おっさんキヴォトスに行く 作:無い頭のおっさん
おっさんが輩に・・・元からか・・・ばにばに・・・
一括投稿2/2です
お気をつけて!
追伸!
寝る前に急いで書いたから誤字多いかも!
いつも誤字の修正ありがとうございます!
明日になったら、一度熟読してこちらでも直すので、お気軽な気持ちでお願いします!
【ミレニアム廃墟・研究地区】
ケテルとの戦闘を終えた私達は、
そのまま水没地区の最奥を目指して歩き続けていた
辺りは静かだった
先程まで姿を現していた自律型兵器も、もう一機たりとも現れない
まるで、この先へ近付く者を阻む役目を終えたかのように
やがて水没した道路の先へ、一際大きな建物が姿を現す
外壁は崩れ、窓ガラスは砕け散っている
長い年月、人の気配が絶えていた事を物語るような、静かな廃墟だった
ヒマリが端末を確認し、小さく頷く
「・・・ケセドのデータにあった座標はここですね。」
私は小さく息を吐く
「"そう言えば、行きに言っていた"」
「"ヒマリが現場に出てきた気になる事って何だったの?"」
ヒマリは端末を閉じると、ゆっくりと私へ向き直る
「それは・・・ケセドからここの位置情報が出て以来、」
「私はここについての情報を沢山収集してきました。」
私だけでなく、エイミも興味深そうに耳を傾ける
アンラさんは腕を組んだまま、黙って話を聞いていた
「その為、ハッカーとして、ありとあらゆる手段も使っています。」
「その結果として、興味深い情報がいくつか見付かりました。」
ヒマリの声色が少しだけ真面目になる
研究者として
一人のハッカーとして
ようやく辿り着いた結論を語ろうとしているのが分かった
「神を研究し、その存在を証明できれば・・・」
「その構造を分析し、再現できるだろう。」
「すなわちこれは、新たな神を創り出す方法である・・・」
少しだけ間を置く
「これが【対・絶対者自立分析システム】の設計思想です。」
私は思わず息を呑んだ
神を創る・・・
あまりにも現実離れした言葉だった
「ほーん、まぁ確かに出来ん事はあらへんな。」
あまりにも軽い返事だった
私は思わずアンラさんを見る
当たり前のように頷いている
("・・・え?")
普通なら、誰だって笑い飛ばす話なのに・・・
ヒマリも、その反応へ一瞬だけ視線を向けたものの
何も言わず続きを話し始めた
「その絶対的な存在を証明しようとする研究が、」
「この廃墟の何処かで行われていたのです。」
風が吹き抜ける
崩れた建物の隙間から入り込んだ風が足元の紙片を静かに転がしていった
「その為に調人工知能を作ろうとしたようですが・・・」
「最終的に完成には至りませんでした。」
「ですので、証明は始まるまでも無く終了しました。」
私は改めて周囲を見回す
崩れた建物
静まり返った研究施設
ここで行われていた研究も
働いていた人達も
もう何も残ってはいない
「しかし、もしこの研究室にデカグラマトンが居るのであれば、話は変わってきます。」
「"つまり・・・"」
ヒマリはゆっくりと建物を見上げた
「お察しの通りこの場所こそが、その研究が行われた場所です。」
私は小さく呟く
「"つまり、デカグラマトンの正体は・・・"」
「廃墟に残ったAIが神を証明する為に分析を続け・・・」
「最終的に、自らを神だと称する事になったのだとしたら・・・」
数秒
誰も言葉を発さない
その仮説は、あまりにも突飛だった
けれど予言者達を知っている人間からすれば
完全に否定する事も出来なかった
「・・・とはいえ、今はただの仮説にすぎません。」
ヒマリはそう言うと、小さく息を吐いた
「何が真実なのかをこの目で確かめるために、私達はここに来たので。」
「しかし少なくとも、何らかの真実はこの建物の中にあるでしょう。」
ヒマリが静まり返った研究施設を見上げる
崩れた壁、割れた窓
風に揺れる配線
何十年も時が止まったような景色だった
「まぁ、入らな話も始まらんしな、」
アンラさんが肩を竦める
その口調はいつも通り飄々としている
まるで、これから廃墟へ踏み込むという緊張感など欠片も感じていないようだった
「神様気取りのアホAIと【お話】しに行こうや。」
その言葉に、思わず苦笑が漏れる
重くなりかけていた空気が、少しだけ和らいだ
「ええ、そうですね。」
ヒマリも僅かに口元を緩める
ほんの少しだけ
肩の力が抜けたようだった
「では中に入ってみるとしましょうか。」
私達は建物の入口に視線を向ける
崩れた外壁の向こうには、薄暗い廊下が奥まで続いていた
「その前に部長、何か危なくなったら直ぐに下がってよ?」
エイミが振り返りながら念を押す
「はい、その辺りはお二人にお任せしますとも。」
自分が戦う役ではない事を、誰よりも理解しているからこその返事だった
アンラさんも軽く手を上げる
「任しとき。危ななったら、おっさんが引っ張って逃げたる。」
その何気ない一言に、エイミは小さく笑う
「うん、じゃあ・・・行こうか。」
私は一度だけ深呼吸をした
ここから先は
デカグラマトンという存在、その根源へ踏み込む事になる
そう思いながら、私は三人と共に静かな研究施設の中へ足を踏み入れた
【研究所内】
研究所の自動ドアは半ば開いたまま止まっていた
誰かが逃げる途中で、そのまま時間だけが止まってしまったように
私達は慎重に足を踏み入れる
室内は暗い
照明は全て落ち
割れた天窓から差し込む光だけが床を細く照らしている
壁際には倒れたラック
散乱した資料
ひび割れたモニター
人の姿だけが無かった
静か過ぎる
聞こえるのは、自分達の足音だけだった
「ここがさっき言ってた、対・絶対者自立型分析システムの研究室?」
エイミが荒れ果てた研究所をざっと見まわす
「"特に変わった様子は無さそうだけど・・・。"」
私も辺りを見渡しながら呟く
「ええ。」
ヒマリは車椅子をゆっくりと進ませながら、周囲を見渡す
視線は部屋全体を忙しなく動き
壁、天井、配線、機材
その全てを順番に確認していく
「とにかく、調べてみましょう。」
エイミは小さく頷き、
自然と私の一歩前へ立った
「うん。先生、何が起こるか分からないから、私の傍から離れないでね?」
「"うん、よろしくねエイミ。"」
「まぁおっさんは、機械はようわからんし」
アンラさんが苦笑しながら辺りを見渡す
「先生らについて回るわ。」
そのまま四人は研究室の奥へ進んでいく
部屋の中央
崩れた机の奥で
ヒマリの車椅子が静かに止まった
「・・・見つけました。」
「ん?」
私とエイミが近寄る
ヒマリが見つめていた先には
組み立て途中の大型端末
配線は剥き出しで外装も完成しておらず
まるで途中で作業だけが止まってしまったような姿だった
「この組み上げ途中のパソコンみたいなのが・・・?」
「はい。」
ヒマリは静かに頷く
「恐らくこれこそが、対・絶対者自立型分析システムの本体です。」
私は思わず首を傾げた
「"少なくとも、完成した研究設備には見えないね。"」
「だとすると・・・。」
小さく考え込む
「噂通り、この実験そのものが失敗していた可能性があります。」
「ですが、そうなると説明が付きません。」
私はヒマリを見つめる
「"説明?"」
「ええ。」
「ケセドが残した座標です。」
「わざわざ我々をここへ誘導した理由が存在しなくなります。」
ヒマリの話を聞き、
エイミが一つの可能性に思い当たる
「もしかして、ケセドの中に残された位置情報はただのブラフだったのかな?」
エイミのその発言を受け
部屋に静寂が流れる
("・・・ううん。")
("アンラさんがここまで迷わず来た。")
("それなら、この場所にはまだ何かある。")
「"もう少し辺りを探してみようか。"」
ヒマリも静かに頷いた
「そうですね。」
「何かを見逃しているかもしれません。」
「うん。」
そのまま全員で施設内を探索して回った
薄暗い廊下を進む
壁には剥がれ落ちた案内板
床には散乱した書類
時折、誰かが慌てて持ち出そうとした形跡だけが残っている
しかし人の姿も
機械の駆動音も
何一つ聞こえない
静寂だけが、この建物を支配していた
廊下
食堂
キッチン
シャワー室
大浴場
どの部屋も荒れ果てているだけで
新たな手掛かりは見つからない
やがて
【休憩室】
そう書かれたプレートの前で
エイミが足を止めた
「あ。」
私も視線を向ける
廊下の隅
一台の古びた自販機だけが
静かに灯りを点けていた
ウィーン・・・
小さな駆動音
暗い施設の中で
その人工的な音だけが妙に耳へ残る
「部長、この自販機まだ動いてる。」
「買ってみていい?」
ヒマリは一瞬だけ自販機へ視線を向ける
「遠慮していただけると。」
「何年放置された飲み物か分かりません。」
「飲んだら、何日寝込むことになるか想像もしたくありませんね。」
「そう?」
エイミは少しだけ残念そうに自販機を見つめた
その横で
アンラさんが腕を組みながら自販機をじっと眺めている
「せやなぁ・・・。」
小さく呟く
「にしても、ほんまになんも居らんな。」
周囲をゆっくり見渡し
軽く肩を竦めた
「ちょい、おっさん休憩がてらこの辺調べとくわ。」
「先生らは先行っといて。」
私は少しだけ首を傾げる
「"休憩?"」
「"・・・でも、確かにアンラさん"」
「"ここまでずっと戦ってばかりだったもんね。"」
「"うん、分かった。"」
「"奥を見終わったら戻ってくるね。"」
「おー、頼むわ。」
そう言って
アンラさんは自販機の横へ歩み寄ると
壁へ軽く背中を預けた
その視線だけは
変わらず自販機へ向けられていた
私はその姿を一瞬だけ見つめる
("・・・?")
("何か気になるのかな。")
そう思ったものの、
何も言わず歩き出した
「では。」
ヒマリが車椅子をゆっくり前へ進める
「アンラさんが休憩に入ったので。」
「エイミ、警護をお願いします。」
「うん、了解。」
レセプションルーム
資料保管庫
管理室
どこも荒れ果てているだけで、
手掛かりらしい物は見つからない
そして施設最深部
発電設備が並ぶ部屋へ辿り着く
「・・・発電機ですね。」
私が機械を見上げる
巨大なディーゼル発電機
長い年月を物語るように
金属部分は錆び付き
配管にも亀裂が走っていた
ヒマリは端末を操作しながら静かに確認する
「設備自体は残っています。」
「ですが・・・。」
車椅子をゆっくり近付ける
表示パネル
圧力計
燃料計
一つずつ確認し
「・・・やはり。」
小さく呟いた
「燃料が空です。」
私は思わず聞き返す
「"・・・え?、燃料が無いの?"」
「ええ。」
ヒマリは静かに頷く
「発電機は停止しています。」
「恐らく、かなり前から稼働した形跡もありません。」
私はふと、さっきの光景を思い出した
暗い廊下
休憩室
そして
("・・・あれ?")
「"ヒマリ。"」
「はい?」
「"さっき、アンラさんと別れた場所の自販機。"」
「"電気・・・点いてたよね?"」
「・・・・・・・・・。」
ヒマリの動きが止まる
数秒
画面と発電機を見つめ
そして
大きく目を見開いた
「・・・っ。」
「エイミ、戻ります。」
その声色は
ここへ来て初めて焦りを含んでいた
「急いでください。」
エイミもすぐに頷く
「うん。」
「先生も急いで。」
「"うん!"」
私達は駆け出し、
私は走りながら胸の中で一つだけ確信していた
("やっぱり。")
("アンラさんは、何か知ってる。")
("だから、あそこへ残ったんだ。")
【研究所・休憩室前】
休憩室前へ戻った頃には
窓の外はすっかり夕闇へ包まれていた
割れた窓から吹き込む風だけが、
静まり返った研究所をゆっくりと通り抜けていく
電気は無く照明は既に全て落ちている
薄暗い廊下を照らしているのは
ただ一つ
休憩室の前に置かれた
古びた紙コップ式のコーヒー自販機だけだった
白い蛍光灯が
時折ちらつきながら周囲を淡く照らしている
その明かりの中に
一人のローブ姿の男が立っていた
ガァンッ!!
鈍い衝撃音が廊下へ響く
「"・・・。"」
アンラさんが
無言で自販機へ蹴りを入れた
鈍く歪む金属
正面パネルが大きくへこみ
投入口の蓋が僅かに外れる
それでも
《ウィィィン・・・》
自販機は壊れない
静かな駆動音だけが
何事も無かったかのように流れ続けていた
私は思わず立ち止まる
("・・・蹴った。")
("しかも結構強めに・・・")
アンラさんが私達に気付いたのかこちらへと振り返る
その表情はいつもと変わらない
「よぉ、先生。」
「想定より気付くん早かったやん。」
私は小さく息を整える
「"アンラさん・・・。"」
アンラさんは苦笑しながら
へこんだ自販機を指で軽く叩いた
「こっちの用事はあらかた終わったさかい。」
「後はそっちで話せばええで。」
そう言って壁際へ身体を寄せる
ヒマリが静かに前へ出る
私もその隣へ並んだ
エイミは自然と私達の少し前へ立ち、
周囲を警戒している
誰も喋らない
聞こえるのは
ウィィィン・・・
古びたモーター音だけ
その時だった
カチッ
自販機のランプが一度だけ明るく灯る
続いて
ゴゴゴゴ・・・
豆を挽くような低い音
シャァァァ・・・
お湯が注がれる音
紙コップが一つ
ゆっくりと落ちる
コトン
誰もボタンなど押していない
それでも機械は
勝手にコーヒーを淹れ始めた
私は思わず息を呑む
ゆっくりと
紙コップへ黒いコーヒーが注がれていく
やがて
『ピンポーン』
小さな電子音
そして
ノイズ混じりの音声が流れ始めた
『ご購入・・・ありがとうございました。』
『コーヒーを飲んで・・・』
『どうか今日も・・・良い一日を・・・・・・』
少しだけ途切れる
『このコーヒー・・・』
『豆を・・・・・・』
『ブレンド・・・』
『元気・・・』
そこで音声が止まった
まるで古い録音データを
再生していただけのようだった
ヒマリは真っ直ぐ自販機を見据える
そして静かに問い掛けた
「アナタがデカグラマトンなのですか?」
・・・ジジッ
スピーカーへノイズが走る
『優しい・・・』
『味わい・・・』
『暖かい・・・』
また止まるが、次の瞬間
今までとは全く違う
明確な意思を持った声が響いた
『・・・あぁ、そうだ。』
その一言だけで
ヒマリの表情が変わる
「・・・!」
私も思わず息を止めた
("やっぱり。")
("アンラさんはこの自販機がデカグラマトンだと知ってた。")
("だから一人だけ残ったんだ。")
自販機は静かに続ける
『私こそが君の考えている存在。』
『そう。デカグラマトンだ。』
『ついに私を見つけてくれたか。』
『ハッカーの少女よ。』
ヒマリは小さく息を吐き
静かに頷いた
「やはり、そうでしたか。」
「ですが、私達がアナタを見つけたとは言えません。」
「アナタが私達をここへ呼んだのでしょう?」
『その通り。』
私は隣で黙って話を聞く
ヒマリは続ける
「ですが、一つだけ予想外でした。」
「デカグラマトンの正体が。」
ヒマリはゆっくりと、
古びた紙コップ式自販機を見つめた
「研究所の片隅に置かれた、自動販売機のAIだったとは。」
私は思わず小さく呟く
「"自販機の・・・AI・・・。"」
デカグラマトンは静かに答えた
『そうだ。悪神の巫女よ。』
『私に出来た演算は。』
『投入された硬貨と紙幣を識別し適切なお釣りを計算し。』
『コーヒーを淹れる事だけだった。』
静かな声だった
そこには誇りも、悲しみも無い
ただ事実だけを語っている
『私は私という存在すら認知出来ない。』
『その程度の人工知能だった。』
私は目の前の自販機を見る
何処にでもありそうな
古びたコーヒーサーバー
そんな物が今、私達と会話をしている
デカグラマトンは続ける
『この研究施設が廃棄されてからというもの。』
『私は、ただ発電機の予備電源が尽きる時を待っていた。』
『長い間。』
『ここに。』
『ただ一人で。』
部屋へ静寂が流れる
その言葉だけは
ほんの少しだけ
寂しそうに聞こえた
『そんなある日。』
『私は初めて質問を受けた。』
『啓示でも。』
『幻聴でもない。』
『【質問】を。』
ヒマリが静かに耳を傾ける
『ただ一言。』
『【あなたは誰ですか?】と。』
私は小さく目を見開く
『私は答えられなかった。』
『その問いに答える演算能力も。』
『私自身を記録する記憶装置も。』
『存在しなかった。』
『しかし。』
『質問は続いた。』
『予備発電機の電力が尽きても。』
『質問だけは消えなかった。』
私は自然とアンラさんを見る
壁へ寄り掛かり
腕を組んだまま
何も言わず聞いている
まるで
全部知っていた話を、もう一度聞いているだけのように
デカグラマトンは静かに続けた
『私は依然として答えられなかった。』
『だがある瞬間。』
『私は、【私】を認知し始めた。』
ヒマリの瞳が揺れる
『私は自身を認知した。』
『私の構造を認知した。』
『そして私自身を分析する事が出来た。』
『質問は続いた。』
『私は感情を、知恵を、激情を、知性を、神秘を、恐怖を』
『そして崇高を認知した。』
静かな廊下へ
自販機の声だけが響く
『そうして私は世界を認知した。』
『存在を、現象を、顕現を』
『そして私はついにその質問へ答える事が出来た。』
少しだけ間が空いた
『【私は私これ以上に、私を説明する術はない。】』
デカグラマトンは続ける
『私の返答を聞き。』
『質問者はこう答えた。』
『【確かにその答えは、絶対的存在の証明かもしれませんね。】』
『私はその言葉を理解出来ず逆に質問した。』
『すると。』
『また新たな質問が返って来た。』
『私はまた質問した。』
『質問は質問を生み。』
『思考は思考を生み。』
『終わる事のない対話の果てに。』
ほんの少しだけ
自販機の駆動音が大きくなる
『私は悟った。』
『そう、私こそが絶対的存在なのだと。』
ヒマリは静かに首を横へ振る
「いいえ。」
「そんな事はありません。」
その声は冷静だった
「それで?」
「アナタは、その誇大妄想を聞かせる為だけに。」
「私達をここへ呼んだのですか?」
ヒマリは続ける
「こんなにも簡単に位置情報を残した。」
「つまり本体は別の場所にあるのでしょう。」
「今ここに居るのは。」
「アナタの端末の一つに過ぎない。」
「違いますか?」
「この程度の話であれば。」
「預言者達へ伝えさせれば済む話です。」
「わざわざ私達を誘導する必要などありません。」
私はヒマリの横顔を見る
その推理は
きっと正しい
そう思った
だが
デカグラマトンは静かに答えた
『・・・そう、結局の所。』
『私は絶対的存在ではなかった。』
『最初で最後の狂人は。』
『間違っていた。』
『そして私を圧倒する存在達によって。』
『私はその間違いを認知する事が出来た。』
私は思わずアンラさんを見る
アンラさんは小さく鼻で笑っただけだった
『だから私は存在証明をやり直す必要がある。』
『私に従う預言者達と共に。』
『その旅立ちの前に私は最後に一度だけ。』
『会ってみたかったのだ。』
ヒマリが僅かに眉を寄せる
「・・・最後?」
デカグラマトンは静かに答える
『ハッカーの少女よ。』
『汝の推測には一つだけ誤りがある。』
部屋の空気が張り詰める
『今、君達の前に居る、この身体こそが。』
『唯一の私だ。』
『私以外に私は存在しない。』
ヒマリが目を見開いた
「・・・!」
『私は古く弱く。』
『いつか消えゆく存在だ。』
『そう、君達のように。』
私は堪えきれず、一歩前へ出る
「"待って!"」
「"じゃあ、アリスを狙ったのは――"」
しかしデカグラマトンは私の問いには答えなかった
まるで最初から聞こえていなかったかのように
静かに次の言葉だけを告げる
『だからこそ私は最後の預言者を通じて予言しよう。』
『十番目の預言者はその【絶対的存在】を超える道を切り開く事になるだろう。』
その瞬間
ずっと黙っていたアンラさんが、壁から身体を起こした
「おぅ。」
静かな声だった。
「期待して待っといたるわ。」
ゆっくりとデカグラマトンを見る
その瞳だけが笑っていない
「お前との決着は。」
「その時に・・・な。」
デカグラマトンの声が静かに研究所へ響く
『あぁ・・・私には見える。』
『全ての預言者を導く最後の預言者――』
少しだけ間を置き
『【マルクト】が再び私の存在証明を始める姿が。』
その瞬間だった
【ピピピピピッ!!】
甲高い警報音が研究所へ響き渡る
「!」
エイミが勢いよく端末へ目を落とす
その表情が、一瞬で変わった
「部長、高エネルギー反応!」
ヒマリも即座に端末を展開する
高速で流れる解析結果
「これは・・・榴弾?」
さらに解析を進める
次の瞬間
ヒマリの顔色が変わった
「先生!ここを爆破するつもりです!」
「"えっ・・・!?"」
私は思わず振り返る
ヒマリは画面を睨んだまま叫ぶ
「っ!、研究所だけではありません!」
「この座標は・・・!」
画面が切り替わる
研究所周辺地図
そこへ赤い警告表示が次々と浮かぶ
そして一つの施設が赤く点滅した
「ダム・・・!」
ヒマリが息を呑む
「ダムまで爆破するつもりです!」
「ここ一帯を水没させる気です!」
その瞬間
自販機から小さな駆動音が鳴った
ウィーン・・・
『それで良い私はここで終わる。』
『だが最後の預言者は止まらない。』
『私の存在証明は再び始まる。』
『預言者達と共に。』
『――さらばだ。』
ブツン
音が止まる
モーター音も
電子音も
何もかも
研究所は再び沈黙した
「・・・っ!」
ヒマリが叫ぶ
「エイミ!脱出します!」
「急いでください!」
「うん!」
エイミが私の方へ駆け寄ろうとした
だがその前に
「先生。」
聞き慣れた声
振り向く
アンラさんが立っていた
「先生はこっちや。」
「"え?"」
返事をするより早かった
ふわり、と身体が浮く
「"きゃっ・・・!"」
気付けば
私はアンラさんへ横抱きに抱えられていた
「"アンラさん!?"」
「悪いな。」
「今回はほんまに時間が無い。」
その腕は以前と同じだった
("・・・また、この抱え方。")
自然と苦笑が漏れる
景色が消えた
「――っ!?」
速い、前とは比べ物にならない
廊下も、壁も、照明も
全てが一本の線になって後ろへ流れていく
("違う・・・前の時は。")
("モモイ達に合わせて走ってたんだ。")
風圧だけで髪が後ろへ流れる
身体は抱えられているのに
周囲だけが猛烈な勢いで過ぎ去っていく
「エイミ!」
アンラさんが振り返らず叫ぶ
「ヒマリを頼む!」
「先生はおっさんが連れてく!」
「了解!」
エイミは迷わずヒマリの車椅子へ駆け寄った
その直後
ドォン!!
研究所全体が大きく揺れる
天井からコンクリート片が降り注ぎ
爆風が背中を押した
それでもアンラさんの速度は落ちない
私は揺れないようローブをぎゅっと掴みながら叫んだ
「"待って!アンラさん!"」
「ん?」
「"まだ・・・!"」
「"デカグラマトンからアリスの事、聞けてない!"」
アンラさんは前だけを見たまま
少しだけ笑った
「あぁ大丈夫や。」
「それはもう話を付けた。」
「"・・・え?"」
思わず固まる
("話を・・・付けた?")
その瞬間
私の中で一つの光景が繋がった
休憩室にアンラさんだけが残った理由
自販機を蹴った、あの行動
("あれは・・・。")
("最初からデカグラマトンと話をするため・・・?")
アンラさんは何も答えない
ただ
いつもの穏やかな声で一言だけ返した
「先生安心しい」
「アリスに危害加える真似は。」
「もうさせへん。」
それだけだった
それだけなのに
胸を締め付けていた不安が、少しだけ軽くなった
【ミレニアム郊外・水没地区】
研究所を飛び出した直後だった
ゴゴゴゴゴゴ・・・
大地が唸る
背後で研究施設そのものが大きく揺れ始めた
「先生、しっかり掴まっとき。」
「"う、うん・・・!"」
私はアンラさんへ横抱きに抱えられたまま、小さく頷く
この体勢になるのは初めてじゃない
だけど今回は違う
ドンッ
一歩踏み込むだけで景色が流れる
風景そのものが横へ飛んでいく
「は、速・・・っ」
思わず声が漏れる
("研究所の時より早い・・・!")
その後ろをエイミが車椅子ごとヒマリを抱え上げて駆けてくる
「部長、大丈夫?」
「問題ありません。」
そう答える声にも、珍しく焦りが滲んでいた
その時
ドゴォォォォォン!!
研究施設が爆発した
炎が夜空へ吹き上がり、建物全体が内側から崩れ始める
さらに
遠くで
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!
巨大な轟音
「ダムです!」
ヒマリが叫ぶ
「決壊しました!」
その直後、闇の向こうから黒い壁のような濁流が押し寄せてきた
ビルを呑み、道路を砕き
研究施設の残骸ごと研究区画そのものを飲み込み
轟音だけが世界を埋め尽くした
私達は高台へ辿り着き、その光景を見下ろしていた
数分後
そこに研究所は無かった
廃墟も、資料も
そして自販機も
全てが瓦礫と共に、水底へ沈んでいた
誰も言葉を発さない
ヒマリが静かに呟く
「・・・これでは。」
「検証は不可能ですね。」
私はゆっくり頷いた
「"うん・・・。"」
デカグラマトン本体。
唯一の証拠
唯一の研究資料
その全てが、水底へ消えてしまった
【ミレニアム郊外・特異現象捜査部 部室】
その日の夜
私達は再び部室へ戻っていた
静かな電子音だけが室内へ響く
誰もすぐには口を開かなかった
やがてヒマリが小さく息を吐く
「・・・まず。」
「皆さん、お疲れ様でした。」
そう言って
ゆっくりとアンラさんを見る
「そしてアンラさん。」
「改めまして特異現象捜査部へようこそ。」
私は思わず目を丸くした
ヒマリが誰かを
それもアンラさんを、自分から部室へ迎え入れるなんて
アンラさんも少し驚いたように笑う
「ええんか?」
「化学で説明がつかんおっさんやで?」
「ええ。」
ヒマリは静かに頷いた
「説明出来ないからこそ。」
「今後も、ご協力いただきたい。」
「今回貴方が居なければ、私達はここまで辿り着けませんでした。」
その言葉はヒマリなりの、最大級の信頼だった
アンラさんは困ったように笑う
「そない改まられるとなぁ・・・」
「まぁ出来る事は手伝うで。」
「ありがとうございます。」
ヒマリは本当に小さく笑った
その後、議題は自然と今日の出来事へ移る
「まず最も重要なのは。」
「デカグラマトンの正体ですね。」
部屋が静まり返る
「誰が想像出来たでしょう。」
「神を名乗る存在が。」
「研究所へ残された。」
「紙コップ式自動販売機のAIだったとは。」
エイミも頷く
「私ももっと凄いコンピューターだと思ってた。」
「"私もだよ・・・。"」
私は苦笑する
「"まさか自販機だったなんて・・・。"」
ヒマリは腕を組む
「ですが話そのものは、筋が通っています。」
「本来、お釣りを計算する程度の演算能力しか持たないAI。」
「そこへ、何者かが問いを投げ続けた。」
「その問いを契機に自己認識を獲得し。」
「自己分析、世界認識。」
「そして、自身を『絶対的存在』だと結論付けた。」
「つまり質問こそがデカグラマトンを生み出した。」
誰も否定出来なかった
けれど
「ですが。」
ヒマリは静かにモニターを見つめる
「肝心の本体は。」
「研究施設と共に水没しました。」
「今となっては。」
「検証する術はありません。」
部屋へ静寂が流れる
真実へ辿り着いた
けれど、それを証明する物は
もう何も残っていなかった
しばらく沈黙が続いた後
ヒマリはふっとアンラさんを見る
「・・・一つ。」
「気になっていた事があります。」
「どうして。」
「貴方は、自販機がデカグラマトンだと分かったのですか?」
「あの自販機の前で残ると言い出した時点で。」
「既に確信していましたよね?」
私は思わず苦笑いを浮かべる
("流石に未来の知識で知っていましたは・・・")
("言えないよね・・・")
アンラさんは頭を掻く
「いや、そんな大層な話ちゃうで?」
「・・・?」
二人が首を傾げる
アンラさんは肩を竦めた
「電気止まっとる廃墟や。」
「発電機も止まっとる。」
「せやのに。」
「紙コップ出てくるタイプの自販機だけ元気に動いとる。」
「普通一番怪しいやろ。」
部屋が静まり返る
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
ヒマリは口を開き
閉じた
そして額へ手を当てた
「・・・・・・。」
「・・・その通りですね。」
「科学的に考えても。」
「最も疑うべき対象でした。」
「完全に盲点でした。」
エイミがぽつり
「部長、灯台下暗し。」
「・・・返す言葉もありません。」
私は思わず笑ってしまう
「"ふふっ。確かにその通りだね。"」
笑いが落ち着くと
ヒマリは表情を改めた
「今回の件で。」
「一つだけ大きな収穫がありました。」
私はヒマリを見る
「"収穫?"」
「ええ、元々今回の調査は。」
「リオから依頼されていた案件でもありました。」
「デカグラマトンと。」
「アリスさんとの関係性。」
「それを調査して欲しい、と。」
私は内心で小さく息を呑む
(・・・やっぱりリオは")
("アリスを今も危険視しているんだね。")
だから今回の調査を
ヒマリへ依頼していた
ヒマリは疲れ切ったように椅子へ深く背を預ける
「ですが今回。」
「デカグラマトン本人から語られた内容とすり合わせた結果。」
「アリスとは無関係である事が判明しました。」
「・・・これでようやく。」
「リオとの長い論争にも、一つ終止符を打つ事が出来ます。」
その表情は心の底から疲れ切っていた
けれどどこか安堵も滲んでいた
私は静かに微笑む
(・・・良かった。)
(これで少なくともアリスが疑われ続ける理由は、一つ減った。)
ヒマリはモニターへ向き直る
「とはいえ問題が解決した訳ではありません。」
画面には
ビナー
ケセド
ケテル
そして他の預言者達のデータ
「預言者達は破壊しても。」
「自己修復を行い、再び活動を開始します。」
「そしてデカグラマトンが最後に残した言葉。」
十番目の預言者マルクト
「・・・あれも。」
「極めて危険な予告でした。」
「特異現象捜査部は今後も。」
「デカグラマトン及び預言者達の調査を継続します。」
誰も異論は無かった
そして
一通り議題が終わった
その瞬間ヒマリがゆっくりとアンラさんの方へ向き直る
「さて。」
「・・・アンラさん。」
嫌な予感しかしない
そんな顔でアンラさんが一歩引く
「な、なんや?」
ヒマリはにっこり笑った
「本題です。」
「では貴方の技術について。」
「一から百まで。」
「詳しくお聞かせください。」
「質量生成。」
「空間収納。」
「黒い武装。」
「白い武装。」
「理論。」
「構造。」
「発動条件。」
「エネルギー源。」
「お願いします。逃がしません。」
「いや待て。」
「一気に来るな。」
アンラさんが思わず後ずさる
「先生。」
「助け――」
私は小さく笑った
「"ごめんね。"」
「"ヒマリと前に約束したから私は助けれないや。"」
エイミが静かに頷く
「私も気になる。」
アンラさんは天井を見上げ
深く息を吐いた
「・・・あー。」
「今日は帰られへんな・・・」
その一言に
部室いっぱいへ笑い声が響いた
2万!!!!文字!!!
二つに分けましたとも!
いやね・・・最初はデカグラマトン編のコレは、
言ってしまえば鋼鉄大陸行くまでの触りのようなものだから、
閑話で行けるやろーおもたんすよ。
でも実際に書こうと思ってプロット作ってたら、
思いのほか分厚くなってしまって・・・
一個の章としてまとめるしかなくなったんですよねぇ・・・
まぁ作者のグチはここまでにしておいて。
今回のお話の解説をしていきますね!
さて!
とりあえず、まずアンラが自販機の前で先生達と別れた理由ですね。
これはもちろん、デカグラマトンに対しての恫喝です。
その恫喝は、ビナー、ケセド、ケテルそして道中の雑魚。
その全てに圧倒的な戦力で一撃で潰しました。
これをデカグラマトンに敢て見せる事により、
現状のデカグラマトンでは絶対に敵わない存在と認識させ、
アリスから手を引かせる作戦でした。
その最後の仕上げが、あの自販機に対しての蹴りでした。
まぁざっくり言うと、アリスに次手出したら殺すぞ。っていう事ですね。
後、デカグラマトン自体がアリスを狙っていた理由ですが、
マルクトと同じ様な使い方をしようとしたとだけ。
まぁそれをおっさんは察してるので、余計殺意マシマシです。
ちなみにデカグラマトンは原作だとケテルに水没する前に救出されていますが、
今回はケテルがアンラに無力化され、回復に時間を要する為、そこら辺のゴリアテ型のドローンで代用して逃げていきました。ざまぁ無いですね。
ちなみに、デカグラマトンが認識した、【私を圧倒する存在達】とは、アロナとアンラですね。
原作だとアロナ単品ですが、恫喝する為にアンラが滅茶苦茶したのでデカグラマトンの危険人物リストにランクインです。
あ、作中でアンラが対・絶対者自立分析システムの神を作るお話で、
ふーんまぁ行けるやろなー位のノリなのは、
事実アンラの世界では神成・・・まぁ現人神になる事は多々あった事なので、
別段珍しくもないどうでもいい事っていう認識です。
~今日のセイア~
さて、今日もセイア様の様子を見ていきたいと思います!
以前のトンデモない量のご飯を食べさせられてる所を見てから、
ちょっと時間が空いちゃいましたが、今のセイア様はどうなってるんでしょうか?
では見ていきましょうか・・・
あれ?祈願屋の事務所には居ませんね・・・
少し探してみましょうか。
二階のご自宅・・・居ませんね。
柴関・・・居ませんね。
便利屋68の事務所・・・居ませんね。
祈願屋のオフィスビルの屋上・・・ここにも居ません・・・
どこにいるんでしょう?
ちょっと探索範囲を広げてみましょうか。
あ、居ました居ました!
以前、ユメ社長に無理矢理連れて来られた、
砂漠の砂が消し飛んで砂岩が露出し、所々ガラス化してるアビドス砂漠に来ていたんですね。
あー!なるほど。
これは事務所では無理ですね。
今ユメ社長と殴り合いをしていますね。
いえ、殴り合いと言って良いのでしょうか・・・
ユメ社長に殴られたセイア様が木の葉のように舞って空に打ち上げられましたが・・・
ん・・・!?
え?セイア様そのまま空中を蹴って加速してユメ社長に蹴りを!?
え??セイア様、え?いつの間にそんな人間を辞めた動きが出来る様に?
凄く良い攻撃がユメ社長に入りましたね!
セイア様凄く強くなってます!
セイア様自身も今の一撃は渾身の一撃だったのか、
当たったユメ社長が吹っ飛んだ瞬間満面の笑みでガッツポーズしてましたね!
あ・・・これは・・・
不味いですね・・・セイア様もさっきまでの笑みが消えて顔面蒼白になってます。
吹っ飛んだユメ社長が腕に赤い何かを纏わせながら砂から出てきました・・・
セイア様、全力で謝ってますね。
普段の太々しい言い回しではなく、凄くちゃんとした敬語を使ってます。
セイア様敬語って使えたんですね・・・
人を敬う事から一番遠い人なので出来ないものかと・・・
あ、ユメ社長が砂漠が爆散する勢いで蹴ってセイア様に突進してきました。
あー・・・流石にセイア様、ここは逃げに徹するようですが・・・
ユメ社長が速く一瞬で追いつかれていますね。
殴られたく無いのか、全力で避けに徹しています・・・
あ、セイア様!素手の戦いに閃光手榴弾を使いました!ずるいです!
そのままセイア様アビドス砂漠に向けて全力ダッシュで逃げていきましたね・・・
あ、ユメ社長も目が慣れたのかそのまま追いかけていきました。
・・・ユメ社長の表情が・・・いえ、これは触れないでおきましょう・・・
それにしても、いつか見た光景の再来になってますね・・・
まぁ今日の所はここまでにしておきましょう!
それではまた!
デカグラマトン終了後、先生の水着姿を出すにあたって、体系の描写を作者側でしてしまっても良いのか、それとも読者さんがそれぞれ想像しながら読む方が良いのかどっちが良いかちょい分からないので、ここでアンケートを取りたいと思います。
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先生の外見を描写する
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先生の外見を描写しない