おっさんキヴォトスに行く 作:無い頭のおっさん
5/20 投稿分2/4
二番目です!きいつけてね!
ヴェリタスに戻って少ししてから
【ミレニアムタワー・進入禁止階層】
【ドカアアァァァン!】
ミレニアムタワー内で大きな爆発音がこだました
ここは進入禁止階層、セミナーや限られた人物以外進入する事を禁じられている場所
ここでアリスは――
エレベーターの指紋認証システムを突破する為に
光の剣:スーパーノヴァで直接破壊し、強行突破を図っていた
アリスの強行突破を止めるべく、
立ちふさがったメイド部のコールサイン・ゼロスリー、室笠アカネと
セミナーの早瀬ユウカと相対して戦っていた
アリスは、ここでアンラに教えてもらった動きで翻弄はせず
戦い方を教えてもらう前のような砲撃主体の戦闘方法で戦っていた
だが、そんな隙の大きい戦い方をしている為か
戦闘のプロであるC&Cのアカネとユウカによって制圧されつつあった
「くっ!?・・・や、やられてしまいました・・・!」
「ふ、復活の呪文・・・を・・・」
そういってアリスはパタリと地面に倒れた
そんな倒れたアリスを見てユウカが呟く
「信じられない・・・。」
「どんな方法で来るのかと思ったら、よりにもよって強行突破だなんて」
その呟きを聞いてアカネがたずねる
「この子がアリスちゃんですね。」
「とっても可愛いですねー、6番目のエージェントメイドとして育てたくなってしまいます。」
「連れ帰って良いですか?」
「・・・それはダメ。」
「今は生徒会を襲撃した犯人の一人なんだから・・・
とりあえず一旦、生徒会の反省室にでも閉じ込めておくわ。」
「それにしても・・・まさかエレベーターの【指紋認証システム】を突破するためとはいえ、
無理矢理扉ごとぶち破るだなんて。」
オペレーターから通信で被害報告が入る
『確認しました。エレベーターのセキュリティロックをすぐに修理するのは難しそうです。
対処としては、丸ごと取り換えるしか・・・』
「そう、じゃあ新しいのに交換・・・ううん、ちょっとまって。」
「多分だけど、あのアリスちゃんの意味わからないくらい巨大な武器、
エンジニア部で作られたものに違いないわ。」
「こういう時はいつも、エンジニア部に依頼してたけど・・・
そこに、罠がある可能性も捨てきれない。」
「一番強力そうなセキュリティを購入して、とり急いで取り換えて。」
「ただし、エンジニア部製じゃないもので。」
【ミレニアム・廊下】
その時の音声を、アリスに持たせた盗聴器から聞いていた。
ノイズ混じりの通信。
遠くで響く銃声。
何かが砕ける音。
そして、アリスの声。
『くっ!?・・・や、やられてしまいました・・・!』
「・・・っ。」
思わず息を止める。
わかっていた。
これは最初から決めていた流れだ。
アリスが単独で進入禁止区画へ侵入し、
セミナーとC&Cの目を引き付ける。
そして、“捕まる”。
停電後のフェイルセーフ解除を利用して脱出する――
そこまで含めて、全部作戦の内だ。
頭では理解している。
している、けれど。
(やっぱり心臓に悪いなぁ・・・。)
私は小さく息を吐いた。
今アリスがいるのは、
セミナーとC&Cしか立ち入れない封鎖区画
当然、私たちは近付けない。
助けに行くことも出来ないし、
実際に何が起きているのかも、音声越しに想像するしかない
しかも相手はC&C。
一人でも作戦を崩壊させられる連中だ。
正直、
「大丈夫」と言い切れる状況ではなかった
それでも――
『ふ、復活の呪文・・・を・・・』
盗聴器越しに聞こえた、
どこか間の抜けたアリスの声に
私は思わず苦笑する。
(ふふ、うん、まだ余裕はありそう。)
少なくとも、
本当に危険な状況ではなさそうだ。
そう自分に言い聞かせる。
すると隣でモモイが声を上げた。
「うぅっ!アリスが連れて行かれちゃった!」
モモイを落ち着かせるようにユズが話しかける
「落ち着いて、モモイ、計画通りだよ。」
「アリスちゃん・・・待ってて、すぐに助けてあげるから。」
「とりあえず・・・一つ目の仕掛けは、上手く行った感じかな。」
そしてハレは自身が立てた計画が順調に進んでいる事を確認し
「そうだよね、先生?」
私は小さく頷く
「"そうだね、次はエンジニア部の方に、準備が終わったか聞いてみて。"」
私がそう言うとマキが答えてくれた
「丁度連絡が来てたよ、【こちらエンジニア部、木馬を侵入させる事に成功】・・・ってね。」
「ひゅーっ、それは一安心。もし失敗してたら、
アリスが意味も無く監禁されただけ・・・ってなるところだったよ。」
「じゃあ、次のステップに移ろうか。」
「"うん、とりあえず、ヴェリタスに戻ろっか。"」
時が経ち、陽は完全に沈み切り
ミレニアムも、まるで眠りに着いたかのように静まり返っていた
「・・・さて、始めよっか。」
「はあ、緊張する・・・こんな気持ち、古代史研究会の建物を襲撃した時以来。」
「ヒビキとウタハ先輩は?」
モモイがそう尋ねると、ハレから通信が入る
『もう【お客さん】を出迎える準備は出来てるって。』
「良いね、さすが。」
「やってるのは決していい事じゃないけどね・・・」
「マキとコトリの方は?」
先ほどと同じ様に通信が入る
『こっちも準備OK、待機中だよ~。』
『お任せください!私の理論上、この作戦が成功する確率は2%です!』
「えぇっ、ほぼ間違いなく失敗じゃん!なんで自信満々なの!?」
『えへへ、場を和ませる冗談ですよ!逆です、98%成功するでしょう!』
「コトリちゃんとマキちゃんの準備も終わったなら・・・」
「第二段階、だね。」
「それでは・・・先生!」
「”ん、銀行・・・じゃない!作戦開始!”」
「はい!」
「行っくぞー!!」
【ミレニアム・オペレーションルーム】
【ピピピッ、ピピピッ】
それは生徒会管理棟の立ち入り禁止区域への侵入を知らせる通知だった
少し休んでいたのか、目を閉じていたユウカが、通知音と共に目が開く
「・・・来た。」
それと同時にオペレーターが監視カメラの映像報告を行う
「監視カメラにて対象を発見しました。1番ゲート、ポイントA1にターゲットを確認。」
「まもなくポイントA2に進入します。」
「そこまで入れば、もう脱出はほぼ不可能とみていいのですよね?」
「・・・では、私が行きましょう。」
「あら、だいぶ高く買ってるみたいね。アカネがわざわざ行く必要、ある?」
「もちろんです。」
「お客様のお出迎えは、メイドとしての基本ですから。」
時は遡り、作戦開始2時間前、ヴェリタス部室内での作戦会議中
ハレが自身が考えた作戦内容を全員に教える
「じゃあ、私たちのターゲット【鏡】があるとされる、
生徒会の差押品保管所について説明するね」
「ミレニアムの生徒会【セミナー】は、
基本的にミレニアムタワーの最上階を専用スペースとして使用してる。」
「【鏡】がある差押品保管所は、その最上階の西側。」
それに続くように、マキが保管所付近の情報を上げていく
「調べた感じ、入り口から差押品保管所へたどり着くには、約400台の監視カメラと
50体近い警備ロボット、それにブラック企業から押収した
戦闘ロボット数十体を突破しなきゃいけないみたい。」
「正確には監視カメラが442台、警備ロボットたちが3種に分類されて、計52体だね。」
「何でそこまで把握しているのか・・・という表情だが、単純さ。」
「あそこのセキュリティシステムの構築に協力したのが私たち、エンジニア部だからね。」
「うえぇ・・・」
モモイがゲンナリした顔になる
「一番の問題は、保管所まで行くためには必ず
【エレベーター】を使わなきゃいけないと言う事。」
「生徒会の役員とか限られた人にしか通過できない、指紋認証システムが付いてる。」
「もし仮にエレベーターを突破出来たとしても、セミナー所属の生徒達や
武装した警備員が勿論いるだろうし、何より・・・」
「最上階は、各部屋ごとセクションでわけられてる。」
「セクション・・・部屋が仕切られてるのは当然の事じゃないの?」
「セクションと、セキュリティシステムとが対応してる。」
「だからもし、どこかの部屋で火事が起きたり煙が発生したら、
シャッターを下ろして他の部屋と隔離したりすることもできる。」
「もしシャッターが下りたら、これもまた生徒会メンバーの指紋でしか解除が出来ない。」
「登録されてない指紋や強い衝撃に反応すると、
次はもっと強力なチタン製の二番目のシャッターが出てくる。」
「そうなると今度は、生徒会役員の指紋と虹彩、この二つの認証が必要になる。」
それまでの話を聞いたミドリが困惑した表情を浮かべている
「うーん、ややこしい・・・それになんだかすごすぎて、実感がわいてこないって言うか・・・」
「整理すると、まず差押品保管所まで移動する方法はエレベーターしかない。」
「それから指紋を利用したセキュリティシステムがあって、
それでミスをするとシャッターが下ろされて、他のセクションに移動するのが難しくなる。」
「それを無理に通過しようとしても、さらに強力なシャッターが下ろされて閉じ込められちゃう」
そこに追加するようにマキが捕捉を入れる
「警備ロボと監視カメラも忘れずに~」
「監視カメラについてはハッキングできそうだが・・・
セキュリティシステムそのものについては、ヴェリタスの力でも正面突破は難しそうだね。」
「なにせ基本的に外部ネットワークから遮断されている。」
「あ、もう一つ新しい情報が入った。エレベーターに無理やり侵入しようとすると、
最上階の全部のセクションにシャッターが下ろされるみたい。」
そこまで聞いてモモイがとうとう我慢できなくなった
「ああもう!なんか難しいし絶望的な話ばかりじゃん!何かいい話はないの!?」
ヒビキがシステムの脆弱性を指摘していく
「・・・弱点なら、ある。」
「まず、外部電力を遮断する方式に弱い。」
「電力を断つと自然に外部のネットワークに繋がるから、一時的にハッキングの隙が生まれる」
「私たちが作った超小型EMPなら、その隙を狙ってあらゆるシステムを無効化する事が出来る。」
「恐らく、無効化出来る時間は・・・6秒」
それを聞いたハレが
「6秒、か・・・十分だね。」
不敵な笑みを浮かべる
そして時は再び、現在へと戻る
【ミレニアムタワー最上階・廊下】
そこには闇夜に紛れてこそこそ動く人影が二つあった
「えーっと、この辺でいいんだっけ?」
「すごく奥の方まで来た感じですが・・・多分間違ってはないかと」
そんな人影に話しかける人物がいた
「ええ、あっていますよ。」
「こんばんわ、いい夜ですね。
お二人のここまでの行動は、監視カメラで全て見せて頂きました。」
「薄々お気づきかもしれませんが、あなた達の計画はもう失敗しています。
お早めに投降する事をお勧めしますよ。」
「改めまして、私はC&Cのコールサイン・ゼロスリー・・・本名は秘密ですので、
謎の美女メイドとでもお呼び下さい。」
「あ、アカネ先輩!」
「特技が【暗殺】で有名な、あのアカネ先輩?」
「うーん・・・一応秘密のエージェントのはずなのですが、」
「いつの間にそんな知られ方を・・・正体を明かさない系ヒロインは、
もう時代遅れなのでしょうか・・・?」
「色々知ってるよー。コタマ先輩によると、どうやら最近体重が・・・」
「ま、待ってください!その情報漏洩は流石に問題がありますよね!?」
「その情報に関しては永久に黙っていていただきます・・・!」
「さあ、そろそろ姿を見せて頂きましょうか、モモイちゃん、ミドリちゃん!」
「ふふふ・・・」
「?」
「まだ気づいてない感じかな。失敗してるのは、そっちの計画の方だよ?」
「はい?」
闇から出てきた二つの人影は
マキとコトリだった
「ハ~イ、アカネ先輩!寮に戻ろうとしてたんだけど、道に迷っちゃってさ~」
「あ、あなたたちは!?」
「あなたたちとはと聞かれたら!説明するのが世の情け!」
「どんな質問にも答えをご提供!エンジニア部の説明の化身、豊美コトリ!」
「芸術と科学のコンビネーション!ヴェリタスのデジタルアーティスト、マキだよ!」
「そんな、ここに来たのはミドリちゃんとモモイちゃんだったはず!?」
「監視カメラで確かに・・・!」
【ミレニアムタワー・オペレーションルーム】
『ユウカ!何が起きているんですか!?』
「わからない!こっちの監視カメラでは、今も確かにモモイとミドリが映ってる!」
「それにアカネ、あなたの姿が見えない・・・!」
『な、なんですって?これは、もしかして・・・!?』
「カメラの設定を初期化!クラウド接続を遮断して、
プライベート回線で画面をもう一度映して!」
その指示を聞きオペレーターが急いで作業を行う
「更新します!新しい画面・・・出ました!」
「アカネを確認!ことりとマキと対峙中です!」
『なるほど、ということは・・・』
『私たちがさっきまで見ていた映像は、まさか!?』
【ミレニアムタワー・エレベーターホール】
「そろそろ、録画映像だって事がバレた頃かな。」
「今更だけど、平和な状態の映像でも流しておいて、
こっそり【鏡】を取りに行った方が良かったんじゃないの?」
「人の出入りが頻繁な所だったし、なにも無い方が違和感を覚えるかもしれないでしょ?」
「それに、こうしてC&Cの先輩たちを分裂させて閉じ込めておけた方が、
最終的にミッションの成功確率は高くなるはず。」
【ピン ポン】
「あ、エレベーター来た!それじゃ、【本当に】入るとしよっか!」
「ちょっと待って・・・先生、周囲も暗いですし、私たちの手をしっかり握っていて下さいね。」
「"あはは、小さな子供みたいだね。"」
「ふふ、それでは・・・行きましょう!」
「GO!」
【ウィィィィ――――】
【ミレニアムタワー最上階・廊下】
マキとコトリとアカネが居るフロアで、機械音声が流れる
【侵入者を発見。緊急時のため、セミナー専用フロアの各セクションを閉鎖します。】
「これは・・・シャッターが!?」
【ガシャン!!!】
大きな音と立てて、重厚なシャッターが下りてきた
「はぁ、全くもう・・・」
「へへっ、仲良く閉じ込められちゃったね~?」
「・・・そんなことはありません。」
「あなたたちと違って私はシステムに指紋登録がされてますから。」
アカネが指紋認証システムに自身の指を当てる
【ピッ】
「痛い思いをしたくなかったら、大人しくしていてくださいね。」
「お会いできて光栄でしたが、私はこれで・・・」
シャッターの指紋認証装置から機械音声が流れる
【データ不一致、未登録の指紋です。】
「えっ・・・!?」
【セカンドシャッター、作動します。】
「そ、そんなっ!?」
【ゴゴゴ・・・ガシャン!!!!】
今度は先ほどのシャッターよりも更に重厚な鉄の塊のようなシャッターが下りてきた
【ミレニアムタワー・オペレーションルーム】
監視カメラからの映像をオペレーターが報告する
「アカネ、閉じ込められてしまいました!」
「誰か生徒会の役員を・・・ノアが近くにいるはず、開けてもらって!」
「一体どういうつもり・・・?この状態だと、
【本物】のモモイとミドリもどこかで閉じ込められて―――」
「っもしかして・・・!?」
オペレーターが更に通信の報告を行う
「ノアから連絡!彼女たちも閉じ込められているそうです!」
「ノアの指紋でもシャッターが開かないとの事で、助けを求めています!」
「な、な、なんですって!?」
「このタイミングで故障!?新しくしたばっかりなのに、
それにちゃんと指紋データも移行して・・・いや、まさか!?」
「ハッキング済み!?ということは初めからこれを狙って、
最初にアリスちゃんに扉を壊させた・・・!?」
【ミレニアム・校舎内部】
「先生、お姉ちゃん、ハレ先輩から連絡!」
「アカネ先輩を閉じ込めるのに成功したって!」
「よし、指紋認証システムも正常に作動したね。」
「生徒会の役員も全員隔離できたはずだし・・・」
「これで、今タワーの中を自由に動けるのは私たちだけ!」
にやりと悪い顔をミドリが浮かべる
「本来のエンジニア部製より、ほんの少しだけ弱そうに見える、最新型のセキュリティ・・・」
「上手く行ったみたいだね。」
同じく悪い顔を浮かべたモモイ
「名前を隠してたし、多分あれもエンジニア部製だとは思わなかっただろうね。」
「その辺の塩梅も、流石はエンジニア部。さ、じゃあ堂々と行くとしよっか。」
そう言いながらモモイ達が指紋認証の装置に指を押し当てる
【ピピッ―――才羽モモイ、才羽ミドリ、先生、三名の承認が完了しました。】
「なんか、デジャヴみたいな感じするね・・・?」
「あー、廃墟のあれじゃない?懐かしい、なんかもうずいぶん昔の事みたいな感じがする。」
「"じゃー次は床が抜けて下に落ちたりしそうだね。"」
「や、やめてよ。先生!あれ未だに夢に見るんだからね!?」
「と、とりあえずアカネ先輩を封じられたのは良かったよ。」
「どうせなら、アスナ先輩も一緒に閉じ込めたかったところだけど・・・」
「まだ、居場所が判ってないんだよね?」
「ハレ先輩が、出来るだけミレニアム全域を調べてくれたけど・・・見つからなかったみたい。」
「ミレニアムの外にいるんじゃないかな?」
「いっつも神出鬼没の先輩だし、簡単には見付からないよね。」
「なんかミッション中に、急にパフェ食べに行ったりする人みたいだし・・・」
「ま、今の所計画通りなんだから、気にしない気にしない!」
モモイとミドリの話を聞き
私はアスナの居場所に見当がついていた
(アスナ・・・あの子ならきっと・・・)
でも、これは今この子達には教えられない
教えた事でまた未来が変わってしまう・・・
そんな事を考えていると
廊下の奥から声がかかった
「誰!?」
「ひゃっ!って、生徒会じゃん!?まだいたなんて!」
「ど、どうしよう先生!?」
「"モモイ、ミドリ!強行突破するよ!"」
「「了解!!」」
【ミレニアムタワー・最上階廊下】
マキとコトリとアカネが居る区画
「ふふっ、確かにさっきの合金製とはレベルが違う感じのシャッターだね。」
「さて、どうしよっか?」
「ではアカネ先輩、こうして仲良く閉じ込められたのも何かの縁ですし、
楽しい相対性理論の講義でも始めましょうか?」
「・・・こちらコールサイン・ゼロスリー!A-11セクションに閉じ込められました!
コールサイン・ゼロワン、応答をお願いします!」
通信機から機械音声が流れる
【相手がオフライン状態です】
「アスナ先輩っ!いったい何処にいるんですか、もう!」
「せめて電源くらいつけておいてくださいよ・・・!」
【ピピッ】
【Connecting New message・・・】
『アスナ先輩の居場所はわからないけど・・・安心して、アカネ。』
『ゲーム開発部はもう、私の射程範囲内だ。』
【From Call Sign 02】
【ミレニアムタワー最上階・廊下】
道中居た、生徒会を全員無力化しそのまま差押品保管所まで突き進んでいるモモイ達
【ピピッ】
そんな音共にシャッターが開かれる
「最後のシャッターを解除!ふふっ、今やこの生徒会専用フロアは私の思うがまま~♪」
「さて、もう少しで【鏡】がある差押品保管所に・・・」
そんな事を言っているとハレから急に通信が入った
『モモイ、伏せて!!』
「えっ?」
【ドカアァン!!】
そんな音と共に、ガラスをぶち破った何かがモモイの頭上を通り過ぎて行った
「うわあああっ!」
「い、今頭の上を、なんか凄まじい威力の弾丸が!?」
「壁に穴が開いてるんだけど!?」
(この威力、55口径・・・!カリンか!)
「"皆!55口径の対物弾だよ!止まらず走って!!"」
即座に全員駆けだす
「対物狙撃用の55口径!?良かった、お姉ちゃんの身長があと5cm高かったら、
おでこにクリーンヒットして吹っ飛んでたよ。」
「"吹っ飛ぶだけで済んでいいなぁ・・・多分私コレくらったら頭無くなっちゃう・・・"」
「ヒューっ、確かに。小さくて良かっ・・・じゃないよ!」
「にしても!この辺りはもう、狙撃ポイントに入ってるって事だね。」
「C&Cの狙撃手、カリン先輩の・・・っ」
「ミドリ!伏せて!又来る!!」
その瞬間
【ドゴォォォン!!】
今度はミドリの頭があった場所に的確に大穴が開いていた
「うわあぁっ!?」
【ミレニアム・第三校舎屋上】
「・・・なるほど、筋は悪くない。」
「小さくてすばしっこくて、当てにくいな・・・」
「・・・でも、速度とパターンは把握した。」
「風も少ないし、視界を遮るものも無い・・・」
「もしかしたら、【壁を背にすれば安全】とでも思ってるかもしれないけど。」
「残念。次は100%命中させる・・・」
「それはどうかな?」
「!?」
「私の計算結果は少し違う。君の弾丸があの子達に当たる確率は0%だ。」
「誰だ!?」
【ウィーン、ガシャン。ウィーン、ガシャン。】
そんな音共に奇妙な形のロボットが歩いていた
【ダダダダダダダッ!!!】
それと共についてる二門のガトリング砲で掃射して来た
「なっ、何だそれは!?」
「紹介しよう。エンジニア部の新作、全ての天候対応可能な二足歩行型戦闘用の【椅子】」
「【雷の玉座】さ。」
「なんで椅子を歩かせ・・・それに、ガトリングまでついてる!?」
「この【雷ちゃん】の魅力を理解してもらえないと、残念だね・・・」
「・・・理解は出来ないけど、およそ把握は出来た。」
「ずっと、気になってはいたんだ。どうしてゲーム開発部が、
ミレニアム生徒会のセキュリティを突破して、ここまで来ることが出来たのか。」
「・・・あなたたちが、あの【先生】に協力してたのか。」
「やはりヒマリの情報も、私たちを混乱させる為の罠だった・・・?」
「ということは・・・」
そう言うと同時に、抱えている
【ドゴォォォン!!】
「!?」
着弾と共に雷ちゃんが横転し、地面を滑っていく
「雷ちゃん!」
「なるほど。これで貫通しないとは、丈夫に出来てるな・・・」
「何か転んで、足をバタバタさせてるけど。」
「銃を撃つ椅子か、面白い・・・」
「だけど、私を本気で止めるつもりなら、奇襲で来るべきだった。」
「その【椅子】があるとはいえ、正面から挑んでくるなんて・・・」
「それは計算ミスだろう、ウタハ。」
「遮るものも無いこんな広い屋上で、私に正攻法で勝てるとでも思ったのか?」
「・・・君の言うとおりだ、ここには遮るものはなにも無い・・・」
「そう、天上すらもね。」
「?」
その時微かな風切り音がした
【フォン――】
「・・・この音は!?」
それと同時に何かが着弾した
【ドゴオォン!!】
「まさか、曲射砲!?いったいどこから!?」
「うちのヒビキがミレニアムタワーの反対側から、ね。」
「君がヒビキを狙撃するためには、いくつもの壁や天井を貫通させなきゃいけない。」
「君も同じ様に、曲射でもしない限りはね。
さて、私を目の前にしながら、君にそのどちらかが出来るかな?」
「くっ・・・!?」
「ふふ、もう一度言ってあげようか?」
ウタハはその瞬間にやりと笑みを浮かべた
「計算通りだ。」
【ミレニアムタワー最上階・廊下】
「・・・狙撃が止んだ。」
「ウタハ先輩とヒビキちゃんだ!カリン先輩の相手をしてくれてる間に急ごう!」
【ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―――】
「"うわっ!"」
「えええっ!な、なに、地震?」
「爆発、みたいだけど・・・まさか!?」
【ミレニアムタワー・最上階廊下】
マキとコトリとアカネが居る区画
現在爆発により、辺りは煙で充満していた
「くうっ・・・講義はまだ、終わって・・・!」
「ひーっ、死ぬかと思った!一体どこにそんな大量の爆弾を隠してたのさ・・・!」
「ふぅ、あまり、学校の施設を壊したくはないのですが・・・」
「ユウカ、申し訳ないですが、シャッターーは無理矢理爆破しました。
ゲーム開発部の現在位置は?」
『さっきまでカリンが足止めしてたけど、見失ったわ。』
『けど・・・どこに向かってるのかはわかる。』
「【鏡】がある、生徒会の差押品保管所の方ですね。
では、すぐにエレベーターでそちらへ向かいます。」
そう言いながら、アカネはエレベーターの指紋認証システムに指を押し当てる
【ピピッ―――】
その音と同時に
【バッツン!!】
急に全ての電気が落ちた
「!?、どうしました?ユウカ?ユウカ??」
「まさか、電力を遮断・・・!?」
「くっ、ここまでするとは・・・!!」
【ミレニアムタワー最上階・エレベーターホール】
「さっきの停電、ウタハ先輩とヒビキの策が成功したって事だよね?」
「うん、そのはず。あ、先生。足元暗いので、気を付けてくださいね。」
「"ありがと、ミドリ。"」
「ここさえ抜ければ・・・」
「うん、もう生徒会の差押品保管所のはず。ようやくこれで・・・!」
「お、やっと来たね!」
(やっぱりここで待ってたんだね・・・)
「?」
「!?」
「遅かったねー、だいぶ待ってたよ~」
「ようこそ、ゲーム開発部!それに、えっと・・・先輩、だっけ?」
「"私はシャーレの先生だよ。アスナ。"」
「あ、そうそう!思い出した!【先生】だったね!」
「ずっと会えるのを楽しみにしてたんだよ~?」
「あ、アスナ先輩!?どうしてここに!?」
「どうしてって言われても~・・・なんとなく?」
「予感とか直感とか、そういうのってあるでしょ?ここで待ってたら先生にも、
あなたたちにも会えるんじゃないかなー、って。」
「そんな予感がしてたから!」
「難しい言葉じゃないのに、全然何言ってるかわからない・・・」
「さっ、じゃあ始めよっか?」
「えっと、念のために聞くのですが・・・何を?」
「戦闘を!私、戦うのが大好きなの!」
「あ、そうだ。まだ自己紹介してなかったね。」
「C&Cコールサイン・ゼロワン、アスナ――行くよ!」
「やっぱりぃっ!?」
「"皆戦闘態勢!!"」
「"アスナの武器はFA-MASだよ!"」
「"FA-MASはブルパップだから排莢が顔の近くで、とっさに左右に銃の切り替えが出来ない!
だから遮蔽物を使われた時は左右片方の方向からしかクイックピークできない注意して!"」
「「了解!!」」
【ミレニアムタワー・オペレーションルーム】
「差押品のロボット全部出して!」
「本当なら塗装しなおして、学校の掃除用ロボットとして使おうかと思ってたけど・・・」
「背に腹は代えられない、今は侵入者たちを撃退するのが先!」
「メイド部の命令を聞くように、全機プログラムを変更したわ、アカネ!」
『承知しました。ロボットも使わせてもらって、あらためてゲーム開発部を【お掃除】します。』
【ミレニアムタワー最上階・エレベーターホール】
【ダダダッ】
「撃っても一発も当たらない!!!」
【ダダダダダッ】
「うあぁっ!」
「"モモイ!"」
(やっぱりアスナは強い。直感による回避運動が神懸っている・・・)
「で、でたらめに強い・・・!」
「これが、C&Cのエージェント・・・!」
「ふーん・・・」
アスナは小さく目を細めた
(思ってたより、全然悪くない。お世辞にも戦闘能力が凄いとは言えないけど・・・)
(チームワーク・・・って言うのかな、まるで、二人で一人みたいな動き。)
(その点においては間違いなくベテラン級)
「双子のパワー、ってやつかな。良いじゃん、良いじゃん!」
「くぅっ、まさかここでアスナ先輩と出くわすなんて・・・」
「お姉ちゃん、一旦退こう!」
「うん、仕方ない・・・!」
「そうはさせないよっ!」
モモイとミドリが撤退しようとした瞬間
【ドカアァン!】
二人の近くに55口径の弾丸が着弾した
「"っ!"」
(カリン・・・!)
「きゃぁっ!?」
「対物弾!?何で!?」
「これ、カリン先輩の・・・っていうことはまさか、ウタハ先輩!?」
「ハレ先輩から連絡!カリン先輩を抑えられなくなって、ウタハ先輩が捕まっちゃって!」
「この状況を見ればわかるよ!」
「あっ、マキからも連絡!アカネ先輩がシャッターを爆発させて脱出したみたい!」
「同時に、凄い数のロボットがこっちに向かってきてるって・・・」
「ええっ!?」
「あははっ、何が何だかわからないけど、私たちが優勢って感じ?」
「もしかして、もうそっちの計画は失敗寸前かな!」
「ううっ・・・!」
「失敗・・・。」
「・・・違う。」
「まだ、失敗じゃない・・・!」
【ミレニアムタワー最上階・生徒会所有の反省部屋】
時間は巻き戻り、ミレニアムタワーが停電する直前
誰かが置いて行ったルービックキューブで遊んでいたアリス
その瞬間部屋の電気が完全に消えた
「・・・あっ。電力遮断、このイベントが起きたという事は・・・」
【ガチャン】
停電によって電気供給が止まり、
電子ロックがフェイルセーフによって解除された
「EMP発動・・・ハレ先輩のハッキングを使った設定の変更・・・」
「タワーの電子式扉を自由にできる、シャッターにしたのと同じ方法。」
「把握しました。アリス脱出します!」
「ここからの、アリスのクエストは・・・」
「まず、生徒会の差押品保管所に向かう事・・・」
そう言いながらアリスは反省部屋から抜け出した
【ミレニアムタワー最上階・エレベーターホール】
「私たちが派手に動けば動くほど、一度閉じ込めたアリスへの警戒は少なくなるはず。」
「それに、もしこのタイミングで私たちが捕まったとしても・・・」
「謹慎ぐらいだったら、部室でこっそりB.Bibleで【テイルズ・サガ・クロニクル2】が作れる。」
「うーん、何の相談かなー?」
「ちょっとずつ必死さが無くなってる気がするけど・・・」
「まさか、諦めたわけじゃないよね?」
「この状況なら、諦めた方が賢明だとは思いますけどね。」
「うっ、ユウカ!」
「久しぶりね。とりあえず、ここまで状況を引っ掻き回したことについては褒めてあげる。
それについては本当に驚いたわ。」
「でも、それはそれ、これはこれ・・・」
「こんなありとあらゆる方法を使ってまで生徒会を襲撃するなんて、やり過ぎよ。」
「猶予を与えた事と言い、ちょっと甘すぎたのかしら。」
「もう悪戯じゃ済まされないわよ。無条件の一週間停学か、拘禁くらいは覚悟した方が良い。」
「停学!?拘禁!?」
「そんな、一週間だと・・・ミレニアムプライスが終わっちゃう!」
「アリスちゃんも、今は反省部屋に入って貰ってるわ。」
「一人だけで可哀想だったけど、あなた達が来ればきっと喜ぶでしょう。」
「うぅっ・・・!」
「お、お姉ちゃん・・・」
「捕まっても大丈夫だと思ったけど・・・」
「このままじゃ・・・たとえ【鏡】を奪えたとしても、
アリスとユズだけじゃゲームは作れない・・・」
「どうにかして、突破しないと!」
「突破?へえ、私たちを?」
「ふぅ、やっと着きました・・・」
「こんなに息が切れるなんてまさか、本当に体重が・・・いえ、そんなはずは・・・」
「「うえぇ!?」」
「あ、アカネ先輩に、戦闘ロボットまで!」
「ふふっ、今度こそ【本物】みたいですね。」
「改めて、初めまして。モモイちゃん、ミドリちゃん。」
「ふふ、マキちゃんとコトリちゃんについては、ギリギリ許せる範囲かもしれませんが・・・
ここまで入り込んで来てしまったあなたたちに、もう言い訳の余地はありませんよ。」
「先生も、シャーレに抗議文くらいは送らせて頂きますので。ご承知おきくださいね。」
「"あはは・・・じゃーまた今度書類のお手伝いでユウカを呼ぶね?"」
「私が出した抗議文を私に処理させようとしないでください。」
「ううっ・・・」
「ここで、本当に・・・?嫌だ・・・っ」
「お姉ちゃん・・・っ!」
「ごめん、ごめんね先生・・・
先生は色々助けてくれたのに、私たちの力不足で・・・私たちのせいで・・・!!」
「"ふふ、モモイ。諦めないで。"」
(モモイ。ここまで君たちは頑張った)
「"なんてったって、私たちには魔王様に鍛えられた勇者様が付いてるんだからね。"」
(だから、この未来が間に合った。)
「え・・・」
「ターゲットを確認。」
【ギュイイイイイン――】
「魔力充電、100%・・・」
「こ、この音は・・・」
「お姉ちゃん、伏せて!!」
「?」
「ん?」
「・・・?」
アカネにアスナ、そしてユウカは疑問符を浮かべながら固まった
固まってしまった
「―――光よ!!!!!!」
【バチィィィィィィィッ!!!!】
瞬間エレベーターホールが白い閃光で埋め尽くされた
「くっ!!」
「きゃあっ!」
「あ、アスナ先輩!?大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃないよー!あははっ、思いっきり当たっちゃった!何これめっちゃ痛い、
頭のてっぺんからつま先まで今1ミリも動かしたくない!」
「・・・大丈夫そうですね。」
「そんな、アスナ先輩と半分近くのロボットをまとめて行動不能に・・・!?」
「た、たった一発で、この火力・・・!」
「カリン、状況を報告してください!今のビーム砲はどこから・・・!?」
「カリン、カリン!?そういえば、カリンの火力支援が止んで・・・いつから!?」
急に爆発音が聞こえた
【フォンッ―――!】
夜なのに外が明るくなった
「あの光は・・・屋上!?」
【ミレニアム・第三校舎屋上】
「くっ、目が・・・!閃光弾だと!?」
「私の後輩は、大事な先輩に爆撃を当てたりしない優しい後輩・・・で、あってるとも。」
「それでいて、ものすごい賢い。この状況を予測し、そこで的確な選択が出来る位にはね。」
「くっ、これじゃアカネの支援が・・・どうしてここまで!」
「どうして・・・?それは部活を守りたいからに決まっているだろう?」
「・・・噂に疎い私でも、聞いたことはある。」
「あのゲーム開発部は、ちゃんとした部活動とは言い難い。」
「あんな自己中な問題児たちを、なぜ助ける?」
「・・・ただの自己中じゃないから、かな。」
「あの子達は友人の為に、一生懸命頑張っている。」
「別に部活動じゃなくても、ゲームは作れるだろう。」
「それは君の言うとおりだ。」
「けれどね。もちろんただの【友達】にも意味はある、それでも・・・」
「同じ部活の仲間というのは、お互いを強く結び付けてくれるものだ。」
「あの子達も、あの部活で一緒にやりたいんだという気持ちがあるから・・・」
「こんなにも、必死に頑張っているんだろう。」
「っでも・・・!」
カリンが口を開こうとした時、風切り音が聞こえた
【ヒュー・・・】
【ドカアアアアアアアアアアン!】
爆発音と共に辺りは真っ白に染まった
「しまった!?」
「・・・ふふっ、計算通り、ではないけれど・・・面白くなってきたね。」
【ミレニアムタワー最上階・エレベーターホール】
【光の剣:スーパーノヴァ】で部屋ごとぶち抜いたアリスが
三人の元に駆けよってくる
「先生、モモイ、ミドリ!今です!」
「アリスちゃん!?」
「どうしてここに!?」
「アリスは、アンラから皆を助ける様に言われています!」
「なので、アリスも戦います!」
「アリスちゃん・・・」
「・・・うん、どうせこのまま捕まったら全部終わり。」
「行こう、ゲーム開発部!」
「うん!」
「”私も抗議文の書類漬けは勘弁して欲しいからね!逃げるよ!”」
「っ逃げられる!先生は!後で!!絶対!!送りますからね!!!!」
「逃がしはしません・・・!」
「アカネ、戦闘を開始します!」
【ダダダダダダダッ!!】
残っていた戦闘ロボット部隊が一斉に前進する
「うわぁっ!?」
「まだこんなに残ってたの!?」
「"皆、走りながら応戦!目的は撃破じゃないよ!"」
「"アカネを止めて、そのまま差押品保管所まで突破する!"」
「「了解!!」」
私の指示を聞きモモイとミドリ、そしてアリスが即座に駆け出す
その背後から、ユウカが鋭く指示を飛ばした
「ロボット部隊は左右展開!逃走経路を塞いで!」
「アカネ、ゲーム開発部を足止めして!」
「承知しました。」
【ダッ!!】
アカネが一気に距離を詰める
速い
やはり異常な走力
「うそっ!?もう来た!?」
「は、速すぎるよぉ!?」
「"やっぱりここで一番厄介なのはアカネだね・・・!"」
先生が即座に状況を読む
ロボットは牽制で止められる
ユウカも前線型ではない
だがアカネだけは別
単独で追いつき、そのまま拘束してくる
このままでは保管所へ辿り着く前に捕まる
「"アリス!アカネだけ止める!"」
「了解です!」
アリスが急停止した
「先生!?」
「ここで迎え撃つ気ですか!?」
アカネが低姿勢のまま突っ込んでくる
【ダンッ!!】
床を滑るような高速移動
手にはスタングレネード
「逃がしませんよ!」
投擲
【カンッ】
だがその瞬間
「遅いです!」
【ブォンッ!!】
アリスがスーパーノヴァを横薙ぎに振るう
砲身そのものによる一撃
スタングレネードが空中で弾き飛ばされた
【バァンッ!!】
後方で閃光が炸裂する
「っ!」
その閃光の中を、アカネがさらに加速した
「近接戦なら――」
だが
アリスはそこで下がらない
むしろ一歩前へ出た
「?」
アカネの目が僅かに細まる
以前戦った時のアリスなら、距離を取って砲撃していた
けれど今は違う
【ガンッ!!】
アリスがスーパーノヴァを床へ叩きつけた
床が砕ける
その反動で
超重量の砲身が、
まるで跳ね上がる鉄柱のようにアカネへ迫る
「――っ!?」
跳ね上がった砲身を回避しようとする
瞬間、アカネの重心が揺れた
その一瞬
アリスが身体を回転させる
「はぁっ!!」
【ドゴォッ!!】
回し蹴り
スーパーノヴァの重量反動を乗せた一撃
アカネの脇腹へ直撃した
「がっ――!?」
アカネの身体が吹き飛ぶ
【ガシャァァンッ!!】
壁へ激突
ガラスが砕け散った
「アカネ!?」
ユウカが目を見開く
「今の・・・砲撃じゃない?」
「蹴り・・・?」
しかも
ただの蹴りじゃない
超重量武器の慣性制御を利用した体術
今朝のアリスとは、動きの質そのものが違う
「"今だよ、皆走って!!"」
「う、うん!」
「アリスちゃん早く!」
「はい!」
アリスが再び駆け出す
残ったロボット兵が前に出ようとするが
「"モモイ!牽制!"」
「私の怒りの弾丸をくらえー!!」
【ダダダダダダッ!!】
弾幕がロボットのセンサーを叩く
「ミドリ、脚部!」
「ドットを打つように緻密に!」
【ダダンッ!!】
精密射撃
ロボットの足関節が砕け、通路を塞ぐように倒れ込んだ
「よし、道が出来た!」
「"このまま一気に保管所まで!"」
「「おーっ!!」」
その背後
瓦礫の中から、アカネがゆっくり身体を起こす
「っ、く・・・」
呼吸が乱れている
脚も止まっていた
ユウカが駆け寄る
「アカネ、大丈夫!?」
「・・・はい。」
そう答えながらも
アカネの視線は、逃げていくアリスへ向けられていた
「まさか・・・」
「重火器で、近接格闘まで。」
「しかも、反動と重量制御を利用したカウンター・・・。」
アカネが小さく息を吐く
「これは・・・最初の戦い方から・・・騙されましたね。」
さー・・・
本当はアリスちゃんの危険度をリオに誤認させるために、
実際の戦闘力を抑えて戦うように言われていたアリスちゃん。
でもアンラからの皆を守ってという言葉を優先し、全力をもってアカネを蹴とばす。
ってかやっぱりアリスちゃん大分強くなったな!(白目)
にしてもゲーム開発部の特殊部隊感が原作よりも更に増しそう・・・