「いったたたたたたたたた!?」
「もう!!兄さん動かないで下さい!!」
リュウイチは本拠でミユの手当てを受けていた。
リリルカの力で【フレイヤ・ファミリア】の襲撃から何とか逃れた一行はミユとリュウイチを除き本拠に戻った途端疲労や負傷から気絶した。そしてリュウイチも満身創痍でギリギリ意識を保っているだけの状態だった。
「うっ!?」
その瞬間、強烈な何かがリュウイチ達を襲う。最初は負傷によるものかとも考えたが戦闘していないミユも同じ症状に襲われている様で異常事態である事を察するがそれが何なのかは知る事は出来ず全員が気を失った。
「しっかしアンタらが倒れてる時はどうなるかと思ったぜ」
「全くです、お二人はうちの稼ぎ頭なんですから体調を崩されては困ります」
2人はいつの間にかリビングに倒れておりリュウイチに至っては何故かボロボロだった。ヴェルフとリリルカは何が起こったのかと2人を揺り起こし現在に至る。
「う〜ん、あんまり覚えてないんだよね〜」
「マジで俺なんでボロボロなんだ?」
2人はそう呟きながらも日常に帰って行った。
それから2日後
「で?君達は何やってるの?」
ヘスティアはテレビゲームで遊ぶ一行を見てそう呟く。
「新作のゲームです」
「新作のゲーム?」
ヘスティアが画面を覗き込むと、そこには簡素な作りのキャラクターが建物や乗り物の上から互いを落とし合う様が流れていた。
「えっと【ギャングビースト】」
「はい、このゲームは互いに互いを落とし合うゲームです。簡単でしょ?」
「な〜にが『簡単でしょ?』ですか!!これめちゃくちゃ操作難しいじゃないですか!?」
リリルカはコントローラーを握りしめながらミユにそう文句をいう。
「いただき!!」
「あ!!ヴェルフ様ずるい!!」
その隙にヴェルフがリリルカのキャラクターを掴み線路の中に落とそうとするがリリルカは床を掴み必死に抵抗する。
「あわわわわわわ!?」
その間に春姫は操作の難しさから勝手に自滅しやって来た電車に見事に惹かれトンネルの向こうへ消える。
「…………………………………………」
「リュウイチ君?さっきから黙ってどうしたんだい?」
「いや、何か足りない気がする」
その言葉に全員が首を傾げる。
「兄さん何が足りないっていうんですか?このゲームは割と簡単な方でしたしミスは無いと…………」
「いや、ゲームは間違いなく満足行く出来だ」
「じゃあ何が足りないんだ?」
「…………強いて言うなら…………人?」
「ッ!?」
「人?」
「ああ、ヘスティア、【ヘスティア・ファミリア】ってこれだけだったっけ?」
「………………………………」
「何言ってるんですか、私達は異端児を除けば6人でずっと生活してきたじゃないですか」
「……………………そうなんだが」
「兄さん、疲れてるんですか?」
「かも知れないな、ちょっと寝る」
リュウイチはそう言うと自室に向かいヘスティアも他にバレない様にコッソリとリュウイチの部屋に向かった。