ギルガメッシュが去った後、ベルをミユに任せリュウイチはヘルメスとアストレアの元へ向かった。
「そうか、アーディちゃんが」
「ディース姉妹にギルガメッシュが加わる以上、ベルを向かわせるのは絶対だ、でなければ彼の機嫌1つで全ての計画がパーだ」
「【暴食】に【静寂】に【英雄王】、更に人質まで、混沌はよっぽど【悪】に傾倒しているみたいね」
「だが、僕らが挑む決戦はまだマシだ、質は向こうが上だが数では勝っている地の利は五分。対して君達は数が五分で質も地の利も劣っている状態で戦う事になる。質に至っては圧倒的と言っていい上に援軍も見込めない」
「それでもやるしかない…………そう言えば【ロキ・ファミリア】が襲撃されたそうだが戦闘に参加できるのか?」
「【ディアンケヒト・ファミリア】と【ミアハ・ファミリア】が全力で治療に当たったお陰で全快したらしいから大丈夫よ、今は貴方達の戦いに意識を向けてちょうだい」
そして約束された日の約束された時間
ベルは約束通りの場所にリュウイチとミユと共にやって来る。
「アーディさん!!」
「……………………シ…………ロ?」
そこには血塗れのアーディを甚振るディース姉妹とそれを道楽の様に見下ろしながらワインを愉しむギルガメッシュの姿があった。
「遅かったな
「ッ!!」
「抑えろよベル、助ける為に冷静に、だ」
「……………………はい」
「んじゃ、やれ」
リュウイチがそう言うとベルは右手を前に突き出す。
「【体は剣で出来ている】【血潮は鉄で、心は硝子】【幾たびの戦場を越えて不敗】【たった一度の敗北もなく、たった一度の勝利もなし】」
「ああ、それか」
ギルガメッシュはそう言うと無数の宝具を宝物庫から打ち出すがベルも
「【担い手はここに独り】【剣の丘で鉄を鍛つ】【ならば、我が生涯に意味は不要ず】」
ギルガメッシュは立ち上がるとディース姉妹がベルに向かって特攻を仕掛けるが
「【この体は、無限の剣で出来ていた】」
世界が塗り替わり無数の剣が乱立する丘に姿を変える。
「やはり固有結界か、それで?よもやあいつの様にただ剣を投げるだけではあるまい?」
「折角だからアレ言っとけ」
「え?アレって…………アレですか?でも良いんですか?僕なんかが言っちゃって」
「馬鹿、寧ろ他に誰が言うんだよ。ほら、あまり向こうを持たせるものでもないぜ」
「は、はぁ、では僭越ながら」
ベルはそう言うと1度深く深呼吸をしギルガメッシュを見る。
「行くぞ、英雄王、武器の貯蔵は十分か?」
その姿にギルガメッシュは嘗て相対した赤い髪の少年を想起しフッと笑うと返事を返す。
「思い上がったな、雑種!!」
そう言うギルガメッシュの瞳は何処か嬉しそうだった。