【モンスターハンター】販売から暫く
「此方に【モンスターハンター】に必要な物一式くれ!!」
「此方もだ!!」
「此方は2つ頼む!!」
客足は滞るどころか激しさを増しタケミカヅチを含め全員が店に立っても手が足りないと言う事態に陥っていた。
「「「「人手!!」」」」
営業時間が終わり誰が合図を送るでもなく全員が同時にそう叫ぶ。
「と言うわけで、第2回緊急会議を始めます。今回の議題は【圧倒的人手不足】についてです」
「ミユ君もリュウイチ君もフラフラだよ?一旦寝たら?」
「ヘスティアこそマスコットに有るまじき凄まじい目の隈です。取り敢えずこの話が纏まったら寝ます。それで兄さん、バイトの方は?」
「バイトリーダーであるタケミカヅチとヘスティア同席の元面接を行ったが、正直能力のある人材は居なかったな」
「皆ゲームの開発の秘密を盗み出そうとか運良くば商品を盗もうとか考えてる人ばっかりだったからね」
「ハァ〜どっかに良い人材居ないかな〜」
そんな事を全員が考えていると扉が開きベルが帰ってくる。
「ただいま戻りました!!あれ?皆さんどうしたんですか?」
「やぁ、ベル君おかえり、なに、ちょっと人手不足に悩んでたんだ。ベル君の方はどうだい?」
「あ、はい!!実はサポーターを雇う事になって」
「「サポーター?」」
ベルの言葉にミユとリュウイチが反応を示す。
「はい!!【ソーマ・ファミリア】の女の子で…………」
「ああ、その話もしないとか〜」
リュウイチは天を仰ぎミユは苦笑いを浮かべヘスティアも難色を示す。
「あのねベル、その人私達にも会わせて欲しいの」
「え?」
「ほら、必要ならその人にも装備を支援しないといけないし、その人、或いは周囲に悪い事を考えている奴がいるなら対処しないといけない」
「そんな、リリは悪い子じゃあ!!」
「それを知るための面接でもあるの、お願い」
「ベル君、2人が言っている事は正しい、僕もその子との面接を求めるよ」
「分かりました」
ベルは暗い顔で了承し翌日件のサポーターを連れ待ち合わせ場所にやって来た。
「ベル様、この方々は?」
話を聞かされていなかったのかサポーターはベルにリュウイチ達の存在を尋ねる。
「この人達は僕のファミリアの先輩と神様」
「どうも、えっとリリルカ・アーデさん、【ヘスティア・ファミリア】団員及び【聖火の遊技場】製品責任者のリュウイチと申します」
「同じくミユです」
「あ、はい、リリはリリルカ・アーデと言います。しがないサポーターをしています。【聖火の遊技場】」
リリルカは2人に釣られる様に礼をする。
「さて、早速ですがリリルカ・アーデ様、申し訳ありませんが、我々は貴女が我が広告塔であるベル・クラネルのサポーターをする事に疑問を持っています」
「ッ!!それは何故でしょう」
「幾つか御座いますが、まず貴女の所属する【ソーマ・ファミリア】について、その評判は正直言って良い物とは言えません。その所属である貴女と組むことでうちのマイナスイメージに繋がる可能性がある以上、とても容認出来ません」
「それに伴い貴女自身も人に言えない様な事をして来た、違いますか?」
リリルカはその言葉を否定したかったが神であるヘスティアがその嘘を見抜く為に長い沈黙が訪れた。
「つまり、リリをベル様のお側に置きたくないと言うことですか…………」
「そうとも限りませんかねぇ」
「え?」
リリルカの問いに思わぬ答えが帰ってくる。
「先程述べた事は事実です。しかし同時にベルの話を聞き貴女が優秀な人材と思ったのも事実、貴女は厄介事であると同時に優秀でもある、さて困ったと言う事で、貴女の厄介事を取り払ってしまいましょう。リリルカ・アーデ様、貴女に【ヘスティア・ファミリア】への入団を要請します」
「「ええええええええええええええええええ!?」」
ベルとリリルカは同時に叫ぶ。
「な、何故リリが【ヘスティア・ファミリア】に!?」
「簡単な話ですよ。貴女の問題行動は他の【ソーマ・ファミリア】とやっている事は変わらない。なら問題があるのは【ソーマ・ファミリア】でしょう?うちはそういう事全くありませんから」
「でも、やっぱり無理です、【ソーマ・ファミリア】には脱退金として1千万ヴァリス要求されます」
「そうですか、では行きましょうか」
「え?」
「脱退金払いに行きますよ」
リュウイチはそう言うと馬鹿でかい麻袋を担ぎ【ソーマ・ファミリア】へ向かった。
その日、【ソーマ・ファミリア】から1人のサポーターの名前が消え【ヘスティア・ファミリア】に1人のサポーター兼従業員の名前が増えた。