それはある日の事、すっかり教師姿が板に付いたリュウイチが次の授業の準備を進めていると1人の人物が慌てて職員室に飛び込んで来る。
「だ、ダダダダンジョンでだ、ダダダ大規模なほ、ほほほ崩落がありました!!」
その言葉に教師達はピタリと動きが止まる。現在ダンジョンでは複数の小隊が単位取得の為ダンジョン遠征に向かっている。そして大規模な崩落があった階層でも生徒達はモンスターを狩っていた。
「嫌な予感しかしない」
その報告を聞いたリュウイチは思わず呟く、案の定崩落に巻き込まれた中にベルが居る【第三小隊】もありリュウイチは「やっぱりな」と天を仰いだ。
一方、崩落に巻き込まれたベル達は17階層に辿り着くと同時に、産まれたゴライアスに襲われていた。
「走れええええええええええええええ!!」
ベルが大声で叫んだのを合図に全員が走り出し、後ろからゴライアスが迫る。
どんなに早く足を動かそうとベル以外は全員Lv3以下、それ以上のポテンシャルを持つゴライアスとの鬼ごっこの結果は、火を見るより明らかだった。
(全員僕の方を見てないし仕方無いか)
「【決められた正義、決められた悪】【救いがあり、滅びがあり、物語がある】【彼らの物語をここに】」
詠唱と同時にスキル【
「【
誰にも悟られない様に詠唱を終える。生み出すのは矢へと変えられた螺旋の剣
「【
今回は弓での射出ではない為そこまでの威力は無いが、ゴライアスの目に直撃し、ゴライアスは思わず足を止める。
チラッとベルが前を見ると、第三小隊は逃げるのに必死で、まだ騒動に気づいていない。
(もう一押し)
再びベルが背後を見ると、放たれた螺旋剣を目から引き抜き、その手に握られ折れんばかりに曲げられていた。
「丁度いい、それあげるよ【
ボカン!!とゴライアスの手の中で螺旋剣が吹き飛び、最後の輝きとしてゴライアスの右腕を奪い去った。
ベルの密かなアシストのお陰で第三小隊はギリギリ逃げ果せる事に成功し、ゴライアスより前の戦闘の疲労もあり、緊張の糸が切れその場にへたり込み気絶した。
幸い10分程で全員意識を取り戻し、彼らはリヴィラの街に足を運んだ。
「何だよこれ!!」
「見ての通り一泊の値段だ」
「そんな事は分かっている!!その値段が法外だと言っているんだ!!」
「おいおい、ここはリヴィラの街だぜ?これがここの普通だ。払えねぇなら散れ」
とまぁリヴィラの値段に面を食らった生徒達は宿に泊まる事は出来ず、そこはベルが上手いことボールスに取り次ぎテントを借りる事が出来、交代で見張りをしながら眠りについた。