3人が暗黒期に来て3日目の夜
「リュウイチさん、ミユさん、僕、戦おうと思うんです」
ベルはリュウイチとミユと三人だけになったタイミングでそうきり出す。
「この時代で助けられなかった人を助ける為に、未来を少しでも良い方向に変える為に」
「「……………………いいと思うぞ/よ?」」
「え?」
反対されると思っていたベルは思わず声を漏らし二人を見るとその手にはそれぞれの得物が握られていた。
「この2日間この時代でゲームを売った、売り上げはいくらになったと思う?」
「え?僕達の時代で最初に売った時と同じ位じゃ?」
「フッフッフッ0よ0、持ち家も何も無いから露店にしたんだけど誰も彼も見向きもしやしない、つまり何が言いたいかと言うと」
「「許すマジ闇派閥!!」」
その日からオラリオにも闇派閥にも属さない謎の勢力が1つ生まれた。
「死ねぇ!!闇派閥!!」
「テメェらのせいで此方は商売上がったりだ!!さっさと滅べ!!でなけりゃテメェらが買え!!」
「…………………………………………」
その勢力は烈火の如き勢いで闇派閥を殲滅しまるで未来を予知する様に闇派閥の襲撃を防ぐ。3人組、内2人は見たこともない武器を使い轟音と共に闇派閥をねじ伏せる。
「【
もう1人は時に鎖の付いた炎の双剣で荒々しく、時に宙から剣を生み出し冷徹ささえ感じる程に淡々と冒険者達を援護していく。
そうして幾度も闇派閥を倒している内に噂は拡大し尾ひれが付き闇派閥を嘲笑う様な様からこう呼ばれる様になった。【
噂の錯綜からとうとう人数すらあやふやになったベル達はこれ幸いと暴れまわる。
「モルドの情報が正しいならヤバいのはアイツらだな」
リュウイチは手元の資料と目の前で繰り広げられるエルフとダークエルフのコンビ2組の戦闘を見ながらそう呟く。
戦っているのは【妖魔】と呼ばれ恐れられる【ディース姉妹】
対するは【フレイヤ・ファミリア】の幹部ヘグニとヘディン
「良し、いくぞ」
リュウイチの指示の元ベルが4人の前に姿を表す。
「「【
二人の言葉にベルの表情は無を通り越し落胆へと変わる。
「殺す、か。君達の破綻とはその程度か」
「???何を言って……」
「いや済まない、此方の都合だ。この場に至るまでの全てがね」
その表情にディース姉妹は気味の悪い物を感じベルを殺そうと襲い掛かる。
しかし
「「え?」」
凄まじい踏み込みの後ベルは強烈な痛打を2人に叩き込み2人は壁に激突する。
「む?」
しかしベルの頬に傷が付き同時にガクリと膝が崩れる。
「アハハハハハ!!どうどう?良く効くでしょ?私の言う事を良く聞くいい子なのよ!!」
そう言うディナの手には赤黒いスティレットが握られていた。
「【呪詛】の類か」
再び2人がベルに接近しそれぞれのスティレットで貫こうと振り上げる、しかしベルはディナの頭を掴み壁に押し付けると詠唱を紡ぐ。
「【私が殺す 私が生かす 私が傷つけ私が癒す。我が手を逃れうる者は一人もいない。我が目の届かぬ者は一人もいない】」
当然ディナだけでなくヴェナもベルの体を傷つけディナを助けようとする。
「【打ち砕かれよ。】
【敗れたもの、老いた者を私が招く。私に委ね、私に学び、私に従え。】
【休息を。唄を忘れず、祈りを忘れず、私を忘れず、私は軽く、あらゆる重みを忘れさせる】」
しかしベルは詠唱を止めること無く詠唱が繋がる程にベルの体に傷が増えていく。
「【装うなかれ】
【許しには報復を、信頼には裏切りを、希望には絶望を、光あるものには闇を、生あるものには暗い死を】
【休息は私の手に。貴方の罪に油を注ぎ印を記そう。】
【永遠の命は、死の中でこそ、与えられる】
【許しはここに 受肉した私が誓う】
【
「ヒッ!?」
そうして詠唱が終わる頃、たまたまベルと目が合ったディナは小さな悲鳴を上げた。
何も映していない死んだ瞳、傷だらけにも関わらず死んだ瞳で笑っていた。
まるで【破綻者】である様に