赤血操術の可能性を追い求めたい!   作:甚一くんは…髪と眉毛がアカンわ

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家入の台詞が無さすぎたので注釈で入れてみました。
見てくださっている皆様、ありがとうございます。
お楽しみいただけると幸いです。


変容

夜蛾先生から合同任務(死刑宣告)を告げられてから少し経った後。俺達は任務に向かうため、車に乗り込んでいるのだが…。

 

「…………」

 

気まずい…!

白黒最強コンビはとんでもなく険悪な雰囲気だし、俺も家入も自分から会話を始めるタイプではないので、会話が一つも発生しない。沈黙に耐えられずに夜蛾先生に視線で助けを求めるが、夜蛾先生も助手席で頭を抱えていた。どうやら初日からこんなことになるとは思っていなかったらしい。*1

俺も思ってなかった。

 

「と、到着しました…。」

 

あまりの地獄っぷりにいたたまれないと言わんばかりの顔をした補助監督さんが、到着を知らせてくれる。どうやら、この森の奥にある廃墟が任務の場所であるらしい。夜蛾先生が車から降りたので、俺達も車の外に出た。

 

「全員降りたな?では、今回の任務の説明をする。この任務では二人一組のペアを作り、呪霊を一匹ずつ………」

 

夜蛾先生がなにやら説明をしてくれているが、今の俺にそれを聞く余裕はなかった。

こっからどうやって仲良くしよう……!こうして同級生になれたのだから、どうせなら夏油傑の救済というものをやってみたい。その為には夏油傑と仲良くなることは最低条件だし、多分五条悟と夏油傑が仲良くならなかったら展開が大きく変わり、原作知識が役立たなくなる。つまり、俺はここから五条悟と夏油傑を仲良くさせた上で、俺も最強コンビと関係を作る必要がある。

……無理じゃないか?難易度ルナティックってレベルじゃない。

 

「…………以上だ。なにか質問はあるか?」

 

やば、夜蛾先生の話一ミリも聞いてなかった。…まあなんとかなるか。

 


 

目の前で壮絶な戦いが繰り広げられている。瞬きの間に地形が変わり、一度の攻撃で辺りに轟音が響くと共に、周囲の木々がひしゃげて木片になっていく。

そう、今の俺の目の前では、最強コンビの殺し合い(けんか)が起きていた。

 

「おー、規模やば。」

 

「…夜蛾先生、廃墟無くなってますけど、大丈夫なんですか?」

 

「ああ、問題ない。依頼人からは、事前に『取り壊す予定だから、更地にしてくれて構わない』と言われている。」

 

「なるほど。夜蛾先生、こうなることわかってましたね?」

 

「……流石にここまでやるとは思わなかったがな。本来なら、一人一人の全力を確かめるために、なにを壊しても構わない任務を選んだんだが……。」

 

ちなみに呪霊は殺し合いに巻き込まれて二匹とも消し飛んだので、俺はめっちゃ呑気に観戦してる家入*2と、ちょっと遠い目をした夜蛾先生と一緒に後方で待機している。夜蛾先生によると、後日、もう一度引率つきで任務の体験をしてもらうらしい。まあ、明らかにまともな任務のこなし方じゃないしな。にしても、二人ともボロボロだな。家入の仕事が増えていく…。

 

「うおっと。」

 

唐突にこちらへ飛んできた瓦礫から身を守るために、血で壁を生成する。危ないな、家入と夜蛾先生に当たったらどうするつもりだったんだ?

抗議の意志を込めて最強コンビを睨み付けると、二人はにんまりと笑みを浮かべながらこちらを見ていた。こいつらわざとやりやがったな……?

 

「お前もとっとと来いよ!」

「ああ、すまないね。怖いのなら無理にとは言わないけれど…。」

 

…………すぅ……………ふう……………。*3

落ち着け、アンガーマネジメントだ。これ以上夜蛾先生の胃にダメージを与えるわけにはいかない。それに、俺が参加したら家入の仕事がもっと増える。俺は合計年齢ならこいつらよりも数十倍は年上なんだ。ガキの言うことくらい聞き流して…。

 

「……お前も行ってきていいぞ。」

 

「マジで言ってます???」

 

夜蛾先生!?あんただけはマトモだと思ってたのに…!

 

「なにも考えなしに言ってるんじゃない。お前たちは一度、コミュニケーションを取る必要がある。その為には、互いの強さを認め会う必要があるだろう。」

 

「……ホントにいいんですか?多分、ここら一帯更地になりますよ。」

 

「問題ない。許可は既に取っている。」

 

「そういうことなら…お言葉に甘えましょうか。」

 

俺は制服のポケットから、赤黒い球体を取り出して、二人の方に向かった。

 


 

俺が持っているのは、大量の血液を圧縮して固体化した球体、原作では『百斂』と呼ばれていた物だ。反転術式を習得していない状態で、戦闘中に体から血を抜き取るのはリスクがありすぎるので、中学校の三年間で家入に協力してもらいながら血を抜き取って圧縮していた。お陰で、100Lくらいの血液を固めた物が一つ、10Lくらいを固めたやつが五つ出来た。

 

10L百斂の形を変化させ、血の槍を作り出して二人に向かって全力で投擲する。直線的な軌道なので当然回避されたが、狙いはそこじゃない。瞬間、血の槍が弾け飛び、大量の血飛沫が上がる。

……五条は瞬間的に無限を張って、夏油はデカイ呪霊を出して咄嗟に血飛沫を防御したらしい。対応されるのが早すぎて少し悔しいが、やることは変わらない。もう一つの10L百斂を取り出して、両手で挟み込む。

 

「穿血。」

 

放たれた血の光線は、不自然な軌道でねじ曲がり、二人の方に向かっていく。

 

「ぐっ!?」

「ッ!」

 

ふむ、夏油には避けられたか。しかし、五条には命中したな。恐らくは、『穿血は真っ直ぐに飛ぶもの』という情報を知っていたが故の被弾だろう。

すぐに手を突きだし、飛び散った血を手元に集めようとするが…

 

「術式順転 蒼!」

 

より強い引力によってそれが妨害される。判断が早い。鱗滝左近次もビックリの速度だ。なんて思っていると、唐突に上空から風切り音が聞こえた。咄嗟に100L百斂を壁に変化させて落ちてきた何かを防ぐ。これは……

 

「夏油の呪霊か!」

「ご名答!」

 

いつの間にか背後に立っていた夏油の蹴りを左腕で受ける。ベキリという乾いた音が響いた。不味いと思い、夏油から距離を取るが…

 

「お返しだ!」

 

距離を取った先で待ち伏せていた五条の全力パンチを顔面で食らう。イッタ!?鼻血大量なんだけど!?このほっそい腕のどこにそんな筋肉詰まってんだよ!というか!

 

「ほぼ二対一じゃん!!卑怯!!!」

 

「フフ、いいかい如月くん、この世界ではね…」

「勝ったやつが正義なんだよ!」

「仲良しだなお前ら!!」

 

いつの間にそんな仲良しになったんだよお前ら!?俺の心配返せよ!クソが、絶対に吠え面かかせてやる……。

 

「赫燐躍動・載!」

 

俺の左目の周りに、細いひび割れのような紋様が浮かび上がる。

術式で強化した身体能力で一気に五条に近づき、100L百斂を大槌の形にして思い切りぶん殴る!!

うわ、すげえ勢いで飛んでった。………死んでないよな?

少しだけ冷や汗をかいて五条が飛んでいった方を見つめていると、視界の端に夏油の蹴りが写った。当たると確信した表情で、夏油が足を振り抜く。

 

「ハハッ、ドンマイ!」

 

しかし、俺はその足を掴み取って夏油を持ち上げ、全力で地面に叩きつけた。咄嗟に受け身を取ったようだが、それだけで衝撃を殺しきれる訳もなく。夏油はその場で意識を失った。………掴んだ足から何かが砕ける音がしたのは、気のせいということにしておこう。

何はともあれ俺の勝ち!多分折れているであろう左腕を無理やり動かし、勝利のスタンディングをキメる。

 

そんな俺を、家入は呆れた目で、夜蛾先生はやべーやつを見る目で見つめていた。

 

………あっやべ、あんなに重傷負わせたら家入の負担増えるじゃん。

*1
夜蛾「普通はもっとこう……親睦を深めるための会話が起こるものなんだが…。」

*2
家入「タバコ吸っていい?」夜蛾「!?」

千花「だめ。せめて先生いないとこで吸いなよ。」

夜蛾「!?!?」

*3
家入「めっちゃキレてる…w」




如月千花 意図せずに漁夫の利をしていた人。百斂は、
『バスタブで手首を切り落として血を流す→家入に手首をくっつけてもらってバスタブに貯まった血を固める』
って感じで作ってた。

家入硝子 怪獣大戦争を観戦してた人。タバコと酒は中3でデビューした。ノー躊躇で自傷する千花にキレて千花を拷問にかけたことがある。

五条悟 漁夫の利された人①。夏油との戦闘で無限を張り続けることができないレベルまで弱ってた。普通の病院だと全治4ヶ月くらいの怪我。

夏油傑 漁夫の利された人②。五条との戦闘で所持呪霊の半分ほどを消し飛ばされた。普通の病院だと全治2ヶ月くらいの怪我。

夜蛾正道 他の二人よりはマトモだと思ってた男女二人組もイカれ野郎であることが判明した。次の日、胃薬を買った。

台詞をどこで入れればいいかがわからない…。
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