人類削減計画(に巻き込まれたオレ、転移先で頑張ります) 作:つりーはうす
上空数千キロ
地球を見下ろす位置に影が佇んでいた
獣の姿をしたモノ
人の形をなぞるモノ
輪郭すら曖昧な、存在しているのかすら分からぬモノ
だが彼らには共通していることが一つだけある
それは人ならざるモノであると
その中の1体がぽつりと呟いた
「このままでは地球は死の星と化す」
「でもさぁ、どうせ何10億年後かには太陽の寿命で地球は飲み込まれて終わるんでしょ?」
軽い口調の声に先程の一体が低い声で返す。
「それは我の管理下での終焉だ。だがこの事態は違う。我が創生した人類によって我の管理外で地球が壊されることが問題なのだ」
「せっかく作ったのに、ってこと?」
「ああ」
「確かに。君は地球を作るのに手間かけてたもんね〜。太陽や月の位置をどうするとか地球の軸を何度にするか。でもさ、また作ればいいじゃない」
「そんな簡単に言うな。今まで我が何億年かけてきたと思う。新しく1から作るとなると流石に面倒だ。今の環境に少し手を加えればまだー」
「では、人類を消しますか」
遮るように冷酷な声が空間に響いた
「待て」
その言葉にすぐ否定する
「人類を消したところで地球は元には戻らない。奴らは既に地球に“爪痕”を残している」
「……原子力、ですか」
「覚えがあるだろう。そもそもあれは貴様がさる人物に啓示をしたことが発端だろう?創生者である我に何も言わず人類の発展を見てみたいという貴様の独断で招いた事態だ。余計なことしかせん」
彼がこのように発言した直後、その場の空気が僅かに軋む。
「……私が導かずとも、いずれ辿り着いた」
「では同じことだ。人類は自らの手でこの問題を解決するはずだ。我が手を加えるというのは人類を消すことではない。人類もまた我の大切な作品の"一部"だ」
「ではどうすると?このままでは貴方が丹精込めた地球は死と化しますが?もう地球は貴方の独断で裁量出来る星ではなくなったのですよ。そのことをお忘れですか?」
「貴様ッ!口が過ぎるぞ!当初は何もしなかった傍観者の分際がっ!」
議論が白熱しようとしたそのとき
「ちょっとさぁ、重くない?」
場違いなほど軽い声で口論に割って入った
「そんな睨み合ってどうすんのさ。もっとシンプルにいこうよ」
「……何が言いたい」
「簡単だよ」
そう言うと虚空に手を翳し何もない空間に光が走り無数の映像が浮かび上がった。
「人類ってさ、“ゲーム”っていうモノ作ってるじゃん?」
彼は無邪気に笑いながら続ける
「この中にね、面白いのがあるんだよ」
一拍、間を置いて
「人を殺して生き残るヤツ。これを使おうよ」
その一言ですべてが決まった。
異世界ほのぼの子育てスローライフにする予定です