この素晴らしい魔法学園に祝福を! 作:バニルの弟子:ショーヘイ
今年はアニメこのすば10周年!
それを記念して、本格的現パロ・学パロを長期連載することにしました!
このめでたい年を存分に堪能しましょう!
佐藤和真はどこにでもいる普通の高校生である。
黒髪黒目に平凡的な顔、身長は百六十五センチと平均よりは少し低め。
日本の一般的な中流階級の夫婦の下に生を受けた二人兄弟の長男で、漫画やゲームといった年相応の趣味を持つ。
周りと少し違う点があるとするならば、それは普段は学校に通わず家に引きこもっていることぐらいだろう。
そんなカズマが珍しく外出を決意した。
本日発売の人気ネットゲーム、その初回限定版を手に入れるため早起きして行列に並んだのだ。
時間にして往復五時間。
三日間徹夜なだけでも倦怠感が酷いのに、季節は八月の上旬と夏真っ只中。
店舗限定なんて公式もほんとクソな事をするものだと内心で愚痴るカズマ。
何はともあれ無事にゲームは獲得できた。
あとは誰もいない家の中で悠々自適にゲーム三昧だ、と上機嫌でデスクに置かれたPCに電源を入れた、そんな時だった。
ピンポーンと家中に乾いた音が反響した。
——また新聞の勧誘だろうか。
それとも電波受信料の徴収員?
しかし、そのどちらもつい二、三日前に訪ねてきたばかり。
いつもなら二週間は間隔を空けてくるのだが、今回は随分と短い。
そうカズマが不思議に思っていると再び押されるインターホン。
どちらにせよ、俺には関係のない話だ。
応対しなければそのうち諦めて帰るだろう。
居留守を決め込むことにしたカズマは鞄から取り出したパッケージを開き、早速ゲームを始めようと買ったばかりのソフトをドライブにかけ。
『すいません、佐藤和真さんはいらっしゃいますか?』
若い女性の声だった。
しかも自分を名指しで呼んでいる。
——本当に誰が来たんだ?
一瞬、学校の誰かがきたのかと思い時計を確認するが、時間帯はまだ午前の授業が終わった頃合いだからその可能性はない。
そもそも今の学校で自分の家を訪ねてくれるような仲の良い女子の知り合いなんていないと言う悲しい事実には、気づかないフリをする。
となれば益々誰が来たのかわからない。
応対する面倒臭さよりも好奇心が優ったカズマは、念の為に足音を立てないよう慎重に自室を出る。
リビングに辿り着くとドアホンを覗き込み、画面に映る来訪者の顔を確認した。
そして思わず目を見開いてしまった。
もし女神というものが存在するのなら、きっとドアホン越しに見えるこの人の事を言うのだろう。
テレビで見るアイドルの可愛らしさとは全く異なる、人間離れした美貌。
年はカズマと同じか少し上のように見える。
淡く柔らかな印象を与える透き通った水色の長い髪。
その一部は頭の上で輪を描き青玉の髪留めで結われていた。
縁がなく弦の細い眼鏡をかけ、出過ぎず足りな過ぎずな完璧な躰に、フィットした濃い青色のビジネススーツを着込んでいる。
その美女は困惑した様に小首を傾げ再度インターホンに指を伸ばしていた。
再び反響するインターホンの音をどこか遠くに聴きながら、気付けば玄関先に向かい、鍵をかけていたドアをゆっくりと押し開けていた。
「ぁ、あの、なにか俺にご用ですか?」
人と話すのも久しぶり、しかも相手はとびきりの美人なので、思わず上擦った声を上げてしまうカズマ。
しかしそんなことは気にした様子もなく、顔を覗かせるカズマと目線があった青髪の女性はすっと佇まいを正し――
「佐藤和真さん。あなたはこの度、国際プロジェクトの被験者に選ばれました。あなたはその才覚を認められたのです」
人を魅了する神秘的な微笑みを浮かべ、そんなことを告げてきた。
第一章は、明日から毎日22時に投稿します。
全六話です。
第二章以降は、毎週金曜22時に投稿予定です。
お楽しみに!