赤血操術の可能性を追い求めたい!   作:甚一くんは…髪と眉毛がアカンわ

2 / 6
沢山の方が見てくれていて嬉しいです。
書き貯めもないので不定期になってしまいますが、これからも見ていただけると私が喜びます。


うわっ!前からゴリラが!

目が覚めると病院だった。しかも傷が大体治っている。俺は何日寝てたんだ…?

とりあえずナースコールを押して看護師を呼ぶ。すると直ぐに看護師と医者が来て、軽い診察をされた。どうやら俺は三日間ほど眠っていたらしい。…三日であんなにあった傷が治るのか?

一人で首をかしげていると、病室の扉が開き、両親が入ってきた。どうやら既に親に連絡が行っていたらしい。両親は半泣きの状態で俺が無事に帰ってきたことを喜んでいた。俺も釣られて泣きそうになった。

 

「本当に良かった…。体の調子はどう?」

 

「体の傷はほぼ治ってるみたいだから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。」

 

「何かあったら直ぐにお医者さんに言うんだよ?家入ちゃんも心配してたから、連絡しておくからね。」

 

…あっ。反転術式か!そういえば家入は反転術式を他人に掛けられるんだった。今までは呪力の扱いも知らない様子だったからすっかり忘れていた。…というか、今思い出したが、俺の術式はどこから来たんだろうか?両親のどちらかが加茂の血筋だったりするんだろうか。

 

その後、両親と一緒に医者の話を聞いた。どうやら木の枝が刺さった太もも以外の怪我はすべて治っているらしい。そして、太ももの方もほぼ治っていて、入院するほどの怪我はもう無いため、二日以内には退院できるようだ。両親も安心した様子で、退院の準備のために一度帰っていった。

 

しかし、退院したら何しようかな。多分、同級生は俺と家入を腫れ物扱いするだろうし、大人もどう関われば良いのかわからないだろう。それに、人が十人程死んでいる以上、俺と家入の元に警察が事情聴取に来ることはほぼ確定だ。というか家入はもう聴取された後かも知れない。

 

考えていると、また扉が開く音がする。多分家入だろう。

扉の方を見て確認すると、やはり家入…ではなく、強面でガタイがいいおっさんがいた。……いや誰だよお前ェ!?

 


 

「突然すまない。私は夜蛾正道。君たちが見たという化け物についての話をしに来た。」

 

黒い服を着たガタイのいいおっさんはそう自己紹介をした。…嘘だろあんたが夜蛾先生なのか!?なんか漫画より若くない!?俺が衝撃で目を白黒していると、夜蛾さんが話し出した。

 

「信用できない気持ちはわかる。こんな見知らぬ男が急に現れたのだ。しかし、君たちを害する気はない。これだけは信じてほしい。」

 

「いえ、信用できないとかではなくて…家入以外に、あの化け物が視える人に初めて会ったので、少し驚いてしまって。」

 

慌てて誤解を解くと、夜蛾さんは俺を気遣うような目線を向けながら、話を始めた。

 

「君たちが遭遇したあの化け物は、呪霊と呼ばれるものだ。呪霊とは、人の負の感情から生まれるもので、それを視認するには呪力というエネルギーが必要だ。そして、呪力を用いて呪霊を祓うものを呪術師と呼ぶ。私がここに来たのは、君がその呪術師の才能を持っているからだ。」

 

「要はスカウトってことですか?」

 

「ああ。…申し訳ないが、君には術師になってもらわなくてはならない。君の持つ力は、使い方を誤れば周囲を傷つけてしまう。そうならないためにも、君には術師になってほしい。」

 

「……その話、拒否権はあるんですか?」

 

「…………申し訳ないが…拒否権は無いと言っていいだろう。」

 

そりゃそうなるか。恐らく現場には、俺の残穢が残っているだろうし、それを追っていけば、当然俺にたどり着く。

ああ、そうだ。ついでにいくつか気になることを聞いてみよう。

 

「いくつか質問をしても良いですか?」

 

「ああ。なんでも聞いてくれ。答えられることなら答えよう。」

 

「ありがとうございます。一つ目なんですけど、あの化け物はどうなりましたか?」

 

「あの呪霊は私が責任を持って祓った。だから、今のあの場所は安全だろう。」

 

「ありがとうございます。次に、家入とは話をしたんですか?」

 

「ああ。家入硝子とは二日間ほど前に同じ話をした。」

 

「拒否権は?」

 

「……すまない。」

 

「謝らないでくださいよ。これは貴方の意志では無いようですし、仕方の無いことなんでしょう。それと、あの建物に残された死体はどうなりましたか?」

 

「それについてはこちらで回収した。あまり良い状態では無かったから、遺族の方には見せていないが…。…ああ、遺族の方々には、こちらから連絡をしておいたから、君は心配しなくていい。」

 

「…そうですか。ありがとうございます。」

 

「他に質問は無いのか?」

 

「はい。ありがとうございました。」

 

これでめでたく、俺たちの人生の方向は決定したようだ。正直文句を言いたい気持ちはあるが、ここでこの人に言ってもどうしようもない。なら、少しでもマシな結果になるように努力しよう。

 


 

あの事件から四年ほど経った。つまり、中学校を卒業し、呪術高専に入学する時が来たということだ。中学校生活は…まあ、ずっと腫れ物扱いで、暇潰しに呪霊を祓ってたこと位しか語ることが無いので割愛しよう。

 

果たして俺は、あのイロモノ最強コンビと仲良く出来るのだろうか。出来る気がしないな。カスみたいな中学校生活のせいで、コミュ力は一ミリも鍛えられていないし、俺は結構な短気なので五条に暴言を吐かれた瞬間に手が出そうだ。

考えながら教室を目指して高専内を歩く。…お、ここが教室か。なんか緊張してきた。

手の震えを頑張って押さえながら、覚悟を決めて扉を開ける。そうして、俺の目に飛び込んできた光景は…

若白髪のヤンキーとボンタンを履いたヤンキーが取っ組み合いをしているところだった。

いやなにしてんの?

 


 

「あ、千花じゃん。おはよー。」

「おはよう家入。お前よくそんな落ち着いて挨拶できるね?」

 

こいつらは五条悟と夏油傑…だよな?なんで喧嘩してんの?あ、教室のガラス割れた。

 

「これ、どういう状況?」

「なんか白髪の方がボンタンの方に喧嘩売ってこうなったよ。」

「説明聞いても良くわかんないな…。」

 

原作だと親友だったよな…?

 

「誰が白髪だクソ女!」

 

おお、しかもとんでもなく口が悪い。なんか髪の色も相まってチワワみたいだな。」

 

「あ゛あ゛!?誰がチワワだ!!」

「フフッ」

「笑ってんじゃねえよ前髪が!」

 

おっと、声に出てしまった。しかし、これは止めた方がいいんだろうか?

 

「そもそもてめえは誰なんだよこのチビが!」

 

あ゛?

 

「誰がチビだ!!お前の図体がでかいだけだろ!!」

「図星突かれたからってキレんなよチビ(笑)。」

「上等だぶち殺してやる。ボンタンくん!!手を組もう!!」

「ごめんね、私もその頼りない身長の人に背中を任せるのはちょっと…。」

「よーしお前も殺す。」

 

赤燐躍動!!

 


 

「………で、入学初日に教室を半壊させただけでなく、校庭をボロボロにして全員重傷になったと。」

 

「「「悪いのはこいつらです。」」」

 

拳骨を食らった。

 

 

「……ハア…これについての説教は後にしよう。右から順に自己紹介しろ。」

 

 

「五条悟。一応言っとくけど、お前らみたいな雑魚と関わる気はねえから。」

 

「こっちから願い下げだよ白チワワ。もっかい血反吐吐かせてあげようか?」

「君は幼稚園から人との関わり方をやり直した方がいいんじゃないかい?」

 

「夏油傑です。術式は呪霊操術。これからよろしくね。」

 

「ハッ、誰がよろしくするかよ。」

「君には言っていないよ若白髪くん。」

「そうだよ、あまり吠えないようにね白チワワくん。」

「ぶち殺すぞお前ら…!」

 

「如月千花です。術式は赤血操術。よろしく。」

 

「あ?お前、加茂家じゃねえの?」

「違うよ。俺は一般人の家系。」

「そうなんだ。私と一緒だね。」

 

「家入硝子です。他人に反転術式を掛けられます。よろしくー。」

 

「うん、よろしくね家入さん。」

「反転術式使えたところで雑魚は雑魚だろ。」

「どうしたの白チワワ。女の子相手だから恥ずかしがってるのかな?」

 

 

男が全員喧嘩腰だな。いっそ見事なほどだ。主に白チワワのせいだが、原因の一端である自覚はあるので反省はしている。

 

「……自己紹介は終わったみたいだな。俺は夜蛾正道。このクラスの担任を勤める。よろしく。」

 

「「「「よろしくお願いしまーす。」」」」

 

なんとか自己紹介が終了する。よかった、これ以上教室が壊れずに済んだ。今日はここで解散だろうし、ここから少しずつ仲良く─

 

「お前たちには、今から親睦を深めるために全員で合同任務を行ってもらう。本来なら、上級生に引率をさせるが…今は全員任務でいないので、俺が引率をする。」

 

終わった。




如月千花 約172cm。チビではない。
五条悟 約191cm。脚長魔人。
夏油傑 約185cm。肩幅魔人。
家入硝子 約165cm。足が細い。
夜蛾正道 唯一のまとも枠。これから胃を痛める日々が続く。

中学校生活は書くか迷いましたが、長くなりそうなので書かないことにしました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。