ブルーアーカイブの世界で最高のエンディングを目指したい!   作:熱いマルゥ!

33 / 41
26話 束の間の休息

 

 

 

 

ポチ「……戻ってきたんですね。エマは無事でしたか?」

 

樂「ああ。医学部に任せた。俺も、すぐ治療を受ける。アンタもさっさと治療を受けた方がいい。」

 

ポチの腹に、ナイフぶっ刺しちゃったし……殺すつもり無いって言ったけど、割と殺意高いことしてんな。

 

ポチ「ええ、後で行きますよ。傷は全て神秘で補強していますから、今は大丈夫です。」

 

――バナナー♪バナナー?YO!バナナー♪

 

樂「んあ、電話か。」

 

ポチ「……なかなか個性的な着信音ですね。」

なんでそんな着信音キモいんですか…。

 

相手は……ホシノか。

周囲の音だけがやけに遠い。

 

ポチも何も言わず、少しだけ視線を外している。

 

――バナナー♪バナナー?YO!バナ…

 

樂「……」

 

一瞬、出るのを躊躇ったが通話ボタンを押した。

 

樂「もしもし」

 

ホシノ『……もしもし、樂、だよね』

 

声が少しだけ固い。

いつもの気だるさはあるのに、その奥に“詰まった何か”が混じっている。

 

 

 

ホシノ『その……』

 

一拍、空く。

その沈黙が、さっきの戦闘より重かった。

 

ホシノ『なんだろ……怒ってるとかじゃなくてさ』

ホシノ『心配した、って言うのが一番近いかも』

 

樂「……」

 

ポチがほんの少しだけ距離を取る。重い空気を感じとったのか。

 

ホシノ『きっと…樂も色々背負ってたんだよね?私よりもずっと重いものを』

ホシノ『謝りたかったの。ごめんなさい。』

 

また沈黙。

樂は視線を落とす。

自分の指先が、妙に冷たい。

 

樂「……俺も、悪かった。ごめんホシノ。」

 

ホシノ『…うん』

 

一度息を吐く。

ここで逃げるのは簡単だった。でも今回は逃げない。

 

樂「一人で出ていったことも」

樂「ホシノの気持ち、考えなかったことも」

 

ホシノ『……』

ホシノ『うん』

 

短い返事なのに、責めてこないのが逆に刺さる。

 

樂「だから、もう少し待ってて欲しい。」

樂「……。」

 

ホシノ『……ずっと待ってるよ。頑張って、樂。』

 

樂「……ありがとうホシノ。」

やっぱりホシノは優しいな。

 

樂「そうだ…今さっき戦ってた奴が目の前に居るんだよね。名前はポチって言うらしいぜ。可愛いだろ?」

 

ホシノ『……樂?』

 

ポチ「私を巻き込まないで下さい。はぁ…お腹が痛くなってきました…。」

 

樂「……マジですまんかった。」

 

ポチ「別に構いませんよ。先に仕掛けたは私ですから。それに、貴方の方が酷いでしょう?」

 

ホシノ『…樂?私、そっち行くよ。早く場所教えて。』

 

樂「……俺が圧勝したから!ホシノは来なくて平気平気!それにもう分からせたからさ!」

 

ポチ「………。」

私が分からさせたのですか。逆では…?

 

ホシノ『怪我は?』

 

樂「…治療待ち。」

 

ホシノ『……何かあったら言ってね。直ぐに行くから。本当に』

 

樂「ああ、困ったら俺から電話するよ。」

 

ホシノ『……ならいい』

ホシノ『ほんとに、困ったらちゃんと言って』

 

樂「ああ。」

 

一拍。

ホシノはそれ以上何も言わない。

 

ホシノ『……じゃあね』

 

通話が切れた。

静かになる。

 

ポチがようやく息を吐いた。

 

ポチ「彼女、すごい圧でしたね。」

 

樂「アンタほどの奴が言うならそうだな。」

 

ポチ「…絶対に関わりたくないタイプです」

 

――暫くして。

 

 

樂「……そうだ。お前に聞きたいことがあるんだ。雷帝について、何か言える事はないか?」

 

ポチ「…私から話す事なんてないですよ。」

 

樂「ですよねー。」

 

空気が張り詰められる。

 

ポチ「いずれ貴方は、君主と戦うことになるでしょう。」

 

 

ポチ「その時は……いえ、これ以上は辞めておきます。」 

 

 

樂「もったいぶるズラねぇ…?」

 

ポチ「ふふっ…私は行きますね。」

 

 

ベンチからゆっくりと腰を上げ、何処かに行ってしまった。

 

樂「怖い、怖い」

 

 

俺は治療受けに行こ

 

――医学部のベッドにて…。

 

樂「異空間の扉かぁ…。」

 

ポチ公の能力。異空間に扉を開き、2つの次元を行き来する。移動、物量のゴリ押し、やろうと思えば扉で切断も出来るだろう。

 

樂「それが、エマと俺も近いような事は出来た…。」

 

…エマと俺は次元を開く事が出来た。もっとも、ポチの能力があってこそだが。

 

樂「……。」

 

ナイフを使えばまた開けるかもしれない。だが、それは俺自身の力ではない。きっと雷帝には通用しないだろう。

 

樂「必殺技…か…。」

俺だけのオリジナルな必殺技があれば、それこそが雷帝に届き得る刃になる。

 

樂「なんつって、そう簡単に出来ないよなー。」

このタイミングでも、雷帝の刺客は来るかもしれない。ならば、今は体を一秒でも休めよう。

 

始刻刀「……。」

 

 

 

 

――別の部屋にて。

 

 

エマ「あーん!」

 

ヒナ「美味しい?プリン。」

 

エマ「上手し!やっぱ、ヒナたその選ぶプリンは最高だよ。」

 

 

ヒナ「よかった。消費期限切れてて、捨てるか迷ったのよ。」

 

エマ「ヒナさん。私、実は病人なんです。」

 

嘘だろこの悪魔。それ言われない方が幸せだったかも

 

ヒナ「はい、あーん。」

 

エマ「美味しいから…まあ、いいか。」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。