龍の奇妙な如く   作:肘神さま

4 / 4
スタンド名:『サムライハート』
スタンド外見:白と水色の侍のような姿。
スタンド能力:刀で切った物は切断できないが、切り付けた物に『切り取り線』を付ける。
『切り取り線』をつけた物はどんな物でも紙のように破ける。
破けたとしても生き物は生きているため、のりなどの接着剤でくっ付ければ元に戻る。

パワー:C
スピード:B
射程距離:C
持続力:B
精密動作性:C
成長性:D


龍の逃亡

友への感謝…桐生にとって予想外だった。自分の勝手な行動、それによって錦山が怒るの当然だと思い、殴られる覚悟はしていた。

 

しかし、錦山がこれほど『思っていた』ことに自分が惨めに感じた。

 

桐生「…すまなかった。錦…」

 

錦山「いいんだ…!お前が無事でいてくれた…!それが…俺は嬉しいんだ…!」

 

ガチャ…

 

風間「溜めていた物、全部吐き出せたみてぇだな…」

 

桐生「おやっさん…!」

 

風間が入ってきた。

 

風間「久しぶりだな、一馬」

 

親友、育ての親…10年ぶりの再会を果たした。

 

風間「10年だ…俺はお前に、何もしてやれなかった…」

 

そう言いながら部屋のソファーに腰掛ける。風間は申し訳なさそうに目を伏せた。

 

桐生「いえ!こうして錦とおやっさんに会えただけでも、俺は嬉しいんです…」

 

風間「ふっ…変わらねぇな、安心した…」

 

桐生の一言で安堵の表情に変わった風間。自分の息子と言える存在がこうして変わっていないことに嬉しかった。

 

桐生「おやっさん、シンジと一輝から今の東城会のことは聞きました…」

 

風間「そうか…知っての通り今東城会は荒れている。100億の件、会長の死、更にスタンド…」

 

桐生「スタンド…やはりこいつが関わってるんですか…」

 

桐生は『ドラゴアッシュ』を出した。それを見て風間と錦山は驚いたが、やはりと笑みを浮かべた。

 

錦山「へっ!龍か…」

 

風間「立派な龍じゃねぇか」

 

桐生「『ドラゴアッシュ』と言います…やはりおやっさんや錦も…」

 

風間「ああ、こいつが見えるようになったのは桐生…お前が収監され、目白の奴が現れたことから始まった」

 

桐生(目白…)

 

錦山「あいつが組長になった途端に、俺やおやっさん、シンジや新藤も…東城会はスタンドだらけになっちまった」

 

風間「…まるで『感染』だ。それもタチが悪く姿なく俺達に現れやがった。力を持った者は更なる力を手にすれば歯止めが効かない者も出てくる。人って奴はどこまでいっても『貪欲な生き物』だからな…」

 

桐生「……」

 

錦山「まぁ、おやっさんみたいに良識ある人がいたから俺もシンジや新藤もクズにならずに済んでるんだ…いや、お前のおかげでもあるな」

 

桐生「俺が?」

 

桐生のおかげ…それは優子を助けてくれたという『感謝』と『救われた気持ち』があったから、錦山はスタンドを手に入れても、自分を見失わずにいられた。

 

風間「…スタンドの話はこれぐらいでいいだろう…本題に入ろう」

 

桐生を呼んだ本来の要件、優子の事、錦山の事、由美の事…風間の口から語られる。

 

風間「まずは、優子について話そう。率直に言うと…優子は無事だ」

 

桐生「…そうですか」

 

桐生はホッとした。優子は本当に無事手術を受けて助かったのか、疑っていた。しかし風間からの言葉で信じられた。点字達は約束を守ってくれたのだ.

 

錦山「今はSPW財団の医療施設でリハビリ中なんだがな。そしたら優子の奴思ったよりも回復力が早くてよ!あと数日すれば退院できるんだぜ!さっすが俺の妹だ!!」

 

嬉しそうに語る錦山。妹がどんどん元気になっていくのは兄として嬉しいんだ。

 

錦山「それもこれも、お前のおかげだ…桐生」

 

桐生「俺は…親友がこれ以上悲しむのを見たくなかった。ただそれだけだ」

 

錦山「お前は、ほんと変わらねぇな…!」

 

風間「次に彰についてだが、知っての通り錦山組の組長だ。ここまで大きくなったのは全て、優子と…一馬、お前のためだ」

 

桐生「俺のため…?」

 

風間「あぁ。彰はこう言っていた。『桐生の帰る場所を俺が作る』…とな」

 

錦山「ちょっ…おやっさん!それ言わない約束でしょ!?」

 

どうやら錦山に言わないように口約束されたが気にせず語る風間。

 

風間「構わねぇだろ。どうせ隠してもいつかバレるんだ」

 

錦山「いや、そうだけど…こういうのってタイミングがあって!」

 

錦山が口論するが風間はどうでもいいと切る。

 

錦山「わ、わかった!わかりました!これでこの話は終わり!以上!いいな桐生!」

 

桐生「ふっ、ああ…」

 

風間「…次は、由美についてだ」

 

楽しい話から一転、行方不明になった由美の話に入る。

 

風間「…お前が収監された1ヶ月後だ。由美は交通事故の影響で記憶を無くした…それは知っているな?」

 

桐生「ええ…」

 

風間「それから俺と彰は由美の看病に全力を尽くした…しかし由美の記憶が戻ることはなかった。だがある出来事で記憶が戻った」

 

桐生「ある出来事?」

 

錦山「そいつは、おやっさんが俺達にくれた『あの石』だ」

 

桐生「何…!?」

 

錦山「『あの石』を見せた途端、由美は悲鳴をあげてこう言ったんだ…『黒い鳥がくる』と…」

 

桐生「黒い鳥…?」

 

風間「そう言った後由美は力尽きたかのように眠ってな…それが何かわからないが、お前達の石とその黒い鳥が事件に関係していると考え、由美を隠した…」

 

桐生「隠した?どこへ!」

 

錦山「そのことはな桐生、お前が来てから話すとおやっさんは言ってた」

 

風間「ああ、漸くお前ら2人が揃った…話す時が来た」

 

由美は一体今どこにいるのか…桐生は聞こうとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン…!

 

風間「誰だ!」

 

突如ノック音がし、風間が受ける。

 

田中「風間のおやっさん!シンジです!」

 

ノックの正体はシンジだった。その声は少し焦っていてるようだ。

 

田中「すぐ桐生の兄貴を!!」

 

パリンッ!!

 

突如、窓が割れて現れたのは…『黒い鳥』だ。

 

「グエエエエエエエエエエエエッ!!!!」

 

桐生「オラッ!!」

 

「グペエエエエ…!!?」

 

桐生がドラゴアッシュで『黒い鳥』を殴り、壁に吹き飛ばす。その際にクチバシが折れた。

 

一瞬で返り討ちにしたが、改めて驚く。

 

桐生「なんだ、こいつは…?」

 

現れた『黒い鳥』は人ほどの大きさで、見た目はコウノトリのように見える。

 

錦山「昔、図鑑で見た事あるがコウノトリって鳥に似てるな…」

 

風間「何故こんなのが…」

 

ガチャ!

 

田中「どうしたんですか!?」

 

中の騒動を聞き、入ってくるシンジ。惨状を見てすぐ把握したのか、桐生に向けて話す。

 

田中「それよりも、嶋野の奴らがこっちに来ます!!兄貴は早く逃げてください!!」

 

風間「嶋野の野朗…嗅ぎつけて来たか!…一馬、俺達に構うな!今はここから抜け出せ!話はまたそれからだ!」

 

桐生「ッ!?わかりました…!」

 

錦山「桐生!もし何かあったら『山村明子』って女を探せ!そいつは必ずお前の手助けになる!!」

 

桐生「錦…!」

 

桐生は割れた窓から飛び降りて脱出。走って逃げる。

 

「おい!今の音はなんだ!?」

 

「何事だ!?」

 

その直後、物音を聞きつけた組員達が扉をこじ開けるように入ってきた。

 

「風間の叔父貴!?ご無事で!」

 

風間「心配するな!彰がやってくれた…」

 

風間が組員達を宥めて状況を伝えた。

 

錦山「このデカい鳥が窓かち割って来やがった…おい、どっかに捨ててこい」

 

「へ、へい…!」

 

錦山の言葉でシンジと組員達が鳥を抱えて出ようとした時、着物の喪服を着た嶋野が現れた。

 

嶋野「なんや…無事やったんか?」

 

風間「嶋野…」

 

錦山「すみません嶋野の親父、葬儀中にトラブルが起きまして…」

 

嶋野「ンなこと見ればわかるわ。おら、何ボケっとつったとるんじゃ?さっさと行けやッ!」

 

「へ、へい…!!」

 

嶋野の怒声に恐れ黒い鳥を抱えて急いで出る。

 

嶋野「全く…で?こんな所で話し合いか?」

 

風間「…ああ、組のことについて彰と少しな」

 

嶋野「ふん、まぁ100億が消えたり、世良が消えたり、色んなもんが消えてくと組がどうなるか気になるわな…」

 

風間「ああ…そうだな……」

 

錦山「……」

 

錦山は内心ヒヤヒヤしていた。嶋野が来た以上、桐生が今出て行った事に気づいているのか?それで頭がいっぱいだ。しかし今はそれを悟られない様に振る舞うしかない。

 

嶋野「……」

 

鋭い視線で二人を観察する嶋野。そして静かな口調で問いかける。

 

嶋野「そういえば、昨日うちのもんから聞いたんやが、神室町で桐生を見た奴がいるそうや。知ってるか?」

 

嶋野が切り出したのは昨日スターダストで起きた事だ。

 

錦山「…え?」

 

風間「……」

 

できるだけ悟られないよう自然に振る舞う。今知ったと思わせる。

 

錦山「兄弟が…神室町に…?」

 

嶋野「そうや。ちょっかいかけたが前より強うなっとるそうや。それで知っとるんか?風間」

 

風間「…知らねぇな」

 

あくまで知らないを貫く風間。

 

嶋野「…そうか」

 

ガチャ!

 

「失礼します!」

 

すると1人の組員が現れた。どうやら嶋野組のヤクザのようだ。

 

「親父、ご報告があります」

 

嶋野「おう来たか…構わん。そのまま言えや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『予定通り』桐生を見つけました」

 

『ッ!?』

 

嶋野「そうかそうか」

 

嶋野はそれを聞き、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

嶋野「どうやらここにいたらしいな、桐生の奴はぁ…」

 

風間「嶋野、てめぇ…!」

 

嶋野は全て知っていたんだ。桐生が東城会に来ることも、この窓から逃げることも。

 

嶋野「俺ァなぁ風間…今日1日、桐生の奴が東城会に来ないなら、目ェ瞑ったるつもりやったんや。せやけどなぁ…見つかったなら…しゃあないよなぁ?」

 

ゆっくりと懐に手を入れる。その行動はヤクザなら誰でもわかる。銃だ。

 

錦山「そんなので、俺達を脅すのか!」

 

嶋野「勘違いすんなや錦山…別に使ってもえぇが、敢えて使わないでおいてやる」

 

錦山「なに…?」

 

嶋野「お前らが桐生のとこへ行くと、ちと厄介やからな…こいつは使わないが、使っちまうとお前らにとって不利やろ?まぁ、わしはいつでも構わんで…桐生がどうなってもえぇんならなぁ?」

 

嶋野の『使わない脅し』。これを使えば事情を知らない他の組員が現れる。嶋野が桐生が襲いに来たと言えばすぐに信じるだろう。

 

そんなことになれば完全に桐生は東城会の敵になってしまう。

 

風間(桐生…!)

 

全て嶋野の狙い通りだ。

 

しかし嶋野や風間、錦山ですら気づけなかった。

 

桐生が『折れたクチバシ』を持っていったことを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、桐生は窓から飛び降り、脱出しようとしたが嶋野組の組員が待ち構えていた。

 

「よぉ、待ってたぜ…!」

 

桐生「懲りない連中だ…」

 

桐生が構えるとそれを合図に襲いかかって来た。

 

それを合図に喪服姿のヤクザ達が続々と襲いかかってくる。

 

「死ねや桐生!」

 

殴りかかってきたヤクザに対し、少し体を捻り拳を避け、胴体に拳喰らわせ吹き飛ばした。

 

桐生「オラッ!!」

 

「ぐぎゃっ!?」

 

「この野郎…!」

 

ガシッ!

 

桐生「セイヤッ!!」

 

続く2人目の腕を掴み、ヤクザ達に投げ飛ばす。

 

『ぐあああああッ!!?』

 

桐生「お前らと遊んでる暇はねぇんだ!」

 

桐生は急いで逃げる。できるだけ誰にも気づかれず、元来た道を走る。

 

正面通路へと戻って来たが、そこは異様だった。

 

「なんだこの鳥は…!!?」

 

「いてててッ!!?」

 

「撃ち殺してやる…!!」

 

鳩ほどの大きさの『黒い鳥』が組員達を襲っていた。

 

組員達は血を流し、対処しているが数が多く、倒れている者もいる。

 

恐らく先ほどの『黒い鳥』と同じ種類だろう。何故東城会に襲って来たのか検討がつかないが、これはチャンスだ。

 

桐生(今は…この状況を利用する…!)

 

桐生はこの隙に正門へと走る。組員は『黒い鳥』達の相手で忙しいため、走る桐生を怪しく思わない。

 

桐生「……ッ!?」

 

途中、何かに気づき振り返ると…目白が腕を組んでこちらを見ていた。

 

目白「……」

 

桐生(あいつが…目白…!)

 

笑みを浮かべているが、その目の奥は笑っていなく正気が感じられない、まるで死人のようだ。

 

漸くそいつに会えたが今相手にする時じゃない。

 

桐生(今は逃げる…!おやっさんと錦のために!!)

 

正門へと走る桐生。もう目と鼻の先。しかし正門を守るようにヤクザ達が現れた。嶋野組で間違いない。

 

「ここまでや!観念しろ!」

 

「ぶっ殺してやる!」

 

桐生に向かって突撃してくる。

 

桐生「退けッ!!」

 

ブンッ!!

 

「うおおおッ!!?」

 

桐生がポケットから投げたのは『ビー玉』。向かって来たヤクザ達はビー玉を踏んで転倒。その間に正門を抜けて道路に出る。

 

「ッ!!…クゥ!舐めた真似しやがって…!!」

 

すぐ起き上がり追いかけようとするが、その時『ビー玉』は『車』に変わってヤクザ達を中に閉じ込めた。

 

「おい!なんやこりゃ!?」

 

「いててててっ!!動くな…!!」

 

ギュウギュウに詰められているため中からはどうすることもできず、取り込まれなかったヤクザがなんとか出そうとしている。

 

桐生は来る前に一台の車を大量の『ビー玉』に変えていた。そして能力を解除したことで元の車に戻り、近くにいたヤクザ達を巻き込んだ。

 

その隙に逃げようとした時、エンジン音が聞こえ振り返ると一台の車がこちらに猛スピードでやってくる。

 

桐生「新手か…!!」

 

そして車は桐生の前に急ブレーキをかけて止まった。

 

「乗れ!!」

 

運転席から一人の男が叫ぶ。桐生は咄嗟に車の窓から入り、東城会を脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐生「ハァ…ハァ…!」

 

「出所2日にしちゃ派手にやったようだな…」

 

桐生「助かった…あんたは?」

 

「フッ、寂しいこと言ってくれるな…桐生」

 

その男は、桐生の逮捕に異議を唱えた刑事『伊達真』。

 

桐生「伊達さん…!?なんであんたが…!!」

 

伊達「まぁ落ち着け、今この状況じゃゆっくり話ができねぇだろ…」

 

ドン…!

 

伊達「なんだ?」

 

グガンッ!!

 

『!!?』

 

車の天井から重い物が落ちた音がした途端、先が欠けたナイフのような物が貫き、穴が空けた。

 

「グエエエエエエ…!!」

 

穴の先から聞こえたのは東城会で襲いにきた『黒い鳥』の鳴き声。その証拠にクチバシは桐生によって折られた状態のまま。

 

桐生「こいつ…追いかけて来やがったのか!」

 

伊達「なんだこいつは…!?」

 

突如現れた巨大な鳥に困惑する伊達。

 

「グエエエエエエエエエエエエ…!!!!」

 

穴を大きく広げ入ってこようとする。

 

桐生「伊達さんはそのまま運転していてくれ!こいつは俺がやる!」

 

伊達「お、おい桐生…!!」

 

桐生が殴り行くが鳥は当たる瞬間に躱す。

 

桐生(チッ!狭い車内じゃ殴るのは無理か…!)

 

天井の穴も鳥の頭が通れる程度の大きさのため上手く当てることができない。更に鳥の方は長いクチバシでリーチがある。

 

ピュンッ!

 

すると桐生はポケットから何かを掴むと親指で弾き飛ばした。

 

「グエッ!?」

 

躱したが、そのスピードに鳥は驚いていた。何せスタンドのパワーで飛ばした『指弾』は弾丸以上の速さだ。当たれば確実にやられる。

 

「グエエエエ…!!」

 

桐生「シッ!」

 

桐生が指弾を飛ばすが、鳥は当たらないように避ける。そして見極めていた。桐生の指弾を放つ瞬間、刹那を。

 

そして桐生の親指が曲げた瞬間、それを見逃さなかった。

 

ジュンッ!

 

クチバシが桐生の親指目掛けて突き刺す。しかし刺さる前にドラゴアッシュの拳が叩き割る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

ガシッ!!

 

 

桐生「!?」

 

桐生の拳が当たる前にクチバシが引っ込み、鳥の足が受け止め、天井の方に引き上げた。

 

バリィン…!!!

 

そして左の窓を破り、桐生の胸を突き刺した。

 

桐生「ぐううッ…!!」

 

伊達「桐生っ!?」

 

「グエッグエッグエッグエッ〜…!!」

 

伊達(わ、笑ってるのか…!?鳥にはワライカワセミって笑い声に聞こえる鳥がいるが、こいつは違う!確実に笑っていやがる!獲物を仕留めたと喜んでやがる…!!)

 

完璧に突き刺してやったぜ!そのまま血を流してしまいだ!っと笑い声と共に感じた。

 

こいつは私達の知る鳥じゃない。『黒い鳥』という名の別の生き物だ。

 

桐生「…随分楽しそうだな?そんなに嬉しいか?こんな『ちょびっと』で」

 

ピタッ!

 

「グエ〜?」

 

桐生「この程度で『殺した』と思うのは浅はかだな…『殺した』というのは確実に仕留めるという意味だ。相手が完全に動かなくなって、目の前から消えること…テメェはどれ1つ満たしていない…『殺し屋』にしちゃ、こんなので勝利を確信するなんざ、とんだ甘ちゃんだな」

 

「……」

 

桐生は命を狙われた経験から『殺した』という概念を知った。自分の得た経験からすれば確かにこれで『殺した』と喜ぶのは些か早すぎる。

 

桐生の言葉を聞いた鳥は暫く黙っていたが…

 

 

「ググッエエエエエエエエエエエエッ!!!!」

 

 

今のでキレた。また突き刺そうと襲いにかかる。

 

 

ズバッ!!

 

 

「グペエエ…!!??」

 

突如、鳥の背後から何かが突き刺さった。

 

桐生「今、何が刺さったと思う?」

 

桐生が問いかけてきたが、鳥なので応えることはできない。

 

桐生「教えてやる…『クチバシの一部』だ」

 

「!!?」

 

それを聞き、鳥はわかった。今まで投げていたのは自分の折られたクチバシだと。

 

だがしかし同時に思った。なぜ自分のクチバシが背後から刺さる。なぜ投げた物が戻ってくる。投げていたのが小石程度の大きさだったはずだと。

 

桐生「そいつは元々折れていない。俺が『ブロック』に変えて折れたようにした…」

 

「グエ…グググエエエエ…!!」

 

桐生「元に戻る際の力を利用した『追尾弾』…念のためお前の身体の一部を持っておいて正解だったみたいだ」

 

「グエエエエエエエエエエエエ…!!!!」

 

なら次はテメェが串刺しにしてやる!そう鳥は叫んでいる。

 

 

ズバババババッ!!!!

 

 

「グペエエエエエエエエ…!!!?」

 

 

またしても突き刺さる。さっきのだけではない。桐生は『指弾』をいくつも飛ばした。

 

桐生「お前に全て返す。ただし、汚れちまうが…これからもっと、汚れることになるがな…」

 

「グぺ…!?」

 

 

 

 

桐生「オラララララララララララララララララララッ!!!!」

 

「グエエエエエエエエエエエエペエエエエエエエエエエエエエ…!!!!!!?!??????」

 

 

 

ドラゴアッシュと桐生による拳のラッシュ『オラララッシュ』。

 

鳥の身体は車やぬいぐるみ、剣やステッキなどのおもちゃへと変わっていく。

 

 

桐生「オオラァ!!!!」

 

「グエエエエエエエエエエエエ!!!!!?」

 

 

黒い鳥(ブラック・ストーク)

 

おもちゃにされてリタイア

 

 

伊達「すげぇ…」

 

桐生「ふぅ…すまねぇな伊達さん。車壊しちまって」

 

伊達「……へっ、ツケにしておいてやるよ…」




スタンド名:ブラック・ストーク
スタンド外見:人間大の黒いコウノトリ
スタンド能力:遠隔自動操縦型のスタンド。本体もしくはこのスタンドのパワーが込められた物品に触れた生物をターゲットに設定し、ターゲットを追跡して攻撃する。攻撃自体はシンプルにクチバシや足の爪で行う。また、ターゲット追跡中に卵を産み、そこから孵った雛鳥も攻撃に参加する。その為時間が経つほど攻撃は激しさを増していく。

パワー:C
スピード:B
射程距離:B
持続力:B
精密動作性:D
成長性:B
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