※ 注意 ※
・二次創作小説(オリ主の名前は固定)です。
・原作から逸脱したりします。
・キャラクターの解釈違いだってあります。
・何でも許せる方向けです。
――――人は生まれながらに平等ではない。
そんなことは、何より私は知っていた。
群を抜いて優秀だった学業をおいても、私には才能があった。生前の私は、生まれながらにして天性の人形遣いの才を授かっていたのである。
私が操る糸で、まさに生きているかのように躍動する人形の動き。それには誰しもが目をを奪われ、惜しみない拍手を送る。それは私だけが為せる奇跡の技。私はドールマスターという称賛の呼び声の中、人形劇団と華と咲き誇っていたのである。
だが、才能とそれに見合う努力の行先は、何とも無惨な結末だった。
私の人生はつまらない暴漢達によって奪われたのである。地に伏して自身の体から広がる鮮血を眺めながら、銃の乱射事件に巻き込まれたと気づいた時には、既に遅すぎた。
視界が朧にかすんでいく中で、私は誓ったのだ。
——もう奪われるなんて御免だ。どんな相手だろうと、私は奪われたくない! 鬼に会っては鬼を斬り、仏に会っては仏を斬る!その覚悟を私は胸に刻んだのである。
× × ×
そしてまさか転生した先で、鬼でも仏でもなくヒーローと出会うことになるとは……
そうなのだ、ここは生前コミックで読んだヒロアカの世界。
個性とよばれる特異体質で人類のほぼ全て超人となった時代なのだ。私が生活する孤児院で、子ども達みんながヒーローごっこに興じるのも、この世界ではそれだけヒーローがプロとして脚光を浴びているからなのである。
光があるところには影が落ちる。
個性を濫用した悪行もまた、この世界では当たり前だ。そんな犯罪で養育者を失った子供たちが引き取られていくのが孤児院なのである。つまりは私とまわりの子どもたちは、そういった奪われた側の人間なのだ。
固く誓ったのにも関わらず、既にして敗者である事実に私は憤慨してしまう。
「はい、気を付けて横断歩道を渡ってね!」
保育士の人に手を引かれて歩く小さな私に、にっこりと若いヒーローが声を掛ける。
彼の笑顔の眩しさに、私も怒りを押し殺して笑みを返すのであった。
――だから私がこの世界で目指すのは、自分本位で圧倒的な強者である。
誰も邪魔できず、誰も奪えず、ただ全員が私の生き様を見ることしか出ない……そう、つまりこれは私が最強で最凶で最恐のヴィランになるための物語なのである。