内務局員アンナはお掃除をがんばります!   作:朝日橋立

21 / 21
閑話四 お茶会です!

 制服を緩く着るというのはあんまりない。

 それも下手にそんな風にして、他人に目を付けられるというのもあんまり意味がないからだ。

 

 しかし、現状少し着崩しているのは少しばかりの横着によるだろう。

 偶然にも寝坊をしたというべきか……。

 まあ少しばかりこちらに問題があったことを否定しない。

 

「すいません、すいません。遅れました」

 

 こんな風にマルファさんに謝る。

 彼女はあんまり見たことのないような、所謂私服と言われるものを着ている。

 

「あっ、久しぶりだね。アンナちゃん」

 

「はい、えっと……。覚えてるものかと思いましたが、あんまり時間は記憶してませんでした」

 

 さて、ヤウザ士官学校の二ヵ年目が終わり、大体のところ学校生活も半分に差し掛かった休暇であった。

 それも終わってしまって、これから三ヵ年目が始まる。

 

 休日と言ってもあんまり長いものではない。

 そもそも私は内務局の方には帰れないので、普段通りの生活の焼き直しとなった。

 あっちの方に出入りしているのを見られてもまずいというのもある。

 

 もっとも普段よりも手紙は頻繁に出したと思う。

 これは内務局の同僚であるとか、あるいはもっと別な人であるとか……。

 結局私はヤウザの外に知り合いはあんまりいないので、そんな遠方にはあんまり出していないのだけどね。

 

「こっちはあった? 面白いこと」

 

「そうですね……。学校の中からあんまり出てませんが、五月祭というべきかメーデーというべきか、お祭りがあったはずです。そっちはどうです?」

 

「うーん、たぶんこっちと同じだと思うよ。五月祭で遊んで、あとはゆっくりと過ごしてたな」

 

 案外こことサンクト・ピーテルとでは生活が変わらない様だ。

 しかし、あそこは元々貴族の街であるし、何かは違いそうなものだと想像は膨らむ。

 よく記憶の彼に子供らしいと揶揄われることであるが、古都への興味というのは生まれていた。

 

「あっ、そうだちょっとしたものだけどお土産持ってきたんだよ。見てみて」

 

 彼女は包み紙をとると、ものを見せてくれた。

 知らない街の描かれた綺麗な箱である。

 

「これは?」

 

「チョコレートだよ。あっ、これは旧大聖堂だね」

 

「へえ。高かったんじゃないですか?」

 

「まあ、それなりに……」

 

 お値段は聞かないことにした。

 あんまりに高いと何も準備していないことが申し訳なくなってしまう。

 

 さて、こんな会話の後には少しお茶を飲んでから寮に帰ってきた。

 普段よりも人が少ないなかでお茶を準備して再びお茶会が始まった。

 

「あっ、美味しいです」

 

「だね、私も初めて食べた」

 

「へえ、確かに買わないものですよね。私もこんな豪華なの買ったことありませんよ」

 

「ええ嘘でしょ、時々高そうなの食べてるのみるけど?」

 

「それは貰い物ですね。外の知り合いが時々送ってくれるんですよ」

 

「お金持ちだね」

 

「どうでしょう……。あんまり知らないですね」

 

 というのも送られてくるのは大抵仕事の報酬とばかりである。

 そもそもとして送り主を知らないのだ。

 

 幾つかの話を挟みながらもお茶を飲み続けた。

 途中から私の秘蔵のものなんかも出して、とても楽しかったといえる。




ちょっとした余談。
物語全体を通していわゆる歴史ネタというべきか……。
そのように解釈できる物語なので、ウィキネタ的なのを作ろうかなと思っていたりします。掲示板形式的なノリですね。
実際やるかは未定なのですが。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

TS転生したら人類の敵だった(作者:生しょうゆ)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

私の名前は伊藤桜。前世の記憶がある女子高生!▼そんな私はある日、自分の家族を惨殺し、この世界に原作があることを知ったのだった。▼この作品はカクヨムにも投稿しています。


総合評価:5606/評価:8.41/連載:29話/更新日時:2026年06月11日(木) 01:42 小説情報

TS転生外宇宙系魔法少女ダークネス・ルーシィ(作者:SIS)(オリジナル:現代/ホラー)

SAN値直葬系マスコットとそれを心から愛する転生者(正気)の日常。▼※序盤とタイトルを書き直しました。▼気分転換に書いた作品を投稿欲を満たすために投稿してみます。▼続き書いたら増えます。


総合評価:3467/評価:8.51/完結:57話/更新日時:2026年08月29日(土) 17:38 小説情報

マスター、このままだとメス堕ちキャンセラーが壊れちゃいますよ~(作者:メスキャン界隈)(オリジナル:現代/コメディ)

客がろくに来ないような喫茶店を経営していると、バイトのJKに「このままだとお店潰れちゃいますよ~」って言うノリで、ひたすら変な概念をぶつけられ続ける話▼催眠アプリ会社とかメス堕ちキャンセラーってなんだよ


総合評価:2126/評価:8.67/連載:20話/更新日時:2026年09月24日(木) 07:03 小説情報

TS少女は野蛮な世界を塗り替えたい(作者:きうりの魂)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

林檎が木から落ちるように殺人が勃発する世界。▼暴力が全てを肯定する世界で、TS少女は考えた。エネルギッシュ野蛮人しか居ないし、平和な空間が欲しいなあと。


総合評価:459/評価:7.31/連載:15話/更新日時:2026年08月11日(火) 23:30 小説情報

白い少女はただ善く生きたい ――人々の瞳に映る少女は、ひとつではない――(作者:不明さん)(オリジナル:ファンタジー/日常)

魔法の存在しない世界で生きていた男は、気がつけば、魔法の存在する世界で白髪と白い瞳を持つ少女――リヴィアとして生きていた。▼赤子の頃に教会の前へ置かれた彼女を拾ったのは、アドリアンという一人の神父。穏やかに人々へ手を差し伸べる彼に育てられながら、前世の記憶を取り戻したリヴィアは思う。▼前の人生では、悪人ではなかった。けれど、面倒や危険を避けて、手を伸ばさなか…


総合評価:633/評価:8.1/連載:39話/更新日時:2026年09月22日(火) 02:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>