おっさんキヴォトスに行く 作:無い頭のおっさん
こちら兎2>貝...
こちら提案したバカ先生→貝...
【シャーレ・部室】
カリカリ・・・
静かな部屋に、ペンを走らせる音だけが響いていた
私は一人、机に向かって書類を処理している
今日も今日とて、大量の書類
「"・・・・・・"」
1枚、2枚、3枚と
淡々と処理していく
そんな中、ふと私は顔を上げた
視線の先には部室の入口が見える
「"・・・・・・"」
そう、入り口がそのまま見える
何もない、正確には、扉がない
ぽっかりと開いた入口から、廊下が丸見えになっている
「"・・・・・・"」
私はしばらく、それを眺め
そして小さく息を吐いた
「"・・・・・・はぁ"」
昨日の事を思い出す
あれは本当に突然だった
私がアンラさんを仕事で軟禁して3日目の朝
「先生ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「"え?"」
次の瞬間
ドガァァァァァァンッ!!!!
轟音と共に、
防爆ガラスの扉がくの字に曲がって飛んで行った
そして入口から姿を現したのは――
ユメさんだった
しかも、ものすごい勢いで、ものすごい怒りの表情で
ズンズンと足音を響かせながら入ってきた
そして、その腰には
「先生、ほんとごめん!」
何故かホシノがしがみついていた
「ユメ先輩、全然止まらなくて!」
「"ホシノ・・・?"」
私が呆然としている間にも
ユメさんは一直線にこちらへ向かってくる
「ちょ、ユメちゃん!?」
アンラさんが声を上げるも
しかし、ユメさんは止まらない
そのままアンラさんの前まで歩いていくと
「・・・・・・」
無言でアンラさんの首根っこを掴んだ
「え?」
アンラさんが固まる
首根っこを掴まれたまま
状況を理解しようとしている
「は?」
ユメさんが私にぽつりと呟いた
「アンラさんは返してもらいますね。」
「え?は?え?」
アンラさんは完全に困惑して
何か疑問を口にする余裕すらない様子だった
「ちょ、ユメちゃん?」
ずるっ
「え?ちょ、待っ――」
ずるずるずる
そのままアンラさんは最後まで困惑したまま
ユメさんに引きずられていく
「えぇ・・・?」
ユメさんを止めるのを諦め、
ユメさんの腰から離れたホシノだけが、こちらを振り返る
「先生、ほんっとごめんね!」
「ユメ先輩にあとで修理費は払わせるから!」
「"あ、ホシノ・・・"」
私が何か言うより先に
3人の姿は廊下の向こうへ消えていった
「"・・・・・・"」
昨日までは、確かにあった
開けるたびに分厚くてちょっと重いなぁと思っていた扉が
今はない
「"・・・はぁ"」
私はもう一度ため息を吐いた
そして机の上へ視線を戻す
書類はまだ大量に残っている
「"・・・・・・"」
「"あ、そうだ。"」
「"RABBIT小隊の子達どうなったかな?"」
「"私の経験だと、そろそろ衛生面で問題が出てくる頃だし、見に行かないとだよね!"」
そんな独り言を呟きながら、
目の前の現実(書類)から目を逸らし子うさぎ公園に向かった
【子うさぎ公園】
子うさぎ公園の中を歩いて行く、
初日の様にトラップがしかけられて足を取られる事もなく平和に進んでいく
公園の中は人通りも少なく、風に揺れる木々の音が静かに響いている
そんな公園の中から
「モエ、どうしてお前が焼き肉弁当を持って行くんだ!?」
突然、怒鳴り声が聞こえてきた
「どうしても何も、私が持ってきたんだから文句ないでしょ!」
「お前が昨日は生姜焼き弁当食ってただろ!今日は大人しくモヤシ弁当でも食ってろ!」
「知るか!サキがモヤシ食べればいいじゃん!」
「・・・・・・」
私は思わず足を止めた
("どうやら思った以上に元気そう・・・")
いや元気というか、なんというか
「じゃあ、私はこのソーセージ弁当を・・・」
ミユの、か細い声が聞こえる
「「ダメ!!!」」
サキとモエの声が、綺麗に重なった
「うぅ・・・」
("ミユ・・・")
私は思わず遠い目になり
その直後
「皆、落ち着いてください。SRTが食べ物をめぐって喧嘩なんて、みっともないですよ。」
ミヤコの声が響いた
「何の保証もないこの状況で、質を争うのはナンセンスです。」
「今はお腹が満たされるだけで良しとしましょう。」
("おお、流石ミヤコ")
("ちゃんと話をまとめようとしている。")
「じゃあ、ミヤコはどれにするんだよ。」
「私は・・・この唐揚げ弁当で。」
「一番高い奴じゃんか!!」
「"・・・・・・"」
私は思わず目を閉じた。
("・・・ミヤコもかぁ")
どうやら、誰も食欲には勝てないらしい
私は苦笑しながら、公園の中へ入っていく
そして
「"や、なんか色々と声聞こえたけど、大丈夫そう?"」
私がそう声を掛けた瞬間
RABBIT小隊の4人が、ぴたりと固まった
まるで見てはいけないものを見られたかのように
4人の視線が、一斉にこちらへ向く
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
そしてモエが、ぽつりと呟いた
「よりにもよってこのタイミングで・・・」
「いえその、これは、お弁当で喧嘩していた訳ではなく・・・」
ミユが慌てて弁明する
サキも、すぐに言葉を継いだ
「ああ、仲良くお昼ご飯の話をしてただけだ」
「"・・・仲良く?"」
私が聞き返し
テーブルに置かれた弁当を見る
そしてその弁当を中心に、今にも奪い合いが再開されそうな空気が流れている
とても仲良くには見えない
サキは苦し紛れに胸を張った
「喧嘩に見えたならそこの蛇口で目でも洗ったらどうだ?」
「私達は至って正当な協議をしてただけ。」
「その結果がどうであれ、同じ訓練を共にした身としてその時は・・・」
「じゃあ、焼き肉弁当は譲ってもらおっと。」
モエが、さらっと手を伸ばす
「まだ協議中だろ!良いから一旦置け!」
「えー。」
渋々といった様子で、モエが弁当を戻す
その様子を見ながら、ミヤコが小さく息を吐いた
「はぁ・・・お恥ずかしい所をお見せしました。」
「ですが、はい。特に問題があるわけではありません。」
「食料面も・・・まぁ・・・」
そこで、言葉が止まり
「先生が教えてくれたコンビニの廃棄弁当で当面は解決は出来ましたし。」
ミユが補足すし
私は少しだけ安心した
「ふふっ、先生はそれで屈辱を与えて心を折ろうとしたのかもしれないけど、」
モエが、口元に笑みを浮かべる。
「そうはいかないよ。私達はそんなの全然気にしないから。」
「"え、いや・・・"」
私は思わず困惑する
(普通にタダでご飯が食べれる方法教えただけなんだけど・・・)
どうしてこうなった
「作戦の為なら私達は何だってやる。」
サキが胸を張る
「もう先生が居なくたって、私達はこのまま・・・!」
その言葉を聞きながら
私は、ふとサキの顔を見た
「"ん?"」
何かがおかしい
「"サキなんか顔色が・・・"」
私は心配になって、少し近づこうとする
すると
「ま、待て!近寄るな!!」
サキが慌てて後退した
「それ以上近づいたら本気で殴るぞ!?」
「"・・・・・・"」
私は立ち止まり、そして
なんとなく察した
(今までの周回だとシャワーあびれてなかったし、匂いかな・・・?)
私は恐る恐る尋ねる
「"あー・・・もしかしてお風呂・・・入れてない?"」
「・・・・・・」
4人が沈黙し、
ミヤコが、微妙に視線を逸らした
「・・・それは・・・」
その答えを聞いて
("ああ、やっぱり。")
私は納得し、今度はミヤコへ近づこうとする
その瞬間
ダァンッ!!
銃声が響いた
私の足元の地面に、一発の銃弾が突き刺さる
「"・・・・・・"」
ミヤコは銃を構えたまま、静かに告げた
「さり気なく近づかないでください。次は足を狙いますよ。」
「"えぇ・・・"」
私は苦笑する
「"やっぱりお風呂に入れてない感じ?"」
すると。
サキが、ぐぐぐ・・・と顔を歪め
言いたくない、けれど
もう誤魔化せない
そんな顔だった
「・・・・・・もう4日もシャワー浴びれてない」
「"・・・4日?"」
私は思わず聞き返した
4日、改めて数字にすると、とんでもない
けれど本人達にとっては、これも仕方のない事なのだろう
学校の機能は停止し、
生活基盤もない
寝泊まりしているのは、この公園
「"そっかー・・・"」
私は少し考え
そして
「"一応シャーレのシャワーくらいなら、いつでも使っていいよ?"」
その瞬間空気が凍った
4人の視線が一斉に私へ向く
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
なんだろう、どうして皆そんな目をしているんだろう?
「・・・最っ低・・・」
サキが、吐き捨てるように言った
「・・・度し難いです。」
ミヤコまで冷たい目を向けてくる
「わ、私達が武装解除した瞬間に何を・・・!?」
ミユが怯えたように身を引く
「"いや、ちょっと待って!?"」
思っても見ない反応が返ってきて思わず慌てる
すると、モエが楽しそうに笑った
「シャワーを浴びさせてその隙に何をしようっての?」
「もしかして実物より残滓の方が好み?」
「先生匂いフェチなんだ!ヒューっ!!」
「"いやいやいやいやいや!"」
私は必死に否定する
「"私同性!そんな趣味も無いよ!?"」
「・・・・・・」
全員の視線が冷たい
("なんで!?")
善意で言っただけなのに
どうして私はこんな扱いを受けているんだ
ミヤコがため息を吐いた
「兎に角、それはそれで解決策を考えますが、」
「暫く先生にはこの公園に近寄らないでください。」
「"えぇ・・・"」
私は少し落ち込む
けれどサキも困ったように呟いた
「とはいえ、解決策も何も・・・外で水を被ったら、それこそ風邪を引くだろうし・・・」
「・・・トイレの貯水槽にミサイルでも撃ち込む?」
モエが、真顔でとんでもない事を言う
「汚水被ったら余計汚れると思うけど・・・」
ミユが静かにツッコんだ
「"・・・・・・"」
確かにそれでは衛生問題を解決するどころか、別の問題が発生する
私は腕を組んで考え、そして
「"じゃーさ、ドラム缶風呂とかどう?"」
「・・・・・・」
四人の視線が集まる
「"火傷しない様に工夫は必要だけど多分湯には浸かれるよ?"」
ミヤコが首を傾げ
「・・・ドラム缶?」
「あぁ、下から火をたくのか。」
サキが想像しながら呟く
「以前、百鬼夜行連合学院で似たような物を見た気がします。」
ミヤコも何かを思い出したようだった
「"それは多分、五右衛門風呂とか鉄砲風呂だね。"」
私は答えると
「それ、どうやって身体を洗うんだろうね?」
モエが疑問を口にし
「百鬼夜行式で言うなら、湯船につかる前に身体を洗うんだよ。」
「っていうかセンスが古い。」
サキが即座に切り捨てた
「それは同感、まぁ先生なら仕方ないかな?」
モエも便乗する
「"えぇ・・・"」
私は露骨にショックを受けた
「"酷い皆の為に考えたのに・・・"」
少しだけ肩を落とす
「「「・・・・・・」」」
3人が黙るその中で、ミヤコがしばらく考え込んでいた
「・・・ですが、それ位しか方法はないかもしれません。」
ミユも小さく頷いた
「きちんとした設備は準備出来ませんし・・・」
「・・・・・・」
ミヤコは少し考え
そしてゆっくり顔を上げた
「モエ、資源管理システムにアクセスしてドラム缶を使ってる現場を探してくれませんか?」
「それが見つかったら、直ぐに出動しましょう。」
「出動って、つまり・・・」
サキが嫌な予感を覚えたように尋ねる
ミヤコは真剣な表情で答えた
「衛生面は、部隊存続に直結する重要な問題です。」
「どんな手を使ってでも、出来るだけ早期に解決しなければなりません。」
ミヤコは立ち上がると共に
「では今から、浴槽の確保・・・」
「【ニンジン作戦】を開始します!!」
「はぁ・・・了解。」
サキが頷く
「了解。」
モエも頷く
「了解です。」
ミユも続く
こうしてSRT特殊学園、RABBIT小隊による――
浴槽確保作戦
通称【ニンジン作戦】が、静かに始まった
【七篠アンラ視点】
1時間もしない内に
DU地区の港湾に、廃棄用のドラム缶がある事が特定され
先生とミヤコ達は、早速そこへ向かっていった
残ったのはモエ1人
おっさんは空から、そんな子うさぎ公園を眺めていた
「おー、行ったな。」
遠くを見ると先生達の姿は、もう見え無くなっていた
「まぁ、ドラム缶を確保するだけなら、そう時間も掛からんやろ」
そのまま高度を下げ
そしてモエのすぐ後ろへ着地する
「・・・!」
着地した瞬間
モエがバッと振り返り拳銃へ手を伸ばして止まり、
そこに立っていたのがおっさんだと分かると、
銃に手を伸ばしたままおっさんを睨んできた
「お、気付いたんか。」
「・・・そりゃね。」
モエは警戒したまま、じっとこちらを見る
「というか着地した瞬間に後ろ振り向くとか。」
「かなり反応ええやん。」
「・・・前みたいに、また後ろから来られたらたまったもんじゃないからね。」
「まぁ、確かになぁ。」
「でも、ちゃんと気配を察知出来るようになっとるやん。」
「前は全然気付かんかったやろ?」
モエが少しだけ目を細め
「それ、褒めてる?」
「めっちゃ褒めとる。」
「くひひ・・・」
モエは小さく笑う
「で?」
モエが首を傾げる
「先生なら今さっき出たばっかだよ?」
「あー」
そう言いながらおっさんは頭をかきながら口を開く
「ちょいうちの上司が先生にキレとって、暫く接触禁止令が出とるんよ。」
「せやから、今回の用事は先生やないねん。」
「なら何しに来たの?」
「まぁさっき話しとった内容聞こえてな。」
「風呂作るんやろ?」
「こない、周りから丸見えな所で風呂入るんもあれやろ」
「まぁ・・・そうだね。」
モエも周囲を見る
「せやろ?」
「だから。」
おっさんは地面へ視線を落とす
「ここにある素材で、適当に目隠し作ったるわ。」
「・・・え?」
モエが少し目を丸くする
「作る?」
「まぁ、見とき。」
おっさんは地面へ手をかざし
「【魔術式解凍:創造魔術:即時展開】」
その瞬間
周囲に転がっていた土や石が、
液状になり形が変わっていく
そして
どさっ
そんな音共に地面へ落ちたのは
大きく折り畳まれた布
「ほい、タープや、4枚ほど作っといたわ。」
「そんで、こっちはロープ。」
そこそこ長いロープまで地面へ置く
「・・・・・・」
モエはしばらくそれを眺め
一枚を持ち上げる
「ほんとに出来てる・・・」
「ほんなら。」
「おっさんはそろそろ帰るわ。」
「ほな、野宿頑張れよー。」
そんな事を一方的に告げ、
おっさんは地面を蹴り空に駆けあがっていく
地上ではモエが唖然とした顔でおっさんを見上げていた
【先生視点】
【DU地区・港湾】
夜の港湾
人の姿はほとんどない
コンテナが幾重にも積み重なり、巨大なクレーンが夜空へ伸びている
その一角をRABBIT小隊と先生は、慎重に進んでいた
やがてミヤコが無線機へ手を伸ばす
「こちらRABBIT1、現在時刻は2100。」
「ポイントDに到着しました。」
「現状、特に問題はありません。」
「これより【ニンジン】のあるポイントEまで移動予定です。」
通信を終える
すると子うさぎ公園にいるモエから通信が返ってきた
『こちらキャンプRABBIT。各位GPS信号を確認。』
『警備会社の勤務シフトも確認したけど、特に大きな変更点は無し。』
『ま、ポイントEまでは問題ないでしょ。』
モエはそこで一度言葉を切った
『あ、そう言えば。』
『先生が一緒に連れてたローブの人、』
『ちょっと前に公園にきて、タープ4枚とロープ作ってどっか行ったよ。』
『報告するの忘れてた。』
「"え!?"」
思わず先生が声を上げた
「"アンラさん来てたの!?"」
『来たねぇ。』
モエの声は妙に軽い
『急に空から降って来て、直ぐにそのまま空に飛んでったけどね~』
「"なんか言ってなかった?"」
『なんか上司に先生との接触禁止令を数日だされたってさー。』
『くひひっ。先生なにしたの~?』
「"え、あー・・・"」
私は思わず顔を逸らし
頭の中でシャーレの制服でコスプレさせて軟禁していた件が過る
「"ま、まぁ!"」
「"それは置いておいてさ!"」
「"ドラム缶って廃棄用なんだし、忍び込まず正面から貰って帰っちゃダメなの?"」
『・・・・・・』
無線の向こうが急に黙り込んだ
ミヤコも微妙な顔をする
「そ、それは・・・」
サキが口を挟んできた
「そこから先はプライドの問題だ。」
「他人の同情を当てにするなんて事は出来ない!」
「"うーん・・・そっか"」
なんかこのまま言っても、白熱しそうだし、
頑張ってもらおうかな・・・
そんな事を考えていると
サキは少し気まずそうに続ける
「ま、まぁあれだ・・・」
「弁当については・・・」
「あれはあくまで、私達がエンジェル24から廃棄の依頼を受けて処理したもの!」
「そういう事だから!」
「プライドにかけて、私達は絶対に――」
「RABBIT2。」
ミヤコが遮り
「落ち着いてください。作戦中です。」
「そろそろ時間です。突入前に偵察をお願いします。」
「って言うかミヤコ。」
サキが不満そうにミヤコに顔を向ける
「何でお前が普通に指揮をしてるんだ。」
「・・・RABBIT2。」
「作戦中はコードネームを使ってください。」
「ちっ。」
サキが舌打ちする
「それは正論だけどさ・・・」
「っていうかそれより、何でお前が指揮してるのかって聞いてるんだよ。」
「それは、私は隊長で・・・」
「上からそう指示された、それだけだろ?」
サキの声が少しだけ低くなる
「SRT特殊学園を閉鎖させた、あの連邦生徒会の指示で。」
「・・・・・・」
ミヤコが黙り込む
私も何も言わなかった
その言葉は軽く流していいものではないと分かっていたから
「でも今はもうこの状況だ。」
サキが続ける
「誰が指揮を取ったっていいはず。」
ミヤコはしばらく黙っていた
そして2人へ意見を求めた
「・・・皆は、どう思いますか?」
最初に答えたのはモエだった
『私は別に、どーでも良いかな。』
『どっちでも変わらないって言うか。』
「私は、えっと・・・」
ミユが困ったように言葉を濁す
そしてミヤコは静かに頷き
「・・・了解です。」
「では、今回の隊長は任せます。」
「指揮をお願いします、RABBIT2。」
「ふん。」
サキが鼻を鳴らしながら
「まぁ所詮、相手は普通の警備員だし・・・」
「これくらい朝飯前だ。」
「こういうシチュエーションも訓練で散々やった。」
「それこそ、目を瞑っても出来る位に。」
私はその言葉を聞いて少しだけ不安になっていた
(うーん・・・いつの周でもそうだけど、サキの慢心癖が・・・)
(まぁ、何事も経験だよね。)
その時ミユが小さく手を挙げる
「えっと、サキちゃん・・・じゃなくて、RABBIT2。」
「私は何処で待機すれば・・・?」
「は?」
サキが固まる
「えーっと・・・ちょ、ちょっと待った。」
「市街地戦での狙撃手の位置は・・・」
サキが自分のノートを取り出す
「確かノートに・・・」
私は思わず額を押さえた
(・・・定番の狙撃ポイントって相手も理解してるから、実はあまり役に立たないんだよね。)
(教範の使い方は、どっちかと言うとカウンタースナイプの資料かな・・・)
そんなやり取りをしていると
遠くから
「うう・・・飲み過ぎた・・・」
「トイレ・・・」
ふらふらと歩いてくる影があった
ロボットの警備員だった
「・・・!」
ミヤコが小声で叫ぶ
「・・・誰か、近づいてきています!」
「はぁ!?」
サキが思わず普通の声を出す
「このルートには普通来ないはずだろ!?」
モエが通信越しに苦笑する
『あちゃー何でかなー・・・』
『うーん、分からない!』
『想定外!』
「"いや、楽しそうに言わないの・・・"」
私は思わず呟く
「さ、サキちゃん!」
ミユが慌てながらサキに尋ねる
「どうすれば・・・!?」
「に、逃げても良い・・・!?」
「そ、それは、えっと・・・」
サキが周囲を見回す
そして
「高い所!あそこだ!」
コンテナ運搬用の巨大なクレーンを指差す
「とにかく高い所に行って!」
「教範によれば、狙撃の基本は視野の確保!」
「高い所に登れば、多分殆どの状況で・・・」
「待ってください、サキ。」
ミヤコが遮る
「あのコンテナクレーンは狙撃に向いてるとしても。」
「逃走時には――」
「そ、それくらい分かってる!!」
サキが食い気味に叫んだ
「"・・・・・・"」
私は思わず目を閉じる
("分かってないな、これ。")
「ん?」
ロボット警備員が足を止めた
「何の音だ・・・?」
ゆっくりとこちらへ顔を向け
そして目が合った
「なっ、侵入者!?」
「荷物を盗みに来やがったか、このコソ泥め!!」
「誰がコソ泥だ!?」
サキが即座に怒鳴り返し
私は頭を抱える
「"だから、最初から普通に譲ってもらえば・・・"」
サキが銃を構えた
「・・・あぁもう!いまさら言っても仕方ない!」
「交戦開始!最大火力を投下して各自ポイントEまで直行!!」
次の瞬間銃声が港湾を駆け抜けた
ダッ!
そんな音共にミユが先行して駆け出す
ミユが目指すのは先ほどサキが指差したコンテナクレーン
ミユはコンテナの陰を縫うように走り、クレーンへ続く階段へ飛び込んだ
その直後
ダダダダダダッ!!
警備用の飛行ドローンから銃弾が飛んでくる
「ひゃあう!?」
ミヤコが横から飛び出し
「ミユ伏せて!」
ダダダダダッ!!
RABBIT-31式短機関銃が火を噴き
警備ドローンのセンサー部分へ弾丸が集中し
ガクンッと高度が落ち
1機墜落していく
続けて
「"右側から来るよ!"」
「分かりました!」
ミヤコが身体を滑らせるように移動する
短機関銃を構え
側面から合流しようとしていた警備員へ向けて連射
「ぐっ!?」
「今です!」
サキが飛び出した
「道を開ける!」
RABBIT-26式機関銃を構える
その大柄な機関銃から
ドドドドドドドドッ!!
猛烈な連射音が響き渡り
警備員たちが次々と身を隠す
だが
「遅い!」
サキは止まらない
ポイントマンとして先頭を走りながら
正面に出てきた警備ドローンへ銃口を向け
「そこっ!」
ドドドッ!!
ドローンが撃ち落とされ
シッテムの箱で新たな部隊を確認した私が叫ぶ
「"サキ、左からもう1隊!"」
「見えてる!」
「ミヤコ!」
「はい!」
ミヤコが側面へ回り込み
敵の射線がこちらへ向く前に
ダダダダッ!!
側面から弾丸を叩き込む
「今です!」
「おう!」
サキが一気に前へ出る
「邪魔だぁっ!!」
ドドドドドドドッ!!
弾幕を張りながら
警備員の包囲を真正面から押し開けていく
その間にもミユがクレーンの上へ到達し
高所から港湾全体を見渡す
「・・・見えました」
ミユが狙撃銃を構える
ミユの指が引き金へ掛かる
ダァンッ!
一発で警備員の武器が弾き飛ばされる
続けて
ダァンッ!
ドローンが破壊された
「"流石ミユ!"」
思わず叫ぶ
「"サキ、前が開いた!"」
「任せろ!」
サキがさらに加速して
ミヤコもその後ろへ続く
「このままポイントEまで!」
「了解!」
警備員とドローンが次々と敵が押し寄せる
だが3人の連携は少しずつ噛み合い始めていた
ミユが高所から敵を削り
ミヤコが側面から敵の合流を潰す
そしてサキが正面から突破する
私はその中央で
「"右!"」
「"後ろ!"」
「"サキ、少しだけ下がって!"」
「分かってる!」
状況を見ながら声を飛ばしていく
「"今!"」
サキが前へ
「ミヤコ!」
「はい!」
側面から射撃
三人がそして私が
一つの塊となって港湾を駆け抜けていき
やがて大量のコンテナが並ぶ区画へ到達した
そしてその奥に
「"あった!"」
私が思わず声を上げる
積み上げられた廃棄物
その中に大量のドラム缶が並んでいた
「ポイントE到着!」
ミヤコが周囲を確認する
「急いで隠れてください!」
3人はすぐさまドラム缶の陰へ身を滑り込ませた。
「・・・・・・」
しばらくして
遠くから足音が聞こえてくる
「・・・くそっ!何処行ったコソ泥め!」
「まだ遠くには行ってないはずだ!」
「ここ一帯を探すぞ!」
ロボット警備員たちの声が聞こえ
徐々に足音が近づき
そして、ゆっくりと遠ざかっていった
「・・・・・・」
三人は息を殺し、やがて
完全に声が聞こえなくなるのを確認してから
サキが、ゆっくりと顔を上げた
「・・・だからコソ泥じゃないっての!」
「"まぁ・・・"」
私は小声で呟く
「"廃棄品でも無許可だと、泥棒だとは思うけどね・・・"」
サキの目が
キッと、こちらを睨んだ
「先生・・・!」
「しっ。」
ミヤコがすぐに制止する
「サキ、声を落としてください。」
「気づかれてしまいます。」
そう言いながら
ミヤコは無線機を取り出した
「キャンプRABBITへ、こちらRABBIT1。」
「ポイントEに到着しました。」
「目標の【ニンジン】も無事に確保。」
「幸いにも負傷者は無し。」
「ですが、先ほどの交戦で当初の退路が使えなくなりました。」
「加えて、警備員の増援も確認・・・」
『ま、サキが隊長って時点でこうなると思ったけど。』
モエの声が返ってくる
『完璧なのは理論だけ。』
『実際にやると失敗ばっかりだし。』
「うるさい!」
サキが即座に返す
「モエだって、実技の演習はダメダメだっただろ!」
「・・・・・・」
サキがしばらく黙り込み
そして
「クソっ!」
小声で呟く
「何が問題だったんだ・・・?」
私はサキを見て静かに言葉を掛けた
「"人がやっているのが簡単に見えて。"」
「"実際に自分がしてみると、全然上手く行かない。"」
「"そういう事って、多いよね。"」
サキは黙っている
「"だから。何回も失敗して。"」
「"成功する為の経験を積んでいくんだよ。"」
「・・・・・・」
サキは少しだけ顔を逸らし
「・・・ちっ。」
「SRTの実力を見せつける、せっかくのチャンスだったのに・・・」
「シャーレにもこんな失態を見せるなんて・・・」
ミヤコがふと周囲を見回した
「・・・ところで、ミユは何処に?」
モエの声が返ってくる
『え、一緒にいるんじゃないの?』
『GPS上では反応が重なってるけど・・・』
サキの表情が変わった
「・・・まさか。」
慌てて自分のバッグを漁る
「・・・あのバカ!」
「"どうしたの?"」
私が尋ねるとサキがバックから何かを見せてきた
「無線機をバッグに入れたままじゃんか!」
「"・・・・・・"」
私は思わず天を仰いだ
「"それは・・・まぁ・・・うん。"」
「"焦ってたんだろうね・・・"」
("だからさっきの戦闘でミユの声が無線から帰ってこなかったのか・・・")
("緊張して話せないだけだと思ってた・・・しくじったなぁ・・・")
ミヤコも静かに分析する
「先ほどの交戦時に焦ったのでしょう。」
「あそこから移動したとして・・・」
ミヤコが顔を上げ、そして港湾の向こう側を指差した
「あのB棟にある。」
「あのコンテナクレーンでしょうか。」
巨大なコンテナ用クレーン
ここからでも、その姿がはっきり見える
サキが目を細めて言う
「B棟って・・・あそこ、さっき見た感じ警備員がわんさかいたぞ・・・?」
「あの辺は遮蔽物も無いし、自力での脱出は期待できそうにないな・・・」
ミヤコがサキを見る
「・・・サキ。」
「どうしますか。」
「どうするも何も。」
サキは即答した
「助けるしかないだろ。」
そしてドラム缶へ視線を落とし
「・・・となると、このドラム缶は置いて行くか。」
「いくら何でも、ドラム缶を背負ったまま戦うわけにはいかないしな・・・」
「そうですね。」
ミヤコも頷く
「残念ですが【ニンジン】は諦めて、まずは救出を図るとしましょう。」
「敵の数も多いですし・・・覚悟をした方が良さそうです。」
「"ねぇ、ミヤコ。"」
私がミヤコに声を掛ける
「はい?」
「"このドラム缶。"」
私は近くに積まれていた1本を見る
「"片方、既に蓋が無いよね。"」
「・・・・・・」
「"なら。"」
私は少し考えて
「"このドラム缶を被って行くのはどう?"」
「・・・・・・」
ミヤコがものすごく胡乱げな目で私を見る
「・・・正気ですか・・・?」
「ドラム缶を被ったまま移動し、敵の目を誤魔化すと・・・?」
「・・・待て。」
サキが何かを思い出したように言う
「確か本で読んだことがあるぞ。」
「ダンボールやドラム缶を使って、幾多の潜入任務を成功させた。」
「伝説的な工作員の話を・・・」
ミヤコが冷静に否定する
「いくら何でも、それで怪しまれないわけが・・・」
「でも他に方法も無いだろ?」
サキがドラム缶を見る
「私だって、この先生に従いたくはない。」
「でも。私のミスで作戦が失敗したり、隊員に怪我が発生する方が・・・」
サキは一度だけ目を伏せる
そして
「・・・分かりました。」
ミヤコが頷き
「それに従いましょう。」
「それでは各自、自身のサイズに合ったドラム缶を装備。」
「RABBIT4の救出に向かいましょう!!」
【七篠アンラ視点】
【DU港湾・コンテナクレーンの上】
夜風が吹く
巨大なコンテナクレーンの骨組みに腰掛け
おっさんは眼下の港湾を眺めていた
視線の先には小さな3つの影がドラム缶を被って歩いている
「・・・・・・」
しばらく何も言わずに眺め、そして
「いやな・・・確かに原作でもやっとったけど。」
「ドラム缶は普通にあり得へんやろ。」
おっさんは苦笑する
どう考えても
あれを被って堂々と歩いている人間を見つけたら
普通は怪しむ―――はずだった
おっさんはドラム缶を被った3人へ向けて、
片手を伸ばし魔術を発動する
「【彼ノ者、世界ニ揺蕩イ金剛ト為ス】」
一瞬3人の周囲の空気が揺らいだ
「まぁ、念の為って奴やな。」
これでドラム缶を被っている間
3人の存在感は、周囲へ溶け込みやすくなる
「まぁ、被っとる間は存在感が薄くなっとるから。」
「見つかりはせんやろうが・・・」
その言葉通り警備員が3人の横を通り過ぎていく
「・・・・・・」
おっさんは思わず黙る
警備員は完全に先生達を無視している
「・・・これ。」
「原作通りなら、こないな事せんでもバレなかったんかね・・・?」
少し考えてかぶりを振る
「いや。流石にキヴォトスの住人だからって、バカにしすぎか・・・」
そんな事を呟いていると
3つのドラム缶のうち1つがクレーンの根元へ近づいていく
そこには
「・・・・・・」
ミユがいた
どうやら迷子になったまま、クレーン付近へ隠れていたらしい
ドラム缶がゆっくり、ゆっくりと
ミユへ近づいていく
「・・・!?」
ミユが首を傾げ
一歩後ろへ下がり
そしてまた一歩下がる
「・・・!!???!?」
明らかに怯えている
おっさんは遠くから眺めながら
「・・・ミユがものごっつ怯えとるな・・・」
少し考える
「・・・・・・あ。」
「いや。これ、おっさんが悪いんか。」
先ほど掛けた魔術のせいでミユから見れば
何処からともな認識し辛い謎の存在がゆっくり自分へ近づいてきている
そう見えているはずった
「・・・そら怖いやろな・・・」
おっさんは納得して
そのまま見ていると
どうやらミヤコも
ミユへ近づこうとしているらしい
だがミユはさらに後退する
「・・・・・・」
とうとう、ドラム缶の1個が止まり
そして
「まぁ。そらじれったくなるわな。」
サキが
ガコンッ!!
とドラム缶を脱いだ
「・・・・・・」
おっさんは目を細める
「お。」
サキがミユへ駆け寄り何やら話している
どうやらミユを落ち着かせているらしい
「いやぁ・・・悪い。」
「真面目に悪い。」
おっさんは遠くから両手を合わせながらミユに向かって呟く
「事前に公衆の面前で全裸にならんようにタープ作ったったさかい。」
「それで許せ。」
もちろんその声はミユには届かない
その直後
警備員がドラム缶を脱いだサキに向いた
「ん?」
「何だ、あれは!?」
「コソ泥だ!」
「見つけたぞ!!」
「・・・・・・」
おっさんは頭を掻く
「・・・まぁドラム缶脱いだら、そらバレるわな。」
銃声が遠くから響いてくる
ダダダダダッ!!
弾丸が飛ぶ
「おーおー、キンキンいって、ドラム缶が弾弾いとるな。」
「一応魔術で強化はしとったけど。」
「ちゃんといけとるようで何よりや。」
ドラム缶へ弾丸が当たるたび
甲高い金属音が遠くから響いてくる
キンッ!
カンッ!
ガンッ!
その間にも先生とRABBIT小隊は
必死に走っていた
「うし。」
おっさんは立ち上がる
「まぁ、ここまで来れば。」
「先生が撃たれて死ぬ事もあらへんやろ。」
眼下を見下ろすと
ドラム缶を被った3人とミユが
どうにかして港湾から離脱していく姿が見えた
「・・・ふぅ」
おっさんは小さく息を吐いた
「ほな。とりあえず、おっさんの仕事も終わりや。」
「さっさとアビドス帰ろ。」
そして少しだけ嫌そうな顔をする
「そろそろユメちゃんに。」
「パトロールって嘘ついて出て来たのバレるし・・・」
嫌な予感がする
非っ常に嫌な予感がする
「・・・・・・まぁ。帰ったら怒られるやろなぁ。」
おっさんは苦笑しながらもそのまま夜空へ飛び立つ
DU地区の港湾を後にして
アビドスの方向へ
その頃
アビドスではおっさんの帰りを待つユメが
腕を組みながら、静かに時計を見ていた
「・・・・遅いですね、アンラさん。」
その表情は笑っていた
・・・・・・ように見えた
おっさんはまだ知らない
帰った瞬間
事務所で正座させられ
「どこへ行っていたんですか?」
と、凄く良い笑顔のユメちゃんから尋問される未来を
仕事の合間で細々書いたよ!
とりあえず今回はドラム缶のお話っすね!
原作通り進んだよ!
そして原作通り、あまりの効果にSRTで本格導入が検討されたよ!
でも、ごめんそれおっさんが魔術かけたからだから
ドラム缶でキヴォトス以外で潜入したら流石にハチの巣になるからやめた方が良いよ!
キヴォトスでは?うーん、
そして、
今回初めて詠唱されました、
存在希釈の魔術です。正式には【我、世界ニ揺蕩ウ者也】ですね。
今回は自分が対象ではないので、元々遅延詠唱で後ろで待機させてる術式群は基本自分にかける様にカスタマイズしてあるので、その場で詠唱し術式を組んだ感じです。
そして、ちょっとだけ詠唱が違ったのは、同時詠唱で複合魔術として発動したからですね。
もう片方は、金剛術式【我、コノ身ニ金剛ノ力ヲ宿ス者也】ですね。
まぁ判り易くいうならひと繋ぎの財宝を探してる海賊の六式の鉄塊ですね。
まぁこっちは魔術なので最初から動けるんで、鉄塊拳法なんて素で使えますが。
因みにこの術式をあのドラム缶にかけなかった場合、
先生はマジでハチの巣になってましたね。
そして、
最近だしてなかったおっさんプチ情報を先生視点だけどちょいだししときますね。
今は今日のセイアも休載してますしね。
では、
アンラは最初キヴォトスに来た時に
「願いを言え」と言いましたね。
もう覚えてる方がいるか分かりませんが・・・
あれはちゃんと理由があります。
それはアンラが召喚魔術に介入して世界を旅しているという設定に絡んできます。
まず、なんの召喚魔術に介入しているか、
それは基本的に願いを持って召喚陣を組み上げその願いを叶えて欲しいが為に召喚を行う事。
これがアンラが召喚されるワード、まぁフィルターですね。
まず召喚魔術の説明からした方が良いですね。
召喚魔術は、術者が陣を形成し、詠唱を行い、その結果別世界か自身の世界から対象物を連れてくる物です。
この仕組みは分かりやすく言うと、掃除機ですね。
先っぽに吸引機が付いてるパイプを伸ばして、目的の存在が居る所を陣に探させて、
そのパイプを伸ばしていく感じです。
なのでアンラがそのパイプの気配を感じたら
直接つかんで俺を連れて行けやおい。ってすることで、割り込んでます。
なので、基本的には術者の所に召喚されます。
ですが、たまーーーーに、陣書くのくっそ下手だったり詠唱中に噛んだりするアホタレのせいで、
良く分からない世界や次元はたまた虚数空間みたいな所にすら飛ばされる事があります。
今回キヴォトスに来たのもその手の召喚事故からですね。
いや、ほんとうに事故なんですよ・・・
なのでぶっちゃけ終章のお話になるんですが、ある人物はどんまい。って感じです。