おっさんキヴォトスに行く   作:無い頭のおっさん

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毎日投稿したかったけど、
昨日急遽仕事が入って身体をバッキバキしてきたよ!
とりあえず夜通し起きて書き上げました・・・!!


おっさん感嘆する

【子うさぎ公園】

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

目の前には大量の札束

そしてそれを数える、ミヤコの姿

少し離れたところではエンジン音を響かせながら、一台のトラックが公園を出ていく

荷台にはついさっきまでここに転がっとった、錆びたミサイルやら何やらが積み込まれていた

 

「・・・・・・」

 

おっさんは、その光景をぼんやり眺める

 

「いやぁ・・・」

 

ほんまに売れたな

正直、あんな錆びたもん誰が欲しがるんやと思っとったが

 

そんで来た連中は

顔を完全に隠して

一言も余計なことを喋らず

こっちが提示した金額を見て

値段交渉一つせずその場で全額現金一括

そして商品の状態確認すら、ほとんどしない

 

・・・・・・並べただけで怪しさ満点やな

 

「・・・・・・」

 

ミヤコが最後の札束を確認する

 

「・・・・・・間違いありません。」

「提示した金額、全額あります。」

 

ミユが札束を見つめる

 

「そ、それに・・・全部、現金で・・・」

「こんな額のお金、初めて見た・・・」

 

サキは、トラックが消えていった方向を睨んでいた

 

「・・・あいつ。なんか怪しいな。」

「器用に顔を隠してるし。」

「武器の状態確認とかも、ほとんどしなかった。」

「それでこの額で値引き交渉も無し。」

 

「・・・・・・もしかしてその金、偽造紙幣とかじゃないのか?」

 

「くひひ。」

 

モエが笑う

 

「まぁまぁ。」

「お金の出所なんて、どうでも良いじゃん。」

「新しい装備とか兵器が買えるなら、何の問題もないし。」

 

サキが睨む

 

「問題しかないだろ。」

 

「それよりさぁ。」

 

モエが札束を指差しながら

 

「こんなにお金があるんだから。」

「プラスチック爆弾でも買えばいいのに。」

 

サキが真顔になり言う

 

「お前は爆弾で飯を炊く気か?」

「それに、そもそもヘリを動かすのに燃料が必要だろうが。」

「火力はあればあるほど良いって訳じゃない。」

 

「何言ってんの。」

 

モエが胸を張る

 

「戦場で一番大事なのは火力でしょ!」

 

「・・・・・・お前、本当に補給担当か?」

 

「もちろん。」

 

「だからこそ、火力を・・・・・・」

 

「はいはい。」

 

ミヤコが二人の会話を切る

 

「とにかく、良かったです。」

「これで戦力も、多少なりとも回復することが出来ました。」

 

ミヤコは手元の金を確認しながら

 

少しだけ表情を和らげる

 

「しばらくは、「何があっても戦えそうです・・・」

 

その時だった

 

「た、助けてください・・・・・・」

 

「・・・・・・?」

 

全員が同時に振り向く

地面、そこに這いつくばっている

じゃらじゃらと飾り物を付けたロボット市民が居た

 

「・・・・・・」

 

サキが無言で見下ろす

 

「言ってる傍から不審者じゃん」

 

「くひひ」

 

モエが嬉しそうに笑う

 

「ナイスタイミング」

「早速コイツの火力を試すとするか」

 

そう言いながらテルミット粉を取り出す

 

「もう私のことを忘れたのか!?」

「というか!【助けて】と言っただろう!?」

 

「・・・・・・」

 

このゴテゴテした格好、知識では知っとった

実物を見るのは初めてやけどマジでこんな格好しとんのな

 

「なぁ先生。」

 

おっさんは先生へ顔を向ける

 

「アレ、先生拉致ったアホで合っとる?」

 

「"・・・・・・"」

 

先生が少しだけ遠い目をし

 

「"・・・ま、まぁ、合ってはいますよ?"」

「"何もしないでくださいね?"」

 

「先生のヘルプがあったら処理するけど。」

「流石にこないな小物に掛ける労力があるくらいなら」

「事務所の書類一枚でも処理する方が有意義やわ。」

 

「"・・・・・・"」

 

先生が、何とも言えない顔をする

 

「それで」

 

ミヤコがデカルトへ向き直り

 

「今回は、どうしたのですか?」

「私達は原則的に市民間の私的な紛争には介入しないのですが。」

 

モエも続く

 

「そうそう、問題が起きたなら。」

「あの【不格好】とか言う仲間にでも助けてもらえばいいじゃん?」

 

「【所確幸】だ!」

「【所有せずとも確かな幸せを探す集い】!」

「略して【所確幸】!」

 

「・・・・・・」

 

おっさんはデカルトを眺め

 

「こんだけ全身に色々ゴテゴテ飾りもん付けとって。」

「何いっとんのやコイツ。」

「脳内回路逝ったんか?」

 

先生が苦笑する

 

「私が捕まった時も」

「お酒を隠し持ってたりと既にツッコミ所満載でしたよ・・・」

 

デカルトが咳き込む

 

「悲しいことに所確幸の仲間たちは」

「皆、バラバラになってしまったのです・・・」

「ただでさえ数が少なくなっていた所を」

「ヴァルキューレの公安局たちが押し入って来て・・・!」

 

モエが首を傾げる

 

「・・・公安局?」

「公安局が、あんた達みたいな浮浪者と喧嘩しに来るわけなくない?」

 

ミユが、おずおずと口を挟む

 

「け、警備局の間違いでは・・・?」

 

「いえ!」

 

デカルトが叫ぶ

 

「確かなのです!」

「私はこの目ではっきりと見ました!」

「見慣れない武器を持ち私達の聖所で暴れる、あの狂犬の姿を!」

 

先生が何かに気付いたように呟く

 

「"それって・・・・・・カンナ?"」

 

その瞬間、先生の顔が

ゆっくり、おっさんへと向いた

 

じー・・・・・・

 

「なんよ。」

 

「"いえ。"」

 

先生が目を細める

 

「"また私が知らない案件なんで"」

「"アンラさんなら、知ってるのかなぁ・・・って?"」

 

「さー?」

 

「"・・・・・・"」

 

「"むー・・・・・・"」

 

またか先生の【顔から情報を抜き取る作戦】

 

まぁ、以前の不意打ちでは一本取られたけど

それ以降は対策済みや、残念やったな

 

「・・・おい。」

 

サキの声が響く

 

「その弾痕を見せろ。」

 

デカルトの身体へ近づき

 

サキは、ゴテゴテと付けられた装飾を手でかき分け

表面装甲を調べ始める

 

「・・・・・・この発火の具合。」

「弾着角度、それからこの残り方・・・」

 

サキが傷を確認する

 

「これ、HEIAP弾(徹甲炸裂焼夷弾)だな。」

 

先生が目を丸くする

 

「"撃たれた跡だけで分かるの?"」

 

「完全にではない。」

 

サキが淡々と答える

 

「でも、教範にも載ってることだ。」

 

ミヤコも弾痕を覗き込む

 

「・・・この口径のHEIAP弾は初めて見ました。」

 

「そもそも」

 

サキが言う

 

「あんまり生産されてるもんじゃない。」

「個人の火器にしては高すぎる。」

「実用性も低い。」

 

「強いてあり得るとすれば・・・・・・カイザーインダストリーくらいか?」

 

モエが反応する

 

「ん?となると。」

「カイザーインダストリーで大量に武器を買い占めたのは。」

「ヴァルキューレってこと?」

 

ミユが不安そうにする

 

「で、でも・・・・・・」

「ヴァルキューレ警察学校にそんな資金的な余裕あるかな・・・?」

 

先生が少し考える

 

「"そう言えば数日前にキリノが"」

「"ヴァルキューレ全体で財政状況が良くなくて"」

「"補給もままならないって言ってたね・・・"」

 

ミヤコが静かに頷く

 

「なるほど、その情報も含めて考えると」

「やはり少しおかしいですね。」

 

そしてデカルトを見る

 

「ですが、不法占拠しているあなた達は。」

「ヴァルキューレに制圧される理由があります。」

「どの道、ご愁傷様でした。」

 

「ご愁傷さまじゃない!」

 

デカルトが叫ぶ

 

「君達にとっても他人事ではないんだぞ!」

「公安局のターゲットは私達だけじゃない!」

「この周辺をパトロールして!」

「片っ端から追い出そうとしているんだ!」

 

「ここに来たとしても、何もおかしくな――――」

 

ダァンッ!

 

その瞬間、公園の入り口から

銃声が響いた

 

「ぐはっ!!」

 

デカルトの身体が吹っ飛ぶ

おっさんは思わず口元を上げる

 

「おー、ナイスショット。」

 

ぞろぞろと公園の入り口から

ヴァルキューレの制服を着た生徒達が入ってくる

 

その中央に見慣れた顔が一人

 

「野生動物は危機に瀕すると。」

 

カンナが冷たい声で言う

 

「最も強力な群れにすり寄るもの。」

「ここに居たのか、歩き回る手間が省けたな。」

 

ミヤコが立ち上がる

 

「あなたは・・・」

 

サキが低く呟く

 

「ヴァルキューレ警察学校の狂犬・・・」

 

「・・・カンナだ。」

「せめて、公安局長と呼べ。」

 

「おー」

 

おっさんは軽く手を上げる

 

「カンナちゃん。」

「相変わらずストレス抱えた面してるやん。」

「眉間の皺、取れんくなるで?」

 

カンナの眉が僅かに動く

 

「・・・貴方もここに居たのですね。」

 

そしておっさんを見る

 

「ですが、今回の件。」

「貴方は手出ししないで頂きたい。」

 

「分かっとる分かっとる。」

 

おっさんは肩を竦める

 

「最初っから、おっさんは見てるだけやで。」

 

()()()アビドスに絡まんかったら、おっさんが動くことはあらへんわ。」

 

「・・・そうですか。」

 

カンナは小さく息を吐く

ミヤコが尋ねる

 

「それで?」

「公安局長はここに何のご用で?」

 

カンナの表情が険しくなる

 

「自分達の行いを理解した上で、その質問をしているのか?」

「市民たちが使う公園を不法占拠し。」

「地域社会に不安をもたらしている存在が居る。」

「そう聞いて、取り締まりに来ただけだ。」

 

「まぁ・・・」

 

おっさんが周囲を見る

 

「罠の類は撤去しとるけど」

「滞在期間が長いと不法占拠と言われたら、それまでやな。」

 

モエが腕を組む

 

「とはいえ。」

「ここに居て良いって言ったのは、防衛室長なんだよ?」

「まぁシャーレ経由だけど。」

 

「ヴァルキューレの公安局長が、上官の命令に逆らって良いわけ?」

 

「何か勘違いをしているようだな。」

 

カンナが答える

 

「防衛室長が【この公園に滞在して良い】と仰ったことは無い。」

「ただ、【貴様らの処罰を保留する】と言っただけだ。」

 

ミヤコが静かに続ける

 

「更に言えば、公園の管理は防衛室の管轄ではありません。」

「つまり、私達に立ち退きを要求することは正当である。」

 

「・・・そういうことでしょうか?」

 

「帰る場所が無いって知ってるくせに・・・」

 

モエが嫌そうな顔をする

 

「良い性格してんね。」

「公安局長さん?」

 

ミユが不安そうに手を上げる

 

「で、ですが。」

「公安局が直接・・・?」

「治安関連でしたら、警備局の管轄なのでは・・・?」

 

「ああ。」

 

カンナは頷く

 

「基本的にはそうだ。」

「・・・・・・普通の状況だったらな。」

 

「・・・・・・」

 

おっさんはカンナを見る

この言い方・・・原作通りの状況か

 

サキが腕を組む

 

「良く分からないけど。」

「無理矢理追い出しに来たわけか?」

 

モエも続ける

 

「別にいいけど。」

「前回散々な目にあったの、忘れたわけ?」

 

「風倉。言葉は慎重に選んだ方が良い。」

 

カンナの視線がモエへ向く

 

「聞いたところによると。」

 

「先日の大雨で。」

「RABBIT小隊の装備の殆どが使い物にならなくなったらしいな?」

 

「「・・・・・・」」

 

サキとモエが黙り込む

 

「廃品を売って、新しい装備を手に入れた事も聞いている。」

「しかし、公園全体をカバーするには心許ないのではないか?」

 

カンナが後ろを指す

 

「公安局は今回、()()()()()の協力を得て大量の火器を確保した。」

「貴様らがエリートだということは知っている。」

「しかし、数的優位を覆せるかどうかは、別の話だ。」

 

カンナが一歩前へ出る

 

「さぁ、早めに決めろ。」

「大人しく、この公園を去るか。」

「それとも、試しにその粗悪な装備で戦いを挑むか。」

 

サキが笑う

 

「はっ、本当にやる気みたいだな。」

 

モエも負けじと笑う

 

「設備が足りなくたって。」

「あんた達に一泡吹かせることは出来るけど?」

 

「で、でも・・・」

 

ミユの声が震える

 

「実際、勝てるかな・・・?」

「ど、どうしよう、ミヤコちゃん・・・」

 

ミヤコが難しい顔を浮かべ

 

「私達は・・・」

 

その時先生が声を上げた

 

「"カンナ、ちょっと待ってもらえる?"」

 

カンナが先生を見る

 

「・・・防衛室長から聞きました。」

「RABBIT小隊の待遇は、シャーレに一任する。」

「しかし、これは別件です。」

「先生の指示だとしても決定を覆すことは出来ません。」

 

そして最後の言葉だけ

妙に強く

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「・・・・・・」

 

その瞬間おっさんは口角が上がる

 

「・・・・・・」

 

それに気付いたカンナが

ギロリと、おっさんを睨む

 

「・・・・・・」

 

「なんや。」

 

「・・・・・・」

 

先生が話を続ける

 

「"カンナ、少しで良いから"」

「"皆が考える時間をくれない?"」

 

カンナはしばらく黙っていたが、

やがて

 

「時間なら、これまで十分あったかと思いますが・・・」

「まぁ、良いでしょう。」

 

「先生には借りがありますので、今日は引き上げることにします。」

「ですが。」

 

カンナはRABBIT小隊へ視線を向ける

 

「いつまでも放置することは出来ません。」

「ざっくり計算して今月末までかと思います。」

「そのタイミングにまでこの公園に居るようであれば。」

「こちらも武力行使せざるをえません。」

 

「・・・・・・私達にも守るべきラインがありますので。」

 

そう言うとカンナは振り返り

 

「撤収!!」

 

その一声共にヴァルキューレの生徒達が一斉に踵を返す

そして公園から去っていった

 

「・・・・・・」

 

その背中を見ながら

 

サキが

 

ドンッ

 

公園の木を蹴る

 

「前回もシャーレありきだった癖に」

「偉そうに!」

 

ミヤコが静かに口を開く

 

「ですが、武装が強化されていたのは事実のようです。」

「モエ、あれはカイザーインダストリーの銃器で間違いないですか?」

 

「だね。」

 

モエが頷く

 

「にしても、あのケチなヴァルキューレが。」

「どうしてカイザーの武器を買えたんだか。」

「理解できないね。」

 

ミユが口を開く

 

「・・・そういえば、さっきスポンサーって・・・」

 

おっさんは先生を見る

 

「先生、カンナがこっちに伝えたかったこと。」

「分かっとるよな?」

 

先生は少し考え

 

「"・・・・・・ええ"」

「"ヴァルキューレのあの装備は"」

「"恐らくリベートによるものですよね。"」

 

「リベート?」

 

ミヤコが首を傾げる

モエが続く

 

「それって割り戻しのこと?」

「支払った分の一部が帰ってくる奴?」

「でも、例えそうだとして。」

「カイザーインダストリーは何の得があってヴァルキューレにそんなことを・・・?」

 

先生が、周囲を見て言う

 

「"この子うさぎタウン一帯が"」

「"再開発を予定されているって前に話したよね?"」

 

「"その再開発を担当している会社が"」

「"オクトパス建設。"」

「"カイザーのダミー会社なんだ。"」

 

ミヤコの表情が変わる

 

「なるほど・・・」

「子うさぎタウンの再開発を手掛けているダミー会社の本体はカイザー。」

「そして、武器を扱うカイザーインダストリーと同じグループ会社。」

「なら、資金の移動も比較的簡単に行えます。」

 

「ダミー会社が再開発によって得られる利益を。」

「カイザーインダストリーが事前に武器として還元することで。」

「公安局へ流していたとしたら・・・」

 

サキが眉をひそめる

 

「・・・・・・それ、違法じゃないのか?」

 

「はい。」

 

ミヤコが即答する

 

「もちろん違法です。」

「市民に奉仕すべき警察学校が。」

「私企業の為に働いているわけですから。」

 

サキが頭を掻く

 

「警察が企業と結託して、市民を攻撃とか・・・」

「意味分かんないな。」

 

ミユが小さく呟く

 

「わ、私達も・・・何とも言えない立場だけど・・・・・・」

 

先生が苦笑する

 

「"もちろん。"」

「"まだ色々と推測の域だけどね。"」

「"でも、さっきのカンナの話し方的に"」

「"恐らくは当たってると思うよ。"」

 

ミヤコが少し考える

 

「それです。」

「何故、公安局長は情報を与えるようなことを?」

 

おっさんが答える

 

「まぁ、ヴァルキューレの上層部が腐ってるからって」

「その末端が完全に腐りきってる訳やないっちゅうことやな。」

 

ミヤコが小さく頷く

 

「・・・・・・なるほど。」

 

おっさんは少し考える

 

「ちなみに、情報を確定させる手法があるんやが。」

「どないする?」

 

先生がこちらを見る

 

「"何か案があるんですか?"」

 

おっさんは肩を竦める

 

「公安局の秘密は公安局にあるやろ?」

「例えば、装備の取引記録とか。」

 

モエが少し考える

 

「公安局の記録ってことは。」

「多分ローカルサーバーでしょ。」

「外からのハッキングは無理っぽいな。」

 

「・・・・・・」

 

ミヤコの目が細くなる

 

「なるほど、そういうことですか。」

 

そして

 

「ヴァルキューレに直接潜入し、」

「その取引記録を奪取する。」

 

「そういうことですね?」

 

3人の視線が一斉におっさんへと向いた

 

サキが叫ぶ

 

「お前、正気か?」

「ヴァルキューレの本館ってことだろ?」

「あの要塞、何百人いると思ってるんだ?」

 

ミユも不安そうにする

 

「ちゃんとした支援があっても。」

「難しいんじゃ・・・・・・?」

「私達の力じゃ・・・・・・多分。」

 

「まぁ。」

 

おっさんは肩を竦める

 

「おっさんは案を出しただけやさかい。」

「そこから先はお前さんら次第やな。」

 

モエが手を上げる

 

「普通に通報するってことで良いんじゃないの?」

 

先生が即答する

 

「"警察の問題を、警察に通報するの?"」

 

モエが固まる

 

「・・・・・・確かに」

「どっちもヴァルキューレだったわ。」

 

「・・・・・・」

 

サキが腕を組む

 

「ヴァルキューレでトラブルがあった時に」

 

「これを調査する上位機関・・・・・・」

 

ミヤコが静かに答える

 

「・・・・・・それが、私達SRTのはずです。」

 

モエが頷く

 

「確かに、そういやそうだね。」

 

サキが地面を見る

 

「私達が、やるしかない、か・・・・・・」

「じゃないと、他に誰も解決できない。」

 

ミユが小さく口を開く

 

「でも、良いのかな・・・・・・」

「今の私達は学校もないし・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

先生がミヤコ達を見る

 

「"・・・・・・君達が・・・その道を進みたいのなら。"」

 

ミヤコが顔を上げる

 

「先生?」

 

先生はまっすぐミヤコ達を見る

 

「"いざと言う時は私が責任をとるから"」

「"任せて"」

 

「"・・・シャーレは、その為の組織だからね。"」

 

「おーおー」

 

おっさんが笑う

 

「恰好良いこと言うねぇ。」

 

先生が、おっさんを睨む

 

「"・・・アンラさん。"」

 

「なんや。」

 

「"今いいところなんですから。"」

 

「はいはい。」

 

ミヤコがぽつり

 

「・・・・・・変な人ですね。」

 

モエが先生を見る

 

「先生。本当に【責任】って言葉の意味分かってる?」

 

サキも鼻で笑う

 

「はっ、やっぱりバカだったか。」

 

ミユが

 

「ふふっ・・・・・・」

 

と小さく笑う

その空気を見てミヤコも少しだけ表情を緩めた

 

「・・・・・・」

 

そして

 

「ですが。」

 

ミヤコは立ち上がる

 

「おかげさまで決意は固まりました。」

「私達は、例え学園が無くなろうとも」

 

「SRT」

 

「キヴォトスにおける込み入った犯罪行為に対し」

「真っ先に投入される特殊部隊。」

 

サキが続く

 

「秩序維持の為犯罪者を速やかに制圧し・・・・・・」

 

モエが笑う

 

「可能な限り全火力を瞬く間に投下し・・・・・・」

 

ミユが小さく続ける

 

「・・・気づかれる前に、その場を去る・・・・・・」

 

ミヤコは前を見る

 

「ヴァルキューレが私企業と結託して不法行為を行っている。」

「その可能性がどれだけ高くても、正規の手続きでは解明できないでしょう。」

 

「なら。」

 

「正にSRTとして介入すべき任務です。」

 

ミヤコは一人一人の顔を見る

 

「皆さん、作戦の準備を。」

「これよりヴァルキューレ公安局の違法リベートに関する証拠を確保するため――。」

 

「【クローバー作戦】を開始します!!」

 

「「「了解!!」」」

 

4人が一斉に動き出した

 

装備を確認し、必要な物資をまとめる

地図を広げ、潜入経路を考え、

通信手段を確認する

 

何度も、何度も

互いに意見を出し合う

 

「こっちは?」

 

「いや、そこは警備が多すぎる。」

 

「なら、こっちは?」

 

「迂回すると時間がかかる。」

 

「じゃあ、別ルートを。」

 

「・・・・・・」

 

慌ただしく

それでも確実に4人の準備が整っていく

その様子を少し離れた場所から

 

おっさんが黙って眺めていた

 

「・・・・・・」

 

ミヤコ、サキ、モエ、ミユ

ついこの前まで何もかも失ってただ公園で生き延びることだけを考えとった子らが

今は自分達自身の意志で自分達の役目を取り戻そうとしている

 

 

 

アンラがゆっくりと目を細め

 

「・・・・・・あぁ。」

 

ぽつりと漏れる

 

「戦士というのは、」

「どの時代、どの世界でも」

「かくも美しい物か。」

 

その言葉を最後におっさんは

 

何も言わず

 

ただ彼女たちの背中を見つめ続けていた

 




とりあえず、潜入・戦闘に入るまでの所で一旦ストップ!
足して書くととんでもない量になったんで、分割しとります!

そして、久々にアンラが漏れてきました。
まぁこの人、基本は戦士の生き様(死に様)や、
人の美しさ(強さ)に対して感銘を受ける人物なので、しゃーないっすね。

にしても、
カルバノグ自体がもうエデン条約編の閑話みたいな感じやなぁ・・・
実際原作でも、カルバノグ二章の為の布石のお話だから、しゃーないんやけどさ。
カルバノグ終わったら、閑話を一話二話くらい入れたら即座にエデン条約に再突入かなー!

ぶっちゃけ作者としては早くエデン条約4章書きたいんすよね・・・
滅茶苦茶この作品の方向性が変わるというか・・・

まぁ色々出てくるお話にする予定なんで。
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