恋文が届きヘファイストスが【リヴァイアサン】を持ち込んだ翌日、ベルは誘拐された。
いや、待って欲しいこれには海より浅く山より低い理由があるのだ…………うん、こうして見るとあんまり大したことじゃなさそうだが、兎に角!!ベルは誘拐された。【フレイヤ・ファミリア】の団員に。
「と言うことで貴様にも協力してもらう。拒否権は無い」
ボロボロになったベルを雑に運びながらそう言って来たのは【フレイヤ・ファミリア】ヘディン・セルランドだった。そんな彼が現在【ヘスティア・ファミリア】を訪れミユとリュウイチの前で茶を啜っていた。
「美味い茶だな、ひとまずは合格の範囲内か」
「それで?ベル君の何ですって?」
「二人の逢瀬の日、服は貴様が選ぶつもりらしいな」
ヘディンはそう言いミユを見る。
「まぁ、ベル君はそう言うの疎いですからね」
「礼儀作法は?」
「礼儀作法?デートコースを決めて必要なら教えようと思ってます。後は【女性がされて嬉しい行動100選】とか?」
「幾つか質問がある。まず、何故デートコースを選んでから決める?」
「そりゃあ例えば、食事は食事の様式によって作法が違うからです。高級フレンチと懐石料理は作法が違うでしょ?」
「……………………次に【女性がされて嬉しい行動100選】とは?」
「これはそのままの意味ですよ、女性がキュンとする様な男性の行動が書かれてます」
「お前何処でそんなの買ったんだよ」
「普通に本屋に売ってた。多分神様が書いた本じゃない?それも女神」
「………………………………良いだろう、貴様にもあの愚兎を改造する手伝いをさせてやろう」
「え〜私ゲーム作成で忙し…………」
その瞬間、ミユの頭をヘディンが鷲掴みにし万力の如き力を込める。
「いだだだだだだ!?割れちゃう割れちゃう!?私の絹の様な髪と頭が〜!!」
「まだ余裕そうだな」
ヘディンはそう言うと更に力を込める。
「いだだだだだだだだだだだ!?死ぬ死ぬ!?分かった分かりました!!協力させて頂きます!?」
「良し」
「では此方を」
ヘディンがミユの承諾(強制)を確認した後、リュウイチは1枚の紙をヘディンに渡す。
「何だこれは?」
「うちの従業員を貸し出すんだ、相応の【レンタル料】を貰わないとな」
「そうか、受け取れ」
ヘディンはそう言うとドサリと大きな巾着袋を机に置く。リュウイチが中身を確認するとそこには相応のヴァリスが入っていた。
「良いのか?提示した倍額以上が入ってる様に見えるが?」
「構わん、全てはシル様の為だ」
ヘディンはそう言うとベルとミユを連れ何処かへ消えた。