのだ。ハートの形をしていると言っても、実際はどこにでもあるスカイジュエルの欠片だ。それをシャララ隊長は今も持ってくれていた。原作知識があると言っても、俺にとっては凄く嬉しかった。
「君と再び出会えたのは、このジュエルの導きかもしれないな」
「そうですね…」
シャララ隊長と笑い合っていると、一匹の鳥が慌てながらこちらへ来た。何でも城下町の上空に巨大ランボーグが現れたそうだ。どういう事だ?ランボーグは全員浄化した筈だ!俺はシャララ隊長に俺の肩に掴まるように言い、転移魔法で城へと戻った。