C城での悪霊退治の翌日、オレは今度はドイツに飛ぶことになった。
一仕事終えたばかりだというのに、人遣いが荒いものだ。
それは構わないが、お前らの国はいいのか?
そう問いかけた時のレストランでお食事を馳走になったWBのメロリンしてそうなオッサンの答えは傑作だった。
「 ああ、それで稼いでるところもあるからね。 」
だとさ。イギリスは世界一心霊スポットの多いと言われている国だ。E城、地下空間、ロンドン塔、P村。
これらではこの心霊現象を利用してツアーを開き、観光資源としているそうな。
心霊スポットで稼ごうなんて浅ましさは東にはないが、金儲けに余念のないところはやはりあちらと変わらないようだ。
まったく、オレが言えたものじゃないが、霊をなんだと思っているのか。
そいつらはなにしでかすか分からないというのに。
がしかしどの霊も、クロバットよりはおとなしいのだろう。
目立った被害を出していないらしい。
ただ一点、大英博物館のそれを除いては。
あそこはこの西洋の業の闇鍋のような場所であるらしいからな。
とはいえ、言われた以上は、仕事をこなさねばならない。
こっちも上の命で来ているのだ。不備があれば護廷の名が廃るし、やはり
オレに陰陽の道を示し、導いてくださったあの方に報いるには、オレがこの道を歩み続けるほかないわけだ。
それには、力を得るために、日々精進、これに努める他ない。
「 それで、ドイツのなにが問題になっているのです? 」
相手が何者かを知らねばまぁ話にならないので、ひとまずこれを聞いてみることにした。
「 魔女伝説の残る山があるんだけども、どうもそれがきな臭いんだよ。 」
「 魔女?それはそちらの管轄ではないのですか? 」
「 そうなんだけどねぇ・・・ 」
料理を口に入れながら、ビリー氏の言葉に耳を傾ける。
なんでも4月の末に北欧ではヴァルプルギスの夜という豊穣祈願の祭事を行うらしいのだが、
それに前後してその山の付近では、人死が多くなるらしい。
それだけなら、単純に事故ではないのかと思うが、尋常じゃない死に方で、去年度は150人もの若者が、謎の怪死を遂げたという。
ドイツの辺りを巡回していた魔女たちも例外ではなく被害がでているようで、これを訝しんだ西梢局は調査に乗り出そうとしたが、現地に赴いた魔女たちの多くは、やはり帰らぬ者となったらしい。
少ない生存者は、なにかに怯えながら、こう呟いた。
「 狩りだ・・・王の狩りだ・・・ 」
狩りというあまりに文化的な単語がでてきたことで、西梢局の上層部は、下手人がドラゴンではないことを確信した。
実際こちらのドラゴンは虚と同じく、人間を能動的に襲うらしいが、被害者のいずれも、やはりドラゴンがやったにしては手が込んでいたそうである。
まるで狩人が、兎を射るように、なにかが突き刺さったり、
或いはなにか刃物のようなもので叩き斬られたりした跡があったそうな。
その辺りの一般人は武装しない都合上、例え仮面竜の犯行だったとしても、そのような殺し方はできない。
それで、オレが西に呼ばれたという理由だ。
専門外の相手は素直に、専門家に任せてしまった方が早いということのようだ。
「 それで、相手が何者かという目星はついてるんですか? 」
「 うん。といっても、これもあくまで伝承、言い伝えの類なんだけどね。 」
「 伝承。まあ、その類が絡んでるというのは、東の方でもよくあるケースですね。 」
「 そうかい?じゃあいっても問題ないかな。 」
ビリー氏が語るには、このヴァルプルギスの夜の怪死事件の黒幕は、ある霊の一団である可能性が高いのだという。
ワイルドハント。北欧でも広く知られる、悪霊の群。
このヴァルプルギスの夜やハロウィンの時期に現れるとされ、万が一出くわし、彼らの行く手を阻んでしまうと、たちまち殺され、仲間入りを果たしてしまうのだという。
その多くが、武装した兵士であったり、黒い猟犬であり、統率者は諸説あるものの、名だたる王や神霊によって統制されている。
・・・神の類が関わっているやもしれないとなれば、確かに厄介だ。
西梢局が退こうとするのも、無理もない。
ドラゴンが混じってるという謂れもあるらしいが、仮にドラゴンがいたとしても、他はやはり専門外で、下手すれば戦力を余計に消耗する可能性があるからだ。
神霊なんてものが率いているならば、そら並の魔女では到底太刀打ちできないわけだ。
群れている集合霊であるという点も不味い。
被害者たちの霊も取り込んで規模が拡大している可能性も考慮すれば、確かにそのままにはしておけない。
狩りにしてはあまりにも獲物が多すぎるのだ。
被害者の数が多い以上、死神として看過できない。
そしてこのまま放っておけば、時とともに群れは力を増し続け、やがては北欧全土に災いを齎しかねない。
そうなる前に、この夜の群れを沈めねばならないわけだ。
非常に困難な任務だが、やる他ない。そのために呼ばれたのだから。
それに、その果てにオレのさらなる熟達が待っているだろうし。
「 分かりました。手は尽くしましょう。
この檜佐木悟にお任せあれ。 」
否応なしにこう答えざるをえんが、自信はある。
神だって、やり合うのは初めてではないしな。
が、一時の慢心は足元を掬う。
万全の支度を以て挑まねばなるまい。
式神の頭数が揃うかどうか。敵の戦力がいかほどのものか。きっちり調べ尽くさねば。
ビリー氏は、そのままワイルドハントの統率者が誰であると言い伝えられているかを教えてくれた。
北欧の戦神。騎士たちの王。太陽を落とした者。
地獄の女神。
ヌッドの子息。ヌッドって誰だよって思ったが、なんでもウェールズの神らしい。
それにその他精霊や妖怪、北欧の名高い英雄。
とラインナップは目白押しであるそうだ。
そんなもの、本当にいるのか?
結論からいえば、いる。現世の人間は、その存在を信じぬものも多いが、確かに存続している。
実際にオレはこれまで、人知を超えた霊威と戦った事がある。
どれも手強い相手であったがどうにか勝てたのだ。
そう、ただ一柱を除いては。
京に陣取る、あの星神。
彼だけはそこらの神霊とは文字通り格が違う。
それで得るものは多かったが、一歩間違えれば、オレは死んでいたかもしれん。
あれで分霊とは恐れ入ったものだ。
そんな経験もあるからこそ、オレは一抹の慢心も許してはならない。
常に準備を欠かせてはならないのだ。
例え新しい力を得たとしても、それに息巻いてはならない。
より強い強者に出くわす可能性があるからだ。
無知。これほど怖ろしいものもない。
常に相手を侮らず、その手の内を探る。
敵を知り、己を知れば、百戦危うからずだ。
神がいるならば、オレの今の手元の戦力ではやはり、不安が残るところでもある。
本国にいるヤバいのを引っ張りだすわけにもいかない。
などと考え初めていた時、外からの爆発音が耳に轟く。
何事かと思い、オレとビリー氏は同じように気になったのであろう、集まった人混みの中を掻き分けて、外にでた。
そこに広がっていたのは、信じられぬ光景だ。
英国の首都ロンドン。
その象徴ともいえる、巨大な時計塔。
それが、崩れ去っていた。
なにかが衝突し、建物が次々に砕け散っていく。
民衆はそれを、唖然として見ているほかない。
なにが起こっているのか、わからないのだから。
そう、ただ2人を除いて。
「 あれの仕業か。 」
俺の目に映る視界には、空を飛ぶガレオン船。
街にそこに住まう人々に大砲を向け、見えぬ脅威に晒している。
これの砲弾が、時計塔を打ち砕いたのだろう。
この霊圧、やはりというべきか複数人乗っているらしい。
C城のときと違って、集合霊のようだ。
「 あの船に覚えは? 」
「 鹿の船首像。ゴールデンハインド号かな。
海賊、ドレイク船長の船として有名なんだ。 」
「 話に聞いた、"太陽を落とした者"、ですね? 」
「 厳密にはスペイン海軍なんだけれども、概ねそれで合ってるよ。
でも、少しわかんないな。 」
「 なにがです? 」
「 あれが、かのフランシスドレイク卿なら、どうしてロンドンを襲うんだ? 」
「 決まってるでしょう?奪うためだ。
賊なのだから。 」
歴史上いかなる英雄も、血を見なかったことはない。
勇猛さ誠実さなどの美徳ばかりが目を引くが、彼らもまた人間なのだ。
まして海賊など、寺に忍び込んで、宝物と勘違いして呪物を盗んでいく強盗とさして変わらない。
如何に歴史がその功績、偉業を讃えようと、人に仇なす異形と化した彼らは、英雄とはいわない。
これ以上ロンドンをぶっ壊されて、面倒がデカくならないように、奴らが掻き集めたありったけの夢をぶち壊すとしよう。
「 さあ、出番だぞ。 」
『
準備の良いことに、やる気満々な様子でその白い猛禽は空を飛んでいた。
レストランをでて、人々より前にでるオレの懐からは、こいつを封じたカード。
西洋の悪魔だかなんだかを象徴する魔法陣が描かれている。
危険だが、たまにはこいつも戦いたいだろうし、
なによりこの場はあの賊どもを始末するのが先決だ。
被害が増えても困るしね。
もちろん、これ以上ビリー氏をはじめとしたリバースロンドン、つまり西梢局の方々を困らせるわけにもいかないので、ある程度パワーはセーブするが。
さて、発するかね。
今回も、解号はなしだ。
久しぶりに一暴れしてこい、相棒。
―――来い、
その瞬間、手に持ったカードの紋章が赤く光り、爆炎が起こった後にオレの周りに炎が瓜二つの陣を象るように激しく燃え盛る。
周囲も急な高温に晒され、そこらかしこに火が灯っている。
人々は突然の発火に混乱している。まあ無理もない。
彼らには、この一連の出来事は視認できないのだから。
オレの真上には、白い巨大な鳥。
鷹とも孔雀とも思えるような外観が、神聖さを醸し出す。
この全身が炎で燃えているような鳥がさっきまでオレの周囲を飛んでいたアイツの本当の姿だ。
『 Phoooooooooooooo!! 』
ファイヤーの叫びが木霊し、炎たちがその圧によって揺れる。
黄金の牡鹿号も、灼熱の業火に包まれ、何の抵抗もできずに焼けていく。
この炎こそが、こいつの力だ。
不死身に近い性質と、炎や熱風を操る能力。
流石にどんなものかもわからぬ卍解まで含めるとわからないが、その威力たるや全開ならば山本総隊長の斬魄刀、流刃若火にも迫るだろう。
そして敵さんも必死なのだろう、苦し紛れに砲弾を乱れ撃つものの、灼熱を纏ったファイヤーには命中することは愚かまるでかすりもしない。
あまりの熱に弾道がブレてしまっているのだ。
ただ無残に地面に命中し、無駄玉になるばかりだ。
「 往生際の悪いことだ。
『 Phoooooooooooo!! 』
ファイヤーが優雅に天を舞い、ガレオン船に突撃する。
火の鳥が燃える船体を貫き、爆発せしめる。
おおよそ日常のなかでは聞かないようなすごい音とともに、その如何にも海賊の船らしい船を、焔が無情に焼き焦がしていく。
ビリー氏は地元の人間であるからだろう、爆炎に包まれ消えていく牡鹿号を虚しそうに見つめ、オレはなんということもなく凱旋する長年の付き合いの炎の鳥を見つめていた。
長さ的にはこれくらいがいいかな?
ダレるし。
それはそうとポケモンチャンピオンズでましたなwww
んんwww3種の神器はないとかあり得ないwww
しかし面白さの面で役割を持てるので、ヤケモンチャンピオンズですなwwwwww
そのうち野獣先輩も悪霊(ポケモン)としてだすつもりでゲス(ESCLGN)。
ただ、今の路線のまま進めると鰤でもダグギャザでもなく、FGOになりそう。