ただ痛いのは嫌だけド!戦いの痛みは大好きだから、拳で語るアルネ! 作:NO NAMEz
(今後の設定とか色々考えてたら、そっちメインになって本編の筆が止まってました・・・(汗))
「えっ――――――えぇぇぇ!?イ、イズ!?ど、どこ行ったネ!?」
先程まで近くにいたイズが消え、紅花は焦りと驚きで戸惑っていた。
どうやら文字通り爆発的な威力となった天地払いで発生した衝撃波は、
イズの身体を容易に森の彼方まで吹き飛ばす程のものとなっていたらしい。
「イ、イズぅぅぅ!!どこアルカァァァ!!返事するネェェ!!」
声を大にして、森へ呼びかけるも返事はなく、ただ風に靡かれ森がザワザワと音を立てるだけ。
奇声駆け出し事件を同じ過ちを繰り返していると悟った紅花の顔は、青くなり涙目となっていた。
「どどど、どうするネ、どうやって見つければ・・・・・・」
焦りに焦る紅花だったが、そこでふと閃く事があった。
「そうネ、これで確認すれば・・・!」
サッサとウィンドウを出し、マップとフレンドリストを開いていく。
そうすると先程、工房で登録したイズの名前と現在地が記されていた、そんなイズの現在地は・・・
《イズ:北の森ー奥地ー》
となっていた。
どうやら、現在位置から更に進んだ奥地まで飛ばされていたようである。
現在地を確認した紅花は、急ぎ準備をすると北の森の奥地へと駆け出して行った。
「ま、待ってるネ、イズ!今、助けにいくアルヨ!!!」
ー北の森-奥地ー
北の森の奥地へと続く道なき道に土煙が上がっている、それは紅花がイズの元へと凄まじい勢いで走り抜けていく余波によるものであった。
「ウラァ!そこどけアル!!邪魔ネ、お前ラ!!!」
紅花は時折、目の前に飛び出してくるモンスターを弾き飛ばしながら走り続けていた。
適正レベルに近しいエリアの奥地ともあって、接敵するどのモンスターも紅花の攻撃を受けても
倒れる事はなく、そのまま逃げるように林の中へと消えていく。
そうして暫く走っていると紅花の前に巨大樹が見えてくる、その根元には透き通るような
水色の髪をした女性―――イズが手を振って紅花を待っていた。
「おーい!ホンファちゃーん!私はココよー!」
その声を聞いて、紅花の心は安らぐ。走る速度を落とし、徐々に足にブレーキを掛ける。
紅花は極振りしたAGIのおかげで、早く走る事ができるものの、急な減速やブレーキができない為、
少しずつ速度を落としたりするしかないのである。
「会いたかったわ!ホンファちゃーん♪」
「ワタシも、心配したネ!無事でよかったアル!」
そう言って二人は、再開の喜びを表すように抱き合った。
のちに、この時の映像を閲覧した運営の1人は、こう語る。
『なんと素晴らしい光景であろう、これこそが人宝というものか』
二人が抱擁を交わしてから、少し経ち―――――――
「ねぇねぇ、ホンファちゃん、こっちこっち!」
イズが肩を叩き、ついてきてと大樹の裏へと紅花を誘う。
「どうしたカ?」
ついて行ってみると、そこには大樹の根と地面の間に洞ができており紅花が奥を覗いてみるが、
先は見えない、足元の石を蹴り落としても・・・・・・音は響いてこない。
どうやら結構な深さまで続いているようだ。
そんな中、紅花がイズの方を見ると・・・・・・彼女は目を煌めかせてワクワクと身体を震わせていた。
「―――――えっ、まさか探索するアルカ?これ、落ちたら戻るの絶対苦労するヨ・・・?」
「とーぜん!せっかく見つけたんだし、奥まで行ってみないと♪」
そう言って、ウィンクをするイズは紅花の手を取り、樹洞の中へと駆け出す・・・・・・、
「ちょちょちょ、イズ待っ――――――ぁぁぁぁぁぁぁ―――――――!!!!!」
そうして止める暇もなく、紅花はイズと共に洞の奥へと落ちていった・・・・・・・・・。
ー北の森の巨大樹ー月女神の洞ー
「―――ぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――」
「キャッホーーーーッ!」
暗い洞に、2つの絶叫が響く。
片やHP1のままなので落下中に突き出た根っこに当たれば即死亡に繋がる恐怖と涙の悲鳴、
片や未知なる冒険に心躍らせる楽しさと喜びの悲鳴。
それから落下が数秒続くと、見えてきたのは淡い光と、それによって見える平らな地面。
喜び勇んで投身したものの、降下地点に何もない事を知ると漸く焦り始める女店主イズ。
それを見た紅花は涙と鼻水を垂らしながらも行動に移した。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁ――――("捨て身爆弾2個 投下")―――――【天地払い】ィィイィィ!!!!」
空中で打ち放たれた爆弾達は、二人よりも早く地面に着弾し、爆発。
発生した風圧で紅花は落下を対処可能な速度まで抑制させ、イズもそれに合わせた。
二人は無事に、地に足を着ける事ができたのであった・・・・・・。
「や、やばかったアル・・・・・・過去一恐怖感が強かったネ・・・・・・」
「うーん!楽しかった~!!」
顔を青くし、滝のような汗と流す紅花に対して、イズはジェットコースターを堪能したかのような
テンションと感想を述べて背伸びをする。
この女、ヤバすぎである。
「あっ、ホンファちゃん!見てアレ!」
「今度は何ネ・・・・・・もう自由落下は遠慮するアルヨ・・・・・・」
イズの指さす方を見てみると、そこには淡い光を放つ魔法陣が存在しており――――
「何ネ、あれ?魔法陣・・・?」
「そう!どこかへ繋がるタイプの魔法陣ね、ボスモンスターのいるエリアや宝箱があるエリアと
入ってみないと分からないドキドキワクワクのやつよ♪」
―――どうやらイズは、ここにも入ってみたいようで紅花は半ば諦めた様子で返事をするのだった。
「・・・・・・この際、入るのは構わないアル、けどワタシのHPずっと1のままネ・・・せめてこれはどうにかさせてほしいヨ・・・・・・」
「・・・確かにそうね!ごめんなさい、久しぶりに工房を出ての探索だったから、つい忘れてたわ?」
そう言うとイズはインベントリから、回復ポーションを取り出し紅花に渡す、
彼女達はグビグビとポーションを飲み干し、それを確認するとイズは再び紅花の手を取り意気揚々と魔法陣に上に乗る、すると魔法陣の光が増していき二人は粒子となって別エリアへと移動した。
ー月女神の水辺ー
「ッッ――――【天地払い】!!!」
ΘΘΘΘΘΘΘΘΘΘΘ!!!
カァァン!!と硬い金属同士がぶつかるような音が空洞中に響く。
それは紅花の棍と、絢爛豪華な黄金のツノが火花を散らし衝突した音であった。
「―――――さて、今回は・・・どうしたもんかネ・・・」
そう言うと紅花は、酷く顔顰めた。
- それは遡る事、数分前 -
転送されてきた二人が、最初に目にしたのは一面に広がる黄金の池。
「わぁ―――素敵―――!!」
「壮観ネ―――――」
どうやら長い年月を掛けて大樹の根っこから滴る樹液が溜まってできた黄金の池のようだ。
「塵も積もれば、とは言うアルガ・・・こんなになるまで一体どれだけの時間が経ってるのか・・・想像が付かないネ・・・・・・」
驚きのあまり立ち尽くしたまま周囲を見回す紅花。
対してイズは悠々と池の畔に近づいて行き、池の水を手で掬って、口に運ぶ。
「え”っ、飲むアルカ・・・・・・いくら綺麗でもコレ、樹液アルヨ・・・・・・?」
その何の躊躇もなく迷いもない一連の動きに、やや狼狽える紅花を尻目にイズはゴクゴクと樹液を
飲んでいく、そしてある程度飲み続けたイズから出た感想の言葉は・・・?
「うぅん・・・正直、飲めたものではないわね・・・苦くて酸っぱくて表現が難しいわ・・・・・・」
―――――という辛辣なものであった。
「いや、そりゃそうアルヨ・・・・・・」
「樹液ってもっと甘いイメージだったんだけど、ちょっと印象変わっちゃうわね~・・・・・・」
そう言って残りの樹液を池へと戻す。
それによって水面がユラユラと揺れ、次第に波は小さな模様を描いていく・・・・・・、
そうしていく内に、波は池の中心にまで広がっていき・・・・・・、
揺らめく池の中央から、静かに黄金のベールを纏う何かは輪郭をなぞって浮かび上がってくる。
それと同時にカッカッカッ――――と何か硬い物を鳴らすような音も聞こえてくる。
「あら――――――?」
「――――――――んん?」
そんな様子に気付いた二人は、揃って振り返り、ソレを見る。
―――――次の瞬間、視界に入ったのは――――イズの目前まで迫る、黄金の角を持つ鹿であった。
- そして現在 -
高いAGIのお陰で、黄金鹿の超速突進から咄嗟にイズを庇う事ができた紅花。
急ぎ安全そうな遮蔽の裏までイズを運んだ紅花であったが黄金鹿は、その隙を見逃してはくれずカッカッカと3度の蹄を鳴らすと再び紅花の目前にまで迫ってきていた。
紅花は即座に天地払いで迎え撃ちに掛かったのだが、黄金鹿の攻撃は想像以上に重かった。
「カッタい、ツノ、アルネ・・・・・・」
紅花の腕がガクガクと振るえる。
彼女は今の一合で理解した、目の前のモンスターとの圧倒的なまでの膂力差を。
コイツは木岩竜との時と同じ、もしかすればそれよりも格上であると。
それを紅花は、理解してしまっていた。
「・・・・・・ワタシにどうしろって感じネ」
横目でイズのいる遮蔽物を見てみると、どこから取り出したのか白旗を振っている。
どうやら戦力としては期待しないでほしい、という事のようだった。
無論、生産職であるイズを巻き込みたくないという気持ちが強い紅花だが、
同じエリアにいる以上、いつかはイズにも攻撃は向くだろう。
その時、先程と同じように庇う事ができるのか、もう一度攻撃を弾く事ができるのか、
そんな不安ばかりが紅花の中に募っていた・・・・・・。
「だあぁぁぁ!!考えるのは苦手ネ!!とりあえず、今の実力でどれくらいやれるのか―――!
掛かってこいアル!!どっちが狩られる獲物なのか、勝負ネ――――――!!!」
その鬨の声を聞いた、黄金鹿は呼応するかのように前足を高く上げて大きく嘶くいた――――――。
北の森の奥に聳え立つ、巨大樹、その洞――――――
深淵にも続いていそうな洞の中に降り立ち在るのは、月女神の黄金の水辺。
かつてその場所は、月の女神と共に1匹の雌鹿が祀られる神域であった。
しかし長い年月が経ち、忘れ去られたことで――――女神は消え去り―――――――
そこには黄金の狂気に飲まれた1匹の雌鹿が、座するのみとなっていた。
黄金のツノと青銅の蹄を持ち、英雄のような膂力と光のような速さを以て主なき神域を守護する
その黄金の鹿の名は―――――《
※今の所、影も形もない拳法要素は必ず回収致します※
それとして、今後どこまで続くか・続けるか不明にも関わらず紅花以外のオリキャラも裏で先に考えてしまっている私なのでした・・・・・・。頭と筆?指?がノったんだもの・・・仕方ないよネ!!
.余談.
参考資料になるかなーと思って、前々回辺りから買い置きしていたRPG系をやり始めました。
やっぱりボイス設定とかできると超楽しいです・・・・・・。