健康な体を願ったら不健康な存在にされた   作:匿名希望の読み専

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 皆んな大好きW・Bの日記になります。
 G第3形態はカッコいい

 最初の見積もりでは3000字くらいの予定だったのにこんなに長くなってしまった。

 あとタグを少し追加しました。
 


とある主任研究員の日記

 

 

 

19△◯/◇/×

 

 この日記を書くのもいつぶりだろうか。ここ最近はタイラント開発のためのT-ウイルス変異株の開発であまり眠れていなかった。

 だが、その甲斐もあってようやくタイラント開発の足掛かりができた。

 

 私が長年携わってきたT-ウイルス研究の集大成・・・・・・超強力な戦闘能力と複雑な命令を理解できる知能を兼ね備えた究極のB.O.W.であるタイラント。今からでも完成が待ち遠しい。

 

 私の同期で友人であり、研究者としてはライバルでもあるアルも隣のイスに腰掛け、目に真っ青なクマを作って満足気な表情をしていた。アルも完成が待ち遠しいのだろう。

 

 後は、この変異株に完全適合できる素体を発見するだけだが、完全適合できる人間が1000万人に一人しかいないということが最大の課題だ。

 

 まぁ、ここから先は本社の人間に任せるとしよう。今日は久々にゆっくり眠れそうだ。

 

 

 

 

 

19△◯/⭐︎/▽

 

 このアークレイ研究所の命題とも言えるタイラント開発が中断されたことで研究所には珍しく平穏な日々が訪れている。

 

 私も珍しく手持ち無沙汰になったので、妻のアネットと娘のシェリーと共にラクーンシティにある動物園にでも行ってみることにした。

 

 

 

 どうやらアルはヨーロッパへ行くとこにしたらしい。

 わざわざ海を渡ってまですることがあるのかと疑問に思ったが、ここしばらくは働き詰めだったので、アルも向こうで羽を伸ばすことにしたのだろう。

 

 

 

 

 

 シェリーが遊園地のマスコットのラクーン君の人形を欲しがっていた。あんな訳の分からないものより、うちの下っ端研究員が作っていた1/7タイラント(完成予想体)フィギュアの方がカッコいいのに。

 今度シェリーにプレゼントしようと話をしたらアネットに止められた。

 

 ・・・・・・・・・・・・何故だ?

 

 

 

 

 

19△⭐︎/□/□

 

 アルの奴、ヨーロッパにある第6研究所に行っていたらしい。

 数ヶ月ぶりに顔を見せたアルに随分長い旅行だったなと皮肉でも言ってやろうと思っていたら、馬鹿でかいアタッシュケースに詰められた”ネメシスのプロトタイプ“を見せられた。

 

 確かにあそこでは、B.O.W.の知能の低下を抑える人工寄生生物の研究をしていたと記憶していたが、まさかアルが実物を持ってくるとは夢にも思わなかった。

 

 ネメシスを取り出す際に()()()()()()()()を使ったらしいが、向こうの研究の成果物であるネメシスを持ってくるとは・・・・・・流石はアル、私の友人にしてライバルとして相応しい存在だ。

 

 

 

 

 

 暇すぎて、各々が作ったタイラントのフィギュアの品評会を始めていた下っ端の研究員共を呼び寄せて、ネメシスの研究(本業)を始めるとしよう。

 

 

 

 

 

19△⭐︎/□/◁

 

 プロトタイプ(試作型)とはよく言ったものだ。このネメシスまるで使い物にならん。

 

 まず、このネメシスについてなのだがT-ウイルス製B.O.W.全般の課題である“知能の低さからくる制御の不安定さ”を克服するべく開発された人工の寄生生物だ。

 

 ネメシスを投与すると、対象の脊髄に取り憑きそこに新たな脳を形成することで対象を乗っ取るだけでなくより高度な知能を持つことができる。

 そして、そのネメシスを我々が制御することで対象のB.O.W.を高度な知能を保持した状態で制御することができる。

 

 なるほど、理論だけ聞けば合理的で革新的な研究だ。

 

 しかし、このネメシス先ほど書き連ねたメリットを全て台無しにするくらい重大な欠陥を抱えている。

 ネメシスを投与された対象が寄生に耐えきれず死亡するのだ。これはT-ウイルス感染体である活性死体(ゾンビ)では話にならず、私が開発したハンターであってもゾンビより少し長く耐えられたかなといったレベルである。

 

 これには、わざわざヨーロッパからネメシスを持ち出してきたアルも半笑いである。

 

 これの寄生に耐えられるのはそれこそ開発途中のタイラントくらいだろうと半ば諦めが頭に過った時、ふと()()()()()が思い浮かんだ。

 

 あのデキソコナイならネメシスの寄生にも耐えられるかもしれん。

 

 

 

 

 

19△⭐︎/▲/×

 

 このアークレイ研究所には、とある実験体が監禁されている。

 

 リサ・トレヴァーという不死身の実験体が・・・・・・

 

 コイツは元々、アークレイ研究所の上に建っているカモフラージュのための洋館を建築した建築士の娘だったらしい。

 だが、口封じのために家族諸共幽閉され、ウイルス研究のための実験体にされたんだとか。当時はT-ウイルスの原型である始祖ウイルスの研究が主流でありコイツも例に漏れず、始祖ウイルスを何度も投与されたようだ。

 

 驚くべきことに何度もウイルスを投与した結果、驚異的な生命力を手に入れほとんど不死身の肉体を手に入れている。だが、特筆すべき成果はそれだけで他のB.O.W.と同じく知能の低下が激しく、さらに女性研究員の顔の皮を剥ぐ奇行を行っていたことと、それ以上の成果が上げられないことから出来損ないとして研究所の地下で幽閉されている。

 

 私が主任研究員としてここに赴任してきた時もまだ生存していて、話を聞いて興味持ったアルと共に何度かT-ウイルスの投与実験を行った。

 しかし、残念なことに私達もコイツがほぼ不死身であるということ以上の成果が上がらなかったので、次第に興味が失せ別の研究に移った。

 

 だが、コイツならばネメシスの寄生にも耐え、上手くいけば第6研究所の奴らからネメシス研究の主導権を奪えるかもしれない。

 

 

 

 

 

 アルの奴と今回のリサを使った実験で賭けをすることにした。アルはリサが寄生に耐えきれず死ぬに100ドル賭けて、私は耐えられるに100ドル賭けた。リサが死ぬにしろ寄生に耐えるにしろ、どちらに転んだとしても興味深い結果ではあるので楽しみである。

 

 

 

 

 

19△⭐︎/〇/◇

 

 ・・・・・・・・・・・・どういうことだ?

 

 実験は全く予期していない結果を叩き出してきた。

 リサにネメシスを投与したら、体内でネメシスが消滅したのだ。そして、当然のようにリサはまだ生きている。

 

 リサにネメシスを投与後、体内をスキャンしていたがネメシスがリサの脊髄に取り付くと同時に、ネメシスの姿が確認できなくなった。

 ネメシスはウイルスではない、寄生生物だ。

 リサの肉体と融合でもしない限り、その姿は体内のどこかで確認できるはずだ。

 

 こんな訳の分からない結果だが、一つだけ分かったことがある。リサの体内では、この天才科学者であるウィリアム・バーキンでも想像できない何かが起こっているということだ。

 

 おもしろい、実に興味を唆られるじゃないか。この私が必ず貴様の秘密を暴いてみせる。

 

 

 

 

 

 余談だが、アルとの賭けは流れてしまった。

 当初はリサが生きているということで私の勝ちだとアルに詰め寄ったのだが、アルの奴リサは寄生に耐えた訳ではないので賭けは無しだとか屁理屈をこねてきやがった。

 

 アルの奴め、自分の予想が外れたことを認めたくないだけだろう。

 

 

 

 

 

19△⭐︎/◇/〇

 

 アルが持ってきたネメシス・プロトタイプの研究が頓挫したことで、アークレイ研究所では再び平穏な日々が訪れていた。

 

 研究員共は形だけのT-ウイルス研究を行いながら、定時を過ぎればアークレイ研究所でブームとなりつつあるフィギュア作成を行っている。

 

 アルも最近ではT-ウイルス研究に積極的ではなくなり、何やら変なことについて調べているようだった。

 

 この間、アルの自室で私のリサについての考察を話していた時もどこか上の空といった様子で、私が話している最中でさえ机の上のパソコンを眺めていた。

 この私の話を聞き流してまでどんなおもしろい資料を眺めているのかと、頭にきた私はアルが眺めていたパソコンの画面を盗み見るとその中身は私の想像の斜め上のものだった。

 

 アルが眺めていたのは、我らがアンブレラ社の総帥スペンサー卿についての資料だったのだ。

 何故今更そんなものを見ているのだろうと疑問に思っていると、アルがパソコンの画面を落としてしまった。

 

 そして、アルから鬼気迫る表情で

 

 「人のパソコンを勝手に見るな〜」だの、「勝手に人の部屋に入って聞いてもない話を語り出すな〜」やら、「お前は子供過ぎる〜」とか、「主任研究員としての自覚が〜」

 

 といった聞き慣れた小言が炸裂し始めた。

 こういう時はとっとと撤退するに限るので、私はアルの部屋から逃走したのであった。

 

 

 

 

 

 だがアル、友人である私の目は誤魔化せないぞ。

 君が本当に隠したかったのはキーボードの下に挟んでいた──────女性フットボール選手のブロマイドだろう!

 

 まったく、我が友ながらムッツリなのだから。ブロマイドがバレたくないからって、あんなに鬼気迫る表情で小言を言ってきてどっちが子供っぽいのやら。

 

 

 

 

 

19△⭐︎/▶︎/◀︎

 

 リサの研究も佳境に入りつつある。

 

 ・・・・・・あと少しで何かが掴めそうだ。

 

 

 

 

 

19△▲/⭐︎/〇

 

 ・・・・・・・・・・・・驚いた、まさかこんなことが起こっているとは───

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すごい、こんなものは初めて見た───

 

 

 

 

 

19△▲/⭐︎/◇

 

 ・・・・・・私としたことが、研究途中で倒れてしまうとは。

 だが、ようやくリサの秘密を暴くことに成功した。

 

 なんとリサの体内で、始祖ウイルスともT-ウイルスとも違うまったく未知のウイルスの原型が作られていたのだ。

 しかも、このウイルスは感染した対象を何度も変異・進化させるという見たことも聞いたこともないとても強力な作用を持っている。

 だが、まだ原型というだけあって変異・進化も不完全かつ不安定な状態でしか発現していない。

 

 

 

 素晴らしいじゃないか!? 

 是非とも、この私の手でこのウイルスを完成させてみせる。

 

 

 

 そうと決まれば早速、本社へのプレゼンの資料を作って、このウイルスの研究の承認を得なければ。業腹だが、どう研究するにもまずは資金がいる。

 

 そういえば、このウイルスにも名前を付けなければ───

 

 

 

        G-ウイルス

 

 

 

 よし、カッコよくて強そうないい名前じゃないか。

 アルにもこの偉大な発見を自慢してくるとしよう。これからは忙しくなるぞ、最近マンネリとしてきたアルもコキ使ってやらないとな。

 

 

 

 

 

19△▲/□/⭐︎

 

 アルにG-ウイルスについての研究を持ち掛けた時の反応は───私の予想に反して冷ややかなものだった。

 アルからその際限のない変異と進化の果てに生まれる化け物は兵器として運用できるのか───という言葉に対して、なんでこのウイルスの素晴らしさを理解できないんだと思わず怒鳴ってしまった。

 その時のアルの呆れたような、失望したような表情を見て私とアルとの関係に埋めることができない溝ができたような気がした。

 

 さらにアルは、いきなり情報部へ転属することになったと言い出してきた。

 アル曰く、もうお前の研究にはついていけないし、他にやりたいことができたという。

 

 アンブレラに入社して以来、10年以上共にいた友人でありライバルでもあった男からの突然の別れを切り出され、足元が崩れるような錯覚に襲われた。

 

 私は、そのまま研究室から出ていこうとするアルに通り一辺倒の罵詈雑言を浴びせることしかできなかった。

 

 

 

 なんでなんだよ・・・・・・アル。

 

 

 

 

 

19△▲/□/◇

 

 一晩明けたが、このどうしようもない怒りは中々収まりそうにない。

 G-ウイルス研究の承認が本社から降りたことで、Gの研究を本格的に開始できるようになったが、それよりもまずはこの怒りを収めるのが先決だろう。

 

 この怒りを収めるために、アルには何かやり返してやらねば。そんな気持ちを抱えながら、アルの部屋に入った。何かアルへの嫌がらせになる物や弱みになるような物がないか探すためだ。

 

 我ながら幼稚なことをしている自覚はあるが、そうでもしなければこの怒りは収まりそうにない。

 

 幸いにもまだアルは部屋の片付けを終えていなかったようで、部屋には私物が整然と並べられていた。しかし、いざ探索だと意気込んでみたものはいいが、残念なことにお目当てのアルの弱みや秘密といった物は見つからなかった。

 

 その事実に苛立ちを覚えていると、ふと部屋の隅にあるゴミ箱に目が入った。

 そのゴミ箱の中には──────丸められたティッシュが捨てられていた。瞬間、私の脳裏に悪魔的な発想が思い浮かんだ。

 

 

 

 そうだ、このシ◯ティーからアルのクローンを作って、G-ウイルスの実験体にしてやろう───と。

 

 

 

 我ながら狂ってるとしか思えない発想だが、アルには丁度いい嫌がらせになるだろう。

 そうと決まれば私の行動は早かった。手早くゴム手袋をしてティッシュを直接触れないように細心の注意を払ってビニールパッケージの中に入れて、アルの部屋から撤収した。

 

 さて、シコ◯ィー(これ)でどんな醜悪な化け物を作ってやるとするか、そう考えると少し溜飲が下がった気がする。

 楽しみに待っているといいアル───いや、アルバート・ウェスカー。

 

 

 

 

 

19△▲/▲/△

 

 とても残念なことに、実験体をお披露目する前にアルはこのアークレイ研究所を去ってしまった。

 

 しかし、私は当初の予定通りに試作型G-ウイルスを───人生で一番冴え渡っていた言える効率と速度で───作りあげ、タイラント用のT-ウイルス変異株と一緒にアルのクローンにぶち込んでやった。

 周りの研究員には試作型GとTが一つの肉体に作用したら、どうなるかの実験と言って誤魔化しておいた───アネットには怪訝な表情で見つめられたが。

 

 アルのクローンをGの実験体にしたことで私の溜飲もかなり下がったのは我ながら安い怒りだったと思う。

 この実験体がどんな醜悪な化け物に変化するのかを見届けたら、本社からの辞令に従ってラクーンシティの地下に新たに建造されたNESTとかいう研究所でGの開発を進めるとしよう。

 

 

 

 

 

19△▲/▲/□

 

 ・・・・・・これ程の衝撃はG-ウイルスの原型を発見した時以来だ。

 

 私がウェスカーへの嫌がらせとして作った実験体だが、信じられないことに試作型のG-ウイルスとT-ウイルス変異株、双方ともに極めて安定した状態で定着している。

 また、その容姿も普通の───容姿自体はかなり端麗と言っていい───人間と区別がつかない程だ。

 

 ただ一点気になることがある。

 

 

 

 

 

 ・・・・・・何で女の子になっているんだ。

 

 この謎については、いかに天才科学者であるこの私でも皆目見当もつきそうにない。

 

 

 

 ・・・・・・一応、()()は埋め込んでおくか。

 

 

 

 

 

19△▲/⭐︎/⭐︎

 

 ここ最近は、驚きの連続だ。

 

 アルのクローンの実験体───長いのでG-001と名付けよう───の能力がいくつか判明した。

 

 まず第一に、極めて高い身体能力だ。G-001は一見して人間の少女にしか見えない容姿をしているが、常軌を逸した筋密度と骨密度を誇っており、これにより数値上はタイラントと同等の身体能力を持っている。

 

 そして第二に、発電器官を有していることだ。有名な電気ウナギのように全身の筋肉細胞が発電器官としての機能を有しており、この発電筋肉でほぼ全身が構成されている。恐ろしいことに計算上は落雷に匹敵する電気を生み出すことができる。

 

 培養ポッドに収容されている今ですらここまでの性能が判明しているのだ。まさに驚異的な性能と言える。

 だが、私が気にしているのはG-ウイルス由来の進化する能力の方だ。こればかりは培養ポッドから出して実験してみないと確認できないだろう。

 

 

 

 それとは別に懸念事項が生まれてきた。G-001の研究を進めたいが、私には現在NESTへの異動辞令が下されているのだ。

 出来ればより最新の研究設備が揃っているNESTでG-001の研究をしたいが、本社の貪欲な連中が多いであろうNESTで明確な成果物であるG-001を連れていったらどんな妨害をされるか分からない。

 それに下手をすればG-001の研究を横取りされるおそれがあるのだ───かつて私が師マーカスのT-ウイルス研究を横取りしたように。

 

 G-001の研究を手探りで進めている私にとってNESTは現状、あまり良い環境とはいえないのだ。

 

 

 

 なんとかしてNESTへの異動を遅らせる方法を考えなくては。

 

 

 

 

 

19△▲/▷/□

 

 ようやくG-001を培養ポッドから出して、実験を行うことができた。

 まさか、ポッドから出して早々にG-001に私の名前を呼ばれるとは思わなかったが。

 

 そして、遂にG-001の驚異的な性能が判明した。

 

 判明したことは、人間と比較しても非常に高い知能を有していることだ。目覚めた直後にいくつかの知能テストを行ったが、その全てを容易に解いていき、最後に行ったIQテストでは驚異のIQ200越えの数値を叩き出した。 

 

 第二に非常に高い戦闘能力。元々、身体能力がタイラント並みであったことは分かっていたが、ゾンビの群を蚊でも払うように叩き潰し、ハンターも一撃で粉砕した攻撃力は素晴らしいの一言だろう。

 

 そして、私が一番気にしていたG特有の進化をする能力は、アークレイ研究所で保有しているサメのB.O.W.であるネプチューンとの水中戦闘を行った際に確認できた───それも理想的と言える完成度で・・・・・・。

 

 G-001は当初、戦闘用に用意した足場の上で水中を自由自在に動き回るネプチューンに翻弄されていたが、動きの癖を見つけたのか一体また一体と的確に反撃してネプチューンの数を減らしていった。

 しかし、大型のネプチューンに足場を破壊されて水中へ引きずり込まれてしまった。そこでも攻撃を当てて、そのネプチューンを沈黙させたがかなりの深度まで引きずり込まれてしまっていた。

 

 G-001は、泳ぐことができなかったようで水面へ向けて苦しそうに踠いていたが一向に浮上はできなかった。

 だが、G-001が真価を発揮したのはその後だった。

 突如として、G-001の首に水棲生物のような鰓が発現したのだ。それだけでなく手足には水掻きのような器官まで発現し出した。

 G-001は当初、その変化に驚いている様子だったが、まるで生まれた時から備わっていたかのように器用に水掻きを利用し大水槽内を泳いだ後に水面へ浮上していった。

 

 

 

 ・・・・・・間違いない、G-ウイルスによる進化だ。それも環境に適応する形で発現させていると推測できる。

 

 天にも昇るような気持ちとはこのことを言うのだろう。私はもっとこの進化を目の当たりにしたいと思い、今度はG-001をB.O.W.処分用の焼却施設───ハンターであっても炭になるような火力である───に放り込んでみた。

 周囲の下っ端研究員共は流石に無謀だと制止してきたが、私はそんな彼らの制止を振り切って施設を作動させた。

 結果は大成功だった。なんとG-001は今度は表皮を高温に耐えられるように進化しただけでなく表皮から甲殻類が出すような泡を出し空気の層を作ることで炎に耐えたのだ。それだけでなく酸欠になることなく、元気に焼却施設の入り口を破壊しようとしていた───実際、焼却施設の入り口は歪んで使い物にならなくなった。

 

 

 

 今回の実験は、今までの研究者人生の中で一番の成果と言える結果であった。

 

 G-001のあらゆる環境・状況への適応進化する能力は、G-ウイルスの完成形と呼ぶに相応しい能力である。G-001さえあれば、G-ウイルスを使えないと見なしたアルを見返すことができる。

 今からでも、私の足に縋り付いて許しを乞うアルの姿が目に浮かぶようで気分が昂ってきた。

 

 さて、次はどんな実験を行おうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私がG-001の実験を行ってから1週間ほどが過ぎた頃だった。

 

 G-001に行う次の実験を考えていた時に・・・・・・奴らは唐突に現れた。

 

 黒いヘルメットにガスマスク、これまた黒いプロテクターを身に纏い自動小銃を携行している。本社自慢の保安部隊U.S.S.だ。

 彼らは小銃の銃口をこちらに向け、手短に要件だけを伝えてきた。

 

 「・・・・・・バーキン博士、G-001を渡して貰う」

 

 G-ウイルスの原型をリサから見つけた時もそうだったが、何故良いことと悪いことは重なるのだろう? 私でも驚くほどあっさりG-001を引き渡したのは、アルが突然居なくなったのを経験していたからだろうか。

 そんな私の疑問に答える者は誰も居なかった。

 

 

 

 

 

 

 




 


 研究員時代のバーキンとウェスカーはこんな感じだったんじゃないかなと妄想しながら書きましたが、ちょっとバーキン子供すぎたかなとも思ってます笑

 投稿者はバイオの設定を調べながら書いてるので、遅筆ですがまずはre2までは書ききりたいと思います。



副題:シ◯ティーより生まれしもの





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