死んだ世界は存在した。衝撃の真実だ。
「……本当に、そうなのか?」
ふとそう思い、何度目かわからない飛び降りをしてみる。
最初の頃は恐怖があった。今はない。慣れてしまった。むしろ、落下中に当たる風が心地よく感じる。完全に麻痺してしまった、と心の中で呟く。
そして、激しい痛みと共に俺の意識はなくなった。
ーーーー
意識が覚醒して、最初に見たのはいつもの天井。
どうやら、俺は生きているらしい。いや、生きているといっていいのか? まあ、そんなことはどうでもいい。
なんとなく壁の時計を見た。随分と長い時間ベッドで過ごしていたらしい。というかヤバイ。完全に仕事に遅れてしまっている。
「あー、しまった。……まあ、いいか」
のっそりと身体を起こす。頭に違和感を感じるが、無視することにする。
絶対に怒られるよな。まあ、いいか。遅れても、ちゃんと行くことに意味があるのだ。
そんな言い訳を考えながら、保健室のドアを開けた。
外はもう夜。のはずなのだが、妙に明るい。その理由がある方を向く。
「げッ……もう終盤じゃねぇか」
その場所は食堂。そこの明るさは異常だ。というか色々と光っている。
花火みたいな、煌びやかに散らばる光の玉。あれは全部銃弾だ。
ズボンのポケットにある物を確認して、急いで食堂に走った。
ーーーー
俺たちは神と戦っている。正確には、その刺客の天使と、だ。
何をバカな、俺も最初はそう思っていた。
ーー食堂外には沢山の紙が降っていた。紙の正体は食券。今回の仕事の達成品だ。
俺は落ちている適当な食券を拾い上げ、食堂に向かおうとする。
「…………」
「…………」
俺の隣に、何故か俺たちの敵がいた。
その子は、皆から天使と呼ばれている。その名の通り、天使みたいに可愛い容姿をしている。でも、俺はこの子が苦手だ。
「何?」
無言で俺の手もとを凝視している天使。俺はついに話しかけてしまった。
「それ」
それ? 俺が持っている食券のことか? けどこれ、人気なしNO.1の激辛麻婆だぞ?
「好きなの?」
「……いや、別にそんなことはないけど」
「そう……食券は自分で買わないとダメよ」
天使はそれだけ言って帰っていった。どうやら怒られてしまったらしい。
ところで、今のあの子……無防備じゃないか?
俺は無言でズボンのポケットの中にある物、拳銃に手を伸ばす。
「って、何してんだかな」
俺はバカらしくなって、その行動を止めた。実際、今撃って当たったとしても、あの子は死なない。この世界はそういう世界だ。
俺は一人苦笑しながら、元からの目的地である食堂に足を運ばせた。
次はsssメンバーが出るかも