ご了承ください。
「誰だお前」
幕引きの一撃をのせたラインハントの聖槍を額で受け止めた。
奴の攻撃は受けるわけにはいかない。
「止まれ!!!」
「死世界・凶獣変生ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ!!」
奴が動こうとするより先に奴の時を止めてラインハルトの時を加速させる。
ほぼ同時に発動したラインハルトの最速の理で攻撃のどうにかラインハルトが範囲外に流れた。
「俺に触るな!身体が汚れる!俺は俺で満ちているのに。」
時や止まれ時よ止まれ時よ止まれ時よ止まれ
波旬が払う手とその衝撃波を躱しながら奴を天眼で見続ける。
眼がひび割れるが躊躇しない。
そして
「波旬というのか、卿」
「何か観えたか!?ラインハルト!」
「少し、だが」
ラインハルトの天眼が奴の
俺は時を操り攻撃を避けながらマリィを守り、ラインハルトは俺が補助しつつ最速の理で避けつつ攻撃し続ける。
「
ーグランドクロスー
「|死森の薔薇騎士《ローゼン・カヴァリエ・シュヴァルツヴァルト》!」
「
「滅尽滅相ォ!!」
「クソッ!」
メルクリウスは占星術で、ラインハルトは爪牙の様々な力を使っているが、一つも書く気配がない。
奴の攻撃は避け続けているが、マリィを守る際その余波を数回受けた。
できる限りマリィには悟られないよう痛みを顔や声に出さないように注意しながら躱し続けて攻撃も挟む。
「
どうやらばれてしまっていたらしい。
「大丈夫だよ。マリィ。必ず俺がなんとかするから。」
出来る限り優しい声で彼女に声をかける。
不意に波旬の攻撃が止んだ。
メルクリウスが驚いた表情でマリィと俺を見ている。
ラインハルトが声を上げる。
「カールよ。刹那よ。卿らはこの戦況をどう見る。」
マリィの無事を悟りある程度平静を取り戻したメルクリウスが答える。
「ハイドリヒ。…あれに攻撃は通じない。
故に、私が回帰で押し流す以外に道はないように思えるが。
お前はどう思う我が息子よ。」
少し間を空けて波旬の方を見る。
瞬間、やはり俺の眼がひび割れた。
「同感だ。何か弱点があるなら話は変わるが、そもそもあるかもわからないし、そう簡単にうまくいくようにも思えない。
悔しいが、お前に任せるのが最適だと俺も思う。
一度攻撃を受ければ終わる。時間がない。」
作戦をある程度纏め終えた。
もう一度座をメルクリウスに握ってもらい、一か八か永劫回帰の力に賭ける。
俺たちの中で一番可能性があるのはそれだろうと俺は結論付けた。
「だが、それではマルグリットの願いを叶えられないな。」
メルクリウスがマリィに目線を移しながら語る。
「カリオストロ…」
「そこで、協力してくれ。ハイドリヒ。何か掴んでいるのだろう?」
メルクリウスが問いかけると、笑みを浮かべてラインハルトが語り出す。
「波旬は触れられることを嫌っているらしい。
そして波旬の意識が額の眼に向いている。
額の眼から微かに意識と、死にたくないという感情を感じた。
額になにかが混じっているらしい。」
そう言って、ラインハルトが俺に近づく。
「私の
「ハイドリヒ卿!!」
三人の
ラインハルトは振り返らずに歩いていく。
ラインハルトの身体から強大な魂たちが漂い、俺の身体に吸い込まれていく。
その中には、俺にとって大切な者もいて
「我が息子よ。お前が一度座を取り、マルグリットを取り込みたまえ。
それと、私たちの流出の拡大を止めてくれ。その間に私たちは力を貯める。」
「もしその間に波旬が動けば…」
「あれは動かんよ。今も額のなにかを探している。
頼むぞ刹那。私が愛した女神を護ってくれ。」
決意を固める。彼女を護る。必ず。
「わかった。任せてくれ。一度座を取る。
ありがとう、糞親父」
「ありがとう。カリオストロ!」
少し微笑み、メルクリウスはラインハルトの背中に続く。
「テレジア、イザーク、
大きく本編からずれる分岐点となる章として描きました。
蓮とマリィの想いと決意、メルクリウスとラインハルトの関係性が重要だと考えてます。