ただ、内容を大きく変更しているため、ほぼ別作品に近い形になっています。
前作の続きを期待してくださっていた方には、お詫び申し上げます。
今作も駄文になる可能性が十分にありますが、頑張っていくつもりです。
それではどうぞ!
ーー呪霊。
「なんであいつらばかりいい気になってるんだ」
それは、妬み、恐れ、憎悪。
「角……気持ち悪いですねあいつら」
負の感情が漏れ出し、
「また騙された。やっぱり、あいつらは信用できない」
形を成す。
「この苦しみは、あいつらのせいだ」
負のエネルギーの集積。
それを人は呪霊と呼ぶ。
□
「んあ?」
間の抜けた声が、静まり返った空間に落ちた。
目を開ける。
周囲を見るとそこには見知らぬ風景が広がっていた。
崩れかけた壁。
割れた窓。
埃の積もった机。
……そこまではいい。
だが、
黒色の錆のついたナイフ。
赤黒いものを拭き取った形跡のある乾いた雑巾。
見る人を不安にさせるようなものが作為的に置かれていた。
「なんでこんな場所にいるんだ?」
自分がここにいる経緯を思い出そうとするが、脳裏に思い浮かぶのは奇妙な霧がかった電車と空色の髪をした麗人。
「確か、誰かに助けを求められた気がするんだけど」
…思考が逸れた。
とりあえず、ここを出よう。不気味すぎて気分が落ちる。
そう思い、教室の扉に手をかける。
その瞬間、違和感に気づく。
手に"ツギハギ"がある。
「……は?」
縫い合わせたような痕に人間とは思えないほどに血色の悪い肌に触れると、確かに自分の感覚がしっかりと返ってくる。
気持ち悪い。
なのに不思議と拒否感はなかった。
一つの違和感に気づけば、他の違和感も浮き彫りになる。
低くどこか軽い声、視界の端に映る青い長髪、そのどれもが俺のものではない。
嫌な予感を抱えながら、割れたガラスに映る自分の姿を見る。
そこにいたのは……
ツギハギだらけの体のオッドアイを持つ青年。
「これーー」
喉がひくりと鳴る。
「真人じゃん……」
さすがに夢だろ……そう思い俺は自身の頬をつねる。
「痛っ」
だが、結果として帰ってきたのはこの狂った状況からの逃避ではなく鈍い痛みだった。
「夢じゃない、か」
呪術廻戦に登場する主人公、虎杖を追い詰めた最低最悪の呪霊。
「何でこいつになっちゃうかな……」
もしここが呪術廻戦の世界なら笑えない。
コッコッコッ
そう考えていると扉の向こう側から子気味のいい足音が聞こえてくる。
誰か来たな。
…とりあえず、隠れるか。
そう思い、俺は近くの教卓の裏に隠れる。
ガララッ
先ほどの足音の主が教室のなかに入ってくる。
俺は教卓から少し顔を出して足音の主を確認する。
そこには全身を真っ黒に染め、ところどころヒビの入った見覚えのある異形がいた。
「クックック、まさか隠れられるとは話す前から嫌われてしまいましたか…」
黒服、俺がやっていたスマホゲーム、ブルーアーカイブに出てくるキャラクター。
「…どうなってんだ?この状況…」
ブルアカに真人の肉体…状況最悪すぎないか?
俺は教卓の裏から姿を現す。
「会話する気になってくださいましたか」
「とりあえず今はね」
俺は動揺を悟られぬよう飄々と話す。
「あなたは何として扱うべき存在でしょうか?」
「初対面でそれ聞く?」
「…本来あなたのような存在に明確な意思というものが確認されることはありません。ましてや人の言葉を自在に操る。ククッ非常に興味深い」
黒服は喜色を含んだ声色で話す。
「一人で盛り上がらないでくれる?」
「これは失礼、しかし、あなたの存在はやはり興味深いですね。ここを実験場にした甲斐がありました」
黒服は咳払いをして一呼吸置く。
「では、ここであなたが断れないであろう提案を一つ」
目の前の黒服が俺が契約を結ぶことを確信した声色で話す。
「現在あなたはつい先ほど形を得た存在でしょう。ここで生きていくためには戸籍または学籍が必要です。そこで我々があなたの身元を保証しましょう。少なくとも、この学園都市において不審者として処理されない程度には。その対価としてあなたは観測対象として弊社に所属する」
提案内容を言い終えた黒服は嫌らしく笑う。
「ククッククク、さぁ答えを聞きましょう」
いや、呪霊に戸籍なんているのか?
…まぁ、呪霊をよく知らない奴にこんな理屈は通じないか
それに、戸籍があるのとないのでは過ごしやすさに天と地の差がある。戸籍がもらえるのなら、もらっておいたほうがいいだろう。
「弊社ってどんな場所?」
「おや…直ぐに承諾すると思っていたのですが、いいでしょう。私が所属する弊社、ゲマトリアは崇高へ至るために探求する求道者の集まりですよ」
ゲマトリアか、なるほど、なるほど……
わからん
ゲマトリア。名前は知ってるが、中身は知らない。
それ以前に俺はブルアカのストーリーをまともに読んだことがない。
黒服だって、前世の記憶では急に出てきた不審者ぐらいの認識だ。
…なけなしの知識を絞るしかないか
俺は全力で脳内のゲマトリアの情報を検索にかける。
脳内に浮かんだのは、ブルアカの3rdPVだか何だかで見た、先生宛の黒い年賀状。
そうだ!ゲマトリアと言えば
____先生ファンクラブ*1のことだ!
なんかネットでそんなこと言われてた気がする。
ファンクラブ。つまり、先生を支援する組織のことだろう。ならば、入って正解だろう。
「いいよ、その契約受けるよ」
「そうですか。ではこちらの書類に署名を」
そういうと黒服は懐から一枚の紙とペンを手渡してくる。それを受け取り、俺はペンを走らせる。
「ただの先生ファンクラブなのにしっかりと契約書があるんだね」
「先生ファンクラブ?」
契約書への署名を終えた。
「え?……違うの?」
「…クックック、『先生』ですか…」
黒服の喜色を滲ました声で独りごちる。
「えぇ、その通りです。もし、先生という存在がいるのであれば、私はファン、いえ、同じ道を探究し、理解し合える同士としてゲマトリアに招き入れますよ」
「まぁ、好意的ってことだよね?それだけであんたらと同じ組織にはいる理由になるよ」
そういって俺は書き終えた契約書を黒服へ手渡す。
「……はい、確かに。これであなたは新しい観測対象兼我々の研究員の一員です。これであなたの身元は保証しましょう。とりあえず、お名前を聞いてもよろしいですか?」
「好きに呼んでくれていいけど……」
ここはこの体の名前を借りるべきかな
「マヒトでよろしく」
「クックク、漢字は真に人でしょうか?ならば、とても興味深いですね」
「では早速」
「あなたを拘束させてください」
…?
「は?いきなり契約違反?」
「いえ、私は一つも契約を違えてませんよ」
「……待てよ」
身元の保証。観測対象。所属。
黒服の言葉を頭の中で反芻する。
「戸籍を作るなんて、一言も言ってねえなこいつ」
俺は今の現状を小声で愚痴る。
「第一村人が詐欺師なんて聞いてないぞ…」
「クックック、そういうわけですので逃げられては困ります」
「拘束させていただきますよ、マヒトさん」
一話目からアンケートのなんて……図々しいですよね……卑しいですよね……
こんな作者のアンケートなんかにこたえる人なんて……いませんよね……
うわああああん!作者はおしまいなんですね!?誰にも読まれない作者になってしまうんですね!?
どうせ最後なら……読者の意見、聞いちゃいます
マヒトが生徒を術式を使えるように作り変える展開はあり?なし?
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あり
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なし