それでは、どうぞご覧ください。
『ま、まさに電光石火!第7小隊が1番にゴーレム地帯を突破したぞ!!』
レイたちのチームが1番にゴーレムの群れを突破する一方で……
『さぁ、次にゴーレム地帯を突破するのはどの小隊か――――な、何と!?ここでウィル選手が前に飛び出していくぞ!?』
ウィルの第6小隊に動きがあったようだ。
「おいおい、1人で特攻か?」
「無能者に倒せるわけがないだろ?あいつ、前の実技で傷1つつけられなかったんだぜ?」
観戦している生徒たちは、そんな風にウィルのことを笑ったが……
「コレット、お願い!」
「ふぅ……宿れ大地の雫、護れ鉄鋼の陸――――
コレットがそう唱えると、ウィルの右手に手甲が装着され……
「はぁっ!!」
そのままゴーレムを殴り飛ばし、周りのゴーレムも巻き込んで倒してしまったのだ。
『な―――何だ今のはぁああああああ!?』
「はぁ……やっぱりこうなったか……」
それをスタジアムで見ていたワークナーは、思わず頭を抱えた。
「魔法が使えなくても、魔法で作った手甲で殴っちゃえば、ルール上問題ないでしょ?」
「っ……」
『信じられない!何だこの展開!?ゴーレムの森を2番目に突破したのは、ラーナー!ウィル・セルフォルト!!』
そんなウィルの姿を見て……
(あんなやつに助けられた自分が許せなかった。だから、やれることは全てやった……少しでも強くなろうとした――――それなのに、あいつは……巫山戯るなよ!!)
シオンはどんどんと苛立ちを募らせていく……。
『ウィル・セルフォルト選手、天剣の杖を追走!スタジアムの王冠を奪取するこの奪冠、先頭の第7小隊は火山地帯に、2番手の第6小隊は岩石砂漠地帯に入ります!』
ウィルたち第6小隊は、2番目に
「ウィル、前!」
「うん!」
ウィルは地面に手甲を叩きつけて壁を作り、放たれた無数の土塊による攻撃を防いだのだ。その後、ウィルはすぐさま飛び出していき……
「コレット!」
「堵列せよ、剣征の墓標――――
空中に浮かべた何十もの魔法陣から、無数の剣を出して地面へと突き刺した。それをウィルはすぐさま掴むと……
「っ!」
土塊を飛ばしてきたトラップへと投げ、見事に命中させて次々と破壊していったのだ。
『岩石砂漠地帯も難なく突破だ!速い速い速い!本当に何が起こっているんだ!?』
そんな予想外の展開に……
「嘘だろ……あの落ちこぼれが……?」
「こ、コレットの魔法が凄いだけだろ?そ、そうに決まってる!それに、完璧才女や天剣の杖に比べたらあんなの――――」
「は、速い……トラップの察知から迎撃まで……!」
生徒たちもスカウトに来た塔の上位魔導士たちも、驚きを隠せずにいた。
『ダンジョンに明け暮れた者の動き……知識と経験則を元に、無駄を廃し、反射の域で突破を実行する』
(レイ・セルフォルトもその動きが可能だが、ウィル・セルフォルトにはあと一歩劣る……だがレイ・セルフォルトはそれを魔法で補うことで、それ以上の動きを見せている……天剣の杖は伊達ではない、か)
『トップは変わらず第7小隊レイ選手!それを猛追するのは第6小隊のウィル選手だ!!』
その状況になっていることを知った他のチームの生徒は……
「くそっ!」
「無能者なんかに遅れを取るわけには―――――うわっ!?」
「だ、大丈夫か――――って、なっ!?」
『各チームも急ぎますが、トラップが容赦なく炸裂!今年もえ・げ・つ・ねぇ!』
ウィルに負けまいと急ぐも、道中に仕掛けられたトラップに行く手を阻まれていた。
『第7小隊と第6小隊!とうとう最終エリア『魔の樹海』に到達!!』
ここで闇魔法のトラップが発動するが……
「相殺する……!」
ウィルは魔法陣のある地面ごと斬りとり、魔法陣から放たれる魔弾同士をぶつけることで相殺させたのだ。
『ここもものともしない!この状況どうですか?闇魔法の地雷原もとい性悪なトラップを仕掛けたエドワルド先生!!』
『……ちっ』
『舌打ちしたよこの人!?』
そんな実況がされている中……
(このまま有利な地形を抑えて待ち伏せする……!)
ウィルはユリウスのことを待ち伏せようと、接敵するであろう場所に先回りしようとしていたが……
「――――散れ」
「っ!?」
なんと逆にユリウスに先回りされており、ウィルたちの方が奇襲を受けてしまったのだ。
(な、何で……僕とコレットがマジック&ランで負けた――――いや、切り替えろ!ここで迎え撃つ!!)
ウィルは次々と降り注ぐ氷の雨を掻い潜り、ユリウスへと近づこうとした……その時――――
「――――灰燼よ、今はなき死都の残滓よ。想起せよ、汝を焼き払いし炎苦の記憶。思い出せ、汝を消し去りし焦土の焔奏。還らぬ故郷の火槍を以て、今こそ我が仇を焼き尽くす!!」
「っ!?ウィル逃げて!!」
「
味方であるシオンが、ウィルの背後からユリウスごと狙い、上位魔法を放ってきたのだ。ウィルはコレットがギリギリのところで展開した土の障壁によって守られ、何とか攻撃を凌ぐことができた。
(な、何が起こったんだ……?撃たれたのか、僕は……?)
何が起きたか分かっていないウィルの目の前には、焼き払われた樹海が広がっていた。
「失せろユリウス、邪魔だ」
「な、何を考えてるのシオン!?」
「ここまで大人しく利用されてやったが……コレット、ここからは好きにやらせてもらう。さぁ――――
僕と戦え、落ちこぼれ」
◇
その頃、1位を走っていた第7小隊のところにも……
「!ねぇ、この揺れって……」
「おそらくどこかの小隊が接敵したのだろう……」
シオンの上位魔法による衝撃が届いていた……その直後――――
「っ!?剣界!」
『!?』
レイたち3人に向けて、無数の魔法が放たれたのだ。レイは反射的に剣界を使い、他の2人のことを守りつつ攻撃を全て防いでいく。攻撃を防いだ時にできた煙が晴れ、レイたちが見たのは……
「これは……」
「完全に狙いは僕たち、だね」
「というよりこれ、レイ君かリアーナ狙いじゃ……?」
第7小隊を取り囲む、他の小隊たちだったのだ……どうやら学年トップ4のレイやリアーナのいる第7小隊を倒すことで、塔から来たスカウトなどにその実力を示そうとしているようだ。
『さぁ、第7小隊の方にも動きが――――な、何と!?複数の小隊が第7小隊を取り囲んでいるぞ!!』
普通ならば、多くの小隊に囲まれたこの状況は絶対絶命と言えるだろう……が、
「……そうだとしても関係ないよ」
「レイ……あぁ、かかる火の粉は振り払うまでだ」
「やっぱ2人とも頼もしいなぁ……よし、私も少し本気だしちゃお!」
3人は余裕も見せた表情で短杖を構え、自身たちを取り囲む小隊たちを迎撃しようとしていた。
「撃て!」
「俺があいつらを倒す!」
レイたちを囲んでいる小隊に所属する生徒たちは、すぐさま魔法を放つも……
「剣雨」
レイが無数の剣を放つことで、その魔法を全て相殺し……
「応えよ黄泥、絡みつけ。我が敵の足掻きをここに眠らせよ――――
「な、何だこれ!?」
「う、動けない……!?」
ロゼの魔法で相手の小隊の足元が一瞬で泥となり、さらにその両手に泥が絡みつくと一瞬で固まってしまった。そして、半分以上の小隊の動きを完全に封じたところで……
「血統雷伝:騎士甲冑・雷装――――
『!?』
「
「ぐっ!?」
「がっ!?」
リアーナが相手の懐に飛び込み、一瞬のうちに気絶させたのだ。さらに……
「くそっ……撤退だ!」
運よくロゼの魔法から逃れた小隊は、この状況を見て撤退しようとしていたが……
「うおっ!?」
「け、剣だと……?」
何故か上から降ってきた無数の剣に驚き、一瞬動きを止めてしまった。すると……
「こ、これは……!?」
「と、トラップが!?」
レイが先ほどの魔法を相殺する時に放った剣は、相殺する用のものとは別に半分は時間差で地面に突き刺さるように上へと放たれていた。そのため、地面に突き刺さった剣によって闇魔法のトラップが発動し……
『うわぁああああああ!?』
残りも一気に倒してしまったのだ。
『数で圧倒的不利かと思われた第7小隊でしたが、持ち前の連携でものともしないぞ!?』
こうしてレイの率いる第7小隊は、依然としてトップでスタジアムに向かっていくのだった……。
読んでくださり、ありがとうございます!
次回か次々回あたりで、魔導大祭の話を終わらせることができればと思っています(もしかしたら伸びるかも……)。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。