☆☆月♢♢日
転移魔法でシャララ隊長と一緒に城に戻るとツバサ君が怪我をしており、ましろとエルちゃんが心配そうにしていた。王様によると原作同様町の上空に巨大ランボーグが出現した後、バッタモンダーからの脅迫状が城に張られていた、言わずもがな一時間以内にエルちゃんを引き渡さないと巨大ランボーグが大爆発をするという内容だった。キュアウィングに変身したツバサ君が空から偵察していたのだが、ランボーグにより撃墜されてしまい、負傷してしまったとの事だ。
しかし不可解だ。巨大ランボーグを生み出す為に必要なアンダーグ・エナジーは俺が全て浄化したから残っていない筈だ。シャララ隊長の提案でアップ・ドラフト・シャイニングで浄化してみようという事になったが、その前にバッタモンダーからどうやって巨大ランボーグを生み出したのか聞き出しておきたい。俺とましろはプリキュアに変身し、プリズムにはいつでも技を撃てるようにベランダで待機してもらい、俺は転移魔法でバッタモンダーの元へ移動した。突然俺が現れた事でバッタモンダーは驚いていたが、すぐにキザったらしい態度に戻った。バッタモンダーにどうやってランボーグを生み出したのか問いただすと、バッタモンダーはある人からアンダーグ・エナジーを分け与えられたおかげでこの計画を実行できたと白状してくれた。ある人…まさか…!?
「油断大敵だよ?」
そう言ってバッタモンダーが俺に殴り掛かって来るが、殴られる前に俺が奴の顔面に肘打ちを喰らわせてやった。こいつをほっとくととんでもない事になるのですぐに空の彼方にぶっ飛ばしてやった。それから転移魔法で巨大ランボーグの元へ行き、風魔法の刃で奴の手を全て切り落とし、プリズムの元へ戻ってアップ・ドラフト・シャイニングで巨大ランボーグをアッサリ浄化した。バッタモンダーは空の彼方にぶっ飛ばしたのでこれで大丈夫だろう。
「キャッ!?」
ここで安心したのがいけなかった…いつの間にか戻ってきていたバッタモンダーがプリズムを人質にしてしまった。
「そ、そこから少しでも動いたら、この女をぶっ殺すぞ!!」
「ス、スカイ…!」
…こいつはとことん救いようのない奴だな。動かなくてもプリズムを助ける事は出来るんだよ。
「ひっ!?い、いつの間にギャッ!?」
転移魔法でバッタ野郎の背後に移動し、プリズムを掴んでいた汚らわしい奴の腕を掴んで強く握る。
「このまま大人しく逃げるか、ここで俺にボコボコにされるか、好きな方を選びな」
俺がバッタ野郎の腕を離すと、バッタ野郎は「バ…バッタモンモン…」と言ってすぐに逃げていった。根性無しが…
「そらぁぁぁぁぁぁぁーー!!」
今度こそ大丈夫だろうと安心していた矢先に、エルちゃんの叫び声が聞こえてきた。「嘘だろ!?」と思いつつプリズムと一緒に転移魔法でエルちゃんの元へ飛んでいく。そこで俺とプリズムが目にしたのは、気絶しているツバサ君、黒い靄に包まれて眠る様に倒れている王様と王妃様、シャララ隊長、そしてフードを被っている男だった。その男を見た瞬間、俺はすぐさま男に殴り掛かるが、男は俺の拳を片手で抑えた。
「キュアスカイ…我らアンダーグ帝国の目的の邪魔となる危険分子…」
「バッタモンダーにアンダーグ・エナジーを渡したのはテメェだな…!?」
「そうだ」
そう言って男は手にエネルギーのような物を溜めてきたので俺も雷魔法を作ってそのエネルギーにぶつける。二つの力は相殺され、俺とこの男にダメージが入る事はなかった。男は俺に背を向けて撤退しようとしたところで俺は声をかける。
「俺はお前らを許さない…今度会う時は必ずぶちのめしてやる…!」
俺の言葉に男…スキアヘッドは何も言わずに消えていった。俺は泣きじゃくるエルちゃんを抱きしめる。
「ごめんな、エルちゃん…エルちゃんのパパとママを守れなくて、本当にごめんな…!」
「そらぁ…そらぁ…!」
俺はただ、泣きじゃくるエルちゃんに謝る事しか出来なかった。
それから俺はましろとツバサ君と今後の事を話し合った。王様と王妃様だけではなく、シャララ隊長まで呪いで眠らされてしまった。原作の様にシャララボーグにされるよりはまだマシだろうが、まさか原作より酷い結果になるとはな…
だが、ここでしょげてる場合じゃない。ここは原作通りエルちゃんを連れてソラシド市に戻り、ヨヨさんの知恵を借りることにしよう。二人もそれに賛成の様で、明日にでもソラシド市に戻る事にした。
♢♢月☆☆日
早朝になり、俺達はソラシド市に戻ってきたわけだが、なんとベリィも一緒に来ていた。ベリィはシャララ隊長が眠らされて黙って見ておくことが出来ないらしく、早朝に俺達の元へ来て一緒にソラシド市に行きたいと申し出てきた。「それに、ソラと一緒に居た…な、何でもない!」と言ってベリィが顔を赤くしてると、なんかましろから不穏なオーラが漏れ出ていた。ツバサ君に至っては「ソラさん、また女性を誑かしたんですね?」とジト目でそんな事を言ってきた。別に俺誑かしてないから!人聞きが悪いぞツバサ君!
とにかく俺達はヨヨさんとましろを出迎える為に家に来ていたあげはさんに事情を説明した。当然のようにあげはさんはバッタモンダーとスキアヘッド(こいつの名前は伝えていない)に対して怒りを露わにしていた。ヨヨさんは既にシャララ隊長達にかけられた呪いを解く方法を見つけており、ランボーグを浄化した時に出てくるキラキラエナジーをミラーパッドに集めていけば呪いを解く薬を作る事が出来るようだ。やれやれ、どうやらしばらくはランボーグを召喚する前にバッタモンダーをぶっ飛ばす事は出来そうにないな。ましろが「その薬が出来たら、パパとママを目覚めさせる事が出来るかもしれないよ!」と言うとエルちゃんは両親の事を思い出したのか、泣き出してしまった。無理もないな。怖い思いをした上に、突然両親が眠りについてしまったのだ。
まずはエルちゃんを笑顔にしようという事で、あげはさんの提案で人形劇をする事になった。物語は桃太郎をモチーフにした物で、ある日山に暮らすお爺さんとお婆さんの元に小さな雲が降りてきた。その雲からえるたろうと言う赤ちゃんが生まれ、えるたろうはお爺さんとお婆さんの元ですくすくと育っていった。しかし、突如として悪い鬼がやって来てえるたろうが大好きなあげは姫が攫われてしまった。あげは姫を助ける為に立ち上がったえるたろうはお供になったソライヌ、ましろサル、ツバサキジと一緒に鬼ヶ島を目指すという物語だ。所々桃太郎と違ったりするが、本筋は概ね同じだ。ちなみにベリィはこのノリについていけなかったようで、エルちゃんと一緒に人形劇を見るようだ。
あれからましろとツバサ君の気持ちが大きくなって、ピリピリした空気感を感じたエルちゃんが泣き出したり、俺がつい力を入れ過ぎて幕を崩してしまったりしたが、その時にエルちゃんが俺とましろ、ツバサ君とあげはさんの名前を呼んでくれたのだ。俺も柄になくエルちゃんの成長を喜んでしまったが、とても良い気持ちだ。この光景を見ていたベリィが「私はベリィベリーと言います。プリンセスも気軽にベリィとお呼びください」と言うと「べりぃ…える!べりぃ!」とエルちゃんはベリィの名前も口にした。エルちゃんとベリィの過ごした時間はまだ短いが、エルちゃんはベリィに心を開いたようだった。
しばらくすると窓から鳥達が入ってきて、俺達に何かを訴えてきた。鳥と会話が出来るツバサ君によると公園に怪しい男が現れたそうだ。すぐに公園に駆けつけた俺達が目にしたのはキザったらしく佇んでいるバッタモンダーだった。バッタモンダーは公園にいた子供から奪ったであろう鬼の人形をランボーグにした。あげはさんとベリィにエルちゃんを託し、俺達はプリキュアに変身してランボーグと戦った。途中ランボーグが上空に大量のエネルギー弾を作り、それが俺達の元へ降り注いで来た。
「あぁ…滅茶苦茶だ…これじゃあまるでスカイランドのようじゃないか…王と王妃、挙句の果てに護衛隊の隊長も倒れてしまって…あぁっ!弱いって、なんて可哀想なんだ「などと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ」は…?」
エネルギー弾が直撃する前に俺がバリアーを作った事で全員無傷でやり過ごした。それとスカイランドがそんなに軟だと思ってんのか?
バッタモンダーは「バリアー作れるなんて卑怯じゃねぇか!ちゃんと実力で勝負しやがれ!」と言ってきたが、マジでお前にだけは言われたくない。この前プリズムを人質に取った事は記憶から消し去ったのか?だとしたら随分おめでたい頭してるんだなお前。
それから即座にプリズムと一緒にランボーグを浄化し、キラキラエナジーも回収出来たのですぐにバッタモンダーを空の彼方へぶっ飛ばしてやった。
☆☆月♢♢日
今日はましろに加え、ベリィも一緒に特訓をする事になった。どうやら俺に少しでも近づきたいらしく、もっと力をつけたい様だ。特に断る理由もないので俺は構わないと言い、ましろも特に意義がないようで、ベリィを快く受け入れた。ベリィは最初こそ鬼教官ソラの特訓に苦戦していたが青の護衛隊に所属しているだけの事はあり、何とかついて来れていた。特訓が終わるとベリィは疲れたのか、地面に座り込んでしまった。
「大丈夫ですか?ベリィベリーさん」
「何とかな…お前達、いつもこんな特訓してるのか?」
「はい…まぁ私も最初はベリィベリーさんみたいに疲れて動けなかったんですけど…」
「でも、少しは余裕があるみたいだな。これもソラの地獄の特訓のおかげかもしれないね」
「アハハ、そうですね」
なんか失礼な事を話していたが、二人は特訓を通じて仲良くなったようなので今回は見逃してやろう。ちなみに今日の特訓以降、ベリィから言われた事もあり、ましろは彼女を『ベリィさん』と呼ぶようになった。
♢♢月☆☆日
今日は学校で今度行われる体育祭についての話し合いがあった。
色々な種目があるが、最後のトリを飾るのは選抜リレーだ。原作でソラとましろがリレーに出るという話があった筈なのでこれがそうなのだろう。すると予想通りあさひが女子部門の選手に俺を推薦してきた。賛成数も多いし、俺も悪くないと思っているのでリレーに出る事になった。それから先生がもう一人出たい人はいないか生徒達に聞いたが、確か原作だとソラの推薦でましろに決まったんだよな?まぁ俺は無理に出ろと言うつもりはない。
そう思っていたら、なんとましろが自分から立候補してきた。最近ましろの体育の成績が良くなったのと、俺と一緒と言えばましろだろうという意見もあり、もう一人のリレー選手はましろに決まった。
ツバサ君やあげはさん達と今日の事を話した時にわかったのだが、ましろは自分がどこまで行けるか試してみたいのと、俺と一緒にリレーをやりたいから立候補したそうだ。そう口にしていた時のましろは何故か顔を赤くして照れていたが…
「ましろとリレーか…なんか楽しみになってきたな」
「ソラちゃん…!」
「よーし!お前がどこまで走れるようになったか試す良い機会だ。頑張ろうな」
「あ、うん…」
何故かましろは少しテンションが下がってしまった。どういう訳かツバサ君はジト目で俺を見て、ベリィに至っては何故かましろを羨ましそうに見ていた。挙句の果てにあげはさんから「ソラちゃんはもうちょっと乙女心を学んだ方が良いかもね」と言われてしまった。どういう意味だろ…?