俺の双子の弟は緑谷出久 ~大魔道士ポップと憑依する竜の騎士~   作:篠原えれの

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USJに着くまで

 家に帰る途中の、人通りの少ない静かな住宅街。

 夕暮れ時で街灯がぼんやりと灯り始めた頃、ポップ兄ちゃんと出久が並んで歩いていると、突然後ろから低い声が響いた。

 「おい、デク」

 爆豪勝己が足早に追いかけてきて、二人の前に立ち塞がった。

 出久はびっくりして足を止めた。

 「か、かっちゃん……?」

 爆豪は両手をポケットに入れたまま、鋭い目で出久を睨みつけた。

 「お前のその強さはなんだよ!黒い鞭を出したり、空飛んだり、超パワーって言ってるけどあのデクがいきなり個性をきちんと使えるわけがねぇ....!てめえ、昔のクソデクじゃねえだろ!隠してんじゃねえぞ! 本当は何なんだよ!」

 出久は少し後ずさりしながら、慌てて答えた。

 「え、えっと……かっちゃんも言う通り個性は超パワーだよ!前に検査で無個性って言われたけど、急に使えるようになって……それに、ダイ兄ちゃんが昔から僕を助けてくれてて……」

 瞬間、出久は自分の口を両手で押さえた。

 「あっ……!」

 ダイ兄ちゃんの名前をうっかり言ってしまった。

 出久の顔が一瞬で真っ青になった。

 「や、やばい……! 今、ダイ兄ちゃんって言っちゃった……!ポップ兄ちゃんとも約束してたのに……!どうしよう、かっちゃんに知られちゃった……!」

 出久が完全に慌てふためいていると、出久の瞳がふっと優しく変わった。

 ダイが軽く憑依した状態になった。

 ダイ(出久の体で)は爆豪を穏やかに見つめ、柔らかい声で言った。

 「おれはダイだ。出久の昔からの……親友みたいな存在だ。出久を助けたいと思って、時々こうして体を借りてるんだ。昔から出久を支えてきたのは本当なんだよ。お前が怒ってるのもわかるけど、出久はちゃんと自分の力で頑張ってるよ。急に強くなったのは、おれやポップの力も少し借りてるけど……それでも出久本人の努力なんだよ」

 爆豪は目を細めて、明らかに警戒しながら睨みつけた。

 「……は? てめえ、何者だよ。デクの体を乗っ取ってんのか?」

 ダイは静かに、でもはっきり答えた。

 「乗っ取ってるわけじゃないよ。出久が望めばいつでも離れるんだ。おれはただ、出久が笑ってヒーローになれるように、影から支えたいだけなんだよ。……お前も、出久のことを認めてくれているんだろ?」

 爆豪は舌打ちして、拳を強く握りしめた。

 「チッ……わけのわからねえこと言いやがって。次は絶対にぶっ飛ばすからな、デク……いや、てめえら全員だ」

 爆豪はそう吐き捨てて、足早にその場を去っていった。

 憑依が解け、出久はぱちぱちと目を瞬かせて、完全に青ざめた顔でポップ兄ちゃんを見た。

 「ポップ兄ちゃん……!僕、ダイ兄ちゃんのこと喋っちゃった……!どうしよう、かっちゃんにバレちゃったよ……!」

 ポップ兄ちゃんは弟の頭を軽くくしゃくしゃと撫でながら、苦笑した。

 「まあ、仕方ねえだろ。爆豪の奴、意外と勘がいいからな。……でも、ダイがちゃんと説明してくれたし、大丈夫だと思うぜ」

 出久はまだ慌てたまま、両手で顔を覆った。

 「うう……でも、ダイ兄ちゃんの存在、もっとちゃんと隠しておきたかったのに……」

 ポップ兄ちゃんは小さく笑って、弟の背中を軽く押した。

 「ほら、帰ろうぜ。今日はもう十分事件あっただろ。家に着いたら、ゆっくり考えよう」

 夕暮れの静かな帰り道を並んで歩きながら、出久はまだ少し動揺したまま、ポップ兄ちゃんの隣を歩いていた。

 

 ◆

 

 次の日の朝、雄英高校の校舎裏。

 ポップ兄ちゃんはオールマイトと二人きりで少し早めに登校し、昨日の一件を報告していた。

 オールマイトはいつもの筋肉質な姿で腕を組み、真剣な顔で聞いている。

 ポップ兄ちゃんは少し気まずそうに頭を掻きながら言った。

 「……でさ、オールマイト。昨日、帰り道で爆豪に絡まれてさ。出久がうっかり『ダイ兄ちゃん』って名前を口にしちゃったんだよ。あいつ、めっちゃキレて『お前のその強さはなんだよ』って詰め寄ってきて……」

 オールマイトの目が少し大きくなった。

 「ほう……爆豪少年にか。それは少々まずいな。ダイ君の存在は、まだ極力秘密にしておきたかったはずだが……」

 ポップ兄ちゃんは肩をすくめた。

 「まあ、出久が慌てて口を押さえたんだけど、もう遅かったよ。そしたらダイが憑依して、出久の体で直接爆豪に説明してた。『おれはダイだ。出久の昔からの親友みたいな存在なんだよ』って、結構優しい感じで話してたけど……爆豪は完全に怪訝な顔してたな」

 オールマイトは少し考え込みながら頷いた。

 「なるほど……爆豪少年は勘が鋭いからな。一度気になり始めると、簡単には納得しないタイプだ。

 ダイ君の存在がバレてしまったのは、正直想定外だったが……」

 彼はポップの肩に大きな手を置き、力強く言った。

 「しかし、君たちが上手く対応したようで何よりだ。ダイ君が直接説明したことで、最悪の事態は避けられただろう。これからは、出久少年にもう少し注意するよう伝えておいてくれ。ダイ君のことは、まだクラスメイト全員に知らせるタイミングではないからな」

 ポップ兄ちゃんは小さくため息をついた。

 「わかったよ。出久もかなり慌ててたし、ちゃんと伝えておく。……爆豪の奴、今日もなんか睨んでくるだろうなあ」

 オールマイトは明るく笑った。

 「はははっ!爆豪少年は熱い男だ。彼もいつか、出久少年やダイ君のことを理解してくれる日が来るさ。君たち三人がしっかり支え合っていれば、問題ない!」

 ポップ兄ちゃんは苦笑しながら頷いた。

 「まあ……そうなるといいけどな。おれも、できる限りフォローするよ」

 こうして、オールマイトに昨日の出来事を報告した朝は、少し気まずい雰囲気の中、静かに過ぎていった。

 

 ◆

 そして午後の授業、ヒーロー基礎学

 

 「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制で見ることになった」

 「(なった…?特例なのかな)」

 「ハーイ!なにするんですか!?」

 瀬呂範太が手をあげて聞く。

 「災害水難なんでもござれ、人命救助訓練だ!!」

 相澤先生が話す。

 「レスキュー……今回も大変そうだな」

 上鳴電気が苦笑いしてぼやくと、芦戸三奈が「ねー」と頷く。

 「バカおめーこれこそヒーローの本分だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」

 切島鋭児郎が興奮気味に話す。

 「水難なら私の独壇場ケロケロ」

 「おいまだ途中。今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗って行く。以上、準備開始」

 

 ◆

 

 「ん、デクくんマスクとったんだね」

 「ポップ兄ちゃんにマスク取った方が似合ってるって言われたんだ。変かな」

 「ううん、確かに。ポップ君ナイスアドバイスだと思うよ」

 

 「なんか後ろで言われてらー」

 「けっ」

 ポップと爆豪が並んで歩いている後ろでお茶子と出久は楽しそうに会話してた。

 

 「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう」

 「飯田くんフルスロットル…」

 

 「このタイプの座席だったか!!」

 

 がっかりする飯田。

 二列で並ぶタイプだと思われていたが向かい合わせに座るタイプの座席だった。

 

 「私、思ったことを何でも言っちゃうの緑谷ちゃん。緑谷ちゃんだとお兄さんと被っちゃうから出久ちゃんって呼ぶわね」

 「あ!?ハイ!?蛙吹さん!!」

 「梅雨ちゃんと呼んで」

 「あなたの「個性」、オールマイトに似てる」

 「!!!」

 

 びっくりして、どうしようと慌てながら話す。

  

 「そそそそ、そうかな?!でも僕はその、えー」

 

 ポップの方を見ると「変なこと話すなよー」という表情をしていたので、完全にカタコトになってしまった。

 すると切島鋭児郎がそうかなと話してくれたのでとても助かった。

 

 「でもさ、オールマイトは黒い鞭とか出さないぜ。確かにあの超パワーはすげえ似てるけどな。似て非なるアレだと思うぜ。しかし増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来ることが多い!俺の「硬化」は対人じゃ強えけどいかんせん地味なんだよなー」

 「僕はすごくかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する「個性」だよ」

 「プロなー!しかしやっぱヒーローも人気商売みてえなとこあるぜ」

 切島鋭児郎が現実の話しをする中で、青山が一言。

 「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み」

 「でもお腹壊しちゃうのはヨクナイね!」

  芦戸がそう話すと、むっと黙ってしまった。その通りだから仕方ないだろう。

 

 「派手で強えって言ったらやっぱ緑谷兄弟と、轟と爆豪だな」

 「ポップちゃんはもう既に嘱託ヒーローでデビューしてるんでしょ」

  梅雨の質問に、ポップは素直に答える。

 「おれのは条件厳しいから中々ヒーロー活動できねえけどな」

 「そうなの?」

  梅雨が聞くと、ポップは話を続ける。

 「本当の緊急事態って時に駆り出されんだ。あとはうーん、色々!まだ入学して日浅いからおれ消えてないけど、爆豪とかはおれがよく授業中に消えてたの知ってるだろ」

  「ケッ」

 俺に話をふるなと苛立ちを見せる爆豪。

 「そうなのね。爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」

 「んだとコラ出すわ!!」

 「ホラ」

 梅雨ちゃんに遊ばれ、上鳴電気に言いように話される爆豪。

 「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるってすげえよ。」

 「てめえのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ」

 「おめえがいじられてるの中々すげーな」

 「あ゛?おめーにだけは言われたくないんだわクソ」

 ポップの言葉に当然キレる爆豪。

 「というかなんでかっちゃんとポップ兄ちゃん隣同士なの」

 「なんか自然とそうなった」

 「ケッ」

 

 「低俗な会話ですこと」

 「でもこういうの好きだ私」

  八百万とお茶子がそれぞれ話し。

 

 「爆豪くん君本当口悪いな」

 「もう着くぞいい加減にしとけよ」

 相澤先生の言葉でバスの中はようやく少し落ち着きを取り戻した。

 

 

 

 




ほぼAIですが原作の流れも入ってます。
AI君に出久君とダイ君のスペック書いてもらいました。

緑谷出久(デク)のスペック(雄英入学直後)
個性: 超パワー(One For Allの力+ダイの影響で発現した状態)
フルカウル:現在5〜10%程度まで安定して使用可能(10%超えるとまだ負荷が大きい)
黒鞭:複数本展開可能、攻撃・移動・捕縛に使用
浮遊:短時間なら空中機動可能(トベルーラの影響)
煙幕:視界を奪う補助能力
全体的な身体能力:無個性時代から大幅に向上。持久力と瞬発力はクラス上位

特徴:力のコントロールはまだ甘いが、着実に上達中
分析力と判断力は非常に高い
ダイの憑依を受け入れることで、一時的にパワーアップや的確なアドバイスをもらえる
弱点:力の暴走リスクがまだ残っている
肉体への負担が大きい(特に10%超)
精神的に動揺するとダイの憑依が不安定になる

ダイ(竜の騎士)のスペック存在形態: 出久への憑依型(夢の中から始まり、現在は現実でも短時間憑依可能)

能力:竜の騎士の力(歴代の経験・記憶・技が蓄積された竜の紋章の力)
出久の体を借りて戦闘可能(黒鞭や浮遊をより精密に扱える)
出久の超パワーを補完・強化する役割が強い
戦闘経験が豊富で、冷静な判断とアドバイスが得意
出久の精神的な支えにもなっている

特徴:出久が望めばいつでも離脱可能
ポップとは昔からの親友関係で、気心が知れている
出久の体を共有しているため、出久の成長を直接感じ取れる
憑依中は出久と会話共有が可能

弱点:あくまで出久の体を借りているだけなので、出久の肉体耐久力が限界
完全な実体化はまだできない
出久がパニックになると憑依が解けやすい



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