転生蝙蝠の異世界冒険譚   作:鮭ノ神

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第二話 現状把握

現状を整理しよう。

私は車に轢かれて死んで、謎の声が聞えてきた。それに答えたらどこか分からないところにいて

なんか案内人とやらに従ってスキルとやらを取得して…それで自分の姿を確認したら…

……なぜか蝙蝠になっていた。しかも銀色。そして当たり前のことのように天井にぶら下がっている。

 

急展開すぎてついていけない。ふと下を見ると洞窟?だからなのか地面にちょっとした水たまりがある。少し降りて今の自分を観察してみることにしよう。うん、そうしよう。

そうして地面に降りて自分の姿を見てみる。

なぜか毛並みのいい銀色の体毛、皮膜の付いた両腕、これも当然銀色。

そしてデフォルメしたような愛嬌の感じられる顔、しかし牙や耳など蝙蝠らしさもある。

大きさは……中くらいのティッシュボックスくらいかな…?

 

はぁ、やっぱり私は蝙蝠になってるみたいだ。

しっかしここは一体どこなんだろうか?幸いにも取得した【暗視】のおかげで周りはよく見える。壁も地面も天井もゴツゴツとした岩で鍾乳石らしきものもある。あとぼんやり光っている石があるおかげか真っ暗というわけでもなし…

 

うん、わからん。こんな時には……

 

『お困りのようですね?』

 

呼ぶまでもなかったよ…えー質問!ズバリここはどこ?

 

『ふむ、レイカさん。少し壁に触れてくれませんか?』

 

壁に?分かったよ。

言われた通りに壁に触れてみると岩特有の感触が伝わってきた。

 

『なるほど…レイカさん、もう大丈夫ですよ』

 

あれ、ほんの数秒だったけど…それでここがどこか分かったの?

 

『えぇ、この岩の材質から推測するに…ここは《ゴンドワリナ大陸》の東側に位置する《シュレネー洞窟》で…レイカさん?どうしました?』

 

…ごめん、ゴンドワリナ大陸の時点で理解が出来なかった。そこから説明してほしいんだけど…良い?

 

『……確かに、そうでしたね。まぁ巨大な大陸と認知して貰って大丈夫ですよ。そしてその巨大な大陸を東西で分けた際の東側にこの洞窟は位置しています。ご理解いただけましたか?』

 

つまり日本で言うところの東日本でこの洞窟はそのどこかに位置してる、って認識でいいのかな?OK完全に理解した。

 

『あとここは比較的地上に近いので出たければすぐ出れると思いますよ。もちろん出たいのであれば道案内はしますが』

 

マジですか!早速お願いしまぁす!こんな暗いところいたらおかしくなっちまう!

 

『了解しました。ではまず取得したスキルである【飛行】を試してください。スキルを取得したとは言え何らかの"ズレ"が生じている可能性がありますので』

 

……つまり飛べってこと?『はい。飛んでください。いいえ、飛べ』クソッ!やってやる!やってやるぞ!

意を決して天井から足を離してみる。当然身体は落下しているあの感覚に襲われる。

すると私は自然と腕を広げ、まるで元々出来ていたように羽ばたいて空中にとどまっていた。

 

『ズレはなかったようですね。安心しました。それでは地上へ行きましょうか』

 

そういえば気になってたんだけど…そのズレってのはなんなの?

 

『……例えばですが、【格闘術】と言うスキルがあったとして、それを人を一度も殴ったこともない、格闘のかの字も知らないような者が取得したらその者は何の躊躇もなく他人をそのスキルで殴れますか?』

 

それは……無理じゃない?多分だけど…上手く使えない、と、思…う?

 

『そういう事です。ズレはいつでも自身に最悪を招きます。だからこそスキルを取得した後はズレの確認と矯正が必要なんですよ。さ、地上に出ますよ。まずはひたすらまっすぐです』

 

まるで自身が体験したような、どこか悲しそうな声からいつもの声に戻った案内人さんに従い、私は地上に向けて移動し始めた。

その言葉を忘れないようにしよう、そう思いながら。

 

 

 

 

 

[藤原玲香]

種族:蝙蝠(???)

二つ名:なし

パッシブスキル:【暗視】【飛行】【吸血】【超音波】

 

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