オラリオで娯楽革命を   作:寝心地

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鍛冶師

Demon's Soul返品事件から数日後

 

販売初日から買った者達で返品していない者が【変態】と呼ばれるようになった頃、【聖火の遊技場】と言うか【ヘスティア・ファミリア】にとって、1つの事件が起きた。

 

「え?引退?」

 

「ああ、儂ももう年だしそろそろ鎚を持つのがしんどくなってな、これを気に田舎で鍬に持ち替えようと思っとる。主神様にはもう許可を貰った」

 

リュウイチが話しているのは契約していた【ヘファイストス・ファミリア】の鍛冶師、ベルの鎧や武器を融通してくれていたのだが歳も歳だと引退を決めたと言う。

 

「そうですか、では新しい鍛冶師を決めなければ、貴方程実力の空いている鍛冶師がまだいるでしょうか」

 

「まぁ、そうはおらんだろうな………………」

 

「やっぱりそうですよね~、ではせめて今は貴方程でなくても将来貴方レベルになる鍛冶師は居ませんか?」

 

「ふ〜む……………………1人おらんこともないぞ」

 

「本当ですか!?」

 

「ああ、レベルこそ1だが武具の腕もLv1にしては最上位、更にまだまだ伸びしろがあると来た」

 

「おお」

 

リュウイチは老人から語られる情報をメモ帳に記していく。

 

「だがな、鍛冶屋は偏屈と相場は決まっとるがソイツは中でも飛び抜けて偏屈だぞ」

 

「ほぉ、と言うと?」

 

「ソイツは魔剣が打てる、Lv1で魔剣が打てるが、ソイツは打ちたがらない」

 

「ふむふむ、他には?」

 

「それ位だな、要は最強の武器を使いたがらないんだ」

 

「成る程成る程……………………はい、問題ありません!!ではその人に引き継ぎをお願いするのでお名前を聞いて良いですか?」

 

「奴の名はヴェルフ、ヴェルフ・クロッゾだ」

 

「分かりました。今までありがとうございました」

 

「此方こそ、お前さんらの活躍を田舎で楽しみにしとるよ」

 


 

【ヘスティア・ファミリア】本拠

 

「と言う事で、明日新しい鍛冶師の人と面会する事になった、ベルも来い」

 

「え?僕もですか?」

 

「まぁ貴方の武具を作ってもらうんだから礼儀として行かないと」

 

「確かに、分かりました」

 

そうしてリュウイチとベルは【ヘファイストス・ファミリア】の本拠のヘファイストスの部屋に向かう。

 

「いらっしゃい」

 

「本日はお時間取って頂きありがとう御座います」

 

「堅苦しいのは良いわ」

 

「では、先日お伝えした通り前任の鍛冶師の方に推薦いただいたヴェルフ・クロッゾさんと契約したく思います」

 

「そぉ、私はその辺りはあまり口出ししないわ、特にヘスティアの子供達ならね、その辺りは本人と話してちょうだい」

 

ヘファイストスにそう言われるとトントンと扉が叩かれた。

 

「入ってらっしゃい」

 

扉が開かれ現れたのは炎の様に赤い髪の青年。青年は1度ベルとリュウイチを一瞥しヘファイストスを見る。

 

「お呼びですか?」

 

「ええ、貴方に契約の依頼が来てるわ」

 

ヘファイストスがそう言いリュウイチが一歩前に出る。

 

「初めまして、【ヘスティア・ファミリア】のリュウイチと申します」

 

「あ、ああ、ヴェルフ・クロッゾだ、家名は嫌いなんで名前で呼んでくれ」

 

「では、ヴェルフ様、私達【ヘスティア・ファミリア】は貴方に専属契約を申し込みます」

 

「専属契約?」

 

「貴方に彼の武具を作ってもらいたいんですって」

 

ヘファイストスがそう言いベルに視線を送る。

 

「は、初めまして!!ベル・クラネルです!!」

 

「ベル・クラネルっていやぁあの【リトル・ルーキー】か!?って事はアンタら【聖火の遊技場】!?」

 

「はい」

 

「マジか!?いや待て、1つだけ言っとく事がある」

 

最初は喜んでいたヴェルフだったが一瞬で顔付きが鋭くなる。

 

「俺は魔剣が嫌いだ、だから魔剣は打たねぇ、それでも良いか?」

 

「品質さえしっかりしてれば強要はしません」

 

「つまり俺の腕で黙らせろって事か」

 

「そうとも言いますね」

 

「………………………………分かった、その提案是非乗らせてくれ」

 

「これから宜しくお願いします」

 

リュウイチはヴェルフと握手を交わし契約書にサインを貰い新たな鍛冶師として契約した。




老鍛冶師
ベル君の武具を鍛えていた老鍛冶師、Lv3の人間
鍛冶師の一家に生まれ50年近く鎚を振るい続けた大ベテラン

その鎚から生まれる武具は攻撃力や防御力もさることながら【寿命】に念頭を置いており彼の鎚から生まれる武具は最強の相棒ではなかったが最も信頼出来る相棒と言う冒険者も少なく無かった。

口にも態度にも出す事はなかったがヴェルフを気に掛けていた数少ない人物だった。

そんな彼も歳には勝てず引退の道を選んだ。
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