赤血操術の可能性を追い求めたい!   作:甚一くんは…髪と眉毛がアカンわ

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二次創作は初投稿なので、設定を間違えたり、キャラ崩壊を起こしているかもしれません。
どうか暖かい目で見守ってほしいです。


転生して早々ピンチってマジ?

前々世の俺は、漫画を読むのが趣味の平凡な社会人だった。と言っても、飽き性なこともあって途中で読むのをやめた作品も大量にある。そんな中でも途中で読むのをやめずに最終巻まで読む程には呪術廻戦にハマっていたのだが、俺は常々こう思っていた。

呪術廻戦の世界にだけは生まれたくないな、と。

 

そんな人生を送っていた俺は、結構あっさりと死んだ。理由は良くあるトラックの事故だ。まあ、そんなことはどうでもいい。いやどうでも良くはないが、考えたところで変わるものは無いので一度置いておこう。しかし、これだけは言いたい。

なんでよりにもよってこの世界なんだよ!!

 


 

俺の反応から察した人もいるかもしれないが、俺は呪術の世界に転生した。何故わかるのかと言うと、目の前に蝿頭がいるからだ。

見た目がキショイ!思わず蝿頭から離れようとすると、母親が俺を抱き上げた。俺の母親は蝿頭が見えていないのか、俺をあやすように左右に揺らしている。

違うんだ。癇癪を起こしてるんじゃなくてそのキモいやつから離れたいだけなんだ。くそう、どうして赤ん坊の状態で自我が戻ってしまったんだ。なにも出来ない。

諦めて行動をやめた俺を見て、母親が「お利口さんだねえ。」と俺を褒めてきた。……なにもしなくても美人に褒めてもらえるとか、赤ん坊最高か?(手のひらドリル)

 


 

それから時間が経ち、俺は5歳になった。この五年間でわかったことはいくつかある。

まず、俺は1989年生まれ…つまりはさしす組と同世代であること。

 

そして、呪力があること。まあこれは蝿頭が見えていた時点でわかることだ。

 

最後に、家入硝子と家が近いことだ。初めて気づいたときはビビった。それはもう盛大に。どのくらいかと言うと、初めて家入硝子と対面したときに10秒ほどフリーズするくらい。*1因みに家入とは同じ呪霊が見える人同士なのでとても仲良しだ。そんなこんなで色々と何かが起こってはいるが、俺は元気である。

 

そこから更に数年が経ち、俺が小学生を卒業する間際。クラスのガキ大将的なやつがこんなことを言い始めた。

 

「最後の思い出に心霊スポットで肝試ししようぜ!」

 

うん、良くあるやつだ。呪霊がたくさん出てきそうだから、やめといた方が良いと思うが俺にはもう止められないだろう。既に女子も結構な人数が参加しようとしている。俺?俺はちょっと…精神年齢が合わなくてクラスで浮いてるから…。

 

「家入も行くよな!?」

 

……ああ、ガキ大将くんの本命は家入か。彼女を誘う時だけ声が大きいし、ちょっと緊張して顔が赤くなっている。でも家入はこういうのに付き合わないタイプに見えるんだよな。

 

「あー、私はパスで。そういうとこ行くの好きじゃないんだよね。」

 

案の定だ。そもそも呪霊が見える人にとっては、心霊スポットとか危険地帯以外の何ものでもないので、そりゃそうとしか思えない。

 

「えっ、なんでだよ!だって俺らが集まって遊ぶのも最後かも知れないだろ?」

 

うわしつこい。そういう男は嫌われるぞ。まあ普段の態度や顔面の良さによって変わるが、こういう場面でしつこいのは結構嫌われる。

困っている様子の家入がチラリとこちらを見てくるが、無言で目を反らす。クラスで浮き気味の俺じゃ助けれないんだ、ごめん家入。

 

「えー…。じゃあ、千花が来るならいいよ。」

 

は?今俺の名前呼んだ??思わず家入の方を向くが、家入は普段と変わらない…いやあれ若干面白がってるな?ちょっとニヤニヤしてる。

 

「じゃあ千花!お前は来るよな!?」

 

ちょっと必死な様子でガキ大将がこちらに話しかけてきた。いや行きたくねえんだけど!?でも今の空気で断ったら空気読めない奴になるし…。

 

「……じゃあ、俺も行こうかな。」

 

途端にガキ大将が元気になった。いや本当に行きたくない。恨めしげに家入を睨み付けるが、家入はどこ吹く風な様子だ。キレそう。

 

 

結局、12人ほどの大所帯で肝試しに行くことになってしまった。これもすべて家入のせいだ。許さん…殺してやるぞ五条悟。

というわけで、心霊スポットである廃墟に到着してしまったのだが…。

 

「…家入。」

「…なに。」

「…滅茶苦茶いるね、あの化け物。」

「…そうだね。」

 

帰りたくなってきた。

 

まず入り口。赤ん坊のような小さい呪霊が二匹、足元にいる。こいつは認識すると襲ってくるタイプのようだから、ひとまず無視しておけば良いとして。不味そうなのは屋内の呪霊だ。

屋外からでもわかるほどの気配。恐らく何人も殺しているだろう「それ」は、廃墟の窓からこちらを見つめている。ここまではっきりと認識されてしまえば、今逃げても追ってくる可能性がある。

どうしたものかと悩んでいると、不意にガキ大将が前へ進んだ。まずい。

 

「ちょっと!前に行ったら…」

 

同じくあの呪霊が見えている家入がガキ大将を引き留めたが。

 

「なんだよ、ビビってんのか家入!別になんとも─」

 

時既に遅く、廃墟から出てきた巨大な手によって、ガキ大将は叩き潰された。それと共に、廃墟の中から呪霊が這い出てきた。それは背中に人間の腕が大量に生えた蜘蛛のような見た目をしていた。

まずいまずいまずい。周りがパニックを起こしているが、それを止める手段はないし、そんな余裕もない。今はそれよりも、ここから家入を連れてどう逃げるかを考えなければ。

恐らく、背を向けた時点で攻撃の手はこちらに来るだろう。なぜなら、既に逃げようとしたやつが二人ほど潰されたからだ。

どうするかを考えている時間はもうない。考えている間に、3人が握りつぶされて死んだ。

何をしてでも家入だけは帰さなければ、回り回って世界が滅ぶ可能性すらある。それならもう、これしかない。

 

「家入、俺が視線を集めるから、お前は逃げろ。そして、ここから逃げたら警察かなんか呼んでくれ。」

 

「なに言ってるの!?そんなの出来るわけ…」

 

「いいから早く行け!俺一人ならどうとでもなるんだ、お前がいたら逆に俺が死ぬ!」 

 

大嘘だ。こいつをどうにかする手段なんて何もない。それでも、こう言わないと家入は逃げないだろう。

 

「早く行け!早く!!」

「ッ…!絶対助けを呼んでくるから!」

 

家入が背を向けて走り出すのを確認してから、そこら辺の石を呪霊に向かって投げる。それに反応した呪霊は、鬱陶しそうにこちらへ手を伸ばしてきた。予想通り、対して知能は高くないらしい。これなら時間稼ぎ位は出来るだろう。

 

四方八方から伸びてくる手を走り回ることで躱し、更に周囲の石や木の枝を投げつける。最初は反応していなかったが、段々と怒りが貯まっているようで、途中から石や枝を手で弾き落とすようになった。これ幸いと物を投げるペースを上げ、ヘイトを俺に集めていく。

呪霊の手が掠めたところからは血が流れ、呪霊が砕いた地面の破片がこちらへ飛んでくる。十分も経たない内に、俺の体は血まみれになっていた。

 

動く度に身体中に痛みが走る。石の破片が刺さった手から血が出ている。それでも走っていると、折れた木の枝が太ももに刺さり、激痛で思わず足が縺れた。それを見逃してくれるはずもなく、俺は遂に呪霊の手に捕まってしまった。

呪霊がニヤニヤと嗤いながら、手に力を込めていく。肉が潰れ、骨が軋む。痛みで叫ぶ俺に気を良くした呪霊が更に力を強めていく。

 

いやだ、しにたくない。なんで俺だけこんな目に。

じわじわと心に後悔が広がると共に、体に何かが巡り、血が沸騰するような感覚を覚える。これは、もしかして。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

 

狂ったように声を上げながら、俺は全力で呪霊の手に腕を振り下ろした。呪霊が初めての痛みに声を上げ、俺を掴む力が鈍る。その隙に全力で手から脱出し、急いで距離をとった。

恐らくは、今のが呪力なのだろう。きっと今の俺では制御などままならない。どうすれば俺は生き残れる?

呪霊が動きを再開する。怒りに任せた攻撃は前よりも直線的だったが、速度が上がっていた。このままでは時間の問題だ。それに、出血もある。傷口から流れる血を意識すると、何故か少しだけ血が固まり、出血が止まった。

 

違和感。

どうして意識しただけで出血が止まった?

反転術式?いや、違う。出血は止まったが、傷は塞がっていない。ならばこれはなんだ?

 

違和感。

先程の感覚もそうだ。なぜ「血が沸騰するような感覚」を覚えた?原作での呪力強化ではそんな描写はなかった。ならばこれは、呪力強化とはまた違うなにか…まさか、術式なのか?

 

血を固め、巡らせる術式。俺はそれを知っているはずだ。主人公の術式の一つ。御三家の相伝であるあの術式が、俺に宿っているとしたら。

ぶっつけ本番の、賭けと呼ぶことすら出来ない無謀。でも、それを成功させることが出来たのなら。

この状況も、なんとか出来るかもしれない。

 

「赤血操術…!赤縛!!」

 

幸いなことに、俺は今までに多くの血を流していた。血が集まって固まり、縄のような形を取る。

血によって出来た縄は、呪霊の腕を絡めとり、一つに縛り上げた。今なら、逃げられる。

 

すぐさま背を向けて、全力で走り出す。貧血で頭がくらくらする。大量の傷のせいで体の全体に激痛が走る。それでも、足を止めることは出来なかった。そうすれば、きっと俺は死ぬだろうから。

道の先にある市街地を見つけて、体から力が抜ける。足が止まり、ガクンと体が崩れ落ちた。

 

「千花!その怪我…!っ誰か、救急車を呼んでください!」

 

家入の声と共に、複数の足音が聞こえる。きっと助けを呼んでくれたんだろう。安心すると同時に、唐突に眠気が襲ってくる。

 

「絶対死なせない…!」

 

家入が俺の傷口に触れる。恐らくは止血をしようとしているのだろう。ああ、ダメだ。意識が保てない。

ぼんやりとした頭で、傷口の痛みが少しずつ消えていくのを感じた。

*1
投射呪法かな?




千花 この作品の主人公。自己紹介をしてないことに今気づいた。名字未定。

家入硝子 恋愛要素を入れるとしたらヒロインになる人。自分が巻き込んだせいで千花が重傷になっているので、責任を感じてる。

ガキ大将 ちょっとした好奇心と家入へのアピールのために肝試しを提案した人。多分自分が死んだことにすら気づかずに逝った。

肝試しについてきた人 千花と家入以外の全員死んだ。この人たちが一番の被害者かも。

誤字や設定ミス等あったら申し訳ありません。
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