【新装版】作者の妄想大戦K   作:kanaumi

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 最近、あげれてなかったのであげます。


第8話 ビフォーユー・ウエディングベル

 

 

 擬態獣掃討作戦が終了してから2週間が経った。ダンナーベースでの生活は、大変なものだった。就任そうそうに俺は多少の技術を買われ、整備員見習いとして、おやっさんの元で雑用係をしていた。レヴリアスによって荷物の運搬であったり、フォークリフトを駆け、荷卸しや積み込みをしていた。まあ、レヴィからは不評だったが。

 

『ミスト、なぜレヴリアスがこんな雑用をこなしているのですか?』

「え、あー、俺が出向初日になんでもするって言ったからかな?」

『貴方、それでもアトリーム防衛部隊の一員でしょう』

「ハハ、そうだな。あれから結構経つから、実感も薄くなった」

 あれだけ濃ゆかった日々も、随分と前に感じる。

『…まあ、前向きな貴方としてプラス評価としましょう。ですが、それとこれでは話しは別です』

「あー、頼まれたし…」

『断れとは言いませんが、荷物持ちは沽券に関わるのです』

「まあまあ、飛行可能で運搬能力が高いのが、レヴリアスとマジンガーZだけなんだし…」

 そう、現在のダンナーベースには、マジンガーチームとダンナーベース組と俺が残っているが、ムラサメなんかの飛行可能な機体は少ないのだ。

『…理解しています。理解していて言っているのです』

「ハハ、まあ、これで終わりだから」

 手に持っていたコンテナを下ろす。今日の作業はこれで終了だ。

「おーい、ミストー!レヴリアス固定して上がって良いぞー!」

「はーい!おやっさん、お疲れ様でしたー!…さ、レヴリアスもお疲れ様」

『もっと、労りなさい』

「レヴィもお疲れ様」

『…私には不要です』

 

 

 レヴリアスを降りた俺は、再度、おやっさん達に挨拶して、シャワー室で汗を流していた。

「……」

「ん?先客か」

「あ、猿渡さん、哨戒終わったんですか?」

「ああ、ミストか。ここは海岸沿いだから心配していたが、今の所は問題ない」

 哨戒終わりの猿渡さんは、俺の隣の個室に入った。

「お前の方はどうだ?生活には慣れたか?」

「いやぁ、おやっさん達にも良くして貰ってますからね。まあ、静流さんからは、訓練でしごかれてますが」

「ハハ、それはしょうがないな。…まあ、良かったよ」

 猿渡さんの声のトーンが、気持ち落ちた気がする。

「いや、異星人云々はダリウス星とかで、割と身近なんだがどうもお前は心配勝ってな」

「ハハ、レヴィからも言われてますよ」

「おいおい、あの子にも言われているのか」

「ええ、まあ、俺が入隊した時からの付き合いですから。距離が近いんですよ」

 少し照れくさくなった。だからか、鼻先がムズムズする。

「はぁ、お前はもう少し静流に鍛えてもらえ」

「え、なんでその話に!?」

 その後、何度か理由を聞いてもはぐらかされた。シャワーを終えた俺と猿渡さんは、おそらくみんな集まっていると、食堂に向かうことにした。

 

「おー、ミストに猿渡さん!こっちに来いよ。みんなで、ゲームしてんだよ」

「へー、何をやっているんですか?」

「簡単なパーティゲームだわさ!兜、もう一回だ!!」

「ボス〜、ミニゲームで何回も負けたからって、コントローラーを回してくださいよ〜」

「そうだぜボス〜、次はおいらの番ですよ!」

「もう、甲児君も交代よ」

 食堂のモニターの前で、みんながワイワイしていた。甲児君にボスさん。ヌケさんにムチャさん、弓さんがゲームをしていた。

「わかってるって、ほら、ミストも前に座れよ」

「お、交代か?なら、俺様も代わるか…猿渡さんか?」

「ああ、俺は見ているから良いぞ」

「なら、ボス、おいらですね!」

「ムチャか、ほらよ」

「よっしゃ、勝負だ、ミスト!」

「はい!」

 そうして、俺はモニターの前に座る。こうしてゲームをするのは久しぶりになるか。アトリームを離れてからべザートではそんな暇も無かったし、地球に来てからも横目に見るくらいだった。これでも得意なゲームでは、店内大会で準優勝になるくらいにはやっていた。まあ、その度にアンジェリカに小言を言われてたけど。

「そういえば、ミスト君は操作方法は大丈夫なの?」

「ああ、そういえば操作違う可能性があるのか、どうなんだ?」

「あ、えーと、大丈夫そうですね。基本的な部分は前と一緒ですね」

「じゃあ、開始だな!ムチャを倒してやれミスト!」

「ムチャー、ミストに負けるなよ!」

「がんばれー」

「うりゃー!!」

 ジャンプとアタック、移動の簡単なゲーム。開始と共に真っ直ぐ突っ込んで来たムチャさんのキャラを、俺はジャンプで避けた。そして、画面端まで行ったキャラを追って、俺のキャラも移動させる。方向転換の隙にアタックを食らわせて、ポイントを先取した。

「うわー!!やったなー」

「おお、良いぞミスト!」

「はい!!」

「ムチャー!!」

「ミストは上手いなぁ」

「初めてなのに凄いわね」

「ゲーム自体は得意なのかもしれないな」

 そこからポイントを取り合って、両者マッチポイントとなった。少し、見合った後、俺は先手をとった。真っ直ぐキャラを動かす。ムチャさんは動かず、おそらくジャンプを狙っていると見える。

「──ここだ!」

「──ジャン、プゥ゙!!」

 そこで、避けられる手前で、俺は入力を止めた。慣性でゆっくりと進むキャラによって、ジャンプしたムチャさんの真下を取ることができた。そして、真下からの攻撃をムチャさんは避けられず俺の勝利となった。

「よし!」

「凄いわ!ミスト君、ゲーム上手いのね」

「俺はそこまでゲームに明るくないが、上手いなとわかる腕だった」

 後ろの猿渡さんと弓さんからお褒めの言葉をもらえた。

「ハハ、ありがとうございます。…でも、これってパーティゲームですよね?格闘ゲームとかじゃなく」

「うう、ミスト、うますぎだぜ…」

「こっら、ムチャー!!なに負けてんだー!」

「でも、ミストが上手かったですよボス〜」

「よっしゃ、ミスト、次は俺とだ!」

 そうやって、何回も楽しくゲームをしていた。それは夜まで続き、騒ぎを聞いた静流さんやレヴィに怒られて解散となった。

 

 

──翌日AM6:00──

『ミスト、今日の予定ですが』

「ああ、訓練だろ?静流さんが鉄也さん共々鍛えるって言ってた」

『いえ、葵所長より昨夜連絡がありました。朝一番で来るようにと』

 だから、こんなに起こすのが早かったのか。にしても──

「…レヴィに連絡が行くのか」

『ミストを良く理解しているようですね』

 少し釈然としなかったが、レヴィに急かされ早足で向かった。

 

 

「失礼します、ミスト・レックスです」

「…来たか。朝早くですまないな」

 部屋に入ると、いつもよりも気持ち着飾った所長が座っていた。

「はい、なにか用事らしいですが…」

「ああ、ちょっとお使いを頼みたい」

「お使いですか?」

「ああ、本当は私が行きたかったが、どうも時間が足りそうになくてな。基地の他の連中には頼りたくないし、消去法でお前になった。すまないが、引き受けてくれないか?」

「はい、わかりました!」

「では、──ここに向かってくれ、移動手段は芝草にメンテナンスを頼んである」

「はい?わかりました」

 少し疑問に思ったが、時間がないとのことで、格納庫に走った。

 

「おー!来たか、ミスト」

「はい!それで、おやっさん、それが──」

「─おう、頼まれとったバイクだ!お前、乗れるんだろ?」

「はい、レヴリアスの許可と一緒に取りました」

「うし。でだ、コイツには少し細工していてな。通信の中継機になるようにしている」

「…中継機、ああ、レヴィの為ですね!」

「ああ、基地外はレヴリアスからの電波は届かないんだろ?だから、コイツでそこを繋げるんだ」

『──その通りです。ミストだけでは心配ですから。昨夜、お願いしておきました』

 それから、試乗しての微調整を簡単に行い、俺達は市街に向かって走り出した。

 

 

 朝早くなので、車の通りも少なく、快適なドライブになっている。行き先は、レヴィの指示が飛ぶから迷うこともない。信号で止まった時に、学生が走っていくのを見送り、俺やアンジェリカの学生時代を思い出していた。俺が小言を言われていた記憶が強いけど。そうして、目的地──宝石店《luck & Fortitude》に辿り着いた。

「ここだ、……luck & Fortitude」

『直訳すると幸運と不屈の精神。─幸運を味方につけ、どんな逆境も強い心で乗り越えていく。地球の宝石店の名前としては普通なのでしょうか?』

「さ、さあ?でも、かっこいいし、意味も力強く感じる」

『そうですね。ミストもこの心意気を参考にしても良いでしょう。ただ、限度もありますが』

「ハハ、わかってるって」

 その後、俺達は店主から頑丈な箱を受け取った。来ることを伝えてくれていたのかスムーズだった。サイドポーチにそれを入れて、俺はバイクに向かった。

 

「よし、これでお使い完了だな?」

『ミスト、まだですよ。それを届けるまでがお使いです』

「あ、うん、そうだな。えーと、来た道は──」

『ミスト、次はここです』

「え?基地じゃないのか?」

『はい、ですのでここに向かいなさい』

「わかったけど…ここって──」

 レヴィの案内に従って俺は、市外の教会にバイクを走らせた。急かすレヴィに押され、俺は教会の控室に通された。

「来たか、ご苦労だったなミスト」

「はい、これですね」

 サイドポーチから箱を取り出して、所長に手渡した。

「ああ、ちゃんとポーチに入れて来ていたか。レヴィの指導か?他の男どもにはこの気遣いが足りんからな」

『頼まれた物を、無造作にトランクに入れる教育はしていません』

「ハハ」

「まあ、なんであれご苦労だったな。さて、ゴオ!準備できたか?」

「ああ、少しネクタイに手間取った。──ミスト?」

「──猿渡さん!?」

 所長に呼ばれ、カーテンから出てきたのは、タキシードを着た猿渡さんだった。

「なんでミストがいるんだ?」

「私がお前の忘れ物を頼んだんだ」

「…そうか、ミスト、ありがとうな」

『なるほど、宝石店、タキシード、おめでとうございます』

「あ、そうか、おめでとうございます!」

「ああ、ありがとう。2人も折角だ参加していってくれ」

「え、あ、俺、正装ないです」

「心配ない、レンタルがある。参加していってくれ」

 

 

 そうして、採寸の後に準備をするとのことで、一度俺達は教会外で風に当たっていた。

「結婚か…」

『アトリームでは考えていなかったですか?』

「……どうかな?アンジェリカとはそんな仲なのかって、周りからは言われていたけど。お互いにそんなに意識してなかったと思う。アンジェリカも俺の事を弟みたいとか言ってたし」

『……』

 アトリームの部隊では、訓練でのミスをアンジェリカに指摘され、隊長が締める事が多かった。その光景を指して、他部隊の同期にからかわれた事は多い。でも、アンジェリカは良く弟みたいって口にしていたから、俺もそんなもんかと思っている。

「隊長はどう思ってたのかな…。アンジェリカとの仲を聞いてきたりはしてこなかったけど」

『……そうですね。ミストには少し早かったですかね』

「なんだよ、もう成人してるけど?」

『貴方の場合は年齢は関係ありません』

「なんだそれ」

 その後、準備ができたとスタッフさんが呼びに来てくれた。

 

 

 

 

「――生命ある限り、あなただけを愛すると誓いますか?」

「「はい!(…)」」

 神聖な祭壇に神父と2人だけがいた。これから夫婦になる2人だ。身長差が大きく、見上げる新婦。そのケープを捲る新郎は、絵になっていた。

 

 しかし、幸せは長くは続かなかった。それは口付けを行う時だった。強い揺れが教会を襲った。

「なんだ!」

『ミスト、擬態獣です!!』

「なんだって!?」

「レヴィ、それは本当なんだね!?」

『葵所長、そうです。今、Gガンナーが出撃しました』

「すぐに戻るよ!ゴオ!」

「──わかってる。杏奈、お前は避難しろ!」

「ゴオちん!!」

「ミスト、お前はバイクだったな!?」

「はい!」

「博士を連れて帰ってくれ!俺は一足早く行く!!」

「わかりました!!」

 そう言って、猿渡さんはタキシードのまま、教会を飛び出していった。

「ミスト、お前のバイクは?」

「こっちです!レヴィ!」

『早く来なさい!』

 急いでバイクに向かい、所長を後ろに俺はバイクを走り出した。横目にはマジンガーZと擬態獣の様子が見えた。振動がこちらにも来る。なんとか横転しないように、瓦礫を避けて走った。

「よし、私は司令室に行くから、貴方も準備して行きな!!」

「はい、レヴィ!!」

『バイクはそこで良いでしょう。自動操縦でカタパルトに行きます。貴方も服を替えなさい』

「ああ!」

 すぐに着替えて、俺はレヴリアスに走った。カタパルトで待つレヴリアスは、すぐにハッチを開けた。

「よし、行くぞ!」

『システム、オールグリーン。芝草の腕は本当ね』

「ああ、レヴリアス、行きます!」

「行ってこーい!!」

 おやっさんの言葉を背に、レヴリアスは飛び出した。

 

 

 

 




次からようやく原作部分に入って行きます。
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