でも書いちゃったから、独自設定で結界が描かれるぜい!
そして結界の所為でシティが増える下地になってるぜい!
以外と原作よりシティサイドにゆとりがあるな…まぁ、絶滅へのカウントダウンが少し伸びる程度だが。
ジャリ。足の裏から小石を噛んだ音が鼓膜を叩いた。
《報告、対象生物が本船の北に向って移動中》
「っし、走る距離が短くなるなっ!」
AIの報告を受けて力強く地面を踏み込む。チラリと横に視線を向ければ、自身がぐんぐんと加速している事実が良く分かる。
《現在の速度を維持した場合、目標点への到達まで約20分》
凡そ10キロの直線距離が20分である。これが旧人類ならば、倍の40分以上は掛かるであろう。冷静に自身の身体能力を評価するなら人外の粋なのだろうが、俺達ハイヒューマンはその様に創られたのだから仕方がない。俺の場合はトレーニングの効果もあってコレだが、動物系の遺伝子を組み込まれた奴はもっとパワフルな性能をしている。
問題はこの速度で移動した所で、今も襲われている現地民が20分もの間、生き残っていられるかである。
sideミオ
「ハァハァ」
獣の尾が跳ね、息が上がる。
顔を覆うガスマスク*1を引っ剥がして、思いっ切り酸素で肺を満たしたい欲求を生存本能で押さえつける。自分ははぐれのラット族*2だ。一緒にドローン*3から逃げているテルミンのようなノーマッド族*4と違って、シティの外では長くは生きられない。
「みぃ、みぃ!!」
とはいえ子猫のみたいな悲鳴を上げながら走る一本角の姫は、とある事情からノーマッド族の生命線である無毒体質*5が
本当なら自分のガスマスクを貸してあげたいのだけど、生憎とガスマスクはこの一つだけで予備はないし、ウチには毒耐性の個性もない。
バサッ、ギャリ、ドゴーン。ドローンの振り回すバーサーカーアックスが森の木々を切り裂いて崩し、辺りにはもうもうと土煙が登る。
「ミオちゃ、ダメ。逃げ切れないっ!」
「そうなんだけど、せっかく逃げて来たのに死にたくないでしょ!!?」
「もー、なんでドローンに見つかるのよ!?」
「シティの外なんてドローンだらけっ!」
勢いに任せた愚痴の応酬がドローンに考慮されるはずも無く、自身を隠してくれていた大木が、吹き飛ばされた木を受け止めた音で2人の会話を遮った。
「いいっ!!」
「あーもう、いい加減諦めてよ〜!」
幸い森林を破壊する為か、ドローンの装備は近接武装以外は見当たらない。森の木を倒すのに銃弾を撃ち込むのは非効率極まりないので理解できるが、それは同時に近辺に銃武装が必要な生物やニンゲンがいないことを意味している。
つまり、助けが来る可能性は限りなく低い。
身に染みた習性か2人の人影は次の木陰を求めて駆け出した。
「わた、
「そ〜だけど、どうすんの?どうするの!?」
「ミオちゃん何か持ってないの!?」
「目潰しの手投げ照明弾だけよ!!」
「使っ…使えね〜じょん!」
「だから使ってないでしょ!!」
上手く使えれば数秒間の間対象の視覚を奪う有能なアイテムだが、森林という地形がアイテムの有用性を殺していた。一時的に視界を潰して距離を取ろうにも、森林の陰に隠れた方が楽で安全であり、見えないからと暴れられれば倒木が飛んでくる。しかも相手は、3メートル台の二足歩行ロボットで簡単に追いつかれてしまう。
「テルミンは何か持ってないの!?」
「何か持ち出してる暇なんか無かったわよ!」
「その手に持ってるのは!?」
「フルートよ、見ればわかるでしょ!!」
集落から逃げ出す時に手に持ったままだったフルート。木で作られており、何か楽器以外に特別な機能が有る訳でも無いただの楽器。当然、この窮地を乗り切るキーアイテムにはなりそうにもない。
「へへへ、これはダメそう…」
「私は…ね」
「…」
「ミオちゃんなら逃げられるでしょ?」
「どうかな〜けっこう無理っぽいんですけど?」
「…嘘つき」
「ふふふ」
「あははは」
少女達の覚悟を聞き届けたかのように、ドローンは鋼鉄の大斧を振り下ろした。
sideナゴ
「AI、状況は?」
目標地点の森を視界に捉えながら、事態の進行状況を確認すべく船のAIとの通信を繫ぐ。先程から森の木々が倒れる音や、何かを叩き付けるような打撃音こそ伝わっては来るものの肝心の救出対象はまだ視認すら出来ていない。
《報ザザ、しんザザザによザ確認ザザザザん》
「チッ…ダメかぁ」
元々通信が何かしらの影響で妨害されているのは分かっていた事だ。だが、まさか10キロやそこらでロクに通信が出来なくなるほど強力な通信阻害だったとは想定していなかった。
「ん?」
AIの援護に期待できなくなったことに眉をひそめていると、前方の森林から強い光が木々の影を消し飛ばすような閃光が拡がった。
何かがいる。本能的にそれが保護対象だと悟り、腰元から愛銃を抜き放つ。
「二足歩行ロボット…っあれか!」
光の方角へと全速で進み、複数人の悲鳴が鳴り止んだ頃に無人機の姿を視界に捉えた。
人にしては大柄の金属人形が木々の隙間から、鈍色の光を反射させている。両手に握り込んだ大斧の刃は硬い物に当たったのか、クッキリと凹んでいる様に見えた。
「現地民は2名?」
閃光と同時に耳に届いた悲鳴の持ち主と思われる2人の現地民。1人は自分の故郷である日本の和服に似た装いを纏った角の生えた少女。もう1人は頭頂の辺りからケモノのミミが生えているかと思えば、腰にはイヌの様な尻尾まで生えている。こちらの服装は、背中や肩など肌を晒したデザインの服装をしている。
「閃光で気絶…ってところか。ありがたい事に閃光でカメラがやられてやがる」
ハンドガンを構えて銃口を突き付け、無人機の胴体に向けて弾丸を叩き込んだ。
いくらカスタムって言っても捕獲用だし、威力はしょせん豆鉄砲みたいなもんだ。出し惜しみをして無駄に危険を招きたくはない。
「……よし、沈黙を確認。拠点に戻ったら、この兵器を運ばせないとな」
カメラが潰れからか標的を見失い、近くのものに手当たり次第に斧を振り回していた無人機にいくつもの小さな穴が刻まれた。最後の断末魔か、ジジジと電光が漏れる音を最後に厄介な兵器はただのジャンク品へと成り代わった。
「保護…捕獲、何でも良いか。とにかく現地民の確保は…あー、俺が抱えて持っていくのかよ…2人もいんのに」
ハンドガンをホルスターに仕舞いおうと、カスタムハンドガンを見て異変に気付いた。
「げっ!」
ハンドガンは灰色の煙を上げ、誰の目から見ても正常な状態とは言えない状態となっていた。物資が少ない中で、カスタマイズ等という贅沢に費やす物資の余裕はない。当然、修理用のパーツを生産する事も出来ない。
ガックリと肩を落とし2人の少女を米抱きにして運びながら、しおしおと拠点に戻った。
誤字とかあったら、教えてちょ!ブリキだぞオメェを最近見た
リザルトはミオたちが起きてから……あれ、戦闘する予定だったのにな?おかしいなぁ?