龍の奇妙な如く   作:肘神さま

5 / 5
スタンド名:マンゴ・ジェリー
スタンド外見:スタンド像自体は無し。強いていえばこのスタンドによって生み出される果実がこのスタンドの象徴。
スタンド能力:本体が手で触れた植物にマンゴーに似た奇妙な果実を生らせる。果実は美味で食した者に一時的に活力を与えるが、依存性があり、次第にマンゴ・ジェリーの果実の虜になっていく。

パワー:E
スピード:E
射程距離:C
持続力:A
精密動作性:E
成長性:E


龍の捜索

神室町 『バッカス』

 

ここは神室町の中央近くにあるバー。ここは伊達の行きつけで、マスターに顔が効く。そのため今この店は貸切。2人で酒を飲みながら密談している。

 

伊達「風間と錦山が…!?」

 

桐生「あぁ…無事だろうが、嶋野組が目を光らせて下手に動けないでいる…」

 

伊達「嶋野か、厄介だな…だが、その『由美』のこと…奴はお前に何を伝えようとしていた?」

 

桐生「…わからない。ただ言えるのは、由美は無事だってことだ」

 

伊達「まぁ、そうだろうな…」

 

出所してこれまでのことを伊達に話す。もちろんスタンドのことは伏せてだ。

 

桐生「伊達さん、俺からも聞かせてほしい。なんであんたは俺を助けたんだ?」

 

そう聞かれた伊達は懐から一枚の名刺を取り出した。

 

名刺には『警視庁組織犯罪対策部 組織犯罪対策第四課 警部補 伊達真』と書かれてある。

 

桐生「第四課…あんたマル暴に…!」

 

伊達「10年前の堂島殺し…俺ぁ、上の意向を無視して突っ走って…結果、今は一課を下ろされてつまらねぇヤクザの相手してる。お前と同じ、組織の鼻つまみ者だ…」

 

桐生「そうだったのか…」

 

伊達が所属していた警視庁捜査一課は、殺人や強盗等といった強行犯罪を担当する部署。凶悪犯罪と直に接触することが多い。謂わば刑事のエリート集団。

 

対して第四課、通称『マル暴』が担当するのは組織犯罪。暴力団や極道などの反社会的勢力を相手にする警察官達のこと。ニュースでヤクザの事務所を家宅捜索する刑事がそれだ。

 

伊達はグラスに注がれた酒を飲み干す。

 

伊達「桐生、俺は今世良殺しを追っている。独自に調査を行っていたらある男が浮かび上がった」

 

桐生「誰だ?」

 

伊達「『目白』だ」

 

桐生「!?」

 

驚いた。流石は刑事と言ったところ、調査で目白の存在に気づいたようだ。

 

伊達「奴はお前が収監されてすぐに組長になった。いやそれよりも前に、ある男に接触していたことがわかった」

 

桐生「ある男…?」

 

伊達「堂島組組長『堂島宗兵』だ」

 

桐生「何…!?」

 

ギイィ…

 

克「その話、詳しく聞かせてもらおうか?」

 

『!!?』

 

桐生が言うべきか悩んでいた時、ドアが開き、中から克が現れた。

 

伊達「誰だ。ここは貸切だ!」

 

桐生「待て伊達さん!そいつは俺の雇い主だ!」

 

伊達「雇い主だと…?」

 

克「SPW財団の克だ。縁あって桐生さんと雇用契約を交わしている」

 

伊達「SPW財団って…世界の5本指に入る大財閥じゃねぇか!」

 

克「あんたの情報と俺達の情報交換といこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタンド、桐生の冤罪…全てを包み隠さず伊達に話した。

 

桐生「とても信じられないだろうが、事実だ…」

 

伊達「……」

 

伊達は聴き終えるとグラスの酒を飲み干した。

 

伊達「なるほどな…漸くこの力の出所がわかった」

 

そう言いながら伊達は1枚の写真を取り出した。桐生達が写真を覗くと、写真の絵が動き出した。

 

桐生「これは…!?」

 

伊達「この写真の男はヤクの売人なんだが、中々尻尾を出さねぇ…ヤクの居所さえわかればいいんだが、どこにあるのか検討つかない…だが俺の『スマップ』に撮られたら、もう終わりだ」

 

すると写真の男がある部屋に入ると、ドアノブを外し穴の中に指を入れて引っ張ると、そこに『白い粉が入った袋』がドアの中の隅までぎっしりと入れられていた。

 

伊達「二重構造か…考えたようだが見つかっちまえばもう無駄だ」

 

伊達は携帯を取り出し、本庁へ連絡。男の居場所とブツの在処を伝えて切った。

 

伊達「とまぁ…これが俺の能力だ」

 

克「中々使える能力だな…」

 

桐生「伊達さん…あんたもスタンド使いだったのか」

 

伊達「ああ、マル暴になったある日こいつが現れてな。まぁ…それより桐生、この事件…お前を待っていたように急に動き出した…まるでネジが巻かれず止まっていた時計が誰かの手で巻かれ動き出した…俺は100億を探る。お前は由美の居場所を探ってみてくれ。あんたは…」

 

克「俺達は目白を探る…多分あんたの能力は奴には効かないかもしれん」

 

伊達「効かないだと?どういうことだ…?」

 

克「先月、うちのメンバーの1人が『居場所を探るスタンド』を使ったが、何故か目白の居場所を特定できなかった…恐らく奴のスタンド能力だろう」

 

桐生「(目白…やはり謎が多い…)わかった。そっちは任せた」

 

伊達「そうだ桐生。こいつをやる」

 

伊達が桐生に携帯電話を渡した。

 

桐生「これは?」

 

伊達「携帯電話って奴だ。今じゃガキでも持ってるんだぜ?」

 

不思議そうに眺める桐生に対し、やり方を教える伊達。

 

克(そういえば渡すの忘れてた…)

 

伊達「そいつでいつでも連絡してくれ」

 

桐生「ありがとう、伊達さん」

 

伊達「気にするな…それで本題だが、お前手掛かりに心当たりは?」

 

桐生「いや…とりあえず昔の馴染みに合ってくる。『セレナ』って店だ」

 

伊達「そうか…何かわかったことがあったら連絡しろ。俺の番号はその中に入ってるからな…マスター、話は済んだ。もう店開けて良いぞ」

 

貸切にして貰っていたマスターに礼を告げ、伊達は店を出る。

 

克「それじゃあ、また…」

 

克もドアを開け元の部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神室町『セレナ』

 

天下一通りの中程にある雑居ビルにある飲み屋。その扉の前に桐生が立っている。

 

桐生(久しぶりだな…)

 

チリンチリン…!

 

麗奈「いらっしゃ……!!」

 

入ってすぐに目についた白シャツの女性『麗奈』。あれから十年経っているが今でも変わらない姿。それを見て桐生は笑みを浮かべた。

 

桐生「久しぶりだな、麗奈」

 

麗奈「桐生ちゃん…帰ってきたのね…!!」

 

麗奈はカウンターを出て桐生に駆け寄り抱きついてきた。

 

桐生「お、おい…!」

 

麗奈「バカっ!心配したのよ…!!いきなり逮捕されたなんて、由美ちゃんや優子ちゃんがどれだけ心配したと思ってるの…!!」

 

麗奈の目には涙が溢れていた。

 

桐生「…心配かけたな」

 

麗奈「でも、よかった…無事で…!」

 

 

 

 

 

数分後、落ち着いた麗奈はカウンターに戻り、桐生に酒を勧めた。桐生も有り難く一口飲んだ。

 

桐生「酒の味、店の雰囲気…10年経ったが変わらないな」

 

麗奈「フフッ、ありがとう。これでも皆のために頑張ってたのよ?特に錦山君が『あいつが帰ってくるまでなんとか店を続けてくれ!』って言われちゃってね…ほんとっ!感謝して欲しいくらいよ!」

 

桐生「錦が…フッ…そうか…(全く…あいつには暫く頭が上がらないな…)」

 

桐生は錦山の存在がとても大きい存在に感じた。

 

桐生「麗奈、久しぶりでなんだが…今日はお前に聞きたいことがあって来た」

 

麗奈「…由美ちゃんのことね。残念だけど私も由美ちゃんがどこに行ったのか知らないわ…」

 

麗奈はわかっていたかのように由美について話始めた。だが麗奈も由美の居場所は知らないようだ。

 

麗奈「でもね桐生ちゃん…5年前にここに『美月』って女性が尋ねてきたの。彼女、『澤村由美』の妹ですって言ってた」

 

桐生「何?…由美の妹だと…!!」

 

由美に妹がいた…昔から一緒に過ごしてきた桐生でさえ知らない事だ。

 

麗奈「うん。でも妹がいた事は由美ちゃんも知らなかったはずよ…由美ちゃんだけ、生まれて直ぐに生き別れになったんですって」

 

桐生「そうだったのか…それで、その美月は…?」

 

麗奈「それが詳しくは分からないの。美月ちゃん、ちょくちょくここに顔出してくれてね。そのうち、由美ちゃんがいたこの店で働きたいって…4年くらいここにいたのだけど、去年急に自分の店を持つことになったんですって。確かお店の名前は…『アレス』」

 

桐生「アレス…場所は?」

 

麗奈「オープンしたら知らせてくれることになってたんだけど、まだ連絡無いのよ…こっちから連絡しようにも連絡先変わっちゃってるみたいで…あ、美月ちゃんは銀髪のショートヘアで胸元に花模様の刺青があるの、それに由美ちゃんにとっても似てた。会えばすぐわかると思うわ」

 

桐生「花模様の刺青…そうか…助かった」

 

麗奈「またいつでも来てね。私に出来ることならなんでも協力するから」

 

桐生「ああ…すまねぇな」

 

麗奈「あ、そうだ桐生ちゃん。ミレニアムタワーって知ってる?そのタワーの裏に小さなバーがあるの。マスターは飲食店の元締めみたいな人よ。新しい店が出来たら、必ずマスターに連絡が行くわ。『アレス』の場所もきっと知っているわ」

 

桐生「どこだ?」

 

麗奈「『バッカス』」

 

桐生「!」

 

その店は先程まで伊達といた店だ。

 

桐生「わかった…ああ、そうだ。最後に1つ聞いておきたいことがある」

 

麗奈「なに?」

 

桐生「錦から『山村明子』って女を探せ、必ず助けになってくれると言われてな…知ってるか?」

 

麗奈「『山村明子』…ええ、よ〜く知ってるわぁ…全く…あの女のどこがいいんだかぁ…!」

 

麗奈の身体から赤い湯気が出ていた。それは紛れもなく怒りのオーラだとすぐにわかる。

 

桐生「れ、麗奈…?」

 

麗奈「……あ、ごめんなさい!あの子はモデルを目指してここで働いたり、どこかでバイトしているそうよ。住んでるのは近くのアパートらしいけど、どのアパートかはわからないわ…」

 

桐生「それだけわかれば十分だ」

 

麗奈「…桐生ちゃん」

 

桐生が出ようとした時、麗奈が一声かけた。

 

麗奈「これが終わったら、錦山くんと飲みに来て。最高のお酒、用意して待ってるから」

 

桐生「ああ…またな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッカスへと戻って来た桐生。しかし桐生は入る前にバッカスの異変に気づいた。

 

バーは静かに酒を飲む場所である。本来であれば静かな事は別におかしい事では無い。

 

だが店の前から僅かな客の話し声はおろか音楽すら聞こえて来ないのはおかしい。

 

ドアを開け、店内に入るとそこはさっきまでの酒を嗜むバーではなく、『処刑場』となっていた。

 

桐生「なんだ…これは?」

 

カウンターに伏せる女性、テーブルに大の字で横たわる男性、中央でうつ伏せになっているマスター、近くに拳銃が落ちて倒れている2人の男、全員が血塗れになって死んでいる。

 

桐生(全員殺されたのか、しかし誰が…)

 

「ぐっ…うぅぅ…」

 

桐生「ッ!!」

 

カウンターの裏から呻き声が聞こえた。ゆっくりとカウンターの裏に行くと、そこには左腕を抑えた克がいた。

 

克「き…りゅう…!」

 

桐生「克!大丈夫か!何があった…!」

 

克「は…早く、部屋に…!」

 

桐生が肩を隠し克をドアの前まで連れて行き、開くとその部屋の中に白いパーカーを着た10歳ぐらいの少女がいた。

 

「あ……!!」

 

桐生(子ども…?)

 

何故子どもがいるのかと驚いたがそれよりも克を治療するのが先。ソファーに寝かせ救急箱を取り出し、包帯を巻いて止血をする。

 

幸い左腕以外、他は軽い怪我で済んだ。

 

克「ぐっ…!すまんな…」

 

桐生「気にするな…それより、何があったんだ?」

 

克「突然だ…俺はこの店で酒を飲んでた…するとこの子が現れた」

 

聞けば母親を探しているそうで、この店のマスターは色んな店に顔が効くと聞いて来たのだそうだ。詳しく話を聞こうとした時、スーツ姿の男達が現れいきなり店内にいた客やマスターを撃ち殺した。

 

俺は咄嗟にカウンターの後ろに隠れ、子どもを能力で部屋に入れた。その後持ってた銃で応戦するが、1人に左腕を撃たれ取り逃してしまう。

 

克「俺としたことが迂闊だった…まぁ子どもが死なないで済んだのが幸いってな…」

 

桐生「……」

 

克から子どもへ視線を変える桐生。少女の目を真っ直ぐに見つめ、ゆっくりと話し始めた。

 

桐生「俺は桐生一馬…お前は?」

 

遥「は…遥…」

 

桐生「遥か…良い名だ…兎に角この店を出るぞ」

 

克「待て桐生、そこの上のタンスを開けてみろ…」

 

桐生が遥を連れて出ようとした時、克が声をかけ、タンスを開けるよう促した。

 

タンスを開けるとそこには一本の鍵があった。

 

克「そいつは『マスターキー』だ…俺がつけた印のある扉ならそれを持っていれば何処でも出入りが可能だ…」

 

桐生「良いのか?」

 

克「10年の付き合いだ…あんただったら信じられる…」

 

桐生「…助かる」

 

そう言って店を出る桐生と遥。

 

桐生(とりあえず、公園にでも…)

 

遥「……」

 

桐生「どうした?」

 

遥は一向にその場から動こうとせず、一点を見つめていた。視線の先を見るとそこには子犬がいた。

 

犬種は恐らく柴犬だろう。そう思った瞬間…

 

「きゃうん!」

 

遥「あ…!」

 

横合いから飛んできた石が子犬の身体を直撃した。

 

子犬が痛々しい悲鳴を上げた直後、石の飛んできた方向から下品な笑い声が聞こえた。

 

「よっしゃー!ど真ん中ー!」

 

「今のは内臓イッたっしょ!?」

 

「キャンっつたぜ!」

 

「へっへっへっへっ…!」

 

「残酷だなぁ…早い所トドメ刺しちゃえよ!」

 

不良だ。子犬を面白半分で虐めている。見ていて良い物ではない。

 

遥「ひどい…やめてよ…!」

 

桐生「…ちょっと待ってろ」

 

優しい目で遥にそう告げると、仔犬の所へと歩み寄った。

 

「そうら、もういっちょっ!!」

 

パシッ!

 

「え?」

 

直後、子犬に襲い掛かる石を素手でキャッチする。

 

桐生「オラッ!!」

 

「ぶぎぃいいやぁあああああ!!?」

 

「よっちゃん、大丈夫かよ!?」

 

「テメェなんだこのジジイッ!!!」

 

キャッチした石は真っ直ぐ不良達の所へと飛んでいき、メンバーの一人に直撃した。

 

桐生「俺は今日散々な目にあったんだ…ストレス発散に付き合ってもらうぜ?」

 

「何言ってんだゴラァ!!?」

 

「あんた、終わったね?」

 

リーダー格と思われる男が横を向くとその先から仲間と思しきチンピラ達が現れた。

 

「おっさん、今謝るなら金払うだけで許してあげるよ?」

 

桐生「…ふっ、良いストレス発散になりそうだ」




スタンド名:スマップ
スタンド外見:カメラと一体化したスタンドだが、見た目では認識する事は出来ない。その代わり、本体が手にしたどんなカメラにも一体化可能なので、スマホだろうと大昔のカメラだろうと関係なし。
スタンド能力:写真を撮ると、写真に映った人達の魂を写真に変えてカメラからその人達の写真が出てくる。写真を撮られた人達はその事に気付く事は無い。しかし、写真を破いたり燃やしたりしても撮られた人達を殺せたり、怪我をさせたり出来る訳では無い。その代わり、写真に映る人達の写真は映像となり、その人の事を動く写真越しに知る事が出来る。プライベートも丸分かりのコンプライアンス無視しつつ、相手の事も色々分かる厄介な能力。

パワー:E
スピード:E
射程距離:E
持続力:A
精密動作性:E
成長性:E
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