ただ痛いのは嫌だけド!戦いの痛みは大好きだから、拳で語るアルネ!   作:NO NAMEz

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イズさん大好き過ぎて投稿が少し遅れた上に長くなりそうだったので、お話を分けました(><;)

26/04/02 00:00 誤字報告を適用及び修正。
ご連絡、ありがとうございましたっ!! <(_ _)>


中華娘と初フレンド アルネ!

New World Online ログイン3日目――――

 

ユニークモンスター赫腕熊との死闘を終えた翌日。

紅花は、注目を浴びていた。

その原因は、誰が見ても明らかで前日には初心者装備一式であった件のオリジナル笑顔の少女が

翌日には赤と黒の毛皮旗袍と、威圧感のある棍を装備して城下町を歩いていたからである。

一部の者達からすれば、彼女の身に一体何がというもの。

 

「何か今日は、やけに人目が気になるネ・・・・・・ワタシの顔に、何か付いてるアルカ・・・?」

 

紅花をチラチラと見ているプレイヤー達は一斉に思った。

『違う、そうじゃない』と。

 

「まぁ、別にいいアル。今日の用事は、前にお邪魔した工房だからネ、急ぐアル」

と言って、走り出す紅花の姿に男性プレイヤー達は更に釘付けになった。

何故なら彼女が走り出した瞬間、彼女の腰より下。

それでいて、ふとももより少し上の辺りに、男たちのロマンがコンマ数秒だけ見えたからであった。

一部の男プレイヤーは同伴している女性プレイヤーたちに勘付かれ、シバかれているが

そうでないソロプレイヤーの男たちは、今日という日を忘れることはないだろう。

『運営、グッジョブ』と―――――

 

 

 

《イズ公房》

「いらっしゃーい――――あら!ホンファちゃん!元気だった?ていうか随分立派な装備に

なってるじゃなーい!似合ってるわよ!ホンファちゃんの個性が活かされてて可愛いわ!!」

「うぅ、おべっかやめるネ・・・頭撫でるのもやめるアル・・・」

「んふふー♪でも、心配してたのよ?初来店の時、突然泣き出しちゃって、私もクロムもビックリし ちゃって止める暇もなかったんだから」

 

遡る事、2日前。

紅花は、クロムの紹介でイズの工房に来店した際に『NWOに手甲は無いのか』と聞いたのだが

イズからの『手甲?手甲・・・ごめんなさい、私の所には無いわね。

       生産できる武器種の中にも、載ってないから多分、NWOには・・・・・・。』

という言葉を聞いて絶望した紅花は、二人の前で奇声を発したかと思いきや店を飛び出して

バタバタと城下町を抜け、西の森の奥地へと駆け出して行ったのである。

その後の顛末は、宿屋から響いたギャン泣き声で察する人は多かった・・・。

 

「あ、あの時は本当にすまんかったネ・・・・・・ご、ごめんなさいアル、じゃなくてえっと、でス・・・。」

彼女が工房に来た用事とは、イズへの謝罪。あの奇声駆け出し事件から2日経ってからではあるが、

自分の希望で紹介された店に対して、迷惑を掛けた事を謝りたかったのだ。

「いいわよー♪気にしないで♪私もあの後、手甲について色々調べたりしたもの~楽しかったわ♪」

「店主・・・!謝謝――――!」

「イズで良いわよ~♪私もホンファちゃんって呼んでるし~♪でも、どうしてもホンファちゃんが謝りたいって言うなら、私とフレンド登録しましょ♪」

と言ってウィンクしながらサムズアップするイズに対して紅花は胸の内が熱くなるのを感じた。

「・・・わかったネ!!」

 

 

そうしてフレンド登録を済ませるとイズは、意気揚々と話し始めた。

「それにね、収穫もちゃぁーんとあったんだから!!」

「収穫?」

そう言って、イズは両手を腰に当ててドヤ顔をする。

「手甲とは少し違うんだけど・・・驚かずに聞いてね、

実はNWOにはユニークモンスターというのに遭遇する事があるの!」

「それは知ってるアル、既に2回ほど見たネ」

「あら豪運・・・それでね、そのユニークモンスターの中には、体の部位のドコかが異常発達したタイプ

の子がいるらしくてね、今回の場合は両腕の部位に関する事なんだけど――――」

紅花が遭遇した赫腕熊も、その部位が発達していたユニークモンスターであったようだ。

「そういったモンスターの部位を完全に破壊して撃破すると、特殊なスキルを習得できるみたいなの

そのスキルの中には、そのモンスターが使ってきた技そのものを使えたり、そのモンスターの見た

 目から連想されるスキルが使えるようになるんですってー!!」

と言って掴んだ情報を捲し立てるようにフンスフンスと発言を続けるイズに圧されながらも

紅花は口を開く『実は、今日来たのは、その事なんだアル・・・』

 

前日、赫腕熊というユニークモンスターと戦い勝利、報酬としてユニーク装備とスキルを獲得した事を話し、そしてその中には、イズが話していた情報通りの効果がある事を説明する。

 

「ふむふむ、なるほどなるほど・・・・・・えっとホンファちゃん、ちょっとその服を見せてくれない?」

「わかったネ」

二つ返事で紅花は装備を初心者一式に着替え、着ていた旗袍を手渡す。

装備の譲渡は不可能だが、検定などで一時的に手渡すことは可能なのである。

「赫腕熊の旗袍・・・熊の毛皮で出来た生地なのにゴワつきが全くない・・・それにどちらかと言えば、

滑らかで柔らかい・・・凄いわね・・・装備効果は――――――・・・確かにこれはユニーク品ね・・・」

カウンターに置かれた旗袍を両手で流し、入念に調べていく。

そんな中紅花は、たった今着ていた服を事細かに調べられるのは大変恥ずかしくモジモジしていた。

「あ、これね、赫腕熊の心。効果は―――ふむふむ」

「あっ、それの3つ目の効果アル」

前日、興奮していた紅花は詳しい内容を確認せず、そのまま旗袍にスキルをセットしたが

直後襲ってきた疲労感に耐えかね、旗袍を一度インベントリにしまい実際に装備したのは

宿屋を出る直前の事だった。

「えっと、このスキルをセットしている時にのみ、特殊なアクティブスキルを使用可能になる・・・?

ってコレの事ね?説明通りなら、ホンファちゃんは、特殊なアクティブスキルを使えるみたい

だけど・・・・・・説明だけじゃわからないし、少しお出かけしましょうか」

「了解ネ」

イズは装備を紅花に返却し、店の扉に掛けてある看板をCLOSEDにして工房を後にする。

紅花も急ぎ旗袍を装備しなおしてイズの後を追った。

 

 

 

-北の森-

 

二人は、北の森へやってきた。

イズが紅花のレベルを鑑みて西の森ではなく、

より強力なモンスターがポップする北の森を進めたのだ。

 

「ここが北の森アルカ、西の森よりも何か更に鬱蒼としてるネ・・・」

紅花が足繫く通っていた西の森は、奥地にさえ行かなければ足首程の草木でモンスターとの戦闘

でも気になる要素は無かったが、ここ北の森では苔生した木立が並び日があまり差し込まない独特の薄暗い雰囲気を醸し出していて戦闘の際は死角からの攻撃に警戒した方が良さそうであった。

「夜になると幽霊とか出るらしいわよぉ~」

そう言ってイズは両の手を前に垂らして、恨めしそうな声で紅花の反応を楽しむ。

「幽霊アルカ・・・その手のモンスターにもユニークとかあるのかネ?物理で倒せればいいアルガ・・・」

――と言って怖がらせようとするイズを一蹴、幽霊の存在有無はともかく彼女にとっては倒せるか否かの方が気になるようだ。

そんな他愛のない会話をしながら、二人はズンズンと森を進んでいった。

 

 

 

 

―――――そうして暫く歩いて行くと、二人は木々の開けた空間に出た。

 

そこは、林冠が大きく開き中規模な広場のようになっており紅花のスキルを試すには、

うってつけな場所であった。

「ここなら、色々と試せるじゃないかしら!」

「そうネ、ここなら周りに邪魔な者もないシ、存分に試せるアル!」

二人は、手早く準備を整えていく。

簡易キャンプの設営や、トレーニングオブジェクトの設置、イズの工房から直通で移動できるテレポート台の設置など様々なモノが並べられ、ココにイズ特製トレーニングエリアが完成した。

「ホンファちゃん、手伝ってくれてありがとー♪以前から、クロムや他のお客さんに製作した武器を存分に試せる場所が欲しいって言われてたの。丁度良かったわ~♪」

「前回迷惑かけた分、当然の事をしたまでアル!それに今後もイズには色々世話になるのが目に見えて想像できるネ、それを踏まえると先んじて恩を売っとくのが良いと思ったアル!」

お互いを尊重し合いつつも、今後の事を踏まえて布石を打っておく二人なのであった。

 

「これで良し、それじゃさっそく始めてみましょうか。これから私の指示に従って、目の前にある

トレーニングオブジェクトにスキルを使ってみてね!」

「了解ネ!」

周りを整え準備を終えた二人は、さっそくテストを始めた。

「まずは【赫腕熊の心】効果その1。HP消費で発動するアクティブスキルの消費HP量を軽減する。

これの検証ね。ホンファちゃん、何かHPを消費するスキルを使ってみて!但し、効果その2の内容も

考慮して、スキル発動から少しだけ間を置いてね」

「了解アル!」

そう言うとイズは、インベントリからクリップボードを取り出し、チェックを入れ始める。

そこには、これから紅花が試すスキルについての詳細が事細かに書かれていた。

「それじゃぁ、いくアル!・・・…【渾身―――撃】!!」

 

紅花の渾身撃が大きな衝撃音を響かせ、オブジェクトに直撃する。

すると、いつものようにHPが擦り減る・・・が、その量は確かに軽減されていた。

イズはそれをボードに記していく。

「ふむふむ・・・次は、効果その2ね。HPを消費した直後、STR値とVIT値が6倍になるってやつ!

もう一度、同じスキルをお願ーい!今度は間髪入れずにね♪」

「わかったネ!ふぅぅぅ・・・・・・―――【渾身撃】!!!」

 

すると先程とは違い、凄まじい衝撃音が響き、衝撃で発生した風で森の木々が震えた。

驚く紅花のHPは先程と同じく、少量だけ減っていた。

「お、おぉ・・・何か凄い音が出たネ・・・驚いたアル・・・」

「凄いわ、ホンファちゃん!今、一瞬!スキルを発動させた一瞬だけね!

貴女のSTR値が凄い事になってたの!!見てみて、これ!」

何やら興奮した様子でボードを見せてくるイズに困惑しながらも、

紅花はHP消費の軽減量と先程の衝撃音で記録された数値を確認する。

 

そこには赫腕熊の心:効果詳細記録というタイトルがあり、その下記に

[効果1の検証結果:スキル使用によるHP消費軽減量=10% (HP40⇒HP32)]

[効果2の検証結果:スキル使用直後のSTR値=840 VIT値=240 (効果適応時間0.8秒)]

と記載されていた。

 

「軽減される量は10%―――それにスキル使用直後のSTR値は840・・・いや効果適応時間短ッ!?」

「確か、ユニークモンスターと戦った際にホンファちゃんが出した最大値は388だったのよね?」

「そうアル、ただあの時は【狂戦士・壱】も発動してたからスキル単体での最大値は388より下ネ」

そう言って紅花はボードをイズに返す、すると先程の興奮はドコへやら。

イズは、ふむふむと落ち着いた様子でボードを見つつ、新たな指示を出してきた。

「それじゃあ、今度はその狂戦士・壱ってスキルも併用した値を確認してみましょ♪」

「それは、ちょっと難しいネ、あれは外部からの影響でHPが削られないと発動できないアル。

渾身撃でHPを限界まで減らしていったとしても、使用できないヨ」

そう残念そうな顔で紅花は肩をすくめると、それに対してイズは何やら隠していた事があったようで工房に居た時と同じようにドヤ顔で説明をし始めた。

 

「ふっふっふ・・・!そんなホンファちゃんには、此方をプレゼント!はい、手を出して~♪」

「ン?こうアルカ?」

紅花が言われた通りに両手を差し出すと、ウキウキしながらイズはインベントリから――――

「工房で作っていた私の新作!テレレテッテテー!名付けて【捨て身爆弾】~♪はいこれ♪」

―――おもむろにTHE爆弾な見た目をしたモノ(点火済み)を取り出して、紅花の手のひらに載せた。

 

「エ”ッ――――――――――」

 

"捨て身爆弾"と名付けられたソレは、紅花が驚きのリアクションをするよりも早く起爆した。

 

 

――――その日のNWO掲示板は、北の森で謎の爆発とキノコ雲が発生した事で持ち切りとなった。

「エホッ、エホッ・・・・・・うーん、ちょっと火薬が多かったかしら・・・・・・ホンファちゃん、大丈夫ー?」

悪びれる様子もなく、煙を手で払い紅花の安否を確認する愉快犯イズの姿がそこにはあった。

「ゲホッ、ゲホッ―――――迷惑を掛けた店の店主じゃなかったら、今頃ミンチにしてたネ・・・・・・」

「ご、ごめんなさいねっ、ちょっと私が想定していたよりも爆発が大きかったのー!」

そう言って、イズは必死に謝罪と弁解をする。そんな時、ふと紅花は自身のHPに注目した。

「HPが――――1になってるアル――――――!!」

「良かった!効果は、無事発動したみたいね♪」

「こ、効果?効果ってコレカ?HPが1になってるアルガ・・・」

ちょいちょいと自身のHPを指さしながら、イズに問いかける。

「そうなの♪この"捨て身爆弾"はね、普通に使えば爆発ダメージを相手に与えられるわ、

けどその際、必ずHPが1残る爆弾なの~♪紅花みたいにHPがギリギリじゃないとスキルを発動できないって人、実は結構いるのよ?これは、そんな悩みを解決してくれる魔法の爆弾なの♪」

「いや、そうは言ってモ・・・普通に爆発が痛かったアルヨ・・・」

嬉々として説明を続けるイズとは対照的に紅花は肩のススを落としながら、落胆した。

確かにHPを1に調整できるのは、一部プレイヤーにとっては有益かもしれないが、火薬の量故か

装備の効果でVIT値が少しだけ補強されている紅花でもバッチリ痛かったのである。

「まぁまぁ!良いじゃない!これで狂戦士・壱の条件も満たした訳だし、スキル効果の確認に戻りましょ♪」

「んぐぐぐ・・・釈然としないアル・・・」

 

 

二人は、爆発による爆風で吹き飛んだオブジェクトを元の位置に戻し、再び配置についた・・・。

「それじゃ、発動するアルヨー!【狂戦士・壱】⇒【天地払い】の順で発動すればいいアルネー?」

「そうよー!お願ーい!」

 

渾身撃の時に発生した衝撃波の事を考慮して、イズは少し離れた場所から観測するようだ。

「ふぅぅぅ―――――【狂戦士・壱】!!――――からの【天地払い】!!」

 

持ち得る限りのスキルバフで強化された天地払い。

瞬きのヒットストップのあとに発生した、その衝撃は先の渾身撃の比ではなかったようで、

スキル使用者の紅花が「どうアルカ?」と振り返った時、そこにイズの姿はなく―――――――

 

 

――――――地面には、クリップボードだけが無造作に残されていた。




【現在のステータス】
Lv17
HP 40/40
MP 10/10
【STR 90 (+50)】
【VIT 0 (+40)】
【AGI 90 (+10)】
【DEX 0】
【INT 0】
"赫腕熊の心"の効果1により、HPスキル使用によるHP消費軽減量=10%
同じく効果2、スキル使用直後(0.8秒間)の間、STR値=840 VIT値=240

紅花は"捨て身爆弾"を、幾つか入手した!
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