俺の双子の弟は緑谷出久 ~大魔道士ポップと憑依する竜の騎士~ 作:篠原えれの
雄英高校・職員会議室。入試終了後の夜。
広い部屋の中央に大きなモニターが置かれ、教師たちが円状に座っていた。
根津校長が小さな体で椅子に座り、紅茶をすすりながらモニターを眺めている。
その横には相澤消太(イレイザー・ヘッド)、プレゼント・マイク、オールマイト(瘦せた姿)、ミッドナイト、エクトプラズム、スナイプなど、主な教師陣が揃っていた。
モニターには入試の映像が再生されている。
特に最後の巨大ゼロポイントロボットが出てきた場面。
相澤消太がため息をつきながら言った。
「……緑谷出久、か。ヴィランポイントは55、レスキューポイント40で合計95点。暫定1位だな。ただし……個性の制御が明らかに不安定だった。飛んで黒い鞭のようなものを複数出して巨大ロボットを倒した瞬間、手の甲に紋章みたいなものが浮かんでいた。あれは何だ?」
プレゼント・マイクが大声で身を乗り出した。
「ヤバかったよねー! 最初は完全に固まって出遅れてたのに、急に空を飛んで鞭を連発!最後はデコピンみたいな感じで巨大ロボを吹っ飛ばしてたよな!最後はドラゴンの紋章が消えた途端飛べなくなって、落下!あれ、完全に個性と身体が馴染んでない感じだったぜ!」
ミッドナイトが扇子で口元を隠しながら、にやりと笑った。
「ふふ、でもあの行動力は評価できるわ。巨大ロボが出てきた時、自分より強い個性を持った生徒たちが逃げてる中で、あの子は迷わず動いた。レスキューポイントもかなり高めにつけたわよ」
根津校長が紅茶のカップを置いて、にこにこと言った。
「面白い子ですね〜。 緑谷ポップの双子の弟というのも興味深い。兄は推薦入学で呪文個性を使いこなしているのに、弟の方は入試直前まで『無個性』だったはず。それが急に空を飛んで、黒い鞭のようなものを操る……これはただの個性覚醒とは思えませんね」
オールマイト(瘦せた姿)が、静かに口を開いた。
「……私は、あの子の意志を評価したい。無個性と言われながらも、必死に努力してあの場で動いた。人助けの精神は本物だ。ただ……力の制御が未熟すぎる。指を一本犠牲にしてもなお、あの出力は危険だ。雄英に入れて、本格的に鍛えられるかどうか……」
相澤消太が腕を組んで、低い声で言った。
「問題はそこだ。力の源が不明瞭すぎる。兄の呪文とは明らかに違う。急にそんな力が使えるようになった理由を、きちんと説明できるのか?雄英は個性の管理も重要だ。制御不能な力を持った生徒を安易に入れるのは、リスクが高い」
エクトプラズムがカタコトの日本語で言った。
「我々教師陣モ諸君ラヲ…本気デ叩キ潰ス所存…だが…あの行動ハ…ヒーロー二相応シイ…」
スナイプがガスマスクの下から静かに言った。
「この距離で捕捉可能な“個性”は……少なくとも、ただの身体強化系ではない。飛行と多方向攻撃を同時にこなしていた。ポテンシャルは高いが……安定性が皆無だな」
根津校長が小さく手を叩いた。
「皆さんの意見、よくわかりました。緑谷出久くんは、確かに不安定です。しかし……ヒーローとは、個性の強さだけではなく、『誰かを救おうとする心』が最も重要だと、私は考えています。あの巨大ロボットの前で、逃げずに動いた子は彼だけではありませんでしたが、彼の行動には純粋な『救いたい』という意志がありました。兄である緑谷ポップくんも推薦で優秀ですし、双子として同じ環境で育ったなら、サポートも期待できますね〜」
相澤消太が軽くため息をついた。
「……まあ、レスキューポイントも含めて95点は妥当だ。制御は入学後に徹底的に鍛えればいい。
ただし、最初のクォーターは俺が厳しく見る。暴走したら即座に個性抹消だ」
オールマイトが小さく頷いた。
「私も……サポートさせてもらおう。あの子の努力は、本物だ」
根津校長がにこやかにまとめに入った。
「では、緑谷出久くんの合格を決定としましょう。彼には、雄英でしか得られない『成長の機会』が必要です。皆さん、よろしくお願いしますね〜」
教師陣がそれぞれ頷く中、モニターには最後の出久の姿が静かに映し出されていた。
◆
合格通知が届いた夜、緑谷家・出久の部屋。
僕はベッドに座って、雄英高校の合格カードを何度も眺めていた。
まだ夢みたいで、実感が湧かない。
そこへ、机の上に置いてあった緊急連絡用の小型端末が突然光り始めた。
オールマイトから預かっていたものだ。
画面が明るくなり、いつもの筋肉隆々としたオールマイトが、満面の笑みで映し出された。
これは事前に録画されたメッセージのようだった。
「緑谷出久少年!!合格おめでとう!!!」
オールマイトの大きな声が部屋に響いた。
僕は慌てて端末を両手で持ち、正座した。
録画の中のオールマイトは、親指を立てながら続けた。
「忙しくて中々直接会いに行けなくてごめんね〜!今日は連絡と諸々の説明をするために、このメッセージを録画しておいたんだ。入試の録画も一緒に流すよ」
画面が分割され、入試会場の映像が流れ始めた。特に最後の巨大ゼロポイントロボットが出てきた場面が強調されている。
「ほら、ここだ。君が飛んで、黒い鞭を何本も出してロボットを攻撃したところ。そして最後のデコピン……なかなか派手だったな(笑)」
オールマイトは笑いながらも、少し真剣な顔になった。
「君の努力と勇気は、ちゃんと伝わってきたぞ。無個性と言われながらも、あの場で動いた心……最高だ!レスキューポイントも高く評価されたようだな。ただ、力の制御はまだ不安定だ。雄英に入ったら、しっかり鍛えていく必要がある。ダイくんの力も含めて、自分のものにしていけよ」
オールマイトは画面の中で大きく胸を張った。
「私は最近、事件が続いて忙しくて中々時間を作れなくて本当にごめん。でも、君のことはしっかり見守っているから安心してくれ。雄英に入ったら、教師陣も君のことをよく知っているはずだ。これからは本格的に始まるぞ、出久少年!」
最後に、オールマイトはいつもの明るい笑顔で親指を立てた。
「合格、本当におめでとう!!また時間ができた時に、ちゃんと会いに行くからな!体を大事に、頑張れよ!!」
画面が暗くなった。部屋が静かになると、僕は端末を胸に抱いたまま、ベッドに倒れ込むように横になった。ダイ兄ちゃんの気配が優しく包み込んでくる。
『出久くん、おめでとう。オールマイトのメッセージ、嬉しかったね』
僕は天井を見つめながら、小さく微笑んだ。
「うん……忙しいのに、わざわざ録画まで作ってくれて……笑ってくれて……僕、ちゃんと応えたい」
夜風が窓の外を静かに吹いていた。
合格の喜びと、これから始まる雄英生活への期待で、胸がいっぱいだった。
これも9割AIです。