俺の双子の弟は緑谷出久 ~大魔道士ポップと憑依する竜の騎士~   作:篠原えれの

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合格通知が届くまで

 合格通知が届くまでの間、僕は個性を使えるように特訓をしていた。

 

 朝六時。

 海浜公園の奥、人気のない小さな砂浜で、今日も特訓を続けていた。

 僕は深呼吸をして右手を軽く握った。

 手の甲に赤いドラゴンの紋章が薄っすらと浮かび上がる。

 

 「よし……今日は浮遊と黒鞭の組み合わせを頑張ってみよう」

 

 その瞬間、温かい気配がすっと体の中に入ってきた。

 

 『出久くん、おはよう。今日も一緒に頑張ろうね』

 

 ダイ兄ちゃんが軽く憑依した状態だ。

 視界が少し鮮明になり、体が軽くなる。

 

 「うん、おはようダイ兄ちゃん!」

 

 隣ではポップ兄ちゃんが、コンビニの袋を提げて立っていた。

 朝ごはんを買ってきてくれたらしい。

 ポップ兄ちゃんは僕(とダイ兄ちゃん)を見て、にやりと笑った。

 

 「おれも来てたぞ。いいタイミングだな。今日はおれも少し付き合うよ。出久がちゃんと飛べるようになるの、楽しみにしてるぜ」

 『ありがとう、ポップ。出久くんもやる気満々だよ』

 

 ダイ兄ちゃんが僕の口を通じて自然に答える。

憑依しているおかげで、ポップ兄ちゃんとも普通に会話ができる。

 ポップ兄ちゃんは砂浜に腰を下ろしながら、おにぎりを一つ僕に放ってきた。

 

 「ほら、まずはこれ食え。飛ぶ前に腹ごしらえだ。ダイ、出久の体調はどうだ?」

 『今のところすごくいいよ。初日の特訓より明らかに体が慣れてきてる。今日は浮遊をメインに、黒鞭で動きを加えていこうと思うんだけど、ポップはどう思う?』

 「いいんじゃねえか。空を飛べるようになれば、出久の動きの幅が全然変わる。おれのルーラみたいに瞬間移動は無理でも、飛べるだけでもだいぶ違うだろ」

 

 ポップ兄ちゃんはリラックスした様子で、僕たちの練習を見守る態勢になった。僕はおにぎりを一口食べてから立ち上がった。

 

 「じゃあ、始めるね。まずは浮遊!」

 「トベルーラ」

 

 小さく唱えると、体がふわりと浮かび上がった。

 地面から約一メートル。まだ少しふらつくけど、以前より安定している。

 

 『いい感じだよ、出久くん。そのままゆっくり前へ進んでみて。』

 「うん……!」

 

 僕は意識を集中させ、低空を滑るように飛んだ。

十メートル、二十メートル……風が頰を気持ちよく撫でる。

 

 「飛べてる……結構スムーズ!」

 

 ポップ兄ちゃんが手を叩いて笑った。

 

 「すげえじゃん、出久。だいぶ様になってきたぞ。ダイ、補助はどうだ?」

 『今はほとんど僕が手を添えてるだけだよ。出久くん自身がどんどんコントロールできてる。次は黒鞭を混ぜてみようか』

 「うん!」

 

 飛んでいる最中に右手を軽く振る。

 黒い鞭が一本、するっと伸びて近くの岩に軽く絡みついた。

 そのまま軽く引き寄せるようにして方向を変える。

 体がきれいなカーブを描いた。

 

 「わ……方向転換できた!」

 『すごいね! その調子だよ、出久くん。ポップ、見ててくれる? もう少し高さを上げても大丈夫かな?』

 

 ポップ兄ちゃんは腕を組んだまま、楽しそうに頷いた。

 

 「ああ、上げてみろよ。空中の動きに慣れておかないと、雄英に入ってから困るだろ。おれも回復の準備してるから、安心して飛べ」

 『ありがとう。じゃあ出久くん、少しだけ高さを上げてみよう。落ちそうになったらすぐフォローするね』

 

 僕はダイ兄ちゃんの言葉に従い、浮遊の力を少し強めた。

 地面から三メートルほどの高さ。

 風がより強く感じられる。黒鞭をもう一本出して、バランスを取りながら飛ぶ。

 低空を滑空するような感覚。

 体が軽くて、すごく気持ちいい。

 

 「これ……楽しい!ダイ兄ちゃん、ポップ兄ちゃん、もっと飛んでいい?」

 ポップ兄ちゃんが笑顔で手を振った。

 

 「いいぞ、飛べ飛べ。お前が空を飛べるようになるの、おれは全然反対じゃねえよ。むしろかっこいいじゃん」

 『そうだね。出久くん、今日はここまでで十分飛べるようになったと思うよ。ポップ、回復お願いしていい?』

 「ああ、任せろ」

 

 地面に降りた瞬間、軽い疲労を感じたけど、ポップ兄ちゃんがすぐにベホイミの優しい光を流してくれた。体がすっと軽くなる。僕は息を弾ませながら、二人に笑いかけた。

 

 「ありがとう……!ダイ兄ちゃんが憑依してくれて、ポップ兄ちゃんが見守ってくれて……三人でやると、すごく心強いよ」

 

 ポップ兄ちゃんは僕の頭をくしゃくしゃと撫でながら、優しく言った。

 

 「当然だろ。お前は俺の弟なんだから。ダイも、今日はありがとうな。出久が飛べるようになるの、手伝ってくれて」

 『うん、こちらこそ。ポップと一緒にいると、出久くんも安心して頑張れるみたいだね』

 

 海風が気持ちよく吹き抜けた。朝陽が砂浜を明るく照らす中、僕は胸の奥で強く思った。

 

 (僕……ちゃんと自分の力で飛べるようになりたい。ポップ兄ちゃんやダイ兄ちゃんに頼りきりじゃなく、三人で協力しながら、もっと強くなりたい)

 

 合格通知まではあと一週間。

 

 

 僕は兄ちゃんと、ダイ兄ちゃんと一緒に、

 空を駆ける練習を続けていった。

 

 ◆

 

 夕方。

 緑谷家のリビングは、夕陽が柔らかく差し込んでいた。

 キッチンからはカレーのいい匂いが漂ってくる。

 僕はソファに座ってヒーローノートを広げ、今日の訓練のことを簡単にメモしていた。

 ポップ兄ちゃんがエプロン姿でキッチンから顔を出した。

 

 「おれが今日はカレー作ってるよ。母さんも手伝ってくれてる。出久、訓練お疲れ。体は大丈夫か?」

 

 母さんが隣で笑いながら言った。

 

 「味が濃くなりそうだったから、少し調整したのよ。」

 

 僕はノートを閉じてキッチンの方を見た。

 

 「うん、今日は風が強かったけど、なんとか飛べたよ。ポップ兄ちゃんが回復呪文でフォローしてくれたおかげだね」

 

 母さんは少し驚いた顔をして、僕の方へ近づいてきた。

 

 「飛ぶ練習……?出久、最近本当に個性を使えるようになったのね……お母さん、検査で無個性って言われたときはどうしようかと思ったのに……」

 

 ポップ兄ちゃんがルーをかき混ぜながら、穏やかに言った。

 

 「母さん、出久は最近、飛べるようになったんだ。低空だけど、黒い鞭みたいなのも出せて、だいぶコントロールできるようになってきたよ。俺も毎日見てて、驚いてる」

 

 母さんの目がじんわりと潤んだ。

 

 「そう……本当なの?出久、すごいわ……お母さん、嬉しい……無個性だって泣いてたのに、こんなに頑張って……」

 

 僕は少し照れくさくなりながら、立ち上がってキッチンへ近づいた。

 

 「うん……まだ上手くはないけど、ポップ兄ちゃんが毎日見てくれて、回復もしてくれるから頑張れてるよ。お母さん、心配かけてごめんね」

 

 お母さんはエプロンの端を握りしめながら、優しく微笑んだ。

 

 「謝らないで。出久もポップも、本当に頑張ってるのね……合格通知がもうすぐ来るのに、二人とも無理しすぎないでね。お母さん、いつも応援してるから」

 

 ポップ兄ちゃんはカレーを火から下ろしながら、軽く笑った。

 

 「母さん、大げさだな。出久は俺の弟なんだから、当然見ててやるよ。ほら、カレーできたぞ。今日はおれがメインで作ったから、ちょっと自信ある」

 

 お母さんが明るく声を上げた。

 

 「はい!みんなでゆっくり食べましょうね」

 

 三人でテーブルに着くと、母さんが僕とポップ兄ちゃんを交互に見ながら言った。

 

 「出久が個性を使えるようになって、本当によかった……これからも家族で支え合っていきましょうね」

 

 僕はカレーの匂いを嗅ぎながら、胸がじんわりと温かくなった。

 

 「うん……ありがとう、お母さん。ポップ兄ちゃんも。この時間が、雄英に入っても続きますように」

 

 夕陽がリビングをオレンジ色に染める中、家族三人で囲むカレーの夕飯が、とても穏やかに始まった。

 

 




9割AI作成です。AIってすごいよねと思いながら投稿です。
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