おっさんキヴォトスに行く   作:無い頭のおっさん

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ばにたすばにたーたむ

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本日一斉投下の4話目です!気を付けてね!


おっさん何故か修理費請求される

【ミレニアムタワー・ラウンジ】

 

ここはソファーやクッションなどが置かれた、憩いの場となっている廊下の一角

本来であれば、生徒達の笑い声や、

研究レポートを読んでいる生徒等でごった返している場所であるが・・・

 

今は誰もおらず、そこの空気も張り詰めていた

 

その張り詰めた空気は、ソファーへ座る一団から放たれていた

その面々はメイド服を着て、全員渋い顔を浮かべていた

 

誰も口を開かない

 

空調の低い駆動音だけが、妙に耳についた

 

「「・・・・・・。」」

 

その中で一番身長が小さい、ネルがC&C全員の前で口を開いた

 

「なるほどな・・・アイツらはゲーム開発部っていうのか。」

「知らねぇ部活だが・・・そいつらにしてやられたって事だな?」

 

ネルが確認をするように、言葉を連ねる

 

「・・・申し訳ありません。この依頼を受諾して、作戦を準備したのは私です。」

「メイド部の名に、傷をつけてしまいました・・・」

 

申し訳なさそうな表情を浮かべながら、

アカネが部長のネルに謝罪をしていた

 

「んなこたぁどうでもいい。なんだったらあたしもしてやられたからな。」

 

「・・・え?」

 

「それに、あたしがここに戻ってきた時にリオから連絡が来た。」

 

ネルの口から思っても見ない人物の名前が出た事でカリンが反応する

 

「・・・ミレニアムの生徒会長から?」

 

「あぁ。依頼は撤回。無かったことに、だとよ。」

 

「!?」

 

「それは、いったいなぜ・・・?」

 

「あたしの知った事かよ・・・けど多分、リオもヒマリも確かめてみたかったんじゃねぇのか?」

 

「確かめる・・・?私たちの力を、ですか?」

 

「逆だ。あのアリスとか言う奴の方だろ。」

 

ネルの脳裏に、砂色のローブを翻しながら、

自分の動きに食らいついてきたアリスの姿が過る

 

「ま、その辺の事情は知ったこっちゃねぇ。」

 

「依頼とは関係なくなったが・・・アカネ、調べておいてくれ。」

 

「はい?何をですか?」

 

「ゲーム開発部だ。・・・その背後に居る奴もまとめてな。」

「特に・・・あのアリスっていう奴に戦い方を教えた奴を徹底的に探せ。」

 

「いきなり何故・・・リベンジ、ですか?」

 

「・・・まぁちっと、個人的に興味があってな。」

「一通り情報が洗えたら、そいつらんところに行くぞ。」

 

「はい、望むところです。今頃あの子達は、メイド部に一泡吹かせたと喜んでいる筈。」

「ふふっ、次にお会いする時はどんな表情を見せてくれるのか・・・楽しみですね。」

 

 

 

 

 

 

【ミレニアムタワー・ゲーム開発部部室】

以前は空き缶とゲーム機のコードでグチャグチャな部屋だったが、

今では床も見えるようになり全体的に清潔感が溢れる場所になっていた

 

「ほんで、ミレニアムタワーに縦穴開けて逃げてきたと・・・」

 

「そ、そうなんだよ!アンラさん!大変だったんだよ!」

「最後なんかあのネル先輩に見つかって!アリスちゃんが頑張って戦ってくれたけど・・・」

 

「はい!アリス、アンラの言いつけ通り皆を守りました!」

 

胸を張って誇らしそうにしていた

 

「ははは、そうかそうか、アリスもようがんばったな~」

 

おっさんが撫でると目を細め嬉しそうな顔をしているアリス

 

「私たちも頑張ったんだよー!?」

 

「そうやったなー」

 

そう言いながらモモイ達も一人一人頭を撫でていくおっさん

 

 

 

「"・・・あのアンラさん・・・"」

 

「おん?どうした先生。」

 

「"私はいつまで・・・地面に正座していれば・・・?"」

 

「おぅ、B.Bibleのパスワードが解除されるまでそのままな。」

 

「"うぅ・・・"」

 

先生は部屋の隅で、綺麗な正座のまま項垂れていた

まるで職員室に呼び出された生徒みたいだった

 

「自己犠牲辞めろって言ったよな。その頭何詰まっとんねん。」

「あと、先生がぶち抜き指示したタワーの修理費何故か

おっさんに来とるんやけど、これはなんでや?」

 

「"い、いや・・・それは私も知らないです・・・"」

 

「・・・この請求は後でシャーレに送っとくな・・・」

 

「"う・・・ち、ちなみにおいくら・・・ほど?"」

 

「ざっくり100億程。」

 

金額を聞き先生の顔が青ざめる

 

「”ヒュッ・・・リンちゃんに殺されるっ・・・”」

 

「知らんがな・・・」

 

「"し、知らないはないじゃないです?!逃げろって言ったのアンラさんですよね?!"」

 

「ハハ、おっさんずっとここ居ったし?

先生が心の中で飼ってる幻のおっさんの責任をこっちにもってこられても?」

 

おっさんがニヤニヤしながら言い放つ

 

「"ぐぎぎぎ・・・!"」

 

「前から思ってたけど・・・先生とアンラさん仲、凄く良いよね・・・」

「うん・・・そうだね。」

「アンラと先生は仲良しなんですね!」

「これは・・・仲が・・・いいのかな・・・?」

 

 

そんなやり取りをしていると、部室の扉が開かれた

 

ガチャッ

 

部屋に入ってきたのは、ヴェリタスのマキだった

 

「ハ~イ、ゲーム開発部のちびっ子たち!マキちゃんからプレゼントのお届けだよ!」

「うわ、え?先生なんでそんなとこ座ってるの・・・?」

 

「"PWの解除が終わったの!?"」

 

「え?あ、うん終わったけど・・・」

 

「「"遂に!"」」

 

先生とモモイの声が重なった

 

「”解放される!イダダダダ・・・”」

 

正座から解放されて急に立った先生だったが、

完全に足がしびれていて地面で身もだえしていた

 

「じゃじゃーん!」

 

マキが持ってきたノートパソコンを見せてくる

 

【G.Bible.exe・・・実行準備完了】

 

「ようやく、G.Bibleが私たちの手に・・・!」

 

「遅れてごめんねー【鏡】をセミナーに返すことになって、

その件でちょっとバタバタしちゃって。」

 

「ええっ、【鏡】返しちゃったの!?」

 

「実は、ヒマリ先輩は最初から全部知ってたみたい。

それくらいあげてもいいから、これからはあんまり無理しないでって。えへへっ。」

 

 

「ほんで、ヒマリとリオが企んだこの出来レースの塩梅はどないやった?」

「・・・最後にアリスちゃんがネルと互角にやり合ったので・・・」

「危険度はかなり高めに設定された・・・か。」

「恐らくは・・・」

「まぁどないしようも無い時はこっちでリオも舞台も最悪処理する。」

「リオ自身を処理しないでくださいね。」

「人を殺し屋みたいにいいよってからに・・・」

 

 

「あ、それでね。G.Bibleを開いてた時にこの、【Key】っていうフォルダを見つけたの。」

 

「何これ・・・ケイ、って読むのかな?」

 

「・・・ケイ?」

 

「【キー】でしょ!お姉ちゃんは本当に高校受験合格したの!?」

 

「実は、こっちについては何一つわからなくって。

ファイルは壊れて無さそうだけど・・・私たちの知ってる機械語じゃ解読できない、

信じられないような構成をしてる。」

 

「G.Bibleの方はきちんと開けたけど、

こっちはちょっと見ただけじゃ何にもわからなかったの。」

「この【Key】の事、何か知ってたりする?」

 

「いや、私たちも全然・・・」

 

「・・・もしかして、【Key】って・・・まさか、あの時の?」

 

「ふうん、何かあったの?ま、でもとりあえず今はG.Bibleの方でしょ」

「【Key】についてはまた今度ね。時間があったら頑張って分析してみるよ。」

「じゃ、間違いなく渡したから。またね!」

 

「マキちゃん、ありがとね!」

 

「今度会う時は、秘書を通して連絡してね!

なにせ私たちは、【TSC2】で大ヒットする予定だから!」

 

「あははっ、楽しみにしてるよ!」

 

 

 

 

 

「皆集まって!」

「改めて・・・G.Bibleを起動するよ!」

 

モモイが唾を飲み込む

 

ミドリも、ユズも、

思わず画面へ身体を寄せていた

 

「それじゃ!G.Bible起動!」

 

【ピロリ】

 

そんな音と共にExeが展開され、G.Bibleが起動される

 

【G.Bibleの世界へようこそ。】

 

「は、始まった!どんなゲームエンジンなのかな!」

 

【最高のゲームとは何か・・・この質問に対して、

世界中で様々な答えが模索され続けてきました。】

【作品性、人気、売上、素晴らしいストーリーや爽快感、鳥肌の立つ演出など。】

【そういったものが最高のゲームの【条件】としてあげられる事は多いですが、

それらは全て、あくまで【真理】の枝葉にすぎません。】

 

【最高のゲームを作る秘訣、それはたった一つです。】

【そしてこのG.Bibleには、その真理が秘められています。】

 

「え?え?ゲームエンジンは?」

 

「落ち着いてお姉ちゃん!

も、もしかしたら、まだ仕様説明なのかも!」

 

【最高のゲームを作るたった一つの真理、秘密の方法・・・それを今こそ教えましょう。】

 

【ゲームを愛しなさい。】

 

「おぉ・・・なにか起動する前振りっぽい・・・」

 

【ゲームを愛しなさい。】

 

 

 

「・・・まさか、これで終わり・・・じゃ、ないよね?」

 

「な、何かバグってるんじゃない?」

 

「ちょっと待って!ええっと、設定変更が何処から・・・」

 

【ゲームを愛しなさい。】

 

【あなたがこのボタンを押したという事は、ファイルが壊れた、

もしくは何か問題があったのでは、何らかのエラーが生じたのでは・・・

と疑っている状況なのでしょう。】

 

「あっ!やっぱり動いた!」

 

【しかし、エラーではありません。残念ですが、これが結論です。】

【ゲームを愛しなさい!】

 

「そ、そんなはずはない!きっと何かエラーが・・・!」

 

「ファイルの損傷とか修正も見当たらない・・・

最後の転送情報、ファイルサイズ、それにデータ構成も問題なし。」

 

「そ、それじゃ、本当に・・・」

 

「ゲームエンジンじゃ・・・ない?!」

「・・・お、」

 

「お姉ちゃん・・・私たち、何か悪い夢でも見て・・・」

 

「終わりだああぁぁぁあああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきまで騒がしかった部室が、今は妙に静かだった

それもそのはず、部室には二体の抜け殻が転がっていた

モモイとミドリである

 

「あの、モモイ・・・デイリークエストしないのですか?」

「いつも【デイリークエストより大事な物なんてない】と言っていたのに・・・」

 

「アリス・・・私のHPはもう・・・ゼロだよ・・・」

 

「えっと・・・ミドリ・・・?」

 

「ごめんね、アリスちゃん・・・知ってたけど、現実って元々こういうものなの・・・

そう、つまりこれがトゥツーエンド・・・ハッピーエンドとはまた別の到達点・・・」

 

「ゆ、ユズは・・・ユズはどこに?」

 

「あー・・・ほら、そこのロッカー見てみ。たまに震えとるやろ。」

 

「アンラ・・・今の皆の姿は・・・」

 

「あーまぁ頼みの綱がタダの根性論書いた紙やったから打ちひしがれとるんよ」

 

「それで、こんな・・・正気がログアウトしたような光景に・・・」

 

「うぅ・・・仕方ないじゃん、最後の手段だったのに!それが、あんな誰でも知ってる文章が一つ入ってるだけだなんて!釣りにも程がある!」

 

「知ってた!世界にはそんな、それ一つで全部が変わって上手く行くような、

便利な方法なんかないって!でも期待ぐらいしたっていいじゃん!うらあぁぁぁんっ!」

 

「はぁ・・・」

「ごめんね、アリスちゃん・・・

私たちは・・・G.Bible無しじゃ、良いゲームは作れない・・・」

 

「・・・いいえ。否定します。」

「アリスは【テイルズ・サガ・クロニクル】をやるたびに思います。」

 

アリスのその発言でおっさんがぎょっとする

 

「アレを何回もプレイしてたんか!?」

「今良い所なんで黙ってましょうね!アンラさん!」

 

「あのゲームは、面白いです。」

 

「感じられるのです。」

 

「モモイが、ミドリが、ユズが・・・このゲームをどれだけ愛しているのかを。」

「そんな、たくさんの想いが込められたあの世界で旅をすると・・・」

「・・・胸が、高鳴ります。」

 

「仲間と一緒に新しい世界を旅する、あの感覚は・・・」

 

アリスは胸元で手を握る

 

「夢を見ると言うのが、どういうことなのか・・・その感覚を、アリスに教えてくれました。」

 

「だから、待望のエンディングに近づくほどに、

あんなに苦しんだのに、思ってしまうのです・・・」

「この夢が、覚めなければいいのに・・・と、アリスはそう思うのです。」

 

「アリス・・・」

 

「・・・」

 

「ってうわっ、ユズちゃん!?いつからそこに!?」

 

「テイルズ・サガ・クロニクルの話が始まった時から・・・」

 

「最初からいたの!?」

 

「・・・作ろう。」

 

「え?」

 

「私の夢は・・・わたしが作ったゲームを、みんなに面白いって言ってもらう事。」

「でも、わたしが初めて作った【テイルズ・サガ・クロニル】は

4桁以上の低評価コメントと冷やかしだけで終わっちゃって・・・」

 

「それが辛くて、ゲーム開発部に引き籠ってた時・・・

アンラさんが来てくれて、出資や、色々を手伝ってくれるって言ってくれた・・・

でもその時わたしはゲームを作る事が怖くて・・・引きこもってしまった・・・」

 

「そんな時に、二人が、訪ねて来てくれた。

二人は、私が作ったゲームを面白かったって言ってくれたよね。すごく嬉しかった。」

 

「そのあと、アンラさんの出資もあって二人と一緒に

【テイルズ・サガ・クロニル】を完成させた・・・

クソゲーオブ〇イヤー1位になっちゃったけど・・・」

 

「うっ・・・」

「・・・」

 

「その後、アリスちゃんが訪ねてきてくれて・・・面白いって言ってくれた。

それで、わたしの夢は叶ったの。」

 

「心の通じ合う大事な仲間たちと、

一緒にゲームを作って、それを面白いって言ってもらう・・・」

「ずっと一人で思い描いてるだけだった、その夢が。」

 

「・・・」

 

「これ以上は、欲張りかもだけど。

叶うなら、わたしはこの夢が・・・この先も終わらないで欲しい。」

 

「ユズちゃん・・・」

 

「・・・うん、よし!」

「ねえ、今からミレニアムプライスまで、時間はどれぐらい残ってる?」

 

「お姉ちゃん・・・!」

 

「6日と4時間38分です!」

 

「・・・それだけあれば十分。」

「さあ、ゲーム開発部一同!【テイルズ・サガ・クロニル2】の開発、始めよう!!」

 

「「「うん!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ先生みてっか?」

 

「"見てますよ・・・"」

 

「前にも俺は言ったやろ?生徒が笑うには先生も笑わないといけない。

先生を犠牲にした上で生徒は笑えるのかってな。」

 

「"・・・"」

 

「あの子らが今笑ってるのは、先生が犠牲にならんかったからや。

そこらへんよう反省しいや?」

 

「"はい・・・"」

 

「さて、おっさんらは子供らのサポートに回りますか、

おーい、なんか買って来るけど欲しいもんとかあるかー?」

 

「私は妖怪MAXがいい!」

「私もお願いします。」

 

「あいよーとりあえず妖怪MAXは全員分買っておくわ。

あとは適当におにぎりとかサンドイッチとか片手で食えそうなんも買ってくるわ。」

 

「"私も荷物持ちますね。"」

 

「おー頼むわ。」

 

そう言って大人二人が部室から出るころには、

 

キーボードを叩く音と、

楽しそうな声が、夜の部室へ響いていた

 

さっきまで絶望しこの世を憂いていたのが嘘の様に、

楽しそうに、ゲームを作っていた




ネルがなんかアリスに戦い方教えた人に執着してるなぁ
なんでだろ(すっとぼけ)

原作でもこのTSC2を作るぞ!っていう所は良い所だよねぇ・・・
ゲーム開発部が本当の意味で一つになった場面な気がする。

あ、ちなみに作者がデスマーチでの必要な食料の解像度が高いのは、
自分自身が二か月休み無しで一生デバッグしてた人間だからですね。
モンエナ美味しいモンエナ美味しい!紅茶美味しい!紅茶美味しい!!!
ロールケーキ、ロールケーキ!片手でかぶり付く!脳味噌に染みる!!
アハハハハッハハアハハハハハハハハハはははは


そんな感じです。

あ、ちなみにモンエナが高いって人は紅茶、緑茶がおすすめです。
濃い目に抽出して、ガムシロとか砂糖クソほどぶち込んで決めると
安価版モンエナになります。


おっさんぷち情報!
まぁせっかくいい感じで終わったからね!あんまり重いのは無しで!
おっさんの流派は格闘術もあるのは以前に言ったと思うんですが、
その内最も威力がある攻撃は、左手から繰り出す一撃です。
ちなみに技の名前もあります。
コレはおっさんの弟子が編み出しました。
そしてその弟子の技を今だに好んで使っています。
まるで、俺の弟子は凄いやろって自慢するように。
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