それはとある日の夜
「神様、ただいま戻りました」
何時もの様に帰って来たベルはその手に自身が羽織っていた精霊の護布を着せた何かを抱えていた。
「ベル君、なんなんだいそれは?」
普段はのほほんとしたヘスティアも異変を感じ取ったのか険しい表情でベルを見る。ベルが外套を外すとそこには異形の少女がいた。
ベルは手の中のソレが人語を理解し知性を持ち敵意が無いことを力説しひとまず様子を見る事で話は着地する。
「でもお店どうするんですか?こんな爆弾抱えたままじゃお店開けませんよね?」
リリルカの言葉にリュウイチとミユは少し考えた後コソコソと何かを話し合いミユは奥の部屋から服を一式持って来る。
「流石に女の子を何時までも裸に布1枚にしておく訳には行かないからね、あ、もしかしてベル君の趣味だった?それなら辞めるけど…………」
「何言ってんですかミユさん!?そんな訳無いじゃないですか!?」
「ミユのイタズラだ、いちいち反応してたらキリがないぞ、俺達は外に出てるから取り敢えず頼んだぞ」
「はいは〜い!!」
10分程して春姫が呼びに来るとリュウイチ達は中に入り簡易的な会議を始める。今回は事態が事態だけにファミリアのメンバーは全員強制参加である。
「さて、それじゃあその異形の子…………長いな、と言う訳で会議第一の議題はこの子の名前を決めたいと思いま〜す!!」
「おお〜」
本当に理解しているのか異形の少女はパチパチと拍手する。
「まぁベルが見付けたんだからベルが付けるべきだろう」
「まぁな」
「え?急に!?う〜ん」
ベルは傍らに座る少女を見る。
「………………………………ウィーネ」
暫く考えた後絞り出す様にベルは言い少女の名前がウィーネに決まった。
「さて、次の議題はこの子の扱いについてですが…………これに関しては1つ思い付いてます」
ミユがそう言うと全員がミユに注目する。
「この子はベル君が調教した体で【聖火の遊技場】で働かせましょう」
「「「「は?」」」」
「いらっしゃいまて!!」
「おお〜ウィーたんまたきたで〜、う〜ん何時見てもウィーたんは可愛いな〜」
「ズルいぞロキ!!俺達にも見せろ!!」
「ああん?自分らみたいなのがウィーたん見たらウィーたんが汚れてまうやろ、黙って見てろや」
ベル達がウィーネについて詳しい情報を得ている間、ウィーネはそれはもう可愛がられた。無論ベルが調教したという建前と店先にそう言う存在が居ると言う看板を立てた上での出来事なので忌避を示す者も一定数居るがそれでもそう言った事を気にしない者達、特に綺麗な者や可愛い者好きな神達は寧ろ今まで以上に足を運んだ。
「取り敢えずこれで暫くは大丈夫だろう」
「元【イシュタル・ファミリア】の人達もお金が貯まってきてだんだんそれぞれの道を行くようになって人手不足気味だったので助かりますね」
「まぁ、そう良いことばかりでもねぇだろうがな」
「………………………………そうですね」
2人は今の良い傾向が一時的な物だと気付いていた。だからこそ、次の手を打つ事にした。