【カオ転三次】おっさん転生者がなんとか生き抜く話 作:Vp6121
昼過ぎ
技術部内個別談話室
ネタ脳搭載型シキガミ3体に、私と本田さんの2人で、『ネタはここぞと言う時にだけ使え。普段から使うと軽くなる』を含めてネタ発言は抑えるように、かなり時間をかけて教育した。
なお、ネタ発言を絶対不可とする命令も出せたが、そこら辺をギチギチに縛ると人格形成に問題が出そうと私と本田さんで意見の一致を見たので、使用制限に落ち着いた。
「さて、本田さん。初期教育ありがとうございました」
「いえいえ夢野さん。アレはまぁ、アフターサービスみたいなものですから」
ああ、ジャパニーズビジネスマン的なオクユカシサがあふれたアイサツである。(忍殺感)
「それで夢野さん。この後はどうします?」
「遅れましたが、昼飯を食べたり、みんな用のお買い物をして独身寮に帰ります」
「そうですか。わかりました。夢野さん、このこたちは初めて外に出るので、この後どうするのか説明しておいた方がいいですよ」
「あー確かに。不安でしょうからね」
それを聞いて私はシキガミたちに向き直った。
「シルエット、オーロラ、ロール。この技術部施設を出た後だが、まずは一緒にお昼を食べる。その次に事務局に寄って少し手続きをする。その後にみんな用の買い物をしてから独身寮に帰る。独身寮では寮監と寮母に挨拶してから部屋に到着の予定だ。何か質問は?」
一反木綿なシキガミ3人が顔を見合わせて、その中で、一反木綿ボディに黒白黒のストライブが3本走っているシルエットが手を挙げた。
「マスター。まいごになったらどうしますか?」
「まず、迷子防止にみんなで手をつないで行く。当然、手を離して勝手にふらふら歩くなよー。施設内で私を見失ったら、一旦その場で待機。私が探しに行くからな」
「了解しました。マスター」
「オーロラとロールは何かあるか?」
一反木綿ボディにホワイトゴールドのストライブが1本走ったオーロラと、同じく黒白青のストライブが3本走ったロールは首を振った。
「よし、それでは出発な。本田さんありがとうございました」
「それでは夢野さん。シルエット。オーロラ。ロール。お疲れ様でした」
そうして技術部施設を後にした。
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移動中
私とシキガミたちは仲良く歩いている。
一部を除いて、手をつないでいる。
右手はシルエット。
左手はオーロラ。
残ったロールは…私によじ登り、肩車のような状態で頭を私の頭上に置いていた。
まぁ合理的と言えば合理的だ。あと、ロールは参号機だったから末っ子扱いが近いから、こういったムーブをしたのだろう。気にしない事とする。
傍から見たら変わった主従だが、まあいいだろう。
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5分後
食堂
食堂はお昼を外したせいか空いていた。
入口の食券機でガイアカレー食券を4枚購入後、注文口に提出した。
「ん、夢野か。今日は遅いな…あと、新顔連れてるとは珍しいな!」
食堂でその腕を交代で振るっている、某料理マンガ主人公の秋山醤とそっくりな料理人であるジャンニキが話しかけてきた。
「お疲れ様です。ジャンニキ。今日は今連れているシキガミたちの受け取り日だったんです。それで、初めてのごはんをここで食べようと」
「カカカカカ!初めての食事がオレの料理とは!光栄だ!」
このジャンニキ、エキセントリックに見えるが、これは本人が元ネタそっくりだからロールプレイやっているだけで、人格はまともである。そして料理と戦闘は凄腕である。
「今日はガイアカレーにしようかと」
「ああ、ガイアカレーならばウチらしい食事だし、何より美味い。まだたっぷりあるからな!待ってろよ!」
そう言ってジャンニキは厨房からガイアカレー4皿を持ってきた。
「ガイアカレー4皿おまちどお。そこに福神漬とらっきょうがあるから、好きな分量を取ってくれ」
「ありがとうございます。ジャンニキ」
そう言ってからシキガミ全員に1皿ずつ持たせ、空いている4人がけ座席に座った。
私の隣はオーロラで、向かいはシルエット。斜め向かいはロールが座った。
「「「「いただきます」」」」
そう言って全員がカレーを口にする。
シキガミ3人が電流が流れたように背筋を伸ばした。ガイアカレーを初めて食べた人は、その美味さと霊的治療効果でたいていこうなる。
シキガミもそうなるとは知らなかったが。
そうしてガイアカレーをたっぷり堪能した。
私も、シルエット・オーロラ・ロールも大満足である。
「「「「ごちそうさま」」」」
そして大満足なまま、食堂を後にした。
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5分後
事務局
シキガミを連れて事務局に。
今は右手にロール。
左手にシルエット。
頭の上にはオーロラがいる。
どうも交代制であるらしい。
相談窓口に行くと、最近入った赤いフレームの眼鏡を額にかけた、大学生ぐらいの好青年がいた。
彼の名は山村賢。いつも赤いフレームの眼鏡を額にかけた、大学生ぐらいの好青年で、アイマスSideMの山村賢そっくりな転生者である。面白い事に前世でPやってた俺たち内で彼を『賢ちゃん』『山村ァ!』『ケン』とそれぞれ呼ぶ派閥があり、仁義があったり無かったりする微笑ましい争いがあるとか無いとか。知らんけど。
なお、普通に有能である。
「お疲れ様です。山村さん。戦闘講習をお願いしたいので手続きをお願いします」
「はい、わかりました。えーとお名前は?」
「夢野龍です」
私の名前を聞いて山村さんがハッとした。何か事務局内で私の話を聞いていたらしい。
「それでは夢野さん。戦闘講習の希望条件をお願いします」
「指名で坂上ニキを。時間は1日。午前中は訓練場で、単体テスト的な個別戦闘と結合テスト的な集団戦闘を行い、それぞれの講評と修正を。午後には本番環境テスト的な異界で実戦を考えています」
山村さんが素早くメモを取った。
「夢野さん。坂上ニキは異界での戦闘講習中です。戻ってきてからの調整になるので、早くとも決まるのは明日になるかと」
「それで構いません。決まったらガイアフォンに連絡してもらえば」
「承知しました」
「それではよろしくお願いします」
そう言って窓口を離れた。
シルエットたちが何か言いたそうな表情をしていた。ここは説明しておいた方がいいな。
そう思い、事務局の外に出て他人の邪魔にならない所で立ち止まった。
「シルエット、オーロラ、ロール。今、申請したのは、私を含むみんなの戦闘講習だ。それぞれ自主訓練もする予定だが、それだけでは不安だ。何せ私自身、集団戦闘な陸ドク*1でのタンク役は未経験だ。加えて集団戦闘も未経験だから、余計にな」
オーロラが手を挙げた。
「マスター。わたしたちはさいていげんのたたかいかたはしっています。だからだいじょうぶだとおもう」
「確かにオーロラの言う通り、最低限の戦い方は知っているだろう。だが技術部情報によれば、武装の使い方のみで戦術じゃない。私自身、ゲームでの戦術しか知らんから、シルエット、オーロラ、ロールに入っている私の記憶上の戦術も怪しい。ここまでは分かるか?」
シキガミ3人全員がコクコクと頷いた。
「だから第三者である教官役の人に見てもらい、教えを乞う事で穴を潰そうと考えている。訓練で先に失敗しておけば、実戦で死なずに済むからな。何か意見はあるか?」
シキガミ3人全員がフルフルと首を横に振った。
「良し。それじゃ次は買い物をしに売店に行くぞ」
そう言ったら、左手にロール。右手にオーロラ。頭の上にはシルエットがよじ登ってきた。
おめーら何でよじ登るの好きなんだろう。